この記事では、デザイナーが転職で使う職務経歴書のフォーマットと、採用担当者が書類選考で実際に確認しているポイントを解説します。職務要約・案件経歴・スキル欄それぞれの書き方に加え、グラフィック・Web・UI/UXの職種別例文も掲載します。「ポートフォリオがあれば職務経歴書は形式でいい」という考えは、書類選考で落とされる原因の一つです。採用担当者が職務経歴書とポートフォリオをどう使い分けているのか、実務に基づいた視点で解説します。
デザイナーの職務経歴書フォーマット|必須の4項目
職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、デザイナーの場合は職務要約・職務経歴・スキル・自己PRの4項目が基本構成です。採用担当者はこの4項目を通じて、「どんな現場で・どんな規模の案件を・どんな役割で担当したか」を確認します。
① 職務要約(200〜300文字)
職務要約はキャリア全体をコンパクトに伝えるセクションです。採用担当者が最初に目を通す箇所であり、続きを読むかどうかの判断材料になります。経験年数・担当職種・得意分野の3点を200〜300文字でまとめるのが目安です。
| 書くべき内容 | 例 |
|---|---|
| 経験年数と職種 | グラフィックデザイン歴5年 |
| 得意な案件ジャンル | パッケージ・販促物・Web広告バナー |
| 実績の概要 | 年間200点以上の制作物に関与 |
良い例文(職務要約)
広告制作会社で5年間グラフィックデザイナーとして勤務し、食品・化粧品・アパレルを中心に年間200点以上の販促物・パッケージデザインを担当しました。IllustratorおよびPhotoshopを主軸に、印刷・Web双方の制作に対応。クライアントへのデザイン提案から入稿データ作成まで一貫して対応できます。
② 職務経歴(案件・プロジェクト別)
職務経歴はデザイナーの職務経歴書の中で最もボリュームが必要なセクションです。会社単位だけで書くのではなく、案件・プロジェクト単位で記載すると、担当できる仕事の幅が伝わりやすくなります。
- クライアントの業種・担当案件名
- プロジェクト規模(チーム人数・制作点数・予算規模など)
- 自分の役割(単独制作か・ディレクション含むか・修正対応のみかなど)
- 成果・反響(売上貢献・クライアントの反応・再発注率など)
採用担当者がとくに確認するのは「案件の規模感」と「自分がどこまで関与したか」の2点です。同じグラフィックデザイナーでも、一人で全工程を担当するか、複数人のチームの一員として特定工程を担当するかでは、採用側が求める人材像が変わります。
③ スキル・使用ツール一覧
スキル欄ではソフトウェアの使用経験を記載しますが、ツール名を列挙するだけでは不十分です。「使用歴○年」や「業務レベル」などの習熟度を添えると、採用担当者が即戦力かどうかを判断しやすくなります。
| カテゴリ | ツール・スキル | レベル |
|---|---|---|
| グラフィック | Adobe Illustrator / Photoshop / InDesign | 業務使用歴5年以上 |
| Web | Figma / XD / HTML・CSS基礎 | 業務使用歴2年以上 |
| 動画・モーション | After Effects / Premiere Pro | 補助的使用 |
資格については、デザイン系(色彩検定・DTPエキスパートなど)があれば記載します。資格がない場合でも、スキル欄が充実していれば選考に影響することは少ないため、無理に資格を強調する必要はありません。
④ 自己PR
自己PRは「センスがあります」「デザインが好きです」といった抽象的な表現になりがちです。採用担当者が評価するのは、具体的な案件エピソードと、そこで発揮したスキル・思考プロセスです。「なぜそのデザインにしたか」という判断の根拠まで伝えると、他の応募者との差が生まれます。
良い例文(自己PR)
パッケージデザインにおいて、ターゲット層の購買行動を分析した上でビジュアルの方向性を決める進め方を一貫して実践しています。食品メーカーの新商品ローンチでは、競合他社の棚との差別化を意識したカラーリングを提案し、発売後3ヶ月で同カテゴリ内売上1位を達成しました。クライアントの課題を起点にデザインを組み立てる姿勢を強みとしています。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者がデザイナーの職務経歴書で確認する3つのポイント
ポートフォリオを持つデザイナーにとって、「職務経歴書はポートフォリオの添え状でいい」と考える方は少なくありません。しかし採用担当者は、職務経歴書とポートフォリオをまったく別の目的で確認しています。
採用担当者はここを見ている
- どんな現場で働いてきたか:代理店・制作会社・インハウスのどれかで求めるスキルセットが変わるため、職場環境の確認に使う
- どの規模の案件に慣れているか:月に数点の高単価案件なのか、大量制作をこなしてきたのかで、即戦力になるかどうかが変わる
- コミュニケーションと進行管理の経験:クライアントとのやり取り・修正対応・入稿管理まで自走できるかを職務経歴書で判断する
ポートフォリオは「何ができるか」を視覚的に示す資料ですが、職務経歴書は「どんな状況で・どれほどの規模で・どんな役割で仕事をしてきたか」を言語で証明する書類です。2つをセットで高水準に仕上げることが、書類通過率を上げる最短ルートです。
デザイナーの職務経歴書でやりがちなNG3パターン
競合記事の多くが「正しい書き方」だけを解説している中で、採用担当者が実際に落としているデザイナーの職務経歴書には、共通したパターンがあります。書き始める前に、以下の3点を確認してください。
NG① ソフト名だけ羅列してスキルとしている
NG例
スキル:Illustrator、Photoshop、InDesign、Figma、After Effects
これだけでは「インストールしたことがある」のか「毎日業務で使っている」のかが判断できません。採用担当者は即戦力として使えるかどうかを30秒以内に判断しようとするため、習熟度の記載がないスキル欄は評価対象から外れやすくなります。
良い例文
スキル:Adobe Illustrator(業務使用歴6年・入稿データ作成まで対応)、Photoshop(レタッチ・合成・バナー制作)、Figma(UI設計・プロトタイプ作成・エンジニア向けハンドオフ対応)
NG② 案件規模と自分の役割が書かれていない
NG例
〇〇食品株式会社向けにパッケージデザインを担当しました。
チーム人数・制作点数・自分が担ったスコープが不明なため、採用担当者は実力を判断できません。大手クライアントの案件でも、一人でデザインしたのか、大人数のチームの中で1工程を担当したのかでは、評価がまったく変わります。
良い例文
〇〇食品株式会社向けパッケージリニューアル(2名体制、10SKU)。コンセプトボードの作成からフィニッシュワークまでを一人で担当。リニューアル後3ヶ月で同カテゴリ売上前年比130%を達成。
NG③ 「ポートフォリオを見てください」で終わっている
ポートフォリオのURLを職務経歴書に記載すること自体は問題ありません。しかし職務経歴書の経歴欄を「詳細はポートフォリオ参照」で省略すると、採用担当者がポートフォリオを開く前に書類を落とす判断をする可能性があります。採用担当者が1人の候補者のポートフォリオを丁寧に確認するのは、職務経歴書で「この人は確認する価値がある」と判断したあとです。職務経歴書はポートフォリオへの補足資料ではなく、それ単独で評価される書類です。
【職種別】デザイナーの職務経歴書の書き方と例文
デザイナーと一口に言っても、グラフィックデザイナー・Webデザイナー・UI/UXデザイナーでは、採用担当者が重視するポイントが異なります。自分の職種に合わせて、強調すべきスキルと実績の見せ方を変える必要があります。
グラフィックデザイナーの書き方と例文
グラフィックデザイナーの場合、採用担当者がとくに確認するのは「対応できる媒体の幅」と「入稿・印刷管理まで対応できるか」です。デジタル広告のみの経験者と、印刷入稿まで対応できる経験者では、現場での即戦力度が大きく異なります。
良い例文(グラフィックデザイナーの職務経歴)
【会社名】株式会社〇〇(広告制作会社、社員50名)
【在籍期間】2019年4月〜2024年3月
【担当業務】
・食品・日用品メーカー向けパッケージデザイン(年間50〜80SKU)
・折込チラシ・POPなどの販促物制作(月30〜50点)
・Illustrator・InDesignを使用した入稿データ作成・印刷所管理
【役割】3名チームのリードデザイナー。クライアントとの提案打ち合わせから入稿まで一貫して担当
WebデザイナーのフォーマットとUI対応の見せ方
Webデザイナーの職務経歴書では、デザインツールに加えてコーディングやCMS操作の対応範囲を明示することが重要です。デザインだけかコーディングまで対応できるかで、採用担当者が求めるポジションが変わります。
良い例文(WebデザイナーのスキルとLP実績)
【スキル】
・デザインツール:Figma(ワイヤーフレーム〜デザインカンプ〜プロトタイプ作成まで対応)、Adobe XD
・コーディング:HTML5・CSS3(Sass)・JavaScript基礎(jQueryレベル)
・CMS:WordPress(テーマカスタマイズ・プラグイン導入レベル)
・その他:Google Analytics・Search Console によるデータ分析と改善提案
【職務経歴・補足】
LP制作を月平均4本担当。A/Bテストを実施し、平均CVR改善率18%を達成。
職務経歴書を作成する際に職務経歴書の自動作成ツールを使う方法もあります。ただし自動生成した文章はそのまま使わず、案件の具体的な数値や自分の役割を追記することが採用通過への近道です。

UI/UXデザイナーの職務経歴書で差がつく書き方
UI/UXデザイナーの場合、採用担当者が最も評価するのは「ビジュアルの美しさ」ではなく、ユーザーリサーチや課題定義のプロセスを実務で経験しているかどうかです。Figmaが使えることは必要条件ですが、それだけでは差別化になりません。
良い例文(UI/UXデザイナーの職務経歴)
【プロジェクト】ECアプリのリニューアル(iOS/Android・MAU50万)
【役割】UXデザインリード(チーム3名)
【担当内容】
・ユーザーインタビュー(15名)・ヒューリスティック評価の実施
・課題抽出→情報アーキテクチャ設計→ワイヤーフレーム→UIデザイン→A/Bテスト
【成果】チェックアウト画面の離脱率を28%→14%に改善(Figma・FullStory使用)
職務経歴書のデザインはどこまでこだわるべきか
デザイナーとして転職活動をする場合、「職務経歴書そのものをデザインすべきか」と悩む方は多いです。結論から言えば、読みやすさと情報の正確性が最優先で、デザインのこだわりはその後です。
| 応募先 | 職務経歴書のスタイル | 理由 |
|---|---|---|
| 制作会社・デザイン事務所 | 整理された独自フォーマットOK | 書類自体がデザインセンスの一端を示す |
| 事業会社のインハウス | 標準的なWordフォーマット推奨 | 人事部門が評価するため、奇抜なレイアウトはリスクになる |
| 大企業・外資系 | シンプルなフォーマット推奨 | 採用システムへの入力や印刷を想定し、標準的な構成が歓迎される |
職務経歴書のレイアウトに時間をかけすぎるよりも、案件の具体性と役割の明確化に時間を割く方が、採用通過率への貢献度は高いです。ポートフォリオで十分デザイン力を示せるため、職務経歴書は「読む人が疲れない構成」を目指すだけで十分です。
書き上げた職務経歴書を第三者に確認してもらいたい場合は、職務経歴書の添削サービスを活用する方法があります。採用担当者視点のフィードバックを得ることで、書類通過率を上げやすくなります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- デザイナーの職務経歴書は職務要約・職務経歴・スキル・自己PRの4項目が基本フォーマット
- 採用担当者は「どんな現場で・どんな規模で・どんな役割か」を職務経歴書で確認する
- スキルはソフト名だけでなく習熟度・業務での使い方を添えると選考に刺さる
- 職種(グラフィック・Web・UI/UX)によって強調すべきポイントが異なる
- 職務経歴書のデザインよりも情報の具体性と役割の明確さを優先する
デザイナーの転職書類は、職務経歴書とポートフォリオのどちらか一方ではなく、2つが補い合う形で完成します。職務経歴書で言語化した実績と役割が、ポートフォリオに掲載した作品に深みを与えます。
職務経歴書の書き方に迷ったときや、一人で書ききるのが難しいと感じたときは、職務経歴書の代行サービスに相談する選択肢もあります。転職エージェントを活用すれば、無料でキャリアアドバイザーからのフィードバックを受けながら仕上げることができます。

デザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
デザイナーの場合はA4用紙2〜3枚が目安です。経験が豊富な場合は3枚まで許容されますが、4枚以上になる場合は情報を整理して削減してください。採用担当者が短時間でスキャンするため、読み手の負担にならない分量に収めることが書類通過率の向上につながります。
- フリーランス期間中の案件は職務経歴書にどう書けばいいですか?
-
フリーランス期間は「フリーランス(個人事業主)として活動」と明記した上で、主要クライアント・案件名・担当内容を記載します。守秘義務がある場合は「食品メーカー向けパッケージデザイン(守秘義務のため社名非公開)」のように表記すれば問題ありません。実績の具体性を保ちながら対応できます。
- デザイナーはポートフォリオと職務経歴書のどちらを優先して作るべきですか?
-
どちらも同等に重要ですが、書類選考の第一関門は職務経歴書であるケースが多いです。採用担当者は職務経歴書でスキルセットと経験規模を確認した後に、ポートフォリオで実際の制作物を確認します。先に職務経歴書を固め、そこに書いた実績に対応する作品をポートフォリオで示す構成にすると一貫性が生まれます。
- 未経験からデザイナーに転職する場合、職務経歴書をどう書けばいいですか?
-
前職の経験からデザイン業務に活かせるスキルを抽出することが重要です。たとえば営業職であればクライアントとのコミュニケーション経験、マーケター職であればデータ分析の経験は、デザイナー職でも直接活用できます。スクールや独学で制作した作品をポートフォリオにまとめ、職務経歴書の自己PR欄でデザインへの転向理由と学習実績を明記すると採用担当者の印象が変わります。


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