この記事では、保育士の再就職を目指す方に向けて、履歴書の書き方を採用担当者目線で解説します。ブランク期間の正しい書き方から、志望動機・自己PRの状況別例文まで網羅しています。育児・介護・疾病など理由別の対策もわかります。
保育士の再就職履歴書|採用担当者はここを最初に確認する
保育士の有効求人倍率は3.88倍(2026年最新)で、多くの保育園が人材不足に悩んでいます。全国の保育士登録者約185万人のうち、実際に保育の現場で働いているのは約115万人程度とされており、残りの約70万人は資格を持ちながら保育士として働いていない潜在保育士の状態にあります。
つまり、採用する側は「再就職者を積極的に採りたい」という状況にあります。それでも書類選考で落ちてしまう再就職者が多いのは、ブランクが長いからではなく、書き方に原因があることがほとんどです。
書類選考を通過できる履歴書と落とされる履歴書の違い
採用担当者が書類選考で30秒〜1分で確認しているのは、次の3点です。
- ブランクの理由と長さが一致しているか:退職から現在まで何年空いており、その理由が誠実に書かれているか
- 保育士としての具体的な経験値:担当クラス・年齢・園児人数・役割など、現場経験がイメージできるか
- この園を選んだ理由の具体性:どの園にでも送れる使い回しの文章でないか
反対に、書類選考で落とされやすい履歴書には共通パターンがあります。「保育士として勤務」だけの職歴欄、説明のないブランク期間、「子どもが好きだから」で終わる志望動機——これらは採用担当者に「面接で聞くことがない」と判断されます。
ブランクより採用担当者が重視している3つのポイント
採用担当者はブランクを「不採用の理由」として見ているのではありません。「この人が今、再就職を選んだ経緯を理解したい」という視点で見ています。聞かれているのはブランクの長さではなく、「なぜ離れ、なぜ今戻るのか」の一貫性です。
採用担当者はここを見ている
- ブランクが5年あっても、担任経験・クラス規模・対応経験が明確に書かれていれば通過させる
- 「なぜ今、この園なのか」という理由がない履歴書は、面接に呼ぶ理由が見当たらない
- 書類選考で判断するのは「採用するか」ではなく「面接に呼ぶか」。会いたいと思わせれば通過できる
保育士の再就職で差がつく|職歴欄の書き方
学歴欄の書き方は一般的な履歴書と同じですが、再就職保育士の書類で差がつくのは職歴欄です。職歴欄は「どこで働いたか」を記録する欄ではなく、「どんな保育士だったか」を採用担当者に伝える欄です。
職歴欄で差をつける3つの記載ポイント
以下の3点を意識するだけで、他の再就職者の履歴書と明確に差がつきます。
- 数字で伝える:担当クラスの年齢・園児人数を必ず数字で書く。「幼児クラスの担任をしていた」より「4・5歳児クラス担任(園児24名)」の方が採用担当者にとって格段にイメージしやすい
- 役割を明示する:担任・副担任・フリー保育士・障害児専任サポートなど、自分の役割を具体的に書く。同じ「保育士」でも役割が違えばキャリアの中身がまったく異なる
- 在籍施設の種別・規模を添える:「認可保育所(定員120名)」「小規模保育事業所(定員15名)」など一言添えると、どんな環境でキャリアを積んだかが応募先に伝わる
| 記載項目 | NGの書き方 | 良い書き方 |
|---|---|---|
| 職務内容 | 保育士として勤務 | 3・4歳児クラス担任(園児24名)として保育業務全般に従事。延長保育・行事計画も担当 |
| 施設情報 | ○○保育園 | 社会福祉法人○○会 ○○保育園(認可保育所・定員90名) |
| 役割 | 保育士 | フリー保育士として全クラス補助、特別な支援が必要な園児の個別サポートを担当 |
ブランク期間を職歴欄に正しく書く方法
職歴欄に「育児中」「介護中」などブランク期間を書く必要はありません。基本ルールは、最後の職場の退職を記載して「以上」で締めること。ブランクの説明は志望動機や自己PRの欄で行います。
NG例(こう書いてはいけない)
20XX年3月 ○○保育園 退職
20XX年4月〜20XX年9月 育児のため空白(←この記載は不要)
20XX年10月 現在に至る
良い例(職歴欄の記載例)
20XX年4月 社会福祉法人○○会 ○○保育園 入職
担当:3・4歳児クラス担任(園児24名)、延長保育担当
施設:認可保育所、定員90名
20XX年3月 一身上の都合により退職
以上
ブランク中に保育関連の資格を取得した場合は資格欄に記載します。子育て支援ボランティアへの参加や保育系研修の受講は、職歴欄ではなく志望動機・自己PRで触れる形が自然です。
履歴書のフォーマット選びに迷っている方は、保育士・医療福祉職向けの履歴書テンプレートの選び方も参考にしてください。

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採用担当者がブランクをどう評価しているか(本音)
全国の保育士登録者約185万人のうち、実際に就業しているのは約115万人(2023年こども家庭庁調査)とされており、残りの約70万人は「潜在保育士」として資格を持ちながら現場を離れた状態にあります。保育現場の採用担当者の多くは「ブランクのある保育士でも、意欲さえあれば採用したい」という考えを持っています。現場は常に人手不足であり、再就職者を受け入れる体制を整えている保育園も増えています。
採用担当者を不安にさせるのはブランクの長さではなく、「説明のない空白」です。育児でも介護でも、理由を誠実に書くことが最大の対策になります。一方で、過度に謝罪するような書き方は「後ろ向きな印象」を与えるため避けるべきです。
理由別の書き方パターン4選
ブランクの理由ごとに、志望動機・自己PRへの反映のしかたが異なります。自分の状況に合ったパターンを参考にしてください。
| ブランクの理由 | 書き方のポイント | 避けるべきNG表現 |
|---|---|---|
| 育児(産休・育休後退職) | 育児を通じて得た「保護者目線」を強みとして前向きに書く | 「やむを得ず退職しました」だけで終わらせる |
| 家族の介護 | 家族の状態が安定したため再就職できる旨を自然に伝える。介護の詳細は書かない | 介護の詳細・医療情報を詳しく書きすぎる |
| 疾病・療養 | 「現在は通常勤務に支障なく、医師からも就労許可をいただいています」と明記する | 病名・症状・入院期間など詳細を書く |
| 休養・本人都合 | 「心身を整える期間を経て、保育への意欲が改めて高まりました」と前向きに書く | 「特に理由はなく休んでいた」という印象を与える表現 |
再就職保育士の志望動機の書き方と例文
採用担当者が「呼んでみたい」と感じる志望動機の3要素
採用担当者が「面接に呼びたい」と感じる志望動機には、必ず次の3つが揃っています。
- ① なぜ保育士に戻るのか:ブランクを経て、なぜ今再就職を決意したのか。再就職の動機が明確に書かれているか
- ② なぜこの園なのか:他の保育園ではなくこの園を選んだ理由。保育方針・理念・取り組みへの具体的な共感が書かれているか
- ③ どう貢献したいか:この園でどんな保育士として働きたいか。経験や強みと園の方針が結びついているか
この3要素が揃っていない志望動機は「どの園にでも送れる使い回し」になります。特に3つ目の「貢献意欲」まで書くことで、採用担当者に「この人は本気でうちに来たいんだ」という印象を与えられます。
状況別|志望動機例文3パターン
良い例文(育児後の再就職)
「第一子の出産を機に前職を退職し、3年間育児に専念してまいりました。子育てを通じて、保育士として働いていたころとは異なる『保護者としての視点』を得ることができ、改めて保育の仕事に携わりたいという思いが強くなりました。貴園は保護者との対話を大切にする保育方針を掲げており、私が育児で学んだ保護者目線を活かして信頼関係づくりに貢献できると考え、志望いたしました。」
良い例文(地元Uターン・介護明けの再就職)
「父の介護のため2年前に帰省し、前職を退職しました。父の状態が安定し、地元での就業を検討するにあたり、保育士として再び現場に立ちたいという気持ちが高まりました。貴園の0〜2歳の乳児保育に力を入れている取り組みに関心を持ち、以前は幼児クラスを担当しておりましたが、今後は乳児保育での経験も積みたいと考えております。復職前には乳幼児発達の研修にも参加し、現場復帰への準備を進めています。」
良い例文(疾病療養からの復帰)
「体調を崩したため前職を退職し、1年半の療養期間を経て完全に回復いたしました。現在は通常勤務に支障なく、医師からも就労の許可をいただいております。療養中は保育関連の書籍を読み直したり、保育士向けのオンライン研修に参加したりと、現場復帰への準備を続けてまいりました。貴園の小規模・アットホームな環境での保育方針に共感し、以前培った乳児保育の経験を活かしたいと志望いたしました。」
採用担当者が思わず落としてしまう志望動機のNG例
NG例
「子どもが大好きで、保育士の仕事に情熱があります。貴園でも頑張りたいと思います(←どこでも送れる使い回し)。ブランクがありますが、一日も早く戦力になれるよう努力いたします。」
この志望動機の問題点:①この園を選んだ理由が一切ない、②ブランクを「謝罪」で処理している、③貢献意欲が「努力します」という曖昧な表現に終わっている。採用担当者から「この文章は他の園にも全く同じ内容で送っているな」と判断されます。
再就職保育士の自己PRの書き方と例文
「保護者目線」という再就職者ならではの強み
再就職保育士が現役保育士や新卒者に対して持つ最大の強みは「保護者目線」です。育児経験・介護経験を通じて「サービスを受ける側の気持ち」を実体験として持っている点は、ブランクなしで働き続けてきた保育士にはなかなか持ちにくい視点です。
保育士として大切な仕事のひとつは保護者との信頼関係づくりです。自分自身が子育ての不安を経験した保育士、または家族の介護を経験した保育士は「話しやすい」と感じてもらいやすく、保護者との関係構築において強みを発揮できます。
採用担当者が再就職保育士を評価するポイント
- 育児経験・介護経験から得た「保護者や家族の視点」を保育に活かせるか
- ブランク前の経験を具体的な数字(担当クラス・年齢・人数)で語れるか
- ブランク中に何かしらの学びや準備があるか(資格取得・研修・ボランティアなど)
状況別|自己PR例文2パターン
良い例文(育児ブランクあり)
「保育士として6年間(3〜5歳クラス担任・副担任)勤務後、第一子出産を機に退職し、3年間育児に専念しました。育児を通じて『保護者はどんな言葉に安心するか』『子育ての不安はどんな瞬間に生まれるか』を実体験として学びました。保育士の立場からだけでは気づきにくかった視点が加わり、以前より保護者との信頼関係構築に自信を持って取り組めると感じています。子育て支援センターへのボランティア参加を通じて、現場復帰に向けた準備も続けております。」
良い例文(介護ブランクあり)
「前職では7年間、認可保育所にて0〜3歳クラスの担任を務め、食物アレルギーを持つ園児の対応や保護者向け離乳食講座の運営も担当しました。2年前より母の介護に専念するため退職しましたが、現在は母の状態も安定し、保育の現場に戻ることを決意しました。介護の経験を通じて『その人が今何を必要としているか』を先回りして考える習慣が身につきました。この姿勢は乳幼児の観察や保護者との関わりにも活かせると考えております。」
ブランク期間のある職歴の書き方をより詳しく知りたい方は、同じ医療・福祉職向けの看護師のブランクありの職務経歴書の書き方も参考になります。

資格欄・本人希望欄の書き方
職歴欄・志望動機の書き方が決まったら、資格欄と本人希望欄も確認しましょう。どちらも採用担当者が必ず目を通す欄です。
資格欄の正しい記載方法
保育士の資格欄は正式名称で記載します。「保育士資格」「保育士免許」ではなく、「保育士」が正式名称です。取得年月とあわせて記載します。
| 資格名 | 記載方法 |
|---|---|
| 保育士 | 保育士(20XX年○月取得) |
| 幼稚園教諭(一種) | 幼稚園教諭一種免許状(20XX年3月取得) |
| 幼稚園教諭(二種) | 幼稚園教諭二種免許状(20XX年3月取得) |
| 普通自動車運転免許 | 普通自動車第一種運転免許(20XX年取得) |
幼稚園教諭免許状は2022年7月の制度改正により更新制が廃止されました。以前取得した免許状は有効期限なくそのまま使用できます。長期ブランクがある場合でも、取得済みの免許状の効力に変わりはありません。
本人希望欄の書き方(育児中・介護中のケース)
本人希望欄は空欄にしないのが基本です。育児中・介護中の方は状況を正直に書いた上で「対応できる範囲」も添えることで、採用担当者の不安を軽減できます。
良い例文(育児中の本人希望欄)
「子育て中のため、土曜日の出勤は月1〜2回まで対応可能です。平日9時〜17時の勤務を希望しますが、シフトについては園のご都合に合わせてご相談させてください。」
NG例(避けるべき本人希望欄)
「土日休み希望・残業なし・時間外対応不可。」←条件だけ並べると採用担当者に「融通が利かない」という印象を与えます。希望がある場合は「相談できる余地がある」旨を一言添えるだけで印象が大きく変わります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
保育士の再就職における履歴書で最も大切なのは、ブランクを「弁解」するのではなく、「文脈として誠実に伝える」ことです。採用担当者が書類選考で見ているのは、ブランクの長さではなく一貫性と具体性です。
- 採用担当者はブランクより「具体的な経験値」と「この園への本気度」を重視している
- 職歴欄は担当クラスの年齢・園児人数・役割を数字と言葉で具体的に書く
- ブランク期間は職歴欄には書かず、志望動機・自己PRで「なぜ離れ、なぜ戻るのか」を伝える
- 志望動機には「再就職の動機・この園を選んだ理由・貢献意欲」の3要素を盛り込む
- 育児・介護経験から得た「保護者目線」は再就職者ならではの強みとして積極的に書く
書類選考を通過した先には面接があります。履歴書に書いた内容は面接でそのまま質問されます。実体験に基づいた具体的なエピソードを履歴書に書いておくことで、面接の準備にもなります。
保育士の再就職と履歴書に関するよくある質問
- ブランクが5年以上あっても保育士として再就職できますか?
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保育士の有効求人倍率は3.88倍(2026年)で、保育現場の人手不足は続いています。ブランク5年以上でも採用されているケースは多く、特に幼児クラスの担任経験がある方は即戦力として評価される傾向があります。現場の変化(保育ソフトの導入・ICT化など)への対応意欲を履歴書に書くことで、採用担当者の不安を軽減できます。こども家庭庁が運営する保育士・保育所支援センターでは、復職前の研修も無料で受けられます(2025年10月より法定化)。
- 保育士の履歴書は手書きとPC作成のどちらがよいですか?
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どちらでも採用に直接影響はありませんが、保育士は連絡帳など手書き業務が多い職種のため、採用担当者が「丁寧な字が書けるか」を意識することがあります。手書きの場合は読みやすさを最優先に、PC作成の場合はフォントと書式を統一することが大切です。どちらを選ぶ場合も、誤字脱字と日付・元号の整合性は必ず確認してください。
- 育児中であることを履歴書に書いた方がいいですか?
-
本人希望欄に「子育て中のため、土曜勤務は月○回まで対応可能です」のように書くことは問題ありません。隠してしまうと入職後にトラブルになる可能性があるため、正直に書いた上で対応できる範囲も添えることが大切です。家族のサポート体制や保育施設の利用予定があれば、その旨も一言添えると採用担当者の不安が減ります。
- 短期間で辞めた職場も職歴欄に書く必要がありますか?
-
原則として、雇用保険に加入していた職場はすべて記載します。短期間の勤務歴は隠さず書き、退職理由を一行添えておく方が誠実な印象を与えます。「体調不良により退職」「家族の事情により退職」など正直な理由が一行あるだけで、採用担当者の見方は大きく変わります。記載漏れは入職後に発覚した場合、経歴詐称と見なされるリスクがあります。
- 復職前に保育士・保育所支援センターを利用した方がよいですか?
-
利用することをおすすめします。こども家庭庁が設置する「保育士・保育所支援センター」は全国72か所に設置されており、復職前の研修・就職相談を無料で提供しています(2025年10月より法定化)。研修を受けた事実は自己PRに「復職前に○○の研修を受講しました」と書くことができ、採用担当者に準備姿勢としてアピールできます。


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