この記事では、ブランク期間のある看護師が転職・復職活動で提出する職務経歴書の書き方を、採用担当者の視点から解説します。育児・介護・病気など理由別の書き方と例文、「何もしていなかった」場合の対処法まで網羅しています。
以下の記事では、看護師の職務経歴書の書き方を例文つきで解説しています。採用担当者が何を見ているかを踏まえた構成と記入例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
以下の記事では、看護師向けの職務経歴書テンプレートを無料で提供しています。ダウンロードしてそのまま使えるフォーマットと書き方のポイントを紹介しているので、ぜひ活用してください。
▶︎看護師の職務経歴書テンプレート|採用担当者に刺さる書き方と例文
看護師にとって職務経歴書が重要な理由|履歴書との違いから整理する
以下の記事では、看護師転職で必要な履歴書と職務経歴書の書き方をセットで解説しています。採用担当者に通る書類の整え方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
履歴書と職務経歴書、採用担当者が使い分ける理由
履歴書と職務経歴書は、採用担当者にとってまったく異なる目的で読まれます。
| 書類 | 採用担当者が確認する内容 |
|---|---|
| 履歴書 | 基本情報(氏名・住所・学歴・資格)の確認、写真での第一印象 |
| 職務経歴書 | 実務経験の深さ・担当診療科・スキル・自己PRの具体性 |
履歴書は「この人は看護師免許を持っているか」「どの病院に何年いたか」を確認する書類です。職務経歴書は「この人を採用したら何ができるのか」を判断するための書類です。ブランク期間がある場合、履歴書の職歴欄に空白が生じます。その空白を補い、採用担当者の疑問を先回りして解消するのが職務経歴書の役割です。
ブランク期間がある場合、職務経歴書の役割が変わる
ブランクがない看護師の職務経歴書は「何ができるか」を示す書類です。ブランクがある場合は、それに加えて「なぜブランクがあったのか」と「今後どう働けるのか」を説明する役割が加わります。
採用担当者は複数の応募書類を短時間で読みます。職務経歴書に説明が不足していると、疑問が残ったまま「とりあえず見送り」という判断につながりやすくなります。ブランク期間のある看護師にとって、職務経歴書は履歴書以上に重要な書類です。
採用担当者は「ブランク」の何を見ているのか
採用側が抱く3つの懸念点
採用担当者がブランクのある応募者を見るとき、頭に浮かぶ疑問はほぼ共通しています。
採用担当者が抱く3つの疑問
- なぜブランクがあるのか:やむを得ない事情か、職場でのトラブルや健康上の問題があったのか
- 採用後に長く働いてもらえるか:また短期間で退職しないか、同じ理由でブランクが再発しないか
- 看護師としての実力が維持されているか:ブランクが3年以上の場合、知識・スキルの更新状況が気になる
この3点が解消されれば、採用担当者の心理的ハードルは大きく下がります。職務経歴書はこの3つの疑問に事前に答える場所だと考えてください。
ブランクが評価につながるケースとは
「ブランクがあると不利」と思われがちですが、理由と過ごし方次第でプラスの評価につながることがあります。育児経験のある看護師は小児科・産婦人科・訪問看護での患者対応力が高いと評価されることがあります。介護経験があれば、老健・特養・在宅医療の現場で「家族視点のケア」ができると期待されます。
ブランクの理由と、その経験が活かせる職場を意識的に結びつけることで、ブランクは「空白」から「強みの源泉」になります。この視点を持って職務経歴書を書くと、競合する応募者との差がつきます。
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ブランク期間を抱える看護師が転職活動で最初に悩む問いのひとつが「隠した方が有利なのでは」という考えです。結論を先に言います。隠すことにメリットはなく、正直に書くことが唯一の正解です。
隠した場合に起きる3つのリスク
- 書類の矛盾が生じる:在職期間が飛んでいると採用担当者はすぐ気づきます。説明がなければ「何か問題があって隠しているのでは」という疑念が深まります
- 面接で詰められる:職歴に空白があれば面接で必ず聞かれます。職務経歴書で事前に準備していなければ、その場での返答が不自然になりやすく、印象が悪化します
- 採用後のトラブルになる:虚偽記載は採用取り消しや懲戒処分の対象になり得ます。医療職の採用では雇用保険の確認で発覚するケースも少なくありません
正直に書くことで生まれるプラスの印象
「育児のために離職していた期間があります」と明記されている職務経歴書を読んだとき、採用担当者の多くは「状況がわかってよかった」と感じます。謎のある書類より、説明のある書類の方が安心して面接に進めるからです。
ブランク理由を明記したうえで前向きな内容を加えると、「誠実さ」と「意欲」の両方が伝わります。正直さは看護師の採用においてとくに重視される要素でもあります。
看護師 ブランク理由別の書き方と例文
職務経歴書のどこにブランク期間を書くかについては、「職歴欄」と「自己PR欄」の2箇所に分けて記載するのが基本です。職歴欄では事実を、自己PR欄では前向きな補足を書きます。
以下の記事では、看護師の職務経歴書の例文と書き方を解説しています。採用担当者が見るポイントを踏まえた記入例を複数パターン紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
▶︎看護師の職務経歴書の例文と書き方|採用担当者が見るポイント
育児・出産によるブランク
最も多いブランク理由です。採用担当者も「よくあること」として理解しているケースが多く、説明の仕方さえ適切であれば不利になることはほぼありません。職歴欄には退職年月と理由を明記し、自己PR欄で現在の就業可能な環境と復職意欲を伝えます。
職歴欄の書き方例(育児ブランク)
2022年3月 〇〇病院 内科病棟 退職(出産・育児のため)
2024年4月 転職活動開始
自己PR欄への補足例
「2022年3月に出産のため退職し、2年間育児に専念しました。現在は保育所の入所が決まり、フルタイムでの就業が可能な環境が整いました。離職中も看護協会が提供するオンライン研修(感染管理・急変対応)を受講しており、現場への復帰に向けて準備を進めてきました。」
NG例
「2022年3月退職。育児のため。」
退職理由だけで補足がないと、採用担当者は「今も就業できない状況なのか」と判断できず、書類が通りにくくなります。
家族の介護によるブランク
介護によるブランクも、正直に書けば採用担当者が理解を示すケースがほとんどです。ただし「介護はまだ続いているか」「再びブランクが生じないか」という懸念を払拭する一文を必ず加えましょう。
自己PR欄への補足例(介護ブランク)
「2021年9月に父の介護のため退職し、約3年間介護に従事しました。2024年5月に父が施設入所し、就業環境が整ったため転職活動を始めました。現在は就業に支障のある状況は解消されています。介護の経験を通じて在宅医療や生活支援の重要性を実感したことから、訪問看護や地域包括ケアに携わりたいという気持ちが強まっています。」
病気・療養によるブランク
自身の病気や怪我によるブランクは、記載に最も慎重さが求められます。ただし、隠す必要はありません。採用担当者が知りたいのは病名ではなく「現在は問題なく働けるか」という一点です。
自己PR欄への補足例(病気・療養ブランク)
「2022年4月に体調不良のため退職し、療養に専念しました。2024年1月に主治医から就労許可を得て、現在は体調が安定しています。長時間勤務への対応も可能な状態です。今後は健康管理を意識しながら長期的に就業できる職場を探しています。」
病名を記載する必要はありません。「現在は回復しており就業に支障がない」という事実を伝えることが目的です。就業可能な状態であることと長期就業の意向を示せれば十分です。
転職活動の長期化・その他の理由
「配偶者の転勤に伴う転居」「希望する職場がなかなか見つからなかった」など、上記に当てはまらない理由もあります。これらも事実をそのまま書き、言い訳ではなく状況の説明として記載するのが適切です。
以下の記事では、転職回数が多い看護師向けの職務経歴書の書き方とテンプレートを解説しています。転職回数を不利にしない伝え方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
▶︎職務経歴書 看護師 転職多くても通過する書き方とテンプレート
記載例(転居・その他)
「2023年2月に配偶者の転勤に伴い転居しました。転居後は新居の整備と生活環境の立ち上げに時間を要しましたが、2024年3月より転職活動を本格的に開始しています。」
ブランク中に「何もしていなかった」場合の書き方
「育児に追われて勉強する余裕がなかった」「介護が忙しく研修に参加できなかった」という方も多くいます。「何もしていなかった」と感じていても、採用担当者に伝える価値のある事実がほとんどの場合存在します。
以下の記事では、看護師の職務経歴書の書き方を見本つきで解説しています。採用担当者が見る3つのポイントを押さえた記入例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
▶︎看護師の職務経歴書 書き方と見本|採用担当者が見る3ポイント
採用担当者が納得する表現の作り方
「何もしていなかった」という認識の多くは、「看護師としての勉強をしていなかった」という意味です。しかし採用担当者は、看護師としての勉強だけを求めているわけではありません。以下の点を整理してみてください。
「何もしていない」を棚卸しするチェックリスト
- 子どもの体調管理・予防接種の記録・発達の把握(育児の場合)
- 家族の服薬管理・通院付き添い・体調の変化の観察(介護の場合)
- 看護に関連する書籍の読み直し・知識の復習
- 医療系メディアで業界動向を継続的にウォッチしていた
- 地域の医療・福祉ボランティアへの参加
これらはすべて、職務経歴書に記載できる事実です。「育児を通じて子どもの発達・体調管理への関心が深まった」という記述は、小児科や保育所看護師を目指す場合に有効なアピールになります。
NG例と改善後の例文
以下の記事では、看護師の職務経歴書のサンプルを診療科別の例文つきで解説しています。自分の診療科に合わせた書き方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
NG例
「2020年〜2024年:育児専念。特になし。」
「特になし」は採用担当者に「この期間に何も考えていなかった」という印象を与えます。事実として何かがあったはずなのに放棄した表現です。
改善後の例文
「2020年〜2024年:出産・育児専念。2名の子の健康管理・予防接種管理・発達サポートを主体的に行いました。2024年初頭より看護協会のeラーニングを活用して感染対策・フィジカルアセスメントの知識を更新しています。現在は保育所入所が決まり、就業環境が整っています。」
採用担当者が「通過させたくなる」自己PRの作り方
自己PR欄は職務経歴書の中で最も差がつく部分です。ブランクのある看護師の自己PRでよくある失敗は「謝罪型」と「宣言型」です。
| タイプ | 例 | 問題点 |
|---|---|---|
| 謝罪型 | 「ブランクがあり大変申し訳ありませんが…」 | マイナスから始まる印象になる |
| 宣言型 | 「即戦力として頑張ります」 | 具体性がなく説得力がない |
| 具体型(推奨) | 「〇〇の経験で培った△△を活かして〜」 | 採用後のイメージを持ちやすい |
ブランク期間の長さ別|自己PRの方向性
ブランクの長さによって、自己PRで強調すべき内容が変わります。
| ブランク期間 | 自己PRの重点 |
|---|---|
| 1〜2年 | 前職での実績と経験を前面に出す。「2年のブランクで技術は落ちていない」ことをスキルや担当経験で示す |
| 3〜5年 | ブランク中の知識更新の取り組みを必ず書く。看護協会の研修・eラーニング・資格取得など |
| 5年以上 | ブランク理由の誠実な説明と「研修を受ける意欲」を明示する。いきなり即戦力を謳わず、研修が充実した職場を希望していることを伝える |
復職意欲が伝わる自己PR例文
以下は、育児で3年ブランクのある看護師の自己PR例文です。ブランク理由の説明・現在の就業可能状況・スキルアップへの取り組み・復職後のビジョンの4点を盛り込んでいます。
自己PR例文(育児ブランク3年・内科病棟経験)
「前職では〇〇病院の内科病棟で5年間勤務し、急性期の多職種連携と患者教育に携わりました。2021年に出産し、3年間育児に専念してきました。現在は子どもの保育所入所が決まり、フルタイムでの就業が可能な環境が整っています。
離職中は看護協会のeラーニングを活用し、フィジカルアセスメントと感染対策の知識を更新しました。育児を通じて患者の家族の不安や在宅での療養生活のリアルを実感したことで、外来や在宅医療への関心が高まっています。即戦力として貢献できる部分と、現場復帰後に改めて習得すべき部分を整理しながら、長期的に働ける職場を求めています。」
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ここでは、実際の職務経歴書の記載イメージを示します。職歴欄(表形式)と自己PR欄のセットで確認してください。
職歴欄の記載例(表形式)
| 期間 | 所属・診療科 | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| 20XX年4月〜20XX年3月 | 〇〇病院 内科病棟(150床) | 入院患者のバイタルサイン測定・服薬管理・点滴管理、退院支援カンファレンスへの参加、新人看護師のプリセプター経験あり |
| 20XX年4月〜20XX年3月 | △△病院 救急外来 | トリアージ補助・救急処置の介助、急性期対応(心肺蘇生・気道確保)、電子カルテによる記録管理 |
| 20XX年3月 退職 | 出産・育児のため退職 | ― |
| 20XX年〜20XX年 | 育児専念期間 | 看護協会eラーニング(フィジカルアセスメント・感染対策)を受講 |
| 20XX年〜現在 | 転職活動中 | ― |
自己PR欄の完成例
自己PR欄は採用担当者が最後に読む欄です。職歴欄でブランクの事実を確認した後、「この人は今後どう働けるのか」を判断するために読まれます。以下の4つの要素を必ず含めてください。
採用担当者はここを見ている
- 前職での実績と強み:何を担当してきたか、何が得意かを具体的に記載する
- ブランク理由の説明(1〜2文):やむを得ない事情を短く、客観的な事実として書く
- 現在の就業可能環境:「現在は〇〇が整い、就業可能な状態です」という一文が必須
- 復職後のビジョン:どんな現場で、どう貢献したいかを具体的に書く
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- ブランク期間は隠さず、職歴欄に事実として明記する
- 採用担当者が知りたいのは「なぜブランクがあったのか」「今後長く働けるか」「スキルは維持されているか」の3点
- 自己PR欄で「ブランク理由 + 現在の就業可能環境 + 復職後のビジョン」を必ずセットで書く
- 「何もしていなかった」と感じていても、育児・介護を通じた経験は職務経歴書に書ける事実として使える
- ブランクの長さより「説明できる内容があるかどうか」が採用結果を左右する
職務経歴書はブランク期間の言い訳を書く場所ではなく、「この人を採用したい」と思わせるための資料です。ブランクを事実として認めながら、あなたの経験と意欲を採用担当者に正確に届けることが、書類選考を通過する職務経歴書の核心です。
看護師の職務経歴書(ブランクあり)に関するよくある質問
- 看護師の職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
-
一般的にはA4用紙2〜3枚が適切とされています。職歴が少ない場合でも1枚では情報量が不足しがちです。ブランク期間がある場合は自己PR欄の補足が増えるため、A4・2枚を目安にするとよいでしょう。情報の薄い内容で枚数を増やすのは逆効果です。
- ブランクが5年以上ある場合、転職は難しいですか?
-
5年以上のブランクがあっても転職は可能です。看護師不足の現在、多くの医療機関が復職支援研修や教育体制を整えています。ブランクの長さより「今後どう働けるか」「研修を受ける意欲があるか」を明確に伝える方が重要です。都道府県ナースセンターの無料研修を活用して復職準備を進めると、採用担当者への説明もしやすくなります。
- 職務経歴書のブランク期間に「特になし」と書いてもいいですか?
-
避けることを強くすすめます。「特になし」は採用担当者に「この期間に何も考えていなかった」という印象を与えます。育児や介護に専念していた場合、その事実自体を記載できます。日常的な健康管理・子どもの発達サポート・看護に関連する研修の受講なども記載可能です。空欄や「特になし」より、事実を一文でも書く方が必ず評価が上がります。
- 病気によるブランクの場合、病名を職務経歴書に書く必要がありますか?
-
病名を書く必要はありません。「体調不良のため療養。現在は回復し、就業に支障のない状態です」という記述で十分です。採用担当者が確認したいのは病名ではなく「現在問題なく働けるか」という点です。主治医から就労許可が出ていれば、その旨を添えると信頼性が上がります。
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以下の記事では、看護師の職務経歴書についてさらに詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。


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