この記事では、介護福祉士が転職・就職活動で使う履歴書の記入方法を採用担当者の目線で解説します。資格欄の正式名称と取得日の正しい書き方から、「入社」「入職」の使い分け、施設の種類に合わせた志望動機の例文、採用担当者が実際に落とす3つの落とし穴まで確認できます。
採用担当者が履歴書でまず確認する3つのポイント
介護福祉士の書類選考では、採用担当者が数十枚の履歴書を短時間で判断します。「じっくり読む」のではなく、最初の数十秒で合否の方向性が決まることも珍しくありません。
採用担当者はここを見ている
- 資格欄の正確さ:正式名称の誤りは「仕事の丁寧さの欠如」として受け取られる
- 職歴欄の記述量:業務内容が一行しかない履歴書は「何ができるか」が伝わらない
- 証明写真の印象:スーツ着用・清潔感・表情の3点で第一印象が決まる
特に資格欄の正確さは、介護のプロとしての基本的な姿勢が問われる部分として、採用担当者が真っ先に確認します。写真・資格・職歴のどれかひとつに問題があると、それだけで本文を読む前に評価が下がります。
介護福祉士 資格欄の正しい書き方
正式名称は「介護福祉士」——よくある3つのNG表記
資格欄には、資格の正式名称をそのまま書きます。介護福祉士の場合は「介護福祉士」の5文字が正しい記載です。「介護士」「ヘルパー2級」「介護福祉士(国家資格)」のように補足を加えるのは不要であり、採用担当者から「正式名称を把握していない」と判断される原因になります。
NG例
- × 「介護士」(介護福祉士とは別の俗称)
- × 「介護福祉士資格 取得」(「取得」の追記は不要)
- × 「ヘルパー2級」(2013年に廃止された旧制度名称)
良い例文
20XX年 X月 介護福祉士
取得日は「合格日」か「登録日」か
介護福祉士試験に合格した後、社会福祉振興・試験センターへの登録手続きを経て正式に資格取得となります。「合格日(試験結果通知の年月)」と「登録日(登録証が届いた年月)」のどちらを書くかは、採用担当者から見ると大きな問題ではありません。
ただし、記載の一貫性が重要です。一般的には「試験に合格した年月」を記載するのが主流ですが、登録証に記載された登録年月日を書く場合はその値と一致している必要があります。どちらが正確か迷った場合は、登録証記載の年月を使うのが確実です。
初任者研修・実務者研修も書くべきか
介護職では介護福祉士のほかに、以下の関連資格を持つ方も多いです。
- 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
- 介護職員実務者研修
- 認知症介護基礎研修
- 喀痰吸引等研修(第1号〜第3号)
介護福祉士の資格がある場合、初任者研修・実務者研修の記載は省略しても問題ありません。ただし、喀痰吸引等研修など実務上の付加価値が高い資格は積極的に記載しましょう。採用担当者が「即戦力性」を判断する根拠になります。
複数の資格がある場合の記載順
資格を複数持っている場合は、取得年月の古い順に並べます。重要だと思う資格を先に書くと採用担当者が混乱する原因になるため、取得時系列の順番を崩さないことが原則です。
| 年月 | 資格名 |
|---|---|
| 20XX年X月 | 介護職員実務者研修 修了 |
| 20XX年X月 | 介護福祉士 |
| 20XX年X月 | 喀痰吸引等研修 第3号研修 修了 |
同じ福祉系の国家資格でも、精神保健福祉士など複数の資格をお持ちの方は、精神保健福祉士の履歴書の書き方も参考にしてください。記載の考え方は共通しています。

【項目別】介護福祉士の履歴書記入方法
学歴欄:高校卒業から記入するのが基本
学歴欄は「高校卒業」から記入するのが基本です。中学校卒業(義務教育終了)から書く必要はなく、履歴書のスペースを有効に使うために高校から記入します。学校名は正式名称で書き、「同 卒業」など略記できる部分は略記が認められています。
良い例文
20XX年 3月 ○○高等学校 普通科 卒業
20XX年 4月 ○○介護福祉専門学校 入学
20XX年 3月 同校 卒業
学校名は正式名称で記載します。「○○高校」ではなく「○○高等学校」、「○○専門学校」ではなく学校が定める正式な名称を確認してから書きましょう。
職歴欄:「入社」「入職」の使い分けと介護施設特有の書き方
介護職の職歴欄でもっとも多いミスが「入社」「入職」の使い分けです。一般企業(株式会社・有限会社)なら「入社」が正しいですが、社会福祉法人・医療法人・NPO法人・社団法人へは「入職」を使います。これは介護・医療業界の常識であり、採用担当者が専門性の有無を測る指標のひとつです。
| 施設・法人の種類 | 正しい表現 |
|---|---|
| 株式会社運営の有料老人ホームなど | 入社・退社 |
| 社会福祉法人の特養・老健 | 入職・退職 |
| 医療法人の病院・デイサービス | 入職・退職 |
| NPO法人の訪問介護事業所 | 入職・退職 |
職歴欄には施設名・法人名に続き、業務内容を一行で補足すると評価が高まります。「介護業務全般」ではなく、規模・業務種別・役割を具体化するのが採用担当者に伝わる書き方です。
良い例文
20XX年 4月 社会福祉法人○○会 ○○特別養護老人ホーム 入職
(特養80床・認知症ユニット担当、身体介護・入浴介助・記録業務)
20XX年 3月 一身上の都合により退職
医療法人が運営する施設への応募の場合も、同じ考え方で記入します。詳しくは医療法人の履歴書の書き方も参考にしてください。

志望動機欄:採用担当者が通過させる文章の特徴
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ他でもなくこの施設なのか」の具体的な理由
- 過去の経験と応募施設の理念・ケアの方針がどう連動しているか
- 入職後に何をしたいか(前向きなビジョンの有無)
「介護が好きだから」「利用者様の役に立ちたい」のような表現は、採用担当者から見ると「どの施設の志望動機にも使える汎用文」として評価が低くなります。施設の理念・ケア方針との接点、自分の経験で培ったスキルがどう活きるかを具体的に書くことが、通過率を上げる最大のポイントです。
自己PR欄:スキルを数値で伝える書き方
自己PRは「経験した業務の羅列」ではなく、「自分の強みがこの施設でどう活かせるか」を伝える場です。介護福祉士として特に評価される自己PRの要素を以下に整理します。
- 数値で表せる経験:「特養80床・ユニット型12名を担当」「夜勤月8回以上」など規模感を伝える
- 専門スキルの明示:「喀痰吸引3号研修修了」「認知症ケア専門士取得に向け学習中」
- チームへの貢献実績:「新人育成担当として3名の指導経験あり」
「コミュニケーション能力があります」「責任感があります」といった抽象的な表現は評価されません。採用担当者が「この人なら施設で何ができるか」をイメージできる具体的な記述を意識してください。
本人希望欄:空欄が一番NGな理由
本人希望欄を空欄で提出する応募者は少なくありませんが、採用担当者の目には「条件面を整理していない」または「履歴書の作成が不完全」と映ることがあります。希望条件がない場合でも、「貴法人の規定に従います」と記入するのが基本マナーです。
夜勤不可・週〇日希望などの制約がある場合は、正直に記載した方が入職後のミスマッチを防げます。採用担当者も「採用後に発覚するより事前に知っておきたい」と考えているケースがほとんどです。条件の記載を遠慮する必要はありません。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が落とす介護福祉士の履歴書3パターン
実際の書類選考の現場では、内容の前に「基本動作」で落とされる履歴書が一定数あります。以下の3パターンは、介護福祉士の転職で特に多い落とし穴です。
NG例①:資格欄に「ホームヘルパー2級」と記入している
ホームヘルパー2級は2013年に廃止された旧制度です。現在の正式名称は「介護職員初任者研修」に移行しているため、旧名称での記載は「情報のアップデートができていない」と判断されます。過去に取得した資格でも、現在の正式名称に書き直すことが必要です。
NG例②:社会福祉法人の施設に「貴社」という敬称を使っている
社会福祉法人・医療法人・NPO法人に「貴社」という敬称を使う応募者は、採用担当者から「業界の基礎知識がない」と見なされます。法人の種類に応じた正しい敬称を使いましょう。
| 応募先の種類 | 正しい敬称 |
|---|---|
| 株式会社・有限会社 | 貴社 |
| 社会福祉法人 | 貴法人 |
| 医療法人 | 貴法人 |
| 施設名で書く場合 | 貴施設 |
NG例③:職歴欄に「介護業務全般を担当」しか書かれていない
採用担当者が知りたいのは「何人規模の施設で」「どんな利用者を担当し」「何ができるか」です。「介護業務全般」だけでは即戦力かどうかの判断ができません。施設の規模・担当業務・役割を補足することで、採用担当者が「この人は何ができるか」をイメージしやすくなります。
施設別・状況別の志望動機例文
志望動機は応募先の施設の種類によって書くべき内容が変わります。同じ介護福祉士でも、特養・訪問介護・グループホームでは施設の役割・目標が異なるため、それに合わせた表現が採用担当者には響きます。
特別養護老人ホームへの転職
良い例文
前職では有料老人ホームで5年間、身体介護・認知症ケアを担当してまいりました。入居者の方が「ここに住んでいてよかった」と感じられる生活環境を支えることに介護のやりがいを感じており、個別ケアに力を入れている貴法人のユニット型ケアに共感し応募いたしました。入職後は経験を活かしてフロアリーダーとしても施設に貢献したいと考えております。
特養への志望動機では、「ユニット型か従来型か」「法人の理念との一致点」「長期的なキャリアビジョン」の3点を盛り込むと採用担当者の目に止まりやすくなります。
訪問介護・在宅系への転職
良い例文
施設介護の経験を経て、利用者様が住み慣れた自宅で暮らし続けられるよう支援したいという思いが強くなり、訪問介護への転職を決意しました。貴事業所が地域密着型の支援を大切にされていることを知り、自分の経験とケアの方向性が一致すると感じ応募いたしました。身体介護・生活援助の両方に経験があり、喀痰吸引3号研修も修了しております。
訪問介護への転職では、「なぜ施設介護から在宅へ転換したいのか」という動機の説明が重要です。「施設介護が嫌だった」という後ろ向きの理由ではなく、在宅ケアで実現したいことを前向きに伝える構成にしましょう。
グループホームへの転職(認知症ケア特化)
良い例文
前職のユニット型特養で3年間、認知症の方の個別ケアに携わってきました。その中で「小規模・家庭的な環境こそが認知症の方に安心感をもたらす」と実感し、グループホームでのケアに興味を持つようになりました。貴施設が認知症の方の個別対応を徹底していることを見学時に確認し、ぜひこの環境で力を発揮したいと考え応募いたしました。
グループホームの志望動機では、「認知症ケアへの具体的な関心」と「見学や調査をした上での応募」の2点を盛り込むと、採用担当者に「本気度が高い応募者」として伝わります。医療法人が運営する施設への志望動機については医療法人への志望動機の書き方も参考にしてください。

ブランク期間がある場合
ブランク期間(育児・介護・療養など)がある場合は、志望動機欄で触れておくと採用担当者の不安が解消されます。「なぜブランクがあったのか」を先に説明することで、面接の場で聞かれる前に印象をコントロールできます。
良い例文(育児でブランクありの場合)
介護福祉士として8年間の勤務後、育児のため一時退職しておりました。子どもが小学校に入学し生活が落ち着いたため、介護の仕事に復帰する決意をいたしました。ブランク期間中は認知症介護のオンライン研修を受講しており、復職への準備を続けておりました。貴施設の日勤・週4日のシフト体制が家庭と両立できる環境と判断し応募いたしました。
ブランク期間中に研修や勉強をしている場合は必ず記載しましょう。採用担当者は「ブランクがある」という事実よりも、ブランク中に何をしていたか・復職への意欲があるかを見ています。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 資格欄は正式名称「介護福祉士」のみ。「介護士」「取得」などの表記はNG
- 取得日は試験合格年月(または登録証の年月)を記載し、どちらを使うか一貫させる
- 職歴欄は「入社/入職」の使い分けと業務の具体的な記述が採用担当者の判断材料になる
- 志望動機は「なぜこの施設か」の具体的な理由を施設の種類に合わせて書く
- 採用担当者が落とすパターンは「資格名の誤り・敬称ミス・職歴欄の抽象化」の3つ
同じ福祉・医療系の施設への転職では、福祉用具専門相談員の履歴書の書き方も参考になります。記入の考え方は共通しているため、書き方に迷った際に確認してください。
介護福祉士の履歴書に関するよくある質問
- 資格欄に「介護福祉士 登録」と書くべきですか?
-
「介護福祉士」のみで問題ありません。「登録」「取得」「合格」などの言葉を付け加える必要はなく、資格名だけを記載するのが正式なルールです。
- 初任者研修・実務者研修は介護福祉士と一緒に書くべきですか?
-
介護福祉士の資格がある場合、初任者研修・実務者研修は省略しても問題ありません。ただし、喀痰吸引等研修など実務に直結する資格は記載した方が評価されます。
- 特別養護老人ホームへの応募時の敬称は何を使いますか?
-
特別養護老人ホームは社会福祉法人が運営するため「貴法人」または「貴施設」を使います。「貴社」は株式会社向けの表現であり、社会福祉法人への応募では使用しないのがマナーです。
- 転職回数が多い場合、職歴欄はどう書けばよいですか?
-
転職回数が多くても、各施設での業務内容を具体的に記載することで採用担当者の理解が深まります。退職理由をすべて「一身上の都合」でまとめるのではなく、キャリアアップや専門性向上など前向きな理由が説明できる場合は補足文を添えると印象が改善します。


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