この記事では、履歴書の入社可能日(勤務開始日)の書き方を、在職中・退職日未定・有給消化中・離職中の4パターンで例文つきで解説します。採用担当者が本人希望欄のどこを確認しているかと、現実的な日付の決め方も紹介します。
入社可能日はどこに書くのか
本人希望欄が基本の記載場所
入社可能日は、履歴書の「本人希望記入欄」に記載するのが基本です。本人希望欄は給与や勤務条件の希望を伝える欄ですが、入社可能日の情報を併せて記載することで、採用担当者がスケジュールを立てやすくなります。
退職予定日と入社可能日をセットで書くと、採用担当者にとって状況が一目でわかります。以下のような形が標準的な記載例です。
本人希望欄の基本的な記載例
退職予定日:2026年6月30日
入社可能日:2026年7月1日以降
勤務時間・その他は貴社規定に従います。
職歴欄の「退職予定日」との使い分け
職歴欄では、在職中の場合「現在に至る」と記載します。退職予定日が確定していれば、その直後に「(2026年6月30日退職予定)」と括弧書きで補記する方法もありますが、入社可能日そのものは本人希望欄に書くのが適切です。
| 記載欄 | 書くこと |
|---|---|
| 職歴欄 | 「現在に至る」+退職予定日(確定済みの場合のみ括弧書きで補記) |
| 本人希望欄 | 入社可能日・退職予定日・連絡可能時間帯など |
採用担当者は入社可能日のどこを見ているのか
「入社可能日はできるだけ早いほうが有利」と考えている方は多いですが、採用担当者が評価しているのは早さだけではありません。
採用担当者はここを見ている
- 採用計画との整合性:いつ入社できるかによって、プロジェクト配置やチームの人員計画が変わる
- 候補者の現在の状況:在職中か離職中かを把握し、選考スケジュールを調整する材料にする
- 責任感・誠実さの測定:引き継ぎや退職手続きを考慮した現実的な日付が書かれているかを確認する
引き継ぎ期間を理由に「入社は2か月後」と記載した候補者が、「前の職場に誠実に向き合える人材」として好印象を持たれるケースは少なくありません。根拠のない早期入社日より、現実的な日付と理由を添えた記載のほうが評価されます。
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入社可能日を記載する前に、以下の3ステップで日付を計算します。在職中のまま転職活動をしている場合、この手順を踏まずに記載すると後から変更が生じ、採用担当者に迷惑をかける可能性があります。
STEP1 就業規則で退職申し出の期限を確認する
まず確認すべきは、現在の会社の就業規則に定められた「退職申し出の期限」です。多くの企業では「退職の1か月前」「退職の2か月前」などと規定されています。
民法627条では、雇用期間の定めがない場合は2週間前の申し出で退職できると定めています。ただし、就業規則の規定を守って退職することが、円満退職につながる現実的な選択肢です。
就業規則で確認すべき項目
- 退職申し出の何日前(または何か月前)に申告が必要か
- 有給休暇の残日数
- 退職に関する特別な条件(競業避止義務など)がないか
STEP2 引き継ぎに必要な期間を計算する
引き継ぎにかかる期間は、担当業務の複雑さと後任の習熟度によって変わります。以下を目安に計算してください。
| ケース | 目安の引き継ぎ期間 |
|---|---|
| 通常の業務担当者 | 2〜4週間 |
| 管理職・チームリーダー | 1〜2か月 |
| 専門職・属人性が高い業務 | 1〜3か月 |
| プロジェクト途中の場合 | プロジェクトの区切りまで |
STEP3 有給消化日数を加算する
引き継ぎ完了後に残っている有給休暇を消化してから退職する場合、その日数分だけ退職日が後ろにずれます。有給消化中でも雇用契約は続いているため、入社可能日は「有給消化終了日(=退職日)の翌日以降」になります。
3ステップを踏むと、退職申し出から入社までのおおよそのスケジュールが計算できます。在職中からの転職では、内定後1〜3か月後が現実的な入社可能日の目安です。
【ケース別】入社可能日の書き方と例文
在職中・退職日が決まっていない場合
退職日がまだ確定していない段階で応募書類を提出するケースは多いです。この場合、具体的な日付を無理に記載する必要はありません。目安の時期と「ご相談に応じます」という姿勢を合わせて伝えることで、採用担当者も選考を進めやすくなります。
良い例文
入社可能日:退職手続き完了後、2026年8月中を目安に入社可能です。詳細はご相談に応じます。
NG例
入社可能日:未定
「未定」のみでは採用担当者がスケジュールを立てられず、入社意欲が低いと判断されるリスクがあります。目安の月だけでも記載するのが基本です。
在職中・退職日が決まっている場合
退職日が確定している場合は、具体的な日付を明記するのが最も明確です。退職予定日と入社可能日をセットで記載することで、採用担当者に状況が一目で伝わります。
良い例文
退職予定日:2026年7月31日
入社可能日:2026年8月1日以降
引き継ぎが完了しだい早期入社も可能です。
有給消化中の場合
有給消化中であっても雇用契約が継続している期間は在職中の扱いです。職歴欄には引き続き「現在に至る」と記載します。入社可能日は有給消化が終わる退職日の翌日以降になります。
良い例文
入社可能日:2026年6月16日(現在有給消化中。2026年6月15日付で退職予定)
退職済み・離職中の場合
すでに退職済みで離職中の場合は、準備が整い次第入社できる状況です。引っ越しなどが不要であれば「即日入社可」と記載することもできますが、転居が必要な場合は現実的な日付を書くほうが誠実に伝わります。
良い例文(引っ越しなし)
入社可能日:即日(2026年5月10日付で退職済み)
良い例文(引っ越しあり)
入社可能日:2026年6月1日以降(退職済み。転居準備のため上記日程を希望します)
やってしまいがちなNG記入パターン5選
入社可能日の記載でよく見られる失敗パターンを5つ紹介します。いずれも採用担当者にとって判断に迷う情報であり、選考上のマイナス評価につながる可能性があります。
- 在職中なのに「即日入社可」と書く:退職手続きが必要なのに即日入社は現実的でない。後から日程変更が生じ、信頼を損ねる原因になる
- 退職日未定なのに確定した日付を書く:交渉次第で変わりうる日付を断言すると、後から変更を余儀なくされ採用担当者に迷惑をかける
- 空欄または「特になし」のみ:入社可能日の情報が何もない状態では採用担当者がスケジュールを組めず、選考が遅れる原因になる
- 3か月以上先の日付を理由なく書く:急募の求人では候補から外れる可能性がある。やむを得ない事情がある場合は理由を添えて記載する
- 「貴社の規定に従います」のみ:配慮の表現として使うのは良いが、日付の目安がゼロでは何も伝わらない。目安の時期と合わせて記載すること
採用担当者はここを見ている
- 記載の有無だけでなく、「根拠のある日付かどうか」を確認する
- 日付が早すぎる・遅すぎる場合は、面接時に確認の質問がくることが多い
- 日付の根拠(引き継ぎ・有給消化など)を示した記載は、ビジネスマナーとして好印象
入社可能日を早めたいときの対処法
「できるだけ早く入社したい」という事情がある場合、単に早い日付を書くのではなく、実際に日程を前倒しできる方法を取ることが必要です。
就業規則の退職申し出期限と民法14日の関係
民法627条では、雇用期間の定めがない労働者は2週間前に退職の意思を伝えれば退職できると定めています。就業規則に「1か月前」「3か月前」と書かれていても、法律上は2週間で退職することは可能です。
ただし、就業規則を無視して突然2週間で退職することは、職場との関係を悪化させたり、損害賠償を請求されるリスクが生じる場合もあります。早期退職を希望する場合は、まず上司と誠実に話し合うことが現実的な対処法です。
引き継ぎを効率化する3つのアクション
引き継ぎの期間を短縮することで、実質的に入社可能日を前倒しできます。以下の3点を退職意思表明と同時に実行することが効果的です。
- 退職意思表明と同時に引き継ぎ資料の作成を始める:業務マニュアルや進行中のプロジェクト情報をドキュメント化することで、後任が短期間で習熟できる環境を整える
- 後任と並走期間を設ける:引き継ぎ期間中に後任者と一緒に業務を進める期間を設定すると、口頭だけの引き継ぎより早く完了する
- プロジェクトの区切りを退職日に合わせる:途中で抜けると引き継ぎが複雑になるため、リリース後・納品後など節目のタイミングを退職日に設定すると交渉しやすい
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 入社可能日は本人希望欄に記載するのが基本。退職予定日とセットで書くと採用担当者に伝わりやすい
- 採用担当者は日付の「早さ」だけでなく、現実的な根拠と誠実さを評価している
- 入社可能日を決める手順は「就業規則の確認→引き継ぎ期間の計算→有給消化日数の加算」の3ステップ
- 退職日が未定の場合は「〇月中を目安」という書き方で問題ない。「未定」のみの記載は避ける
- 在職中に「即日入社可」と書くことは事実と異なるため、記載してはいけない
入社可能日は採用担当者が必ず確認する情報です。早く書きすぎず、遅くなる場合は理由を添えながら、現実的な日付を記載することが通過率につながる記入方法です。
入社可能日に関するよくある質問
- 入社可能日が2〜3か月後でも選考に不利になりませんか?
-
急募でない求人であれば、2〜3か月後でも不利になることはほとんどありません。在職中からの転職では1〜3か月後が一般的な目安とされており、引き継ぎ期間を理由にした誠実な記載は好印象を与えるケースもあります。急募の求人に応募する場合は、面接で前倒しの可能性を相談することも選択肢の一つです。
- 記載した日付が変わった場合、どのように連絡すればよいですか?
-
変更が生じた場合は、判明した時点でできるだけ早く採用担当者に連絡します。メールまたは電話で「先日お伝えした入社可能日について変更が生じました」と伝え、新しい日付と変更の理由を簡潔に説明します。日程変更自体が選考に影響するケースは少ないですが、連絡が遅れることが信頼を損ねる原因になります。
- 面接で入社可能日を聞かれたらどう答えればよいですか?
-
事前に3ステップ(就業規則の確認・引き継ぎ期間の計算・有給消化日数の加算)で具体的な日程を計算しておき、「退職手続きや引き継ぎを経て、○月中には入社可能です」と回答します。「いつでもいいです」「早ければ早いほどいいです」といった曖昧な回答より、根拠のある具体的な時期を伝えるほうが採用担当者に信頼されます。
- 「貴社の規定に従います」だけで大丈夫ですか?
-
「貴社の規定に従います」は配慮の表現として有効ですが、それだけでは入社可能日の情報がゼロになってしまいます。「退職手続き完了後、○月中を目安に入社可能です。詳細は貴社の規定に従います」のように、目安の時期と組み合わせて記載するのが適切です。
- 離職中の場合、「即日入社可」と書いてよいですか?
-
退職済みで引っ越し等の準備も不要であれば、「即日入社可」と記載しても問題ありません。ただし転居が必要な場合や各種手続きに時間がかかる場合は、現実的な日付を記載するほうが誠実に伝わります。「即日」と書いた場合、面接でその旨を確認される場合があるため、本当に即日対応できる状況かを確認してから記載してください。


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