この記事では、エンジニアの職務経歴書に使える例文を職種別(SE・Webエンジニア・インフラ)に掲載します。採用担当者が書類選考で確認する3つのポイントと、書類選考で落とされやすいNGパターンもあわせて解説します。
エンジニアの職務経歴書と履歴書・スキルシートの違いを整理する
転職活動では「履歴書」「職務経歴書」「スキルシート」の3種類の書類を求められることがあります。それぞれの役割を混同したまま提出すると、採用担当者に「書類の使い方を理解していない」という印象を与えかねません。まず3つの違いを整理しておきます。
| 書類 | 主な役割 | 主な記載内容 | ページ数の目安 |
|---|---|---|---|
| 履歴書 | 基本プロフィールの提出 | 氏名・住所・学歴・職歴・資格・志望動機 | 1枚(A3表裏 or A4×2枚) |
| 職務経歴書 | 実務経験・スキルの詳細説明 | 職務要約・プロジェクト経歴・保有スキル・自己PR | 2〜4枚(A4) |
| スキルシート | 技術力の一覧提示(IT系が多い) | 言語・ツール・経験年数・習熟度の一覧 | 1〜2枚(A4) |
この3つの中でエンジニアの転職活動において最も重要度が高いのが職務経歴書です。スキルシートが「何ができるか」の一覧であるのに対し、職務経歴書は「どんな場面でどう動いたか」を伝える書類です。
採用担当者はスキルシートでスキルを確認した後、職務経歴書を読んで「この人はどんな現場で、どんな判断をしてきたか」を見ます。職務経歴書が薄いと、スキルがあっても見送りになることがあります。
採用担当者はここを見ている
- スキルシートでスキルを確認した後、職務経歴書で「人」を見る
- 履歴書の職歴欄(1行)と職務経歴書の内容に矛盾がないか確認する
- 「3ページを超えると、最初の2ページしか読まれない」と思って構成を組む
採用担当者がエンジニアの職務経歴書で30秒以内に確認する3つのポイント
採用担当者が書類1枚を初読する時間は平均30秒前後といわれています。その短い時間で「面接に呼びたい」と判断してもらうには、最初のページに必要な情報が凝縮されていることが条件になります。
① プロジェクトの全体像と規模が伝わるか
採用担当者が最初に確認するのは「このエンジニアは何を作ってきた人なのか」という全体像です。プロジェクトの規模感が伝わらないと、「新卒1年目の経験と10年以上の経験が区別できない書類」になります。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 伝わる書き方 | 大手通信キャリア向け顧客管理システム刷新(総勢30名・18ヶ月) |
| 伝わらない書き方 | 顧客管理システムの開発に参画しました |
② 担当フェーズと役割が具体的か
「開発業務に従事しました」という記載は、採用担当者にとって情報量がゼロに等しい表現です。要件定義から参画していたのか、実装だけだったのか。チームのリーダーだったのか、メンバーの一人だったのか。この2点が明確でない書類は通過しにくいです。
担当フェーズは以下の略称を使って簡潔に表記するのが一般的です。
| フェーズ | 内容 |
|---|---|
| 要件定義 | クライアントの要望をシステム要件に落とし込む工程 |
| 基本設計 | システム全体の設計・画面設計・DB設計 |
| 詳細設計 | モジュール単位の詳細な処理設計 |
| 実装・開発 | コーディング |
| 単体テスト | モジュール単位の動作検証 |
| 結合テスト | システム間・モジュール間の連携検証 |
| 運用・保守 | 本番リリース後の監視・障害対応・機能追加 |
③ 技術スタックと経験年数が読み取れるか
求人票には必須スキルと歓迎スキルが列挙されています。採用担当者はその要件とスキル欄を照合する作業を30秒の中で行います。言語名だけでなく「経験年数」と「習熟度(主導/実務/基礎)」を合わせて記載することで、この照合作業が格段に速くなります。
採用担当者はここを見ている
- 担当フェーズが書いてないと、コードを書いただけなのか設計もできるのかがわからない
- スキル欄に「Java経験あり」とだけ書かれていても、3ヶ月なのか5年なのかで話が変わる
- 最初の30秒で判断できない書類は、候補者リストに残りにくい
エンジニアの職務経歴書の基本構成と書き方
職務経歴書の構成は4つのセクションで成り立ちます。それぞれのセクションで採用担当者が確認したいことと、よくある失敗を解説します。
① 職務要約:3〜5行で即座に強みを伝える
職務要約は職務経歴書の冒頭に書く「自分のキャリアの要約文」です。採用担当者はここを読んでから職務経歴の詳細に目を通すかどうかを判断します。
書くべき内容は「業界・会社の種類」「経験年数」「得意な担当フェーズ」「主要な技術スタック」「あれば役割(PL・PM等)」の5点です。これを3〜5行に収めます。
良い例文
SIerにてSE歴8年(要件定義〜運用保守)。直近3年はPL補佐として8〜10名規模のチームを担当。Java / Spring Bootを主軸とした金融・保険系基幹システムの開発経験が豊富で、要件定義フェーズからの参画案件が中心。DB設計・REST API設計の経験あり。
NG例
これまでIT企業にてシステムエンジニアとして様々な開発業務に携わってきました。チームの一員として貢献し、プロジェクトを通じてスキルを磨いてきました。今後も積極的に取り組んでいきたいと思っています。
NG例が落とされる理由は「具体的な情報が何もない」点にあります。業種・経験年数・技術スタック・担当フェーズのどれも伝わらず、採用担当者が続きを読む理由がありません。
② 職務経歴:プロジェクト単位で時系列に書く
職務経歴はプロジェクト単位で書くのが基本です。直近の案件ほど詳しく記載し、古い案件は概要のみの簡略記載でかまいません。
1プロジェクトに記載すべき要素は以下の7点です。
- プロジェクト期間(例:2022年4月〜2024年3月)
- プロジェクト概要(クライアント業種・システムの種類を1〜2行で)
- 規模(総人数・うち自社人数)
- 自分の役割(メンバー / サブリーダー / PL / PMなど)
- 担当フェーズ(要件定義・基本設計・詳細設計・実装・テスト等)
- 使用技術・開発環境(言語・DB・クラウド・ツール)
- 業務内容と成果(箇条書き・数値で示す)
良い例文(プロジェクト記載例)
【2023年1月〜2024年3月】
■ 大手EC企業向け受発注管理システム刷新
・規模:15名(PM1・PL2・SE5・PG6・テスター1)
・役割:サブリーダー(バックエンド担当)
・担当フェーズ:基本設計 / 詳細設計 / 実装 / 単体テスト / 結合テスト
・技術環境:Java 17, Spring Boot 3, PostgreSQL 15, AWS EC2/RDS/S3, Docker, Jenkins
・業務内容:
─ バックエンドAPIの設計・実装(エンドポイント40本)
─ 単体テスト・結合テストの設計および実施(カバレッジ85%達成)
─ メンバー3名のコードレビュー担当
・成果:旧システムとの連携処理速度を1.2秒→0.3秒に改善、月次バッチ処理エラー率を2.3%から0.1%未満に低減
NG例
2023年〜2024年
EC企業の受発注システム開発に参画。バックエンド開発を担当しました。チームメンバーとして設計・実装・テストを行いました。
NG例のように「担当しました」「行いました」で終わる書き方では、採用担当者はそのエンジニアが何を判断し、どんな結果を出したのかを読み取れません。
③ 保有スキル・技術スタック:表形式でひと目で伝える
スキル欄は箇条書きではなく表形式でまとめることを強くすすめます。採用担当者が求人要件と照合しやすくなるからです。
記載する際は「分類(言語/フレームワーク/DB/インフラ/ツール)」「技術名」「経験年数」「習熟度」の4列が基本です。
| 分類 | 技術名 | 経験年数 | 習熟度 |
|---|---|---|---|
| 言語 | Java | 5年 | 主導 |
| 言語 | Python | 2年 | 実務 |
| フレームワーク | Spring Boot | 4年 | 主導 |
| データベース | Oracle | 4年 | 主導 |
| データベース | PostgreSQL | 2年 | 実務 |
| インフラ | AWS(EC2/RDS/S3) | 2年 | 実務 |
| ツール | Git/GitHub | 5年 | 主導 |
| ツール | Docker | 2年 | 実務 |
習熟度の目安は以下のとおりです。
- 主導:自分が中心となって設計・実装・他者のレビューができる
- 実務:業務で継続的に使用し、一人で完結した作業ができる
- 基礎:個人学習・研修・チーム補助での使用経験がある
④ 自己PR:問題解決力を「課題→アクション→成果」で伝える
自己PRで最もよくある失敗は「コミュニケーション能力が高いです」「チームワークを大切にしています」という定型文です。採用担当者はこうした表現を毎日何十枚もの書類で目にしており、印象に残りません。
「どんな課題があり、自分はどう動き、どんな結果を出したか」の3点セットで書くことで、他の候補者と明確な差がつきます。
良い例文
直近のプロジェクトで、本番DBのクエリ処理が遅くユーザー離脱の原因になっていた問題に取り組みました。実行計画の分析・インデックス最適化に加え、頻繁に参照されるマスタデータへのRedisキャッシュ導入を主導した結果、平均応答時間を2.8秒から0.5秒に短縮しました。改善提案から本番適用まで3週間で完結し、プロジェクトリーダーから「独自提案が早期に結果を出した」と評価されています。
NG例
私はコミュニケーション能力が高く、チームのメンバーと協力しながら仕事に取り組むことが得意です。問題が起きたときにはすぐに対処できる対応力があります。常に向上心を持って業務に臨んでいます。
エンジニアの職務経歴書の書き方をさらに詳しく知りたい方は、採用担当者目線の実践ガイドもあわせて参照してください。

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エンジニアといっても職種によって求められるスキルセットも、採用担当者が重視するポイントも異なります。職種別の例文と、採用担当者がとくに確認するポイントを解説します。
システムエンジニア(SE・SIer)の例文
SE・SIerの職務経歴書では「上流工程(要件定義・基本設計)への参画経験」と「プロジェクト規模・役割の明確さ」が特に重視されます。顧客折衝の経験があれば積極的に記載しましょう。
職務要約の例文(SE・SIer向け)
SIer勤務7年。製造業・金融業向けの業務システム構築案件を中心に、要件定義から運用保守まで一貫して担当。直近2年はPL(プロジェクトリーダー)として5〜8名規模のチームをマネジメント。Javaを主軸に、Spring Framework / Oracleの組み合わせが得意領域。顧客折衝・進捗管理・協力会社管理の経験も有。
採用担当者はここを見ている
- 要件定義・基本設計の経験があるか(上流工程への参画の有無)
- PL/PMとしてのマネジメント実績(何名・何ヶ月・どんな役割)
- 顧客(エンドユーザー)との折衝・要件調整の経験があるか
Webエンジニア(フロント・バックエンド)の例文
Webエンジニアの職務経歴書では「使用フレームワーク」「GitHubを使ったチーム開発の経験」「テストコードを書く習慣」が重視されます。スタートアップや自社開発企業への転職では、特に「GitHubのURL」や「個人開発の成果物」を記載することも有効です。
職務要約の例文(バックエンドエンジニア向け)
Webアプリ開発企業にてバックエンドエンジニア5年。TypeScript / Node.js(Express)を主軸に、B2B SaaSプロダクトのAPI設計・実装を担当。マイクロサービスアーキテクチャへの移行プロジェクトを3名チームでリード。CI/CD(GitHub Actions)の整備、コードレビュー文化の導入も経験。テスト文化に強く、Jest・Supertestを使った自動テストの設計・運用を担当。
採用担当者はここを見ている
- GitHub / GitLabを使ったチーム開発の経験があるか(PRレビュー・ブランチ運用)
- テストコードを書く習慣があるか(Jest・RSpec・pytest等)
- クラウド(AWS / GCP / Azure)を使った実務経験があるか
インフラ・クラウドエンジニアの例文
インフラ・クラウドエンジニアの職務経歴書では「構築した環境の規模」「IaC(Infrastructure as Code)の経験」「障害対応の実績」が採用担当者に刺さるポイントです。オンプレミス経験とクラウド経験の両方がある場合は、切り替えのタイミングと理由も記載すると経歴の流れが読みやすくなります。
職務要約の例文(クラウドエンジニア向け)
インフラエンジニア6年(オンプレミス3年 + AWSクラウド3年)。AWS中心のクラウドインフラ設計・構築・運用を担当。Terraform / Ansibleを用いたIaCの導入実績あり。月間1億PVを超えるメディアサービスのインフラ運用・障害対応を経験し、SLO 99.9%の維持に貢献。コスト最適化施策として月額AWSコストを30%削減した実績を持つ。
採用担当者はここを見ている
- IaC(Terraform / CloudFormation / Ansible等)の実務経験があるか
- コスト最適化・セキュリティ設計の実績があるか(数値で示せるか)
- オンコール・障害対応の経験があるか(P1/P2インシデントへの対処経験)
書類選考で落とされるNGパターン4選
どれだけ実務経験が豊富でも、書き方次第で書類選考の通過率は大きく変わります。採用担当者が実際によく見かける「落とされやすい職務経歴書」の共通パターンを4つ紹介します。
NG例①:技術スタックの羅列だけで「何を作ったか」がわからない
スキル欄に「Java / Spring Boot / Oracle / AWS / Docker / Git」と書いてあっても、それを使って何を作り、どんな成果を出したかが書かれていない書類は通過しにくいです。技術スタックは「使ったこと」の証明にすぎません。採用担当者が知りたいのは「その技術でどんな課題を解決したか」です。
NG例②:「〜に従事しました」「〜を担当しました」の受け身表現だらけ
「開発業務に従事しました」「テスト作業を担当しました」という受け身の表現は、採用担当者に「言われたことをやっていただけ」という印象を与えます。「〜を主導しました」「〜を提案・実装しました」「〜の課題を発見し〜で解決しました」という能動的な表現に変えるだけで評価が変わります。
NG例③:直近のプロジェクトが薄く、古い経歴を細かく書いている
採用担当者が最も重視するのは直近1〜2年の経歴です。5年前のプロジェクトを3ページ使って書いている一方で、直近の案件が1行だけという書類は評価が下がります。原則として直近のプロジェクトを最も詳しく書き、古い案件は概要のみにするのが基本です。
NG例④:6ページ以上の長すぎる職務経歴書
エンジニアの職務経歴書はA4で2〜4ページが適切な分量です。経験年数が10年を超えていても、同種のプロジェクトを複数掲載する必要はありません。似たプロジェクトは代表的な1件に絞り、「他にも〇件類似案件あり」と補足する方法もあります。6ページを超える書類は、読み終える前に候補から外されるリスクがあります。
エンジニア経験が浅い場合の職務経歴書の書き方
実務経験が1〜2年の若手エンジニアや、転職経験がない方は「書けることが少ない」という悩みを抱えやすいです。ただし、経験の浅さを書き方でカバーできる方法は複数あります。
- 担当フェーズを細かく書く:「テスト工程担当」だけでなく「単体テスト・結合テスト・UAT補助」と分けて記載する
- チーム内での役割や改善提案を具体的に書く:「コードレビューの指摘を受けてコーディング規約の整備に貢献した」など、主体的な動きを記録する
- 個人開発・学習での成果物を補足する:GitHubのリポジトリURLを記載し、実際のコードで技術力を示す
- 学習中の技術を「基礎」として記載する:習熟度を正直に書くことで「向上心がある人材」という印象になる
職務経歴書の作成に時間がかかる場合や、書き方に不安がある場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用する方法もあります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 職務経歴書は「スキル一覧」ではなく「どんな場面でどう動いたか」を伝える書類
- 採用担当者が30秒で確認するのは「プロジェクト規模」「担当フェーズと役割」「技術スタックと経験年数」の3点
- 職務要約は3〜5行で「誰が・何を・何年・どんな技術で・どんな役割で」を伝える
- プロジェクト経歴は「成果を数値で示す」「受け身表現を避ける」「直近の案件を最も詳しく書く」の3原則を守る
- 自己PRは「課題→アクション→成果」のストーリーで書くと採用担当者の記憶に残る
職務経歴書は一度書いたら終わりではありません。応募先の求人要件を確認し、直近の案件を最も詳しく・重要なスキルが伝わる構成に毎回調整することが、書類選考通過率を高める実践的な対策になります。
エンジニアの職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書は何ページが適切ですか?
-
A4で2〜4ページが目安です。実務経験が3年未満であれば2ページ、5年以上であれば3〜4ページに収めます。ページ数より「採用担当者が1ページ目を読み終えた後に続きを読みたいと思う構成になっているか」を優先して考えてください。
- スキルシートと職務経歴書は両方提出するのですか?
-
企業によって異なります。IT系・SIerへの転職では両方を求められることが多く、スタートアップや外資系ではスキルシートなしで職務経歴書のみというケースも多いです。求人票や採用担当者からの指示に従ってください。
- 経験が浅い場合、職務経歴書に何を書けばいいですか?
-
実務経験が少ない場合でも、担当フェーズの詳細・チーム内での役割・個人開発や学習での成果物を具体的に書くことで内容を充実させられます。GitHubのURLを記載し、実際のコードで技術力を示す方法も有効です。
- 職務経歴書に写真は必要ですか?
-
IT・Web系の多くの企業では写真不要のフォーマットが一般的です。ただしSIerや大手企業では応募先の指定フォーマットに写真欄がある場合があります。「写真を貼ること」と明記されていれば貼る、記載がなければ不要と判断して問題ありません。


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