この記事では、パソコンで履歴書を作成する具体的な手順と、採用担当者が書類選考で確認するフォント・書式・写真の貼り方を解説します。パソコン作成でよくあるNG行為と、通過率を上げる具体的なポイントもあわせて紹介します。
履歴書はパソコン作成で問題ない|採用担当者のリアルな声
「手書きの方が誠意が伝わる」は少数派になっている
採用担当者が「手書きかパソコンか」で合否を決めることは、現在ではほとんどありません。多くの採用現場では「内容で判断する」というスタンスが主流で、書き方の形式より、志望動機や自己PRの質で差がつくという認識が広がっています。
ただし1つ例外があります。企業から「手書きで提出してください」と指定がある場合は、必ず手書きにしてください。指示に従えるかどうかも採用基準の一部として見られます。
採用担当者はここを見ている
- パソコンか手書きかより、書いてある内容を見ている
- フォーマットが整っているほど読みやすく、内容に集中できる
- 「手書き指定」に対してパソコンで提出してきた場合は、指示を読んでいないと判断する
ただし「使い回し」はすぐにバレるという事実
パソコン作成で採用担当者が最も気にするのが「使い回し」です。志望動機や自己PRが全企業で同じ内容、または少し変えただけの文章は、採用担当者には一目でわかります。
NG例
「貴社の〇〇への取り組みに共感し、志望しました。私のスキルを活かして貢献したいと考えています。」業種・社風に関係なく全社に送れる汎用文はすぐに見抜かれます。
パソコン作成の利点は「編集が簡単」なこと。その便利さを「手抜き」ではなく、企業ごとのカスタマイズに使うのが書類選考を通過する条件です。
パソコンで履歴書を作成する5つの手順
手順①|テンプレートを準備する
テンプレートの入手方法は主に4つあります。
- 厚生労働省の履歴書様式例:2021年4月に改定された最新版。性別欄の自由記入対応など現在の採用基準に合致している
- Microsoft Officeテンプレート:Word・Excelの標準テンプレートから選択可能
- 転職サイトの無料テンプレート:doda・リクナビNEXTなど大手サービスが提供
- Web上の専用履歴書作成サービス:ブラウザ上で入力・PDF出力まで完結するサービス
古いテンプレートには現在の基準に合わない項目(性別欄の強制記入など)が含まれる場合があります。厚生労働省が公開する最新の様式例か、大手サービスの最新テンプレートを使用してください。
テンプレートの詳細な比較は、こちらの記事も参考にしてください。

手順②|フォント・書式を最初に設定する
入力を始める前に、フォントと文字サイズを全体で統一しておきます。後から変更すると書式が乱れる原因になります。
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| フォント | 明朝体(WindowsはMS明朝、Macはヒラギノ明朝) |
| 文字サイズ | 10.5〜11pt |
| 行間 | テンプレートの初期設定のまま(変更しない) |
| 装飾 | 太字・カラー・下線はすべて不使用 |
フォントの詳細な選び方と採用担当者が実際に気にするポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

手順③|各項目を正確に入力する
基本情報・学歴・職歴を入力する際の注意点を整理します。
- 住所:都道府県から番地・マンション名・部屋番号まで省略せず記載
- 氏名:ふりがなを含め、戸籍通りのフルネームで記載
- 学歴:中学卒業から記載するのが基本。入学→卒業の順で記入
- 職歴:「株式会社」の略称「㈱」は使用禁止。入社・退社の順で記入
- 「現在に至る」:退職予定がない場合、最終職歴の次の行に記載
採用担当者はここを見ている
- 住所を省略している書類は「細部に気を使えない人」という印象を与える
- 会社名の㈱表記は書類全体のクオリティを下げる
- 学歴の記載順が逆(卒業→入学)になっていると読みにくく、見落としが起きる
手順④|証明写真をデジタルで貼り付ける
パソコンで作成する場合、証明写真はWordやExcel内に画像として挿入します。規格は縦40mm×横30mm(縦横比4:3)です。
貼り付け後に確認すべき点は以下の通りです。
- 写真のサイズがテンプレートの欄にぴったり収まっているか
- 解像度が低くなっていないか(印刷後に目視確認を推奨)
- 背景色が白・グレー・水色になっているか(柄物・派手な色はNG)
- 撮影から3ヵ月以内の写真を使用しているか
証明写真の作成ルールや採用担当者が気にするNGポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

手順⑤|PDF変換と最終確認
入力が完了したらPDF形式に変換して保存します。WordやExcelのファイルをそのまま提出すると、採用担当者の環境でレイアウトが崩れたり、内容が変更できる状態になります。
提出前に必ず印刷して最終確認を行ってください。パソコン画面ではフォントサイズの微妙なズレや写真の歪みに気づきにくいためです。
提出前の最終確認チェックリスト
- 誤字脱字がないか
- 日付の整合性(空白期間が説明なく開いていないか)
- フォントと文字サイズが全体で統一されているか
- 証明写真が正しく表示されているか(印刷後に確認)
- 志望動機・自己PRがこの企業向けの内容になっているか
PDF変換の手順:WordやExcelの場合は「ファイル」→「名前を付けて保存」でPDF形式を選択。Macでは「プリント」→「PDFとして保存」で変換できます。
採用担当者が落とすパソコン履歴書のNG行為4選
NG①|フォントや文字サイズを統一していない
フォントが混在していると、書類全体がチグハグな印象になります。特にコピー&ペーストで別の文書から貼り付けた際に、フォントや文字サイズが変わってしまうケースが多く見られます。
NG例
項目名はゴシック体12pt、本文は明朝体10pt、貼り付け箇所だけ別フォント……という状態の書類。「どこかからコピーしてきた」と一目でわかります。
正解
全文明朝体10.5pt統一。書式の統一だけで、書類全体の印象が大きく変わります。入力前にフォントを設定しておく習慣が最善策です。
NG②|志望動機・自己PRを全企業共通にする
採用担当者が「使い回し」を最も見抜くのが志望動機と自己PRです。また、「御社」「貴社」の使い間違いも、コピー&ペーストの証拠になります(書類の場合は「貴社」が正解、面接など口頭では「御社」)。
採用担当者はここを見ている
- 自社の事業内容や強みに触れていない志望動機は「うちに送ってきた文章ではない」と判断される
- 「御社」と書いてある書類は書面としてのマナーに欠けると捉えられる場合がある
- 複数社に送る場合でも、志望動機は必ず企業ごとに書き換えること
NG③|装飾(太字・カラー・下線)を多用する
履歴書は正式なビジネス書類です。太字・カラー・下線を使って強調しようとすると、採用担当者には「派手すぎる」「読みにくい」という印象を与えます。
NG例
「私の最大の強みはコミュニケーション能力で、前職では売上120%を達成しました……」装飾が多いと読み飛ばされます。
内容の強さを伝えるのは装飾ではなく文章そのものです。数字・固有名詞・具体的な成果を盛り込むことで、装飾なしでも読まれる書類になります。
NG④|WordやExcelファイルのままメールで送る
メールで履歴書を送付する場合、PDF変換は必須です。Word・ExcelファイルのままではPDFと比較して以下のリスクがあります。
- 採用担当者の環境(OSやOfficeのバージョン)によってレイアウトが崩れる
- データの内容が変更できてしまうため、正式書類として適切でない
- ファイルサイズが大きく、メール受信を拒否されるケースもある
採用担当者がスムーズに書類を確認できる状態で提出することも、選考通過につながる配慮のひとつです。
採用担当者が通過させたくなるパソコン履歴書の書式
フォントは明朝体、サイズは10.5〜11pt統一
明朝体が推奨される理由は、正式な書類としての印象と読みやすさのバランスがよいからです。ゴシック体が絶対NGというわけではありませんが、履歴書には明朝体の方が適しています。
| OS | 推奨フォント |
|---|---|
| Windows | MS明朝 |
| Mac | ヒラギノ明朝 |
文字サイズは10.5〜11ptが最も読みやすいとされるサイズです。これより小さいと読みにくくなり、大きいと欄に収まらなくなります。欄タイトルのみ11〜12ptにしても問題ありませんが、それ以外の装飾は避けてください。
採用担当者はここを見ている
- フォントが統一されているだけで書類の印象が別物になる
- 明朝体は長い文章でも目が疲れにくく、書類を最後まで読んでもらいやすい
- 10.5pt以下だと読み手に負担がかかり、それだけで選考スピードが遅くなる
証明写真は縦40mm×横30mmで正しく貼り付ける
証明写真の規格は縦40mm×横30mm(縦横比4:3)が基本です。テンプレートの写真欄に合わせてサイズを調整してください。
- 背景色:白・グレー・水色が基本。柄物や派手な色はNG
- 表情:正面・自然な表情が基本。笑顔が強すぎるのは避ける
- 服装:スーツ着用が基本。私服可の企業でも落ち着いた服装を選ぶ
- 撮影時期:3ヵ月以内のものを使用する
デジタル挿入した場合は、必ず印刷後に写真が正しく表示されているか目視で確認してください。画面上では問題なく見えても、印刷すると解像度が落ちているケースがあります。
印刷用紙と印刷品質の正解
履歴書の印刷品質は、採用担当者が書類を手に取った瞬間の第一印象を左右します。一般的なコピー用紙(64〜80g/m²)では、書類の質感が下がって安っぽい印象になる場合があります。
| 用紙種別 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|
| 上質紙(90g/m²以上) | 推奨 | 文具店・ホームセンターで購入可 |
| 履歴書専用紙 | 推奨 | 書店・文具店で販売 |
| 一般コピー用紙(64〜80g/m²) | 許容 | 採用担当者によっては質感で印象が下がる |
インクジェット・レーザーどちらでも問題ありませんが、にじみが出にくいレーザープリンターの方が仕上がりがきれいです。コンビニのプリントサービスもレーザー印刷のため、自宅にレーザープリンターがなければコンビニ印刷が実用的な選択肢です。
Word・Excel・専用ツール|パソコン履歴書の作り方比較
パソコンで履歴書を作成するツールは大きく3種類あります。それぞれの特徴を整理します。
| ツール | 向いている人 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| Word | 文書作成に慣れている人、細かい調整をしたい人 | テーブル調整にある程度の習熟が必要 |
| Excel | 表形式の操作が得意な人 | PDF変換でレイアウトが崩れやすい |
| 専用サービス(Web) | 初めて履歴書を作る人、効率を重視する人 | サービスによって保存形式が異なる |
Wordで作成する場合
Wordは文章の入力・編集が直感的で、フォント・余白・行間など細かい調整が可能です。Microsoft公式テンプレートが豊富に用意されており、ダウンロード後すぐに使い始められます。
ただし、学歴・職歴欄の表(テーブル)のサイズ調整には慣れが必要です。行が増えて欄に収まらなくなった場合に調整作業が発生します。
Excelで作成する場合
Excelはセルを使って欄のサイズを細かく調整できます。表形式のレイアウトを自由に設定したい人に向いています。
デメリットは、文字の折り返しや行間の調整がWordより複雑な点と、PDF変換時にレイアウトが崩れやすい点です。PDF変換後は必ず印刷して確認してください。
無料の専用サービスを使う場合
Web上で使える無料の履歴書作成サービスは、書式設定不要・PDF出力まで即座に完結という点で最も効率的です。テンプレートが初めからフォーマット統一済みのため、フォントや書式ミスが起きにくいのも利点です。
- フォント・レイアウト設定が不要(書式ミスがない)
- PDF出力・コンビニ印刷に対応しているサービスが多い
- 証明写真のアップロード機能を持つサービスもある
- 会員登録でデータを保存でき、企業別に編集して送信できる
具体的なサービスの比較は以下の記事で詳しく解説しています。採用担当者視点での選び方のポイントも紹介しています。

スマートフォンだけで完結させたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ
- 履歴書はパソコン作成でも問題なし。ただし「手書き指定」がある場合は必ず手書きにする
- フォントは明朝体10.5〜11pt統一が書類選考の基本。装飾(太字・カラー・下線)は使わない
- 志望動機・自己PRは企業ごとに書き換えること。使い回しは採用担当者に必ずバレる
- メール提出はPDF変換が必須。WordやExcelファイルのままの提出は避ける
- 印刷は上質紙か履歴書専用紙を使い、証明写真は縦40mm×横30mmで貼り付ける
- 書式ミスを防ぐには、無料の専用履歴書作成サービスを使うのが最も効率的
採用担当者が書類で判断するのは、「この企業に向けて丁寧に作られた書類かどうか」という一点です。パソコン作成の利点を最大限に活かして、企業ごとにカスタマイズした書類を提出してください。
パソコンで履歴書を作成する際によくある質問
- 履歴書はパソコンと手書きどちらがよいですか?
-
応募先から指定がなければどちらでも問題ありません。ただし「手書きで提出してください」と指定がある場合は必ず手書きで作成してください。現在の採用担当者の多くは書類の内容で判断しています。パソコン作成の場合は書式を整えやすい一方、志望動機・自己PRを企業ごとにカスタマイズすることが必須条件です。
- パソコンで作成する履歴書のフォントは何がよいですか?
-
明朝体が基本です。WindowsではMS明朝、Macではヒラギノ明朝を使用してください。文字サイズは10.5〜11ptに統一します。ゴシック体が絶対NGというわけではありませんが、正式な書類には明朝体の方が適した印象を与えます。フォントと文字サイズは入力を始める前に設定しておくことで、書式の統一が保ちやすくなります。
- 証明写真はデジタルで貼り付けてもよいですか?
-
問題ありません。WordやExcel内に画像として挿入するのが一般的です。縦40mm×横30mmのサイズで挿入し、印刷後に実際のサイズと表示を必ず確認してください。解像度が低いまま印刷すると写真がぼやけることがあるため、元の写真データは高解像度のものを使用することを推奨します。
- 複数の企業に送る場合、志望動機は共通でもよいですか?
-
基本情報(学歴・職歴)は共通でよいですが、志望動機と自己PRは必ず企業ごとに書き換えてください。同じ内容を送り続けると採用担当者にすぐ見抜かれます。特に「御社の〜に魅力を感じました」という表現で、その企業の事業内容に全く触れていない場合、他社向けの書類をそのまま送ったと判断されます。パソコン作成なら編集コストが低いため、企業ごとのカスタマイズを徹底することが選考通過への近道です。

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