この記事では、保育士の職務経歴書にキャリアアップ研修をどう書けば採用担当者に正しく評価されるかを、保有資格欄・職務経歴欄・自己PR欄それぞれの書き方と、役職別の具体的な例文で解説します。
キャリアアップ研修は職務経歴書に必ず書く
採用担当者がキャリアアップ研修修了者を求めている理由は、処遇改善等加算Ⅱの仕組みと直結しています。副主任保育士や専門リーダーには経験年数7年以上かつマネジメントを含む4分野の研修修了が条件になっており、この要件を満たす保育士は、入職後すぐにリーダー職として園の処遇改善計画に組み込むことができます。
採用担当者にとって研修修了者は「採用初日から役職手当の枠に入れられる人材」です。この点は、研修未修了の応募者との最大の差別化ポイントになります。
採用担当者はここを見ている
- 副主任保育士・専門リーダーへの就任要件を満たしているか(経験7年以上+マネジメント含む4分野修了)
- 担当してきた保育分野と修了した研修分野が一致しているか
- 研修で学んだことを現場でどう実践したか
書かないと損をするケース
研修修了の実績があっても職務経歴書に書かなければ、採用担当者はその事実を把握できません。書類選考では応募者の職歴・資格・スキルをまとめて判断するため、「受けているが書いていない」は「持っていない」と同じ扱いになるリスクがあります。
特に競争率の高い求人では、研修修了の記載があるかどうかだけで書類通過の可否が変わることがあります。面接まで進んでから伝えればよいと考えていると、書類段階での比較で後れを取ることになります。
職務経歴書のどこに書くか
保育士のキャリアアップ研修は、職務経歴書の3つのセクションに記載できます。それぞれの役割が異なるため、修了した分野数や現在の役職状況に応じて使い分けると、採用担当者に伝わりやすくなります。
| 記載欄 | 目的 |
|---|---|
| 保有資格・スキル欄 | 修了した研修の分野と年月を正確に一覧化する |
| 職務経歴欄 | 研修後の担当業務や実践成果を職歴と紐付ける |
| 自己PR欄 | 研修で培った専門性と現場での成長をストーリーで伝える |
保有資格・スキル欄への記載
最も基本となる記載場所です。採用担当者は書類を最初に見た時点で資格欄を確認し、リーダー役職の要件を判断します。以下の形式と原則を守るだけで、読みやすさが大きく変わります。
- 記載形式:「〇年〇月 保育士等キャリアアップ研修修了(分野名)」
- 複数分野はすべて個別に記載する(「複数分野修了」のまとめ書きは不可)
- 修了年月が古い順(昇順)に並べる
- 役職に就いている場合は修了分野の一覧の後に「現在:副主任保育士」などを追記する
良い記載例
2022年 9月 保育士等キャリアアップ研修修了(乳児保育)
2023年 3月 保育士等キャリアアップ研修修了(幼児教育)
2023年10月 保育士等キャリアアップ研修修了(食育・アレルギー対応)
現在:職務分野別リーダー(食育・アレルギー担当)
NG例
キャリアアップ研修修了(複数分野)
→ 分野名・修了年月がどちらも不明なため、採用担当者が役職要件を即座に判断できない。
職務経歴欄への組み込み方
職務経歴欄では「研修を受けた」事実だけでなく、「研修後に現場で何をしたか」まで書くことで採用担当者の評価が変わります。担当業務・クラス・人数などの具体的な情報とセットにすることが重要です。
職務経歴欄への組み込み例
「2023年10月に保育士等キャリアアップ研修(食育・アレルギー対応分野)を修了。修了後は園内の給食会議の運営を担当し、アレルギー対応マニュアルの見直しに中心的に関わりました。改訂後はアレルギー対応ミスが発生しなくなり、保護者からの信頼向上に貢献しました。」
自己PR欄での活かし方
自己PR欄は、研修で培った専門性をひとつのストーリーとして伝える場所です。複数の分野を修了している場合は、どの分野が現場でどう活きているかをまとめて書きます。
自己PR例文(副主任保育士候補の場合)
「乳児保育・幼児教育・障害児保育・マネジメントの4分野のキャリアアップ研修を修了し、現在は副主任保育士として担当クラスのリーダーを務めています。マネジメント研修で学んだ目標設定の手法を実践に応用し、月次の職員会議の進行を整備した結果、会議時間を30分短縮できました。次のステップとして、より多くのスタッフをサポートできるポジションを目指しています。」
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【役職別】キャリアアップ研修の書き方と例文
職務経歴書でのキャリアアップ研修の書き方は、現在の役職と修了した分野数によって最適な表現が変わります。自分の状況に合った書き方を選ぶことで、採用担当者に正確な情報を伝えられます。
職務分野別リーダー(1〜3分野修了)の書き方
職務分野別リーダーは経験年数おおむね3年以上・担当する分野の研修を1つ以上修了していることが就任条件です。処遇改善として月最大5,000円の加算があります。職歴が比較的浅い保育士でも研修修了でリーダー候補としてアピールできます。
| 役職 | 経験年数 | 研修修了分野数 | 処遇改善手当(上限) |
|---|---|---|---|
| 職務分野別リーダー | 3年以上 | 1分野以上 | 月5,000円 |
| 副主任保育士 | 7年以上 | マネジメント含む4分野以上 | 月40,000円 |
| 専門リーダー | 7年以上 | 4分野以上 | 月40,000円 |
職務分野別リーダーの記載例
【保有資格・スキル欄】
2024年5月 保育士等キャリアアップ研修修了(障害児保育)
現在:職務分野別リーダー(障害児担当)
【職務経歴欄(一部)】
「障害児保育のキャリアアップ研修修了後、クラス内の配慮が必要なお子さん3名の個別支援計画の作成を担当。保護者面談にも主担当として参加し、個別ニーズに応じた支援方針の立案に貢献しました。」
副主任保育士・専門リーダー(4分野以上修了)の書き方
経験年数7年以上で4分野の研修を修了した場合、副主任保育士または専門リーダーとして月最大4万円の処遇改善手当の対象になります。採用担当者にとっては「リーダーシップを発揮できるベテラン保育士」という明確なシグナルです。
この役職では、研修修了の事実に加えてリーダーとしての実績を職歴の中で具体的に書くことが重要です。担当人数・クラス数・具体的な成果を含めると採用担当者に伝わりやすくなります。
副主任保育士の記載例
【保有資格・スキル欄】
2020年 6月 保育士等キャリアアップ研修修了(乳児保育)
2021年 3月 保育士等キャリアアップ研修修了(幼児教育)
2022年 8月 保育士等キャリアアップ研修修了(マネジメント)
2023年 1月 保育士等キャリアアップ研修修了(保護者支援・子育て支援)
現在:副主任保育士
【自己PR(一部)】
「4分野のキャリアアップ研修修了後、副主任保育士として7名のスタッフのシフト管理と月次面談を担当しています。マネジメント研修で学んだリフレクション手法をOJTに応用し、新任保育士の定着率向上に貢献しました。」
役職未就任でも研修修了済みの場合
研修は修了しているが、勤務先の体制上まだ役職に就いていないケースは珍しくありません。園の定員規模や組織体制によって役職枠が限られることがあるためです。この場合も修了の事実は職務経歴書に必ず記載します。
採用担当者はここを見ている
- 役職未就任でも「修了している」という事実は正当に評価される
- 「園の規模や定員の関係で役職枠がなかった」という背景を添えると誠実な印象になる
- 「次の職場でリーダー職を担いたい」という意欲を自己PR欄で明示することで採用担当者の評価が変わる
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採用担当者に響く書き方の3つのコツ
コツ①:分野名と修了年月を必ず明記する
「保育士等キャリアアップ研修修了」とだけ書いた場合、採用担当者は「どの分野を・いつ修了したのか」を把握できません。書類を最初に見て10〜30秒で概要を判断する採用担当者にとって、分野名のない記載は処遇改善の要件判断ができない記述と同義です。
修了した分野ごとに「〇年〇月 保育士等キャリアアップ研修修了(分野名)」の形式で1行ずつ記載することで、役職要件を満たしているかどうかが採用担当者に即座に伝わります。
コツ②:現場での実践成果とセットにする
採用担当者が本当に見ているのは「研修を受けた事実」ではなく、「研修後に現場で何が変わったか」です。受講した知識をどの業務に・どのように活かして・結果どうなったかをひとつの文章にまとめると書類の評価は大きく変わります。
保育の現場では成果の数値化が難しいケースも多いですが、「保護者からのフィードバックが増えた」「後輩保育士の相談窓口になった」「アレルギー対応マニュアルを更新した」といった行動の変化も十分な実績として書けます。
コツ③:複数分野を修了した場合の書き順と優先順位
4分野以上修了している場合、副主任保育士や専門リーダーの要件(7年以上+マネジメント含む4分野)を満たすかどうかが採用担当者の関心事になります。
- 役職に就いている場合:修了済み分野の一覧の後に「現在:副主任保育士」と明記する
- 役職未就任の場合:「修了済み分野:〇〇・〇〇・マネジメントほか計4分野」と書くと一目で分かる
- マネジメント分野は副主任保育士の必須要件のため、修了している場合は特に目立つよう記載する
NG例と改善パターン
採用担当者が書類選考でNG判定しやすい書き方のパターンと、その改善例を示します。自分の職務経歴書と照らし合わせて確認してください。
NG例①:研修を「まとめ書き」にしている
【NG】各種資格・スキル:保育士免許、キャリアアップ研修修了(複数)
→ 分野名・修了年月・分野数がすべて不明。採用担当者はリーダー要件の充足状況を判断できない。
【改善後】
2022年 4月 保育士等キャリアアップ研修修了(乳児保育)
2023年 1月 保育士等キャリアアップ研修修了(食育・アレルギー対応)
2024年 3月 保育士等キャリアアップ研修修了(マネジメント)
NG例②:研修を「学んだこと」として書いてしまっている
【NG】「キャリアアップ研修を受講し、保育の知識を深めました。」
→ 何の分野か不明で、現場での活用が全く見えない。受講実績を「頑張った話」として終わらせてしまっている。
【改善後】
「2024年3月にマネジメント分野のキャリアアップ研修を修了。同年4月より副主任保育士として担当クラス3クラスのリーダー保育士6名と月1回の個別面談を実施し、各クラスの課題共有と目標設定をサポートしています。」
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- キャリアアップ研修の修了は処遇改善加算と直結し、採用担当者にとってリーダー採用の判断材料になる
- 保有資格欄には「分野名・修了年月」をセットで、修了した分野ごとに1行ずつ記載する
- 職務経歴欄・自己PR欄では「研修後に現場で何が変わったか」という実践成果を必ず添える
- 役職(副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダー)が確定している場合は役職名を明記する
- 役職未就任でも研修修了済みであれば記載し、自己PR欄でリーダー志望の意欲を伝える
職務経歴書の書き方に迷ったときは、職務経歴書の作成代行サービスを利用すると、採用担当者に伝わる形に仕上げることもできます。

保育士の職務経歴書でよくある質問
- 修了証がない場合、職務経歴書にキャリアアップ研修を書けますか?
-
修了証は、受講した園または研修実施機関に問い合わせることで再発行できるケースがほとんどです。修了の事実があれば記載できますが、面接時に修了証の提示を求められる場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
- 研修を受講中(未修了)の場合はどう書けばいいですか?
-
「〇年〇月受講予定(〇〇分野)」と記載し、修了見込みの状況を添えると誠実な印象になります。ただし修了前に「修了」と記載することは避けてください。受講中の段階では「受講中」と明記するのが正確です。
- 職務経歴書と履歴書の両方にキャリアアップ研修を書く必要がありますか?
-
両方に記載するのが基本です。履歴書の資格欄には分野と修了年月を一覧で簡潔に記載し、職務経歴書の保有資格欄や職務経歴欄でより詳しい実践内容を補足する形が採用担当者にとって最も読みやすい構成になります。
- 転職先の保育園でもキャリアアップ研修の修了は有効ですか?
-
有効です。キャリアアップ研修の修了証は全国共通で認められており、転職先の園でも役職要件の達成状況として扱われます。修了した分野と年月を職務経歴書に正確に記載しておくことで、転職先でもスムーズにリーダー職への就任を交渉できます。


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