この記事では、理学療法士として初めて就職活動をする新卒の方向けに、履歴書の資格欄への正式な書き方・取得見込みの正しい表記・国試前後の使い分けを解説します。採用担当者が実際に確認するポイントとNG例、志望動機・自己PRの例文も紹介します。
新卒理学療法士の資格欄|正式名称と取得日の正しい書き方
「理学療法士免許」が資格欄の正式名称
履歴書の資格欄には、「理学療法士免許」と記載するのが正しい書き方です。業界内では「PT」と略されることが多いですが、採用書類への略称の使用はNGです。「理学療法士資格」「PT免許」「理学療法士(PT)」などの記載は公式免許の名称とは異なるため、使用しないようにしましょう。
理学療法士は、理学療法士及び作業療法士法に基づく厚生労働大臣認定の国家資格です。正式名称は「理学療法士」であり、免許の名称は「理学療法士免許」と定められています。採用担当者の多くは医療系国家資格の正式名称を把握しており、略称や誤表記はチェックの対象になります。
| 記載例 | 正誤 | 備考 |
|---|---|---|
| 理学療法士免許 | ○ 正しい | 正式な記載方法 |
| PT免許 | × NG | 略称は使用不可 |
| 理学療法士資格 | × NG | 正式名称は「免許」 |
| 理学療法士(PT) | × NG | 括弧内の略称は不要 |
| 理学療法士 免許取得 | △ 不要 | 「取得」の記述は省略してよい |
取得年月日は「登録年月日」を転記する
免許取得後に履歴書を作成する場合、資格欄に記載する年月日は「合格発表日」でも「申請日」でもなく、手元の理学療法士免許証に記載された「登録年月日」を使います。
理学療法士の免許は国試合格後、厚生労働省に申請し、理学療法士名簿に登録されることで交付されます。免許証に記載される「登録年月日」がこの登録日にあたります。合格発表から免許証の手元到着まで通常1〜2ヶ月かかるため、就職活動の書類提出時点で免許証がまだ届いていないケースも少なくありません。その場合は次のセクションで説明する「状況別の書き方」を参照してください。
資格が複数ある場合の記載順序
新卒の理学療法士の場合、在学中に普通自動車免許・介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)・福祉用具専門相談員などを取得しているケースがあります。資格欄への記載順序は取得年月日の古い順が原則です。
- 普通自動車第一種運転免許(高校・大学入学前後に取得が多い)
- 介護職員初任者研修 修了(在学中に取得した場合)
- 理学療法士免許 取得見込み(国試前の場合)
採用職種に直接関係する理学療法士免許は、採用担当者が最初に確認する資格です。他の資格が多い場合は、理学療法士免許を筆頭に記載し、取得年月日順で他の資格を続ける方法も実務上は認められています。
同じ医療系国家資格でも書き方のルールはほぼ共通しています。他の資格の書き方が参考になる場合があります。

国試前・合格後・免許証到着前|状況別「取得見込み」の書き方
新卒の就職活動では、国家試験の合格前・合格後・免許証到着前という3段階で書類を提出するタイミングが異なります。自分がどの状況にあるかを確認してから記載しましょう。
国試受験前・在学中は「取得見込み」と記載する
国家試験の合格前(受験前・受験後の合格発表待ちを含む)に履歴書を提出する場合は、以下のように記載します。
良い例文
令和8年4月 理学療法士免許 取得見込み
記載する年月には、国家試験の合格発表予定月を記入します。第61回理学療法士国家試験(2026年3月試験)の合格発表は同年4月のため、「令和8年4月 理学療法士免許 取得見込み」と記載します。毎年の合格発表日は公益財団法人医療研修推進財団の公式サイトで確認できます。
国試合格発表後〜免許証到着前の書き方
合格発表後に免許申請を済ませたものの、まだ免許証が手元に届いていない期間も「取得見込み」の表記のままで問題ありません。採用担当者から確認が入った際には「合格しているが免許証の到着待ちです」と正確に説明できるようにしておきましょう。
理学療法士の免許証は申請から交付まで通常2〜3ヶ月かかります。4月の合格発表後に申請すると、6〜7月頃に手元に届くのが一般的です。多くの採用担当者はこのスケジュールを理解しているため、過度に心配する必要はありません。
「取得予定」はNG、なぜ「取得見込み」が正しいのか
「取得予定」と「取得見込み」は一見似ていますが、採用書類の世界では意味が異なります。
「取得予定」は「将来取得する予定がある」という意味合いが強く、確実性が低い表現とみなされます。一方、「取得見込み」は「合格・取得が見込まれる状態にある」という意味で、履歴書への使用が慣例として定着しています。採用担当者にとっても「取得見込み」の方が伝わりやすく、誤解を生まない表現です。
採用担当者はここを見ている
- 「取得見込み」か「取得予定」かの表記で、書類作成への丁寧さを判断している
- 記載した年月が合格発表月と一致しているかを確認する
- 正式名称を正確に書けているかどうかで、書類作成への意識を見る
「取得見込み」の書き方は理学療法士に限らず、他の医療系国家資格でも共通のルールです。

採用担当者が落とす新卒PTの資格欄NG3選
書類選考で実際に見られている資格欄のポイントを3つ紹介します。いずれも些細なミスに見えますが、書類作成への誠実さを判断する材料として機能します。
NG1:略称・通称で記載している
NG例
令和8年4月 PT免許 取得見込み
良い例文
令和8年4月 理学療法士免許 取得見込み
採用担当者は書類選考で一日に数十枚の履歴書を確認します。略称での記載は「正式な書類への意識が低い」と判断される場合があります。業界内で通じる略称でも、採用書類では正式名称を使うのが基本です。
NG2:「取得予定」と書いている
NG例
令和8年4月 理学療法士免許 取得予定
良い例文
令和8年4月 理学療法士免許 取得見込み
「取得予定」は採用書類での一般的な表現ではありません。「取得見込み」が、国試の準備が整っており合格が見込まれる状態を正確に表す表現として定着しています。
NG3:合格発表月と記載年月が一致していない
NG例
令和8年3月 理学療法士免許 取得見込み(国試実施月を誤って記載)
良い例文
令和8年4月 理学療法士免許 取得見込み(合格発表予定月を記載)
国家試験の実施月(3月)と合格発表月(4月)を混同して、誤った年月を記載するケースがあります。採用担当者から「国試の合格発表はいつ頃ですか」と確認が入った際に記載内容と食い違うと、信頼性が損なわれます。事前に国試のスケジュールを確認してから記載してください。
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学歴欄の書き方(養成校名・学部・学科まで正確に)
学歴欄には、理学療法士養成課程のある大学・短大・専門学校の正式名称を省略せずに記載します。
良い例文(大学の場合)
令和2年4月 ○○大学 保健医療学部 理学療法学科 入学
令和8年3月 ○○大学 保健医療学部 理学療法学科 卒業見込み
良い例文(専門学校の場合)
令和5年4月 ○○医療専門学校 理学療法士科 入学
令和8年3月 ○○医療専門学校 理学療法士科 卒業見込み
学校名は必ず正式名称を使用し、「○○大」のような略称は避けてください。学部・学科名まで記載することで、理学療法士養成課程を修了したことが採用担当者に正確に伝わります。医療系の採用では、どの養成校でどの専攻を学んだかを確認する担当者も多いため、省略は禁物です。
職歴欄の書き方(新卒は「なし」で問題ない)
新卒の場合、職歴がないことに引け目を感じる必要はありません。職歴欄には「なし」と記載し、行の右端に「以上」と書けば問題ありません。採用担当者も新卒者に職歴がないことを当然織り込み済みであり、書類選考での評価にマイナスにはなりません。
良い例文
【職歴】
なし
以上
臨床実習は職歴に書かない(自己PRで活かす)
理学療法士養成課程では、総時間数1,035時間以上の臨床実習(見学実習・評価実習・総合実習)が義務付けられています。しかし臨床実習は職歴欄には記載しません。実習は教育課程の一部であり、雇用関係に基づく職務経験とは区別されます。
臨床実習での経験は、職歴欄ではなく「自己PR欄」と「志望動機欄」で活かすのが正解です。「回復期病棟での実習で担当患者の歩行能力が改善した経験」など、具体的なエピソードを数値や患者の変化で表現することで、書類の差別化につながります。職歴がないことを補うのは、実習経験の具体的な描写力です。
医療機関への応募でよく聞かれる「貴院・入職」などの言葉遣いについても確認しておきましょう。医療法人への応募では「貴院」「入職」という表現が一般的です。
採用担当者に響く志望動機の書き方と勤務先別例文
志望動機を書く前に押さえる3つの視点
新卒理学療法士の志望動機で採用担当者が実際に確認しているのは、「なぜ理学療法士になりたいのか」という根本的な動機ではありません。応募時点で問われているのは「なぜこの施設・職場を選んだのか」という施設選択の理由です。
- 施設の特徴理解:急性期・回復期・慢性期など、その施設がどの役割を担っているかを理解して言及する
- 自身の関心との接続:実習で気づいたことや興味のある分野と施設の専門性を結びつける
- 入職後のビジョン:「どんな理学療法士になりたいか」という姿を、その施設での経験と関連づけて書く
採用担当者はここを見ている
- 複数の施設に使い回せる汎用的な文章ではなく、施設の特色に触れた内容になっているか
- 臨床実習の経験や学びが、応募先での仕事につながるよう書かれているか
- 「理学療法士になりたい」という動機ではなく「なぜこの施設なのか」を言語化できているか
【勤務先別】志望動機例文
急性期病院の場合
良い例文(急性期病院)
貴院を志望した理由は、急性期から在宅復帰まで一貫したリハビリ体制が整っており、発症早期から患者の回復に携われる環境に魅力を感じたためです。実習では急性期病棟を担当し、廃用症候群の予防が患者の予後に大きく影響することを実感しました。貴院では多職種チームの一員として早期離床に貢献しながら、急性期における専門的な評価・介入技術を身につけたいと考えています。
回復期リハビリテーション病院の場合
良い例文(回復期病院)
回復期リハビリテーションに特化した貴院を志望しました。実習期間中、担当した患者が約8週間で補助なし歩行を再獲得されたとき、日常生活を取り戻す過程に密接に関わる回復期の仕事に強いやりがいを感じました。貴院が掲げる「生活者視点のリハビリ」という理念に共感し、患者の退院後の生活を見据えたゴール設定と実践的な介入ができる理学療法士として成長したいと思っています。
クリニック・老人保健施設の場合
良い例文(老健・クリニック)
地域の高齢者が住み慣れた場所で長く生活を続けられるよう支援したいと考え、貴施設を志望しました。実習を通じて、在宅生活を想定したADL訓練の重要性を実感し、長期的に患者の変化を追える環境で働くことへの関心が高まりました。貴施設では維持期のリハビリにおける個別対応と集団アプローチを学び、地域に根ざした理学療法士として専門性を磨きたいと考えています。
歯科衛生士や他の医療職の履歴書でも、勤務先の特色に合わせた志望動機が選考通過の鍵になります。参考にしてみてください。
参考:歯科衛生士の履歴書の書き方|ポイントと志望動機例文を徹底解説
新卒PTの自己PR|臨床実習経験を「強み」に変える書き方
採用担当者が新卒PTの自己PRで実際に見ているポイント
採用担当者が新卒理学療法士の自己PRで見ているのは、スキルの完成度ではありません。以下の3点が特に評価の対象です。
- 問題に気づく力:実習中に患者の変化や課題をどのように察知・整理したか
- 行動の具体性:気づいたことに対してどう行動したか(提案・確認・修正など)
- 学びの言語化:その経験から何を得て、今後の仕事にどう活かすかを述べられているか
多くの新卒PTの自己PRは「実習でリハビリの大切さを学びました」「チーム医療の重要性を感じました」という抽象的な内容で終わります。採用担当者の目に止まる自己PRは、具体的なエピソード+数値や患者の変化+そこから得た学びの3要素で構成されています。
自己PRの例文(良い例・NG例)
良い例文(回復期実習を経験した場合)
回復期病棟での実習期間中、担当した60代の脳血管疾患患者を通じて、目標設定の重要性を実感しました。当初、患者は自宅復帰への意欲が低く、訓練への参加も消極的でした。そこで指導担当者のアドバイスを受けながら、患者本人の「孫の運動会を見に行きたい」という言葉をゴールに設定し直したところ、訓練への主体性が変化しました。実習終了時には補助歩行から独歩での院内移動が可能になり、患者中心の目標設定が意欲と回復を引き出すことを学びました。貴院でも患者の生活背景を丁寧に把握しながら、実践的な臨床力を積み上げていきたいと考えています。
NG例(採用担当者の目に止まらない自己PR)
実習ではリハビリの大切さを学びました。患者に寄り添うことの重要性を感じ、チーム医療の一員として貢献できる理学療法士になりたいと思います。入職後も積極的に学び続けてまいります。
NG例は感情の表明だけで終わっており、具体的な経験が伝わりません。採用担当者には「どの施設にも使い回せる内容」と判断され、記憶に残りにくくなります。実習のエピソードに数字(期間・回数・患者の変化など)を一つ加えるだけで、説得力は大きく変わります。
まとめ
- 資格欄の正式名称は「理学療法士免許」。略称・通称は使用しない
- 国試合格前は「取得見込み」と記載し、記載年月は合格発表予定月を使用する
- 「取得予定」ではなく「取得見込み」が正しい表記
- 免許証到着前の期間も「取得見込み」のままで問題ない
- 臨床実習は職歴欄ではなく、自己PRと志望動機で活かす
- 志望動機は「なぜこの施設か」を中心に、実習経験と接続して書く
- 自己PRは「具体的なエピソード+数値や変化+学びの言語化」の3要素で構成する
採用担当者が新卒理学療法士の履歴書で最も重視するのは、資格欄の正確さと、志望動機・自己PRで実習経験を言語化できているかどうかです。書き方の基本を押さえたうえで、自分の経験をどう伝えるかに時間をかけてください。
理学療法士の新卒履歴書に関するよくある質問
- 理学療法士の資格欄に登録番号は書く必要がありますか?
-
免許取得後(免許証が手元にある場合)は、登録番号を記載するとより丁寧です。ただし、多くの履歴書フォーマットに「登録番号」の専用欄はないため、免許証に記載されている番号を資格名の隣に括弧書きで補足するのが一般的です。「取得見込み」の段階では番号がないため記載は不要です。
- 国試に不合格だった場合、採用担当者に伝えなければいけませんか?
-
はい、速やかに採用担当者へ連絡する必要があります。理学療法士として業務を行うには免許の取得が前提であり、翌年度の再受験後に改めて入職という対応を取る施設も多くあります。不合格の場合は誠実に連絡し、今後の受験予定を報告することが重要です。
- 在学中に取得した介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)は書いた方が良いですか?
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介護施設や老人保健施設への応募では積極的に記載してください。訪問リハビリや通所リハビリを含む介護系施設では、介護の現場を知っていることが評価されるケースがあります。一方、急性期病院への応募では関連性が薄いため省略しても問題ありません。普通自動車免許は、移動が伴う職場への応募では必ず記載しましょう。
- 履歴書は手書きとPCどちらが良いですか?
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採用担当者の多くは「どちらでも問題ない」という立場です。ただし、医療・介護系の施設では手書きを重視する文化が残っている場合もあるため、可能であれば確認をおすすめします。PC作成の場合はフォント(明朝体・10.5〜11pt程度)を統一してください。手書きの場合は黒のボールペンを使用し、誤記した場合は修正液を使わず新しい用紙に書き直すのが基本マナーです。


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