この記事では、エントリーシートと履歴書を両方提出する際の書き分け方を採用担当者の視点から解説します。同じ内容でよいケース、書き分けるべきポイント、内容の矛盾が選考に与える影響も具体的に紹介します。
エントリーシートと履歴書、「両方提出」を求める企業の意図
企業が2つの書類を求める理由は、それぞれが異なる目的で使われるからです。エントリーシートと履歴書を「同じ書類」と捉えて同じように書くと、採用担当者に書類の役割を理解していないという印象を与えることがあります。
エントリーシートは企業とのマッチ度を測る書類
エントリーシート(ES)は、「この応募者は自社のカルチャーや仕事に合っているか」を判断するための書類です。志望動機・自己PR・学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)など、個人の思考・価値観・仕事への姿勢を確認する目的で使われます。
企業ごとに設問が異なり、記述量も多くなります。書類選考における主役はエントリーシートであり、採用担当者が合否判断に最も時間をかける書類です。
履歴書は個人の基本情報を確認する公的書類
履歴書は、学歴・職歴・資格・連絡先などの基本情報を記録する書類です。書式が定型化されており、入社後も人事記録として保管されます。エントリーシートと比べると記述の自由度は低く、「情報の正確性」が最も重視される書類です。
採用担当者は「2つの書類を照らし合わせて読む」
多くの応募者が見落としているのが、採用担当者が2つの書類を別々に読まないという事実です。エントリーシートと履歴書を並べて、「内容に一貫性があるか」を確認しながら読むのが実際の選考現場です。
採用担当者はここを見ている
- ESと履歴書で主張している「強み」が一致しているか
- 志望動機の核となるメッセージが2つの書類でズレていないか
- 学歴・職歴・資格など事実情報が正確で矛盾がないか
- ESで深掘りされた内容が、履歴書では端的にまとめられているか
エントリーシートと履歴書の5つの違いを整理する
2つの書類の違いを正確に理解することが、書き分けの第一歩です。以下の表で主な違いを確認してください。
| 項目 | エントリーシート | 履歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 企業とのマッチ度確認 | 個人基本情報の確認 |
| 主な記載項目 | 志望動機・自己PR・ガクチカ | 学歴・職歴・資格・連絡先 |
| 文字数・スペース | 多い(自由記述) | 定型フォーマット内 |
| 書き方のトーン | 深掘り・具体的・詳細 | 簡潔・端的・正確 |
| 入手方法 | 企業サイトからダウンロード | 書店・コンビニで購入 |
①目的の違い:マッチ度確認 vs 基本情報確認
エントリーシートは「この応募者は自社に合っているか」を判断するために使われます。一方、履歴書は「この応募者は誰で、どんな経歴を持っているか」を確認するために使われます。選考の主な判断材料はエントリーシートであり、履歴書は「正確な情報を提出したか」という信頼性の確認に使われます。
②記載項目の違い:自由記述 vs 定型フォーマット
エントリーシートは企業ごとに設問が異なり、「入社後にやりたいこと」「10年後のキャリアビジョン」など独自の質問が含まれることもあります。履歴書は定型のフォーマットに沿って記入するため、自己表現の自由度は限られています。
③文字数・スペースの違い:詳細記述 vs 端的な要約
エントリーシートの自己PR欄は200〜400文字程度の記述ができることが多いですが、履歴書の自己PR欄は限られたスペースに収める必要があります。同じ文章をそのまま流用すると文字数オーバーになるリスクがあるため、履歴書用に要約する作業が必要です。
④書き方のトーンの違い:深掘り vs 簡潔
エントリーシートでは、エピソードの背景・取り組んだ過程・得た学びを具体的に記述することが求められます。履歴書では、同じエピソードを「結論と成果」の形に絞って端的にまとめるのが基本です。
⑤入手方法の違い
エントリーシートは企業の採用サイトや就活ナビからダウンロードします。履歴書は書店・コンビニで市販品を購入するか、就活サービスが提供するフォーマットをダウンロードして使います。どちらの形式で提出するかは企業の指示に従ってください。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →「エントリーシートと履歴書、同じ内容でいい?」採用担当者の本音
「両方で同じことを書いていいのか」というのは、就活生から頻繁に寄せられる疑問です。結論から言うと、同じテーマ・同じエピソードを使うこと自体は問題ありません。ただし、同じ文章をそのままコピー&ペーストするのは避けた方が無難です。
同じ結論・同じエピソードでよい、ただし表現を変える
2つの書類で主張する「強み」や「志望動機の核」は統一するべきです。例えば、エントリーシートで「問題解決力」を強みとしてアピールするなら、履歴書でも同じ強みを記載します。
書き分けが必要なのは「表現の深さと量」です。エントリーシートでは、なぜその強みが生まれたのか、具体的にどんな場面で発揮したのかを詳しく記述します。履歴書では、その強みを一文で端的にまとめます。
内容が「矛盾」していると確実に落とされる理由
ESで「協調性を活かしてチームを引っ張った」と書いておきながら、履歴書では「一人で黙々と取り組む集中力が強み」と書いている場合、採用担当者はどちらが本当の姿か判断できません。2つの書類で矛盾があると、応募者の信頼性そのものが疑われます。
NG例:内容が矛盾している書類
エントリーシート:「学生時代は○○部のキャプテンとしてチームをまとめ、協調性と統率力が強みです」
履歴書:「私の長所は一人で物事を粘り強く継続する根気強さです」
→ 採用担当者は「どちらが本当の強みか」と混乱し、どちらの書類も説得力を失います。
採用担当者はどう2つの書類を読み合わせているのか
実際の選考では、まずエントリーシートを読んで応募者の人物像を把握し、次に履歴書で基本情報と資格を確認するというプロセスが一般的です。ESで印象的なアピールができていても、履歴書に記載した基本情報とESの内容が食い違っていれば、その時点で選考を止める採用担当者もいます。
エントリーシートと履歴書の効果的な書き分け方
書き分けの基本は「同じ結論を、深さと量を変えて表現する」ことです。特に迷いやすい3つの項目について具体的に解説します。
志望動機の書き分け方
志望動機は、2つの書類で「核となるメッセージ」は統一しつつ、記述の深さを変えることがポイントです。エントリーシートでは「なぜこの会社でないといけないのか」という理由を深掘りします。履歴書では、その核となるメッセージを1〜2文に要約します。
エントリーシートの志望動機(記述例)
「御社を志望したのは、〇〇事業を通じた社会課題解決への取り組みに共感したからです。私は大学時代に△△という活動を通じて○○の問題意識を持ち、それを仕事で解決したいと考えるようになりました。御社の〜〜という取り組みは、私が目指す方向性と一致しており、〜〜という形で貢献できると考えています。(約200〜300文字)」
履歴書の志望動機(記述例)
「御社の〇〇事業を通じた社会課題への取り組みに共感し、私自身の△△の経験を活かして貢献したいと考え志望しました。(80〜100文字程度)」
自己PRの書き分け方
自己PRの書き分けで大切なのは、「同じ強み・同じエピソードを使いながら、ESでは過程を、履歴書では結論を前面に出す」ことです。
エントリーシートの自己PR(記述例)
「私の強みは問題解決力です。アルバイト先の〇〇で△△という課題に直面し、□□という方法を試みましたが当初はうまくいきませんでした。原因を分析した結果、〜〜という気づきを得て、××という取り組みに変えたところ、最終的に〜〜という成果につながりました。この経験から〜〜を学び、御社でも〜〜の場面で活かせると考えています。(約300文字)」
履歴書の自己PR(記述例)
「強みは問題解決力です。アルバイトで△△という課題に直面した際、原因を分析して対策を講じた結果、〜〜という成果を出すことができました。御社でも〜〜の場面で貢献したいと考えています。(約100文字)」
学歴・資格など共通項目の書き方
学歴・資格・連絡先などの事実情報は、エントリーシートと履歴書で完全に一致させる必要があります。
- 大学名の表記(略称か正式名称か)を統一する
- 資格名は公式の正式名称で統一する
- 取得年月が両書類で一致しているか確認する
- 現在の所属・肩書きの表記を統一する
表記の仕方がわずかに異なるだけでも採用担当者が違和感を覚える場合があります。提出前に両書類を並べて事実情報を照合する習慣をつけてください。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が通過させたくなる書類の共通点とNG例
通過しやすい書類の3つの共通点
書類選考を通過する応募者の書類には、共通した特徴があります。
- 2つの書類を通して「一貫したストーリー」がある:ESの詳細な記述と、履歴書の端的な要約が矛盾なく一致しており、採用担当者が「この人はこういう人物だ」と明確に理解できる
- 「ESは深く、履歴書は端的に」という使い分けができている:ESで具体的なエピソードと過程を詳しく記述し、履歴書ではその結論と成果だけを簡潔にまとめている
- 具体的な数字・固有名詞・エピソードで説得力がある:「頑張りました」「貢献しました」ではなく、「売上を〇%改善した」「チーム〇名をまとめた」など具体的な情報がある
採用担当者はここを見ている
採用担当者は、エントリーシートで「この候補者は面白い」と感じたあと、履歴書を見て「やはりそうだ」と確信を得たいと思っています。ESの内容が印象的でも、履歴書の記述が雑だったり矛盾があったりすると、一気に評価が下がります。履歴書は「エントリーシートの信頼性を担保する書類」と捉えてください。
よくある3つのNG例
NG例①:ESをそのままコピー&ペーストする
ESの文章をそのまま履歴書に貼り付けると、履歴書のスペースを無視した文字数になってしまうことがあります。また、ESの深掘り表現が履歴書の簡潔さと合わず、読みにくい印象を与えます。
NG例②:ESだけ丁寧に書いて、履歴書を後回しにする
「ESが合否を決める」という意識から、履歴書を最後に急いで仕上げてしまう人が多いです。しかし採用担当者は両方の書類を確認します。履歴書の記述が雑だと、ESへの信頼性まで下がることがあります。
NG例③:書類ごとに「違う強み」をアピールする
ESで「リーダーシップ」を強みとして書き、履歴書では「几帳面さ」を強みとして書く、という状況は要注意です。2つの強みが完全に矛盾しているわけではありませんが、採用担当者に「どちらが本当の自分なのか」と思わせてしまいます。核となる強みは統一し、履歴書ではその別の側面として補足的に記述する形にしてください。
エントリーシートと履歴書の提出方法と基本マナー
内容の書き方と同様に、提出方法にも注意が必要です。形式的なミスは内容が良くても印象を下げる原因になります。
郵送する場合:封筒への入れ方と順番
郵送で両方の書類を提出する場合は、以下の点に注意してください。
- クリアファイルにまとめて入れる:エントリーシートと履歴書をそれぞれ別々に封入するより、1枚のクリアファイルにまとめると採用担当者が確認しやすくなります
- 書類の順番:一般的にはエントリーシートが上(表)、履歴書が下(裏)の順番ですが、企業から指示がある場合はそれに従ってください
- 封筒の表書き:「選考書類在中」と朱書きし、宛先は正式名称で記載します
- 添え状(送付状)の同封:書類と一緒に送付状を同封するのが基本マナーです。送付状にはエントリーシートと履歴書の両方を送付していることを明記します
メール添付で提出する場合のルール
メール添付で提出する場合は、ファイル形式と命名ルールに注意が必要です。
- 必ずPDF形式に変換する:WordやExcelのままで送ると、受け取り側の環境によってレイアウトが崩れることがあります。PDF化してから送付してください
- ファイル名の命名ルール:「エントリーシート_氏名(フルネーム).pdf」「履歴書_氏名(フルネーム).pdf」のように、何の書類かと氏名が一目でわかるように命名します
- メール本文でファイルを明記する:「エントリーシートと履歴書の2点を添付しております」と本文内で明示します
採用担当者はここを見ている
ファイル名が「document1.pdf」や「無題.pdf」になっている書類は、採用担当者が管理しにくく、探す手間がかかります。ファイル名のマナーは「配慮できる人か」を見る小さなチェックポイントになっています。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- エントリーシートはマッチ度確認、履歴書は基本情報確認という「目的の違い」を理解した上で書き分けることが重要
- 同じ強み・同じエピソードを使うこと自体は問題ない。ただし表現の深さと量を変えること
- 2つの書類で内容が矛盾していると、採用担当者の信頼を失い選考通過が難しくなる
- 採用担当者はESと履歴書を「照らし合わせて」読んでいる。一貫したストーリーが両書類を通じて伝わるかがポイント
- 提出方法(郵送・メール添付)にも基本マナーがある。形式的なミスが選考に影響することもある
書き分け方の基本を押さえれば、エントリーシートと履歴書の両方提出は難しくありません。2つの書類を通して「一貫したあなたの魅力」が伝わるよう、提出前に必ず両書類を読み合わせてください。
エントリーシート・履歴書の両方提出に関するよくある質問
- エントリーシートと履歴書の志望動機は全く同じ文章でいいですか?
-
同じ文章のコピー&ペーストは避けることをおすすめします。志望動機の「核となるメッセージ」は統一しつつ、エントリーシートでは「なぜこの会社でないといけないのか」を深掘りした詳細な記述を、履歴書では同じメッセージを80〜100文字程度に要約した形で記載してください。文章の量と表現を変えることで、採用担当者に書類の役割を理解しているという印象を与えられます。
- エントリーシートと履歴書を郵送する場合、どちらを封筒の上に入れればいいですか?
-
一般的には、エントリーシートを上(表)、履歴書を下(裏)の順でクリアファイルにまとめて封入します。ただし企業から「履歴書を先に提出してください」など具体的な指示がある場合は、その指示に従ってください。
- エントリーシートと履歴書で書いた強みが少し違います。修正した方がいいですか?
-
「少し違う」程度であっても、採用担当者が読んだときに違和感を覚える可能性があります。2つの強みが完全に矛盾しているわけでなくても、「どちらが本当の強みか」と思われることで説得力が下がるリスクがあります。核となる強みは1つに統一し、もう一方の特徴は「それを支える別の側面」として補足的に記述する形に修正することをおすすめします。
- エントリーシートはWebで提出、履歴書だけ郵送という企業の場合はどうすればいいですか?
-
WebのエントリーシートとURLを郵送する履歴書は別々に管理されることが多いですが、採用担当者は両方を参照して選考します。提出方法が異なっても、内容の一貫性を保つことは変わりません。エントリーシートで記載した強みや志望動機と、郵送する履歴書の内容が矛盾しないよう確認してから提出してください。


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