この記事では、教員免許を履歴書の資格欄に正しく書く方法を解説します。正式名称の一覧(校種別・種別)から、複数免許の書き順、取得見込みの表記、民間転職時の注意点まで、採用担当者の視点を交えて整理します。
教員免許を履歴書に書くときの基本ルール5つ
採用担当者が資格欄を確認するとき、最初に見るのは「正式名称で書かれているか」「取得年月が明記されているか」の2点です。教員免許は校種・種別・教科の組み合わせによって名称が細かく異なるため、略記や誤った表記は書類の印象を下げる原因になります。
- 取得した年月を記入する(西暦・和暦どちらかで統一)
- 正式名称で書く(「教員免許」「一種免許」などの略記は不可)
- 中学・高校の場合は教科名を括弧内に記載する
- 複数ある場合は取得年月が早い順に記載する
- 末尾に「取得」と記す
採用担当者はここを見ている
- 「教員免許取得」「小学校教諭免許1種」のような略記は一目でNGと判断されます
- 正式名称を正確に書けるかどうかで、書類作成への姿勢が伝わります
- 民間転職でも教員免許は省略しないこと。対人スキルの裏付けとして評価されます
特に多いのが「免許状」の「状」を抜かす誤記です。「小学校教諭一種免許」と書いてしまうと、正式な免許の名称と異なります。免許状の現物を手元に置いて確認しながら記載することをおすすめします。
良い例文
令和〇年〇月 小学校教諭一種免許状 取得
NG例
令和〇年〇月 小学校教諭一種免許 取得 (「状」が抜けている)
令和〇年〇月 教員免許(小学校)取得 (略記のため正式名称ではない)
教員免許の正式名称一覧【校種別・種別対応表】
教員免許の正式名称は「〔学校の種類〕教諭〔種別〕免許状」が基本形です。中学校・高等学校の場合はさらに教科名を括弧で添えます。また、「第一種」「第二種」のように「第」を付けるのは間違いです。免許状に記載されているとおり「一種」「二種」と書くのが正解です。
幼稚園・小学校の正式名称
| 免許の種別 | 正式名称 |
|---|---|
| 専修免許状(大学院修了相当) | 幼稚園教諭専修免許状 |
| 一種免許状(大学卒業相当) | 幼稚園教諭一種免許状 |
| 二種免許状(短大卒業相当) | 幼稚園教諭二種免許状 |
| 専修免許状 | 小学校教諭専修免許状 |
| 一種免許状 | 小学校教諭一種免許状 |
| 二種免許状 | 小学校教諭二種免許状 |
中学校・高等学校の正式名称(教科あり)
中学校・高等学校は、免許名称の後に教科名を括弧で記載します。高等学校教諭に「二種」は存在しません。「高等学校教諭二種免許状」という免許はないため、誤って記載しないよう注意してください。
| 学校の種類 | 種別 | 正式名称の形式 | 例(英語) |
|---|---|---|---|
| 中学校 | 専修 | 中学校教諭専修免許状(教科) | 中学校教諭専修免許状(英語) |
| 中学校 | 一種 | 中学校教諭一種免許状(教科) | 中学校教諭一種免許状(英語) |
| 中学校 | 二種 | 中学校教諭二種免許状(教科) | 中学校教諭二種免許状(英語) |
| 高等学校 | 専修 | 高等学校教諭専修免許状(教科) | 高等学校教諭専修免許状(英語) |
| 高等学校 | 一種 | 高等学校教諭一種免許状(教科) | 高等学校教諭一種免許状(英語) |
特別支援学校の正式名称
特別支援学校の教員免許は、以前は「盲学校・ろう学校・養護学校」ごとに分かれていましたが、現在は「特別支援学校教諭免許状」に一本化されています。取得している種別に応じて以下の名称で記載してください。
| 種別 | 正式名称 |
|---|---|
| 専修免許状 | 特別支援学校教諭専修免許状 |
| 一種免許状 | 特別支援学校教諭一種免許状 |
| 二種免許状 | 特別支援学校教諭二種免許状 |
採用担当者はここを見ている
- 「小学校」「中学校」と略さず、「小学校教諭」まで正確に書いているか
- 「第一種」と書いていないか(「第」は不要)
- 高等学校教諭に「二種」がないことを理解しているか
- 中学・高校で教科名の記載が漏れていないか
教員免許の書き方ケース別ガイド
複数の免許を持っている場合
複数の教員免許を持っている場合は、取得した年月が早い順に1行ずつ記載します。「小学校と中学校の両方を持っている」などのケースでも、1行にまとめず必ず分けて書くのがルールです。
良い例文(複数免許の場合)
令和〇年〇月 小学校教諭一種免許状 取得
令和〇年〇月 中学校教諭一種免許状(国語)取得
NG例(複数免許の場合)
令和〇年〇月 小学校・中学校教諭一種免許状 取得 (1行にまとめてはいけない)
同じ学校種で複数の教科免許を持つ場合(例:中学校数学と中学校理科)も同様に、1行につき1免許を記載します。採用担当者は資格欄を素早くスキャンするため、1行1免許の形式が最も読みやすく評価されます。
取得見込みの場合(新卒・在学中)
卒業・修了前に履歴書を提出する場合は、正式名称の後に「取得見込み」と記載します。卒業予定年月を別途「学歴欄」に記載していれば、資格欄への補足は不要です。
良い例文(取得見込みの場合)
令和〇年〇月 小学校教諭一種免許状 取得見込み
取得見込みの記載で採用担当者が確認するのは、「本当に取得できるのか」です。教職課程の単位が取得できていない場合や、教育実習に問題がある場合でも「見込み」と書いてしまう応募者がいるため、取得見込みと書く際は卒業要件を事前に確認してください。
2022年7月以降の更新制廃止後の扱い
2022年7月1日に教員免許更新制が廃止されました。この日時点で有効だった免許状はすべて生涯有効となっています。一方、廃止以前にすでに失効していた免許(期限切れで更新しなかった)は「失効前免許状」として扱われ、自動的には復活しません。
失効していた免許の扱い
- 2022年7月1日以前に失効した免許は、都道府県教育委員会への申請で「有効化」の手続きが可能
- 有効化申請中の場合:「小学校教諭一種免許状 取得(有効化申請中)」のように添えると採用担当者への説明がスムーズ
- 現在有効かどうかわからない場合は、まず免許状の現物を確認するか教育委員会に照会する
取得年月を確認するには免許状の現物が最も確実です。資格の取得日の確認方法と、紛失した場合の調べ方については別の記事で詳しく解説しています。

民間企業に転職する場合の教員免許の扱い
教員免許は民間転職でも書くべきか
「民間企業への転職では教員免許は評価されないのでは」と考えて資格欄に書かない方がいますが、これは逆効果です。資格欄は事実を正確に記載する欄であり、省略すると採用担当者は「書き忘れか、実際は取得していないのでは」と判断することがあります。
採用担当者の視点では、教員免許は以下の能力の裏付けとして読まれます。
| 採用担当者が読み取るポイント | 理由 |
|---|---|
| 対人コミュニケーション力 | 保護者・生徒・同僚への対応経験が証明される |
| 説明・プレゼンテーション能力 | 授業設計・教材作成・発表の経験が裏付けになる |
| 学習継続力・課題解決力 | 教職課程での専門学習を修了した証明になる |
面接で「なぜ教員にならなかったのか」に備える
教員免許を持ちながら民間企業に応募すると、面接でほぼ確実に問われる質問です。この質問で採用担当者が確認したいのは「数年後に教員に転職するのではないか」という定着性への懸念です。曖昧な答えは不安を増幅させます。
採用担当者が安心する回答の3要素
- 民間を積極的に選んだ理由(「試験に落ちたから仕方なく」は禁物)
- 教員免許で培った強みを「この職種でどう活かすか」の具体的な言葉
- 教員への回帰を明確に否定するか、否定できない場合は理由ごと正直に伝える
NG例
「教員採用試験に合格できなかったので民間に転職しました」(「合格したら教員に戻る」と判断されやすい)
良い例文
「教育実習での経験から、人の学習を支援することへの関心が深まりました。学校という枠を超え、企業の人材育成という場でその経験を活かしたいと考え、民間を選択しました」
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →教員免許以外に記載すべき資格の優先順位
教員免許以外に資格を持っている場合、記載の順序には一定のルールがあります。採用担当者は資格欄を「応募者の専門性と準備の深さ」を確認する場所として見ています。
| 優先度 | 資格の種類 | 記載上の考え方 |
|---|---|---|
| 高 | 応募職種に直結する資格・免許 | 必ず記載。採用担当者が最初に確認する |
| 中 | 国家資格・公的免許 | 職種を問わず信頼性の裏付けになる |
| 中 | 教員免許 | 省略せず記載。対人スキルの証明として評価される |
| 低 | 難易度が低い民間資格 | 印象が薄い場合は省略を検討する |
英語系・ICT系資格との優先順位
英語科・情報科の教員免許保持者や、教職課程を履修した方は英語資格・ICT資格を合わせて持つケースが多いです。記載時の正式名称と注意点を整理します。
| 資格名 | 正式名称・記載例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 英語検定 | 実用英語技能検定〇級 合格 | 「英検〇級」ではなく正式名称を使う |
| TOEIC | TOEIC L&R TEST 〇〇〇点 | スコアと受験年月を明記する |
| ITパスポート | ITパスポート試験 合格 | 合格した年月を正確に記載する |
| 司書教諭 | 司書教諭講習 修了 | 「資格取得」ではなく「修了」が正しい表記 |
| 学芸員 | 学芸員資格 取得 | 博物館・美術館への転職では有効なアピール |
採用担当者はここを見ている
- TOEICは700点以上から記載効果が高まります。700点未満は省略するという判断もあります
- 英検は「実用英語技能検定〇級 合格」が正式名称。「英検2級」は略記です
- 司書教諭・学芸員は教育系以外の職種でも評価されることがあります
教員採用試験の一次合格は資格欄に書けるか
教員採用試験の一次試験合格は「資格」ではないため、資格欄への記載はできません。試験の合否は資格欄ではなく、自己PR欄や職務経歴書の中で「〇〇年度 〇〇県教員採用試験一次合格」として触れる方法が妥当です。
採用担当者の視点では、教員採用試験の一次合格は「一定の教科専門知識がある」という証拠として受け取られます。ただし、その後二次試験を受けているかどうかも気にされることがあるため、記載する場合は「一次合格・二次辞退」など結果まで書くと誤解を防げます。国家資格を履歴書に書く際の正式名称ルールについては、他の国家資格の書き方も参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 正式名称は「〔学校種〕教諭〔一種/二種/専修〕免許状」が基本形
- 中学・高校は末尾に「(教科名)」を括弧で追記する
- 高等学校教諭に「二種」は存在しない
- 「第一種」の「第」は不要。免許状の現物の記載に従う
- 複数ある場合は取得年月の早い順に1行1免許で並べる
- 2022年7月1日以降、有効な免許は生涯有効(更新不要)
- 民間転職でも省略せず必ず記載する
不明な点は免許状の現物を確認するか、都道府県の教育委員会に問い合わせると確実です。
教員の履歴書・資格欄に関するよくある質問
- 教員免許に「第一種」「第二種」と書いても良いですか?
-
「第」は不要です。正しくは「一種免許状」「二種免許状」と書きます。「小学校教諭第一種免許状」は正式名称とは異なる表記です。採用担当者によっては一瞬の引っかかりになるため、必ず免許状の現物を確認してから記載してください。
- 失効した教員免許は履歴書に書けますか?
-
2022年7月1日の更新制廃止以前に期限切れになった免許は「失効前免許状」として扱われます。書けないわけではありませんが、現時点で有効でない旨を括弧で補足するか、有効化申請中であれば「有効化申請中」と添えてください。都道府県教育委員会で有効化の申請手続きが可能です。
- 同じ学校種で複数の教科免許がある場合、どう書きますか?
-
1行につき1免許を記載します。例えば中学校数学と中学校理科の両方を持っている場合は「中学校教諭一種免許状(数学)取得」「中学校教諭一種免許状(理科)取得」のように、各行に分けて書きます。取得年月が早い順に並べてください。
- 民間企業への転職の場合、教員免許は省略しても良いですか?
-
省略しないでください。教員免許は公的免許であり、省略すると採用担当者は「書き忘れか、実際は取得していないのでは」と判断する場合があります。応募職種と直接関係がなくても、対人スキルや学習習慣の証明として評価されます。資格欄は事実を正確に記載する欄であるため、取得しているものはすべて書くのが原則です。


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