この記事では、職務経歴書の書き方を全項目にわたって解説します。採用担当者が最初の5秒でチェックしている「見た目」と職務要約の作り方、書類選考を通過できない書類に共通するパターン、書くことがないと感じたときの対処法まで例文付きで紹介します。
職務経歴書とは|履歴書との違いと採用担当者が使う場面
職務経歴書は、これまでの勤務経験と身についたスキルを採用担当者に伝えるための書類です。書くべき内容・フォーマット・枚数に決まった規定がなく、作成者が自由に設計できる点が履歴書と大きく異なります。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| フォーマット | JIS規格など決まった形式 | 自由(A4縦が一般的) |
| 記載内容 | 氏名・住所・学歴・資格など基本情報 | 職歴・スキル・実績・自己PR |
| 目的 | 本人確認・基本情報の把握 | 即戦力かどうかの判断 |
| 枚数 | 1枚(規定のサイズ) | A4用紙1〜2枚程度 |
採用担当者が職務経歴書で確認している3つのこと
採用担当者が職務経歴書を見るとき、無意識のうちに3つの問いに答えを探しています。転職支援会社の調査によると、仕事内容を重視する担当者は62%、取り組み姿勢は51%、成果・実績は38%と続きます。
採用担当者はここを見ている
- ①自社の求人要件と経験が一致しているか|即戦力になれる人材かどうかを最初に判断します
- ②成果・実績が具体的な数値で示されているか|「頑張りました」では評価できません。数字がないと実力の判断ができません
- ③キャリアの軸に一貫性があるか|転職理由と次のキャリアの方向性が論理的につながっているか確認します
履歴書と職務経歴書、先に書くべきはどちらか
先に職務経歴書を書くことを勧めます。職務経歴書を作成する過程でキャリアの棚卸しができ、自分の強みと実績が整理されます。この整理ができると、履歴書の自己PR欄や志望動機も書きやすくなります。
多くの人が「どちらから書けばいいかわからない」と迷って手が止まりますが、職務経歴書→履歴書の順番で進めると全体の作業が格段にスムーズになります。
書く前にやること|「通る書類」になるための準備
職務経歴書が書類選考を通過できない最大の理由のひとつは、準備不足のまま書き始めることです。まず自分の経歴を整理する時間を取ることが、結果として作業時間の短縮と通過率の向上につながります。
キャリアの棚卸し|「担当業務・成果・スキル」の3軸で整理する
職務経歴書を書く前に、以下の3軸でこれまでの経歴を書き出してみてください。最初は箇条書きで構いません。整理しながら書くのではなく、思い出せる情報を先にすべて出し切ることが重要です。
| 整理軸 | 書き出す内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 担当業務 | 何をしていたか(業務内容・役割) | 法人営業・新規開拓・提案書作成・顧客管理 |
| 成果(数値) | どんな結果を出したか | 前年比120%達成・新規契約20件/年・チーム6名のリーダー |
| スキル・知識 | 何ができるようになったか | 商談スキル・Excel(関数・ピボット)・業界知識・CRM操作 |
「成果が数値化できない」と感じる仕事でも、担当した顧客数・処理件数・教えた後輩の人数など、何かしら数字に変換できる要素があります。まずは細かいことを気にせず書き出すことを優先してください。
「書くことがない」と感じたときの見つけ方
転職活動に不慣れな人ほど「自分には書けるような経験がない」と感じがちです。しかし多くの場合、「書き方がわからない」だけであって「書ける内容がない」わけではありません。
日常的な業務でも、「どこで・誰に・何を・どのように」の4軸で分解するとアピールできる要素が見えてきます。
経験が少ない場合の分解例
- どこで:飲食業のアルバイト(週4日・3年間)
- 誰に:1日平均80名の来客対応、繁忙期は130名超
- 何を:接客・レジ・在庫管理・新人教育(5名担当)
- どのように:クレーム件数を3か月で半減させるマニュアルを独自作成
この分解ができれば「顧客対応スキル・業務改善・人材育成経験」という3つのアピールポイントが見えてきます。正社員経験が短い方や第二新卒の方も、こうした視点で経験を棚卸しすることで職務経歴書の記載内容が見つかります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →職務経歴書のフォーマット選択と基本レイアウト
職務経歴書には大きく3つのフォーマット形式があります。どの形式を選ぶかによって自分の経歴の「見せ方」が変わります。転職回数・年代・アピールしたい内容に応じて選ぶことが重要です。
編年体・逆編年体・キャリア式の使い分け
| 形式 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年体 | 古い順に時系列で記載 | 転職回数が少ない20代・職歴がシンプルな方 |
| 逆編年体 | 直近の経歴から記載 | 30代以上・直近の実績を強くアピールしたい方 |
| キャリア式 | 職種・スキル別にグルーピング | 職歴が多い方・幅広い経験をまとめたい方 |
初めての転職で職歴が1〜2社しかない場合は、シンプルな編年体か逆編年体を選ぶと書きやすいです。転職回数が3回以上ある場合は、逆編年体で直近の経歴を強くアピールするか、キャリア式でまとめる方法も検討してください。
採用担当者が読みやすいと感じるレイアウトの条件
内容が良くてもレイアウトが読みにくければ採用担当者に伝わりません。職務経歴書は「読ませる書類」ではなく「一瞬で理解させる書類」として設計する必要があります。
読みやすいレイアウトの5条件
- フォントサイズ10〜11pt、行間1.25以上で詰め込みすぎない
- 見出し(役職・会社名・担当業務名)は太字にして区切りを明確にする
- 余白(マージン)を上下左右均一に設定し、紙面を詰め込まない
- 業務内容は箇条書きにする(文章で書くと読みにくくなる)
- 1枚目を読むだけで経歴の全体像がわかるように設計する
【全項目解説】職務経歴書の書き方
ここでは職務経歴書の各項目の書き方を、良い例とNG例を交えながら解説します。どの項目も「採用担当者が何を見たいのか」を意識して書くことが、書類通過の近道です。
①職務要約(職務概要)の書き方
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く3〜5行の要約です。採用担当者が最初に読む部分であり、ここで「この候補者は読む価値がある」と判断されるかどうかが決まります。
職務要約で伝えるべきことは「誰として・何年・何をして・どんな結果を出したか」の4点です。全体の経歴を3〜5行に凝縮し、読み手が詳細を読み進めたくなる入口として設計します。
良い職務要約の例
新卒からIT企業2社で計7年間、法人向けSaaSプロダクトの営業を担当しました。前職ではエンタープライズ向けの新規開拓を中心に年間20〜30社を担当し、入社3年目から3年連続で営業成績全国トップ10%以内を維持。チームリーダーとして5名のマネジメントも経験しています。
NG例
営業として7年間勤務し、さまざまな業務に携わってきました。チームワークを大切にし、お客様への対応を誠実に行ってきました。今後はこれまでの経験を活かして御社に貢献したいと思います。数字・具体的な実績がなく、誰にでも書ける内容のため即スキップされます。
採用担当者はここを見ている
- 何年・どんな業界・どんなポジションで働いたか(業務内容の概要)
- 数字が入っているか(売上・件数・人数・期間など具体的な規模感)
- 「この人のキャリアの軸は何か」が3行で判断できるか
②会社概要・職歴欄の書き方
職歴欄では、勤務していた会社の概要と担当した業務内容を記載します。会社概要は初見の採用担当者がどんな規模・業界の会社で働いていたかを把握するための情報です。
会社概要として記載する項目の目安は次のとおりです。
- 社名・事業内容(一言で何をしている会社か)
- 従業員数・資本金(規模感の把握)
- 在籍期間・雇用形態・所属部署
担当業務の記載では、業務の羅列ではなく「何をして・どんな成果が出たか」をセットで書くことが重要です。箇条書きにすると採用担当者が読みやすくなります。
良い職歴欄の記載例
【業務内容】
・法人向けクラウドサービスの新規営業(担当エリア:関東・東海)
・月次提案件数:平均15〜20件、成約率32%(チーム平均22%)
・既存顧客へのアップセル提案・契約更新交渉
【実績】
・2023年度:全社営業ランキング3位(全国120名中)
・担当エリアの売上前年比138%達成
・新規開拓した取引先企業から2社の追加部門紹介を獲得
③活かせるスキル・資格の書き方
スキル・資格欄には、応募職種に関連する内容を優先して記載します。応募先との関連性が薄い趣味・特技・無関係な資格は記載しないことを勧めます。記載内容が多すぎると「何をアピールしたい人なのか」が不明確になります。
ITスキルや語学力は、ツール名・バージョン・スコアなど具体的に記載すると説得力が増します。
- ITスキル:Microsoft Office(Excel:VLOOKUP・ピボットテーブル・マクロ)、Salesforce、Google Analytics
- 語学:TOEIC 785点(2024年2月)、ビジネスメールの読み書き可
- 資格:宅地建物取引士(2022年取得)、FP技能士2級(2021年取得)
④自己PRの書き方
自己PRは「強みの定義→具体的なエピソード(数値)→応募先でどう活かすか」の3段構成で書くと採用担当者に伝わりやすくなります。
良い自己PRの例
【強み】課題を数値で捉え、改善策を実行するPDCAの推進力
【エピソード】前職では担当エリアの新規成約率が22%(業界平均水準)にとどまっていました。課題分析の結果、初回提案後のフォローの遅さが原因と判断し、翌営業日以内のフォローアップを徹底するルールをチームに導入。3か月後には成約率を32%まで改善しました。
【活かし方】この経験から「仮説を立てて素早く動く」習慣が身につきました。御社の新規事業開発チームでも、データを根拠にした提案と行動で貢献します。
NG例
私の強みはコミュニケーション能力です。これまでの仕事を通じてさまざまな人と関わってきました。チームワークを大切にし、困っている人がいれば積極的にサポートするよう心がけています。「コミュニケーション能力」「チームワーク」は証明できないため、採用担当者は読み飛ばします。
採用担当者が「5秒判定」している書類の正体
採用担当者は大量の応募書類を限られた時間で処理します。実際の調査では、採用担当者の約8割が職務経歴書の第一判断を「5〜10秒」で行っているというデータがあります。この「5秒」で「読む価値があるか否か」を判断されることを前提に書類を設計する必要があります。
書類選考で落とされる書類の7つの特徴
- 誤字・脱字がある(採用担当者の離脱原因No.1:47.2%が指摘)
- 業務内容の羅列だけで成果・実績がない(「何をした人」はわかっても「どんな価値がある人」かわからない)
- 文章が長く箇条書きが使われていない(5秒で全体像を把握できない)
- フォントや行間がバラバラ(視覚的なうるささが「雑な人」という印象につながる)
- 職務要約が長すぎるか存在しない(冒頭に要約がないと担当者は詳細を読む気を失う)
- 全社共通の使い回し内容(「なぜ弊社か」が一切ない)
- 応募要件と無関係な情報が多い(趣味・関係のない資格で紙面の半分が埋まっている)
通過率が上がる書類に共通する3つの条件
採用担当者が「読み進めたくなる」書類の条件
- ①数字・固有名詞で実績が具体的|「前年比120%」「20社担当」「チーム8名のリーダー」など、読んだ瞬間に規模感がわかる
- ②1ページ目の「職務要約」だけでキャリアの全体像がわかる|詳細を読まなくてもこの人が何者かが理解できる
- ③応募要件と自分の経験の重なりが一目でわかる|採用担当者が頭の中で「このポジションに合う」と連想できる書き方になっている
ケース別|こんなときどう書く?
「転職回数が多い」「実績が数値化できない」「ブランクがある」。これらのケースは書き方次第で採用担当者の印象が大きく変わります。
転職回数が多い場合(3回以上)
転職回数が多い場合、採用担当者は「なぜ転職を繰り返しているのか」を確認しようとします。ここで重要なのは、各転職に「一貫した理由(キャリアの軸)」を作ることです。
職務要約や各職歴の末尾に「転職の理由」を一言添えることで、担当者の疑問を先回りして解消できます。
転職回数が多い場合の職務要約記載例
新卒から5年間で3社を経験しましたが、いずれも「より大きな裁量でマーケティング施策を推進できる環境」を求めた転職です。各社でデジタル広告・SNS運用・コンテンツ制作を一貫して担当しており、職種の軸をぶらさずにスキルを積み上げてきました。
実績を数値化しにくい仕事の場合
行政・医療・教育・介護などの職種では、成果を数値化しにくいと感じる方が多いです。この場合は、「担当した件数・対象人数・期間・改善した業務」を具体的に記載することで代替できます。
- 担当患者数:1日平均15〜20名、年間延べ約4,000名
- 業務改善事例:受診後の待ち時間を平均45分から20分に短縮するフロー改善を提案・実施
- 後輩教育:新人スタッフ3名のOJTを担当、全員が半年以内に独立対応可能に
ブランク(空白期間)がある場合
ブランク期間を隠そうとすることが、採用担当者の不信感につながります。空白期間は必ず職務要約か自己PR欄で一言触れ、その間に何をしていたかを簡潔に記載してください。
- 病気療養:「2023年8〜11月:体調不良による療養。現在は完全に回復しており、就業に支障はありません」
- 育児専念:「2022年4月〜2024年3月:第一子の育児に専念。現在は保育所入園が確定しており、フルタイム就業が可能です」
- 転職活動中:「2024年2月〜現在:転職活動中。この期間にWebマーケティング検定を取得(2024年5月)」
正直に書くほど信頼感が増します。採用担当者が懸念するのは「ブランクがあること」そのものよりも、「なぜ書いていないのか、何か隠しているのか」という不透明さです。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
職務経歴書の書類選考通過率は書き方ひとつで大きく変わります。採用担当者が5秒で判断していることを念頭に、まず「伝わる構成」を意識して設計してください。
- 職務経歴書は「即戦力かどうかを判断する書類」。採用担当者が見るのは仕事内容・実績・キャリアの一貫性
- 書く前にキャリアの棚卸し(担当業務・成果・スキルの3軸)を行うことが最初のステップ
- 職務要約は「誰として・何年・何をして・どんな結果を出したか」を3〜5行でまとめる
- 担当業務だけでなく「成果(数値)」をセットで記載することが通過率を上げる最大のポイント
- 転職回数が多い・ブランクがある・実績を数値化しにくい場合も、書き方の工夫で対処できる
転職活動における書類作成に不安がある場合、転職エージェントのキャリアアドバイザーに職務経歴書を添削してもらうことも有効な選択肢です。
職務経歴書の書き方に関するよくある質問
- 職務経歴書は手書きとパソコン、どちらで作るべきですか?
-
パソコン作成を勧めます。複数社に応募する場合に内容を修正・流用しやすく、読みやすいフォーマットに仕上げやすいためです。企業から手書き指定がある場合を除き、WordやExcelで作成してください。
- 職務経歴書の枚数に決まりはありますか?
-
決まりはありませんが、A4用紙2枚以内(最大3枚)が一般的なマナーとされています。経歴が少ない20代であれば1枚でも問題ありません。「枚数を増やすことで誠意を見せる」という考え方は通用しないため、内容を絞って読みやすくまとめることを優先してください。
- 職歴が短い(1年未満)場合も職務経歴書は必要ですか?
-
応募先が求めている場合は必要です。職歴が短くても、担当業務・身についたスキル・その期間に出した成果を具体的に書くことで採用担当者に十分な情報を伝えられます。「短すぎて書けない」ではなく「この期間で何を経験したか」を正直に記載することが重要です。
- 職務経歴書に書かない方がよい内容はありますか?
-
退職理由(ネガティブな内容)、応募職種と無関係な趣味・資格、前職の会社に関する批判・不満は書かないことを勧めます。退職理由は面接で聞かれた際に答える形にし、職務経歴書には記載しない方が無難です。


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