この記事では、美容師の転職で必要な履歴書の書き方を採用担当者視点で解説します。志望動機・自己PRの例文(経験者・未経験・異業種別)と、書類選考で落とされやすいNG表現の改善策もあわせて紹介します。
美容師の転職で使う履歴書の選び方
応募先から指定がない場合、どのフォーマットを使うかは自由です。ただし、転職活動での履歴書選びでは「職歴欄の広さ」を最初に確認することをおすすめします。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| JIS規格(市販品) | 学歴・職歴欄のバランスが取れている | 転職経験が少ない20代 |
| 厚生労働省推奨様式 | 職歴欄が広め、本人希望欄を記入しやすい | 転職回数が2回以上の経験者 |
| サロン指定フォーマット | サロン独自の項目が含まれる場合がある | 指定がある場合は必ずこちら |
採用担当者(オーナー・店長)の多くは、フォーマットそのものよりも内容の充実度を重視します。どのフォーマットを選んでも、志望動機・自己PR欄を丁寧に記入することが最優先です。
手書きとパソコン|採用担当者はどちらを重視するか
美容業界では手書きとパソコン作成のどちらも一般的です。複数のサロンに同時進行で応募する場合はパソコン作成が効率的です。手書きを選ぶ場合は以下の点に注意してください。
- 黒のボールペン(消えるタイプは不可)を使用する
- 誤字脱字した場合は修正テープ・修正液を使わず、新しい用紙に書き直す
- 鉛筆・シャープペンシルは不可
- 丁寧な字で読みやすく書く(必ずしも美字でなくてよい)
採用担当者はここを見ている
- 手書き・パソコンの区別よりも、空欄がないかを最初に確認する
- 「空欄=やる気がない」と判断するオーナーは多い。本人希望欄も「特になし」ではなく、勤務地・シフト希望を具体的に記入する
- 写真の印象(清潔感・接客にふさわしい身だしなみか)は書類を開いた瞬間の最初のフィルターになる
美容師の履歴書 項目別書き方ガイド
各項目をどう書くかで書類通過率が変わります。美容業界特有の注意点を含め、一つひとつ確認していきましょう。
写真・基本情報欄の書き方
証明写真はスーツ着用が原則ではなく、清潔感のある服装であればOKです。美容師らしい個性をアピールするためにおしゃれな服装で撮影しても問題ありません。ただし、過度なヘアカラーや特殊なメイクは「接客業に向いていない」と判断されるリスクがあります。
- サイズ:縦4cm×横3cm(スピード写真・アプリ撮影どちらも可)
- 撮影から3か月以内のものを使用する
- 写真の裏に氏名を記入しておく(はがれ防止)
- サングラス・帽子の着用は不可
学歴・職歴欄の書き方(スタイリスト昇格を明記するポイント)
学歴は中学校卒業から記載するのが基本です。「○○美容専門学校 美容科 入学」のように、正式名称で記入してください。職歴欄では入社・退職の日付と正式な店舗名・法人名を記載します。
職歴欄自体には「スタイリスト昇格」を直接書くことが難しい場合もありますが、自己PR欄や志望動機欄で「入社○年後にスタイリストに昇格」という事実を補足すると、採用担当者が確認したい情報を先回りして伝えられます。
採用担当者はここを見ている
- アシスタント期間の長さ:2〜3年以内にスタイリスト昇格は一般的な目安。極端に長い場合は理由が気になる
- 在籍年数:1年未満の転職は「なぜ短期間で辞めたのか」を面接前から把握しようとする
- 転職回数:3回以上の場合は志望動機欄で一貫したキャリアの流れを示せるかどうかを見る
資格欄|美容師免許の正式名称と関連資格の書き方
国家資格の美容師免許は「美容師免許 取得」と正式名称で記載します。「美容師資格」「美容師取得」は正確ではないため注意が必要です。免許証に記載されている取得年月日を確認して記入してください。
良い例(正しい記載)
20○○年 ○月 美容師免許 取得
20○○年 ○月 普通自動車第一種運転免許 取得
NG例
「美容師資格 取得」→ 正式名称は「美容師免許」。「資格」ではなく「免許」が正しい
「美容師免許 合格」→ 試験合格後に免許を取得した場合は「取得」を使う
「○○カラーリスト認定 取得」→ 民間資格は「修了」「認定」など取得証明書で正式な表記を確認する
民間資格(カラーリスト・ネイリスト・エステティシャン等)は採用担当者の印象をプラスにします。正式名称と取得年月日を証明書で確認のうえ記載してください。
| 資格名 | 履歴書への記載方法 |
|---|---|
| 美容師免許 | 美容師免許 取得 |
| 理容師免許 | 理容師免許 取得 |
| JNA認定ネイリスト技能検定 | JNAネイリスト技能検定試験 ○級 合格 |
| 日本エステティック協会認定資格 | 認定エステティシャン 認定 |
| 普通自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
履歴書のフォーマット選びと記載方法をあわせて確認したい場合は、以下の記事も参考になります。

採用担当者が落とす志望動機のNG例
書類選考でほとんどの美容師が落とされる原因は、履歴書の形式的なミスではありません。志望動機の内容が「このサロンでなくても良い」と採用担当者に判断されることが最大の理由です。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ他のサロンではなく、うちのサロンなのか」が具体的に書かれているか
- 前の職場を辞めた理由がネガティブな表現になっていないか
- 「長く働いてくれそうか」を判断できる内容があるか
NG①「通いやすいから」「給与が高いから」だけでは通らない
立地や待遇を志望理由の中心に据えるのは避けてください。「給与が前職より高いから」「自宅から近いから」という理由は本音であっても、採用担当者には「条件が変わればすぐ辞める人」という印象を与えます。
条件に魅力を感じた場合でも、志望動機には「サロンのコンセプト」「技術・方針への共感」「自分が貢献できること」を前面に出し、待遇面への言及は最小限にとどめることが書類通過率を上げるポイントです。
NG②前の職場への不満をそのまま書く
「前職は残業が多く、技術向上の機会がなかった」という退職理由は事実かもしれませんが、志望動機に混入させるのは危険です。採用担当者は「前の職場の愚痴を言う人は、うちのサロンについても同じことをする可能性がある」と判断します。
前職への不満はポジティブな表現に変換するのが鉄則です。「残業が多かった」→「より多くのお客様と向き合える環境で技術を磨きたい」という言い換えができます。
NG③どのサロンにも使いまわせる「汎用志望動機」
「美容師として技術を磨き、お客様に喜んでいただきたい」という志望動機は、どのサロンにも当てはまる内容です。採用担当者に「うちでなくても良いのではないか」と感じさせてしまうため、書類で弾かれる確率が高くなります。
そのサロンのホームページやSNSを確認し、「このサロン特有のコンセプト・技術・方針」への言及を志望動機に1文以上入れることが、他の候補者との差別化につながります。
状況別・美容師の志望動機例文
志望動機は自分の状況(経験者・未経験・転職回数)に合わせて書き方を変えることが重要です。以下の例文を参考に、サロン固有の情報を加えてカスタマイズしてください。
経験者(他サロンから転職)の志望動機例文
スタイリストとして経験があることを活かしつつ、なぜこのサロンを選んだかを具体的に示すことがポイントです。在籍中の職場への批判はせず、新しい環境で実現したいビジョンを前面に出してください。
良い例文
「前職では3年間アシスタントとしてカット・カラーの基礎を学び、昨年スタイリストに昇格しました。貴サロンのSNSで拝見したハイライトカラーの施術に強く惹かれ、この技術を追求できる環境で働きたいと考え志望しました。特に、お客様一人ひとりの骨格や髪質に合わせたスタイル提案を大切にされている点に共感しており、即戦力として貢献できると考えています。」
NG例
「前職では人間関係が悪く、技術向上の機会も少なかったため転職を決意しました。貴サロンは自宅から近く、給与も現職より高いため応募しました。美容師として長く働きたいと考えています。」
前職への不満と条件面だけを並べており、このサロンを選んだ積極的な理由がまったく伝わらない。
他業種から美容師に転職する場合の例文
他業種からの転職では「なぜ美容師になりたいのか」と「このサロンで学びたいこと」の両方を伝える必要があります。具体的な経緯を書くことで、採用担当者の不安を払拭してください。
良い例文(他業種からの転職)
「前職では飲食業で接客を4年間担当しました。美容師に転身したいと思ったきっかけは、担当美容師の方に何気なく悩みを話したとき、カットとともに精神的にも楽にしていただいた経験からです。貴サロンでは接客スキルを活かしながら美容技術を基礎から学べる研修制度が充実していると伺っており、アシスタントとして早期に貢献できるよう努力する所存です。」
転職回数が多い場合の書き方
転職回数が3回以上ある場合、採用担当者は「またすぐに辞めるのでは」と懸念します。この懸念を払拭するために、転職のたびにスキルや経験の幅が広がってきたというキャリアの流れを志望動機に反映させてください。
- 「1店舗目でカット基礎を習得 → 2店舗目でカラー専門技術を深めた → 今回は幅広いスタイル提案ができる環境へ」という一貫した成長の流れを示す
- 転職した理由はポジティブな表現に言い換える(「より専門性の高い環境を求めて」など)
- 「今後は長期的にキャリアを築きたい」という意思を最後に加える
サービス業・美容系の他職種での転職経験がある場合も、履歴書の基本的な書き方は共通しています。関連職種の例として参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者に刺さる自己PRの書き方
自己PRは「どんな技術が得意か」だけを書いても採用担当者の印象には残りません。抽象的なスキルの羅列ではなく、具体的な実績や数字で裏付けられた内容にすることで、説得力が格段に上がります。
採用担当者はここを見ている
- 技術の具体性:「カット・カラーが得意」より「週末の担当客数○名、リピート率○%」という数字がある自己PRを評価する
- 接客力の証拠:「お客様から指名をいただけた」という実績は即戦力の証拠として評価が高い
- サロンとの相性:「このサロンのコンセプトに自分のスキルがどう活きるか」まで書いてある自己PRは少ない。書けば他の候補者と差がつく
以下は数字を活用した自己PRの例です。
良い例文(自己PR)
「スタイリストとして2年間勤務し、週末の担当客数は平均12〜15名、リピート率は約70%を維持してきました。特にトリートメントカラーとデジタルパーマの提案が得意で、お客様から指名をいただける関係を築いてきました。前職のノウハウを活かしつつ、貴サロンのツヤ感重視のスタイル提案にさらに磨きをかけていきたいと考えています。」
担当客数の正確な数字が分からない場合でも「週末の担当客数は10名前後」という概算で構いません。具体的な実感を持てる表現があるだけで、採用担当者の印象は大きく変わります。
美容師の履歴書の提出方法とマナー
提出方法(郵送・手渡し・メール)は応募先の指定に従うのが基本ですが、指定がない場合は手渡しか郵送が一般的です。
| 提出方法 | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| 郵送 | 確実に届く・記録が残る | 封筒に「応募書類在中」と朱書き。白い角形2号封筒を使用し、送付状を同封する |
| 手渡し | 熱意が伝わりやすい | クリアファイルに入れてから白い封筒に封入。「お渡しできますか」と一言断ってから手渡す |
| メール | 速度が早い・コピーが取りやすい | 件名に「応募書類送付の件」を明記。PDF形式に変換して添付する |
郵送する場合、封筒の表面には「履歴書在中」または「応募書類在中」と赤文字で記載し、白い角形2号の封筒(A4が折らずに入るサイズ)を使用してください。履歴書を折り曲げて入れるのはマナー違反です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 履歴書フォーマットは転職回数に応じて選ぶ。手書き・パソコンどちらでも可だが、複数サロンへの応募ではパソコン作成が効率的
- 資格欄は「美容師免許 取得」と正式名称で記載。民間資格は取得証明書で正式名称を確認する
- 採用担当者が最も重視するのは志望動機。「なぜこのサロンか」という具体的な理由がなければ書類で弾かれやすい
- 前職への不満はそのまま書かず、ポジティブな表現に変換する
- 自己PRは「カットが得意」ではなく「担当客数○名・リピート率○%」という数字で具体性を出す
書類選考は採用担当者との最初の接点です。履歴書の内容が通過ラインに達していれば、次の面接で実力を証明する機会が得られます。
美容師転職の履歴書に関するよくある質問
- 美容師免許がない(国家試験前・申請中)の場合、履歴書の資格欄はどう書けばいいですか?
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国家試験の受験前や合格後に免許申請中の場合は「美容師免許 取得見込み(○年○月)」と記載します。試験に合格している場合でも免許証が届いていない場合は「美容師国家試験 合格・申請中」と補足するとよいでしょう。採用担当者は取得見込みであれば問題視しないケースがほとんどです。
- 転職理由が人間関係や職場環境の場合、履歴書にどう書けばいいですか?
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履歴書の退職理由欄には「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。詳細な理由は面接で聞かれた場合に答えれば十分です。志望動機の欄では前職への不満ではなく、新しい環境でのキャリアアップへの意欲を前面に出してください。
- 美容師の転職では職務経歴書も必要ですか?
-
美容師の求人では職務経歴書の提出を求めないサロンも多いですが、中規模以上のサロンや美容室チェーンへの応募では必要になるケースがあります。求人票に記載がない場合でも職務経歴書を同封することで、アシスタント時代の業務内容・担当客数・得意施術を詳しく伝えられるため、書類通過率が上がる可能性があります。
転職活動で職務経歴書も必要になった場合は、自動作成ツールを活用するのも一つの方法です。



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