この記事では、事務職の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点で解説します。職務要約・業務内容・自己PRのセクション別の例文と、書類選考で落とされやすいNG表現の改善法を一般事務・営業事務・経理事務別に紹介します。
採用担当者が職務経歴書で最初に確認する3か所
採用担当者が1通の職務経歴書にかける最初の確認時間は、平均30〜60秒程度です。その短い時間で「この人に会いたい」と思わせるには、採用担当者が必ず目を通す3か所を意識した構成が不可欠です。
① 職務要約:最初の30秒で印象が決まる
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く200〜250文字程度の要約文です。採用担当者はここで「何をやってきた人か」を把握してから本文に進みます。
職務要約が曖昧だと、残りのページを丁寧に読んでもらえないまま次の候補者に進まれます。「いつ・どこで・何を担当した人か」が一文で伝わることが職務要約の最低ラインです。
採用担当者はここを見ている
- 「この人の専門領域は何か」が一文でわかるか
- 経験年数・業務規模・ポジションが明記されているか
- 応募ポジションと関連する経験が冒頭で触れられているか
② 業務内容:「何をした」ではなく「どう貢献したか」
業務内容欄に「電話対応、来客対応、データ入力、書類作成」と羅列するだけでは、採用担当者の判断材料になりません。
「月200件の問い合わせ対応を一人で担当」「請求書処理を毎月100件以上処理」のように量・頻度・責任範囲を添えると、同じ業務経験でも評価が変わります。採用担当者は「この人が入社したらどれくらい動けるか」を業務内容から推測しているためです。
③ 自己PR:「責任感があります」が落とされる本当の理由
事務職の自己PRで頻繁に見られる「責任感があります」「コツコツ取り組めます」は、採用担当者にとって判断材料になりません。どんな場面で、どのような行動をとったかという具体的なエピソードがなければ、主観の羅列になってしまいます。
採用担当者が自己PRで確認したいのは「この人が入社後にどんな動き方をするか」の予測です。「〜な状況で〜という行動をとった結果、〜につながった」という構造で書くことが、書類通過への近道です。
書く前にやるべき「経験の棚卸し」
職務経歴書で最も多い失敗は「書きながら考える」ことです。まず自分の経験を整理してから書き始めると、内容に一貫性が生まれ、採用担当者に伝わりやすい書類になります。
業務量・範囲・頻度を数値に落とし込む
事務職は営業職と違い「数字で表せる実績がない」と感じやすい仕事です。しかし業務の中には数値化できる要素が必ずあります。以下の観点で過去の業務を振り返ってみてください。
| 棚卸しの観点 | 数値化の例 |
|---|---|
| 量・件数 | 月200件の問い合わせ、週50件の発注処理 |
| 頻度・期間 | 毎月末の請求書処理、3年間継続して担当 |
| 担当範囲 | 3部門の庶務業務を一人でカバー |
| スピード改善 | 処理時間を半分に短縮(1件10分→5分) |
| 担当規模 | 社員60名分の勤怠管理、来訪者1日平均20名の対応 |
実績がなくても使える「貢献の言語化」3ステップ
数字が出しにくい場合でも、以下の3ステップで経験を言語化できます。
- Step1 業務の課題を思い出す:「当時、何が非効率だったか・何が困っていたか」を言語化する
- Step2 自分がとった行動を書き出す:「課題に対してどんな工夫・改善・提案をしたか」を具体的に記録する
- Step3 その結果・評価を添える:「上司・同僚からの評価」「業務への好影響」「自分が得たスキル」をセットで記す
「特別なことは何もしていない」と感じても、ルーティン業務を正確・迅速に続けてきた事実そのものが、事務職においては重要な実力の証明になります。
セクション別の書き方と例文(一般事務編)
ここでは一般事務職を例に、職務経歴書の各セクションの書き方と具体的な例文を紹介します。
職務要約の書き方と例文
職務要約は「いつ・どこで・何を担当した人か」を250文字以内にまとめます。書類の第一印象を決める部分なので、応募先の業種・職種に合わせた表現で書くことが大切です。
良い例文(職務要約)
食品メーカーにて3年間、総務部門の一般事務を担当しました。社員60名の勤怠管理・交通費精算・来客対応を主な業務とし、月次の請求書処理(月平均80件)も一人で担当。Excelを活用した業務フォーマットの整備に取り組み、請求書処理の所要時間を月4時間短縮しました。正確さとスピードを兼ね備えた事務処理と、主体的な業務改善を強みとしています。
NG例
食品メーカーにて事務を担当していました。電話対応や書類作成などさまざまな業務を行いました。「さまざまな業務」は何も伝えていない。業務内容の具体性がゼロで、採用担当者は次の候補者へ進んでしまいます。
業務内容の書き方と例文
業務内容は箇条書きで記載するのが一般的です。単純な業務名の列挙に終わらせず、業務の規模・頻度・工夫した点を一言添えると評価が変わります。
良い例文(業務内容)
- 電話・メール対応(1日平均40〜50件)、取引先・来客の一次対応
- 請求書・領収書の発行・管理(月80〜100件)、会計ソフトへの入力
- 社員60名分の勤怠管理・有給残高集計(Excel・人事システム使用)
- 備品・消耗品の在庫管理・発注(月次コスト削減提案により年間3万円の経費削減に貢献)
- Excelで業務フォーマットを整備し、新入社員が1週間で業務を習得できる引継ぎマニュアルを作成
NG例
- 電話対応
- 書類作成
- データ入力
業務名だけを並べると「新卒と区別がつかない」書類になります。経験者として応募する場合は、規模・頻度・工夫の記載が必須です。
活かせるスキル・資格欄の書き方
スキル欄はPC操作・ビジネスツール・資格の3軸で整理します。Excelの「使えます」だけでは不十分で、具体的な使用経験(ピボットテーブル・VLOOKUP・マクロなど)まで記載すると採用担当者の判断がしやすくなります。
| スキル種別 | 記載例 |
|---|---|
| PCスキル | Excel(VLOOKUP・SUMIF・ピボットテーブル)、Word(差し込み印刷)、PowerPoint(資料作成) |
| 業務ツール | 弥生会計・freee・kintone・Salesforce など使用経験があるものを記載 |
| 資格 | 日商簿記2級(20XX年取得)、MOS Excel一般(20XX年)など正式名称で記載 |
スキル・資格欄の詳しい書き方は、こちらの記事も参考にしてください。

自己PRの書き方と例文
自己PRは「強み」「それを裏付けるエピソード」「入社後の活かし方」の3要素で構成します。200〜300文字を目安に、具体性のある内容でまとめてください。
良い例文(自己PR)
業務改善に積極的に取り組む姿勢を強みとしています。前職では請求書処理に毎月8時間かかっていた作業を、ExcelのVLOOKUP関数を活用したフォーマットを自作することで4時間に短縮しました。この取り組みが部門全体に展開され、3名分の業務効率化につながりました。貴社においても現状の課題を早期に把握し、スムーズな業務運営に貢献できます。
NG例
責任感があり、何事にも真剣に取り組みます。チームワークを大切にしており、職場の雰囲気づくりにも貢献してきました。抽象的な性格説明のみで具体的なエピソードがゼロです。採用担当者は「全員こう書いてくる」と感じます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →営業事務・経理事務のパターン別例文
事務職にはさまざまな種類があり、それぞれ採用担当者が重視するポイントが異なります。自分の職種に合った書き方で差別化しましょう。
営業事務の例文と採用担当者が見るポイント
営業事務では「営業担当者をどれだけサポートし、売上に貢献したか」が評価の軸になります。単純な事務処理能力だけでなく、営業チームとの連携力・顧客対応力も重要です。
採用担当者はここを見ている
- 受発注・見積書・納品書などの書類処理件数と正確さ
- 営業担当と顧客・取引先の橋渡し役としての対応経験
- SFA・CRMツールの使用経験(Salesforce、kintone など)
良い例文(営業事務・業務内容)
- 営業担当5名のアシスタントとして見積書・発注書・請求書を作成(月150件以上)
- 取引先からの問い合わせ一次対応(電話・メール 1日平均30件)、クレーム時の営業担当への迅速な引き継ぎ
- Salesforce への顧客情報・案件進捗データ入力・更新管理
- 月次売上実績の Excel 集計、営業会議用資料の作成(PowerPoint)
経理事務の例文と採用担当者が見るポイント
経理事務では数字の正確さと会計知識が最重要です。使用ソフト・担当した業務の範囲・簿記資格の有無を明確に記載してください。
採用担当者はここを見ている
- 月次・年次決算補助の経験の有無と担当範囲
- 使用している会計ソフト(弥生・freee・SAP・勘定奉行など)
- 簿記資格の有無(日商簿記2〜3級が評価対象になることが多い)
良い例文(経理事務・業務内容)
- 売掛金・買掛金の管理および入金・支払い消込(月100件以上)
- 弥生会計を使用した仕訳入力・帳簿作成(日次処理)
- 月次決算補助(試算表作成、仕訳の照合・チェック)
- 経費精算システム(楽楽精算)の管理・社内マニュアル作成
「書くことがない」を解決する実績の言語化法
事務職で転職する方の多くが直面するのが「実績がない」という壁です。採用担当者が求めているのは、必ずしも数字で証明できる大きな成果だけではありません。
数字がなくても通る表現の作り方
数字がなくても採用担当者に伝わる実績の書き方があります。以下の表現パターンで書き換えてみてください。
| NG表現 | OK表現 |
|---|---|
| 「書類作成を行った」 | 「社内規定に基づき正確な書類作成を継続(4年間ゼロミスを維持)」 |
| 「電話対応をした」 | 「担当者不在時の顧客対応を一次受けし、折り返し漏れを防ぐフロー構築に貢献」 |
| 「データ入力を担当した」 | 「入力ミスをなくすためのチェックリストを自作し、チーム全体に展開」 |
数字がゼロでも通過する職務経歴書の書き方は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

業務改善・効率化をアピールに変える方法
採用担当者が最も評価するエピソードのひとつが「業務改善・効率化への取り組み」です。大きな改善でなくてもかまいません。
- Excel の関数・マクロを使って処理時間を短縮した
- 引継ぎマニュアルを整備して後任者の習得期間を短縮した
- ファイルの命名規則を整理してチーム全員が探しやすくなった
- 定型メールのテンプレートを作成して返信時間を短縮した
「何を課題と感じて、どう解決したか」という文脈で書くと、採用担当者に主体性が伝わります。こうした小さな改善こそが、事務職での差別化につながります。
採用担当者はここを見ている
- 「言われたことをやるだけ」ではなく、自分から動ける人かどうか
- 問題意識を持ち、改善提案ができる主体性があるかどうか
- IT リテラシー(Excel やツールを活用して効率化できるか)
未経験・ブランクありの職務経歴書の対処法
事務職への転職で多いのが「未経験での挑戦」と「育児・介護によるブランク」です。それぞれの状況に合わせた書き方があります。
未経験から事務職を目指す場合
事務職未経験の場合、直接的な業務経験に代わるものを職務経歴書で補う必要があります。採用担当者が未経験者に期待しているのは「ポテンシャル」と「入社後の活躍イメージ」です。
- PCスキルを具体的に記載する:Excel の関数・Word の文書作成など、使えるスキルを証明できる内容を記載する
- 他職種での事務的業務を拾い上げる:接客・販売・製造など他業種でも、書類作成・データ入力・電話対応の経験があれば記載する
- 取得済みの資格をアピールする:日商簿記・MOS・秘書検定などは未経験でも評価される。「現在勉強中」の資格も記載できる
良い例文(自己PR・未経験者)
前職は販売職でしたが、日次の在庫管理・発注処理・売上集計を Excel で担当してきました。独学で VLOOKUP・IF 関数を習得し、在庫表の自動化に取り組んだ経験があります。現在、日商簿記3級を取得済みで、2級に向けて勉強中です。これまで培った数字への正確さと業務改善への積極的な姿勢を、事務職の現場で活かしたいと考えています。
育児・介護のブランクがある場合
ブランク期間を職務経歴書に記載する場合、空白を隠そうとするのではなく、ブランク中に何をしていたかを正直に記載する方が採用担当者の評価は高まります。
- 「20XX年〇月〜20XX年〇月 育児のため休業」と期間と理由を明記する
- ブランク中に取得した資格・学習内容があれば記載する(例:「この期間中に日商簿記2級を取得」)
- 現在は就業可能な状態であることを自己 PR や本人希望欄で伝える
長いブランクがある場合の職務経歴書の書き方については、こちらも参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者が最初に確認するのは「職務要約・業務内容・自己PR」の3か所
- 業務内容は名称の羅列ではなく、量・頻度・工夫を添えて具体的に記載する
- 実績がない場合は「業務への向き合い方・改善の取り組み」で差別化できる
- 未経験・ブランクがある場合は PCスキル・資格・他職種での事務的経験をアピールする
- 職種(営業事務・経理事務など)に応じたポイントを押さえると評価が変わる
職務経歴書の作成に行き詰まった場合は、自動作成ツールで構成の骨格を作ってから内容を自分の言葉で書き直す方法も有効です。

事務職の職務経歴書に関するよくある質問
- 事務職の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が一般的です。経験が浅い場合は1枚、複数社の経験がある場合や専門スキルが多い場合は2枚にまとめます。3枚以上になる場合は、関連性の低い業務を削って読みやすく整理してください。採用担当者が短時間で読める量に収めることが重要です。
- 事務職の自己PRで数字を使った実績が書けません。どうすればいいですか?
-
数字がなくても、業務への取り組み方・改善の工夫・正確さを維持した期間などで補えます。「4年間ゼロミスを維持」「引継ぎマニュアルを作成して後任者の習得期間を短縮」のように、行動と結果をセットで書くと採用担当者に伝わります。数字で証明できなくても、具体的なエピソードがあれば書類選考を通過できます。
- 履歴書と職務経歴書の両方を求められた場合、内容はかぶっても大丈夫ですか?
-
同じ経験をベースにしている場合でも、書き方の視点を変えることで重複感を防げます。履歴書は「これまでやってきたことの証明」、職務経歴書は「業務の詳細と自己PR」と役割が異なります。同じエピソードを使う場合でも、視点と結論を変えて書くと採用担当者に矛盾感が生まれません。
- 事務職未経験でも職務経歴書を書く必要がありますか?
-
未経験でも職務経歴書の提出を求める企業がほとんどです。事務職未経験の場合は、直接的な業務経験の代わりに PCスキル・取得資格・他職種での事務的業務(書類作成・データ入力・電話対応など)を記載します。これまでの経験の中から事務職に活かせる要素を洗い出し、「なぜ事務職を目指すのか」を自己PRで明確に伝えることが重要です。


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