この記事では、保育士の履歴書で「保育士免許」と書いてしまいがちな誤りを取り上げます。正式名称・取得日の考え方・幼稚園教諭免許との組み合わせ順など、採用担当者が書類選考で実際に確認しているポイントを例文つきで解説します。
保育士の「免許」は正式名称ではない
保育士として就職・転職活動をする際、履歴書の免許・資格欄に何と書けばよいか迷う方は少なくありません。「保育士免許」「保育士証」「保母資格」など複数の呼び方が広まっており、採用担当者に提出された書類でも正しくない記載が多く見られます。
正確に書くには、法律上の名称を確認することが出発点です。
正式名称は「保育士資格」──法律で定められた理由
保育士の正式名称は「保育士資格」です。履歴書の資格欄に書く際は「保育士資格 取得」と記載します。
根拠は児童福祉法第18条の4にあります。同条では「保育士とは、都道府県知事の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって保育に欠ける子どもの保育及びその保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう」と定義されており、「免許」という文言は一切使われていません。
医師免許・運転免許・看護師免許のように「免許」という名称が使われる資格には、それぞれの根拠法に「免許」という言葉が明記されています。保育士の場合は児童福祉法が「資格」として定めているため、「免許」と書くのは誤りです。
「保育士証」「保母資格」との違い
保育士に関連してよく混同される名称を整理します。
| 名称 | 意味 | 資格欄に書いてよいか |
|---|---|---|
| 保育士資格 | 法律上の正式名称 | ✅ 正しい |
| 保育士免許 | 誤った呼称(法的根拠なし) | ❌ NG |
| 保育士証 | 登録証(証明書)の名称 | ❌ 資格欄には書かない |
| 保母資格 | 旧称(1999年廃止) | ❌ 現在は使えない |
「保育士証」は、都道府県への登録が完了した際に交付される登録証のことです。資格の名称ではないため、資格欄に書いてしまうと「証明書の名称を書いている」という誤りになります。
「保母資格」は1998年の児童福祉法改正(施行は1999年)により「保育士」に名称変更されました。男性も含めて「保育士」に統一されたため、現在この名称を使うことはできません。過去に「保母資格」を取得した方も、履歴書には「保育士資格 取得」と書きます。
採用担当者はここを見ている
- 「保育士免許」と書かれていると、資格の正式名称を把握していない可能性があると判断することがある
- 「保育士証」と書かれている場合は、証明書と資格名の混同としてそのまま通過させることもあるが、印象はよくない
- 「保母資格」は1999年以前に取得した方(現在50代以上)でも、現在の公式名称で書き直すことが求められる
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正式名称が「保育士資格」であることを踏まえ、履歴書の免許・資格欄への書き方を状況別に解説します。
取得済みの場合の記載例
保育士資格をすでに取得している場合の基本的な書き方です。
良い例
20XX年3月 保育士資格 取得
NG例
- 20XX年3月 保育士免許 取得 ← 「免許」は法的根拠のない誤り
- 20XX年3月 保育士資格 合格 ← 試験合格ではなく資格取得なので「取得」が正しい
- 20XX年3月 保育士 ← 「取得」の記載が抜けている
取得見込みの場合(新卒・養成施設在学中向け)
指定保育士養成施設(専門学校・短大・大学)に在学中で、卒業と同時に資格取得予定の場合は「取得見込み」と明記します。
良い例(取得見込み)
20XX年3月 保育士資格 取得見込み
「取得見込み」と書くべきタイミングの目安は次のとおりです。
- 指定保育士養成施設の在学生:卒業予定年月 + 「取得見込み」
- 保育士試験の受験予定者:合格通知が届いてから「取得」に書き換える(受験予定の段階では書かない)
幼稚園教諭免許と組み合わせるときの書き方
保育士資格と幼稚園教諭免許状を両方持っている場合は、取得した年月が古い順に書くのが基本です。幼稚園教諭免許状の正式名称は取得経路(卒業した学校の種別)によって異なります。
| 取得経路 | 正式名称 |
|---|---|
| 4年制大学を卒業 | 幼稚園教諭一種免許状 取得 |
| 短期大学・専門学校を卒業 | 幼稚園教諭二種免許状 取得 |
| 大学院を修了 | 幼稚園教諭専修免許状 取得 |
「幼稚園教諭免許」と種別を省略して書くのは避けましょう。認定こども園など保育士・幼稚園教諭の両方の資格が求められる職場では、採用担当者が種別を確認します。
良い例(保育士資格と幼稚園教諭免許状を両方持っている場合)
20XX年3月 幼稚園教諭二種免許状 取得
20XX年3月 保育士資格 取得
※同年同月に取得した場合は、一般的に幼稚園教諭免許状を先に書くケースが多い。どちらが先でも誤りではない。
子育て支援員として勤務する施設への応募でも、履歴書の書き方は共通ルールに従います。子育て支援員の履歴書の書き方についてはこちらでも詳しく解説しています。

採用担当者が見ているNG例と通過パターン
採用担当者が書類選考で確認するのは、資格の有無だけではありません。記載の正確さそのものが、「専門職として自分の資格を正確に把握しているか」という評価軸になります。
実際によく見られる4つの誤りと、その理由を解説します。
NG例①:「保育士免許 取得」と書く
「免許」は児童福祉法上の根拠を持たない誤った呼称です。日常会話では「保育士免許」と言うことも多いですが、履歴書は公式書類です。「自分が持っている資格の名称を知らない」と判断されるリスクがあります。
NG例②:「保育士証 取得」と書く
保育士証は資格名ではなく、都道府県への登録が完了した際に交付される登録証(証明書)の名称です。「証明書を取得した」という意味になってしまい、資格の記載として不正確です。
NG例③:「保育士試験 合格」と書く
試験合格は資格取得のプロセスであり、資格欄には「取得」と書くのが正しい形式です。「合格」という表現は、資格欄ではなく職務経歴書の補足情報として書くことはあっても、免許・資格欄の記載としては不適切です。
NG例④:取得年月に「登録日」を書く
保育士試験に合格してから都道府県への登録手続きを経て保育士証が交付されるまでに、数週間から数か月かかります。この間に「合格日」と「登録日(保育士証発行日)」がずれることがありますが、履歴書に書くのは合格日(合格通知書に記載の年月)です。登録日を書くと、雇用する側が資格確認をした際に時系列が合わないことがあります。
取得日(年月)の正しい考え方
保育士資格の「取得年月」は、資格を得た経路によって異なります。
| 取得経路 | 履歴書に書く年月 |
|---|---|
| 指定保育士養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業 | 卒業年月 |
| 保育士試験に合格 | 合格年月(合格通知書に記載の年月) |
養成施設を卒業した方は、卒業と同時に資格取得となります。この場合は卒業年月をそのまま書きます。保育士試験で取得した方は、合格通知書を手元に確認して年月を記載してください。
なお、保育士証に記載されている「登録年月日」は都道府県への登録手続きが完了した日です。合格年月や卒業年月とは異なるため、混同しないよう注意が必要です。
採用担当者はここを見ている
- 「保育士資格」と正式名称で書かれているか
- 取得年月が記載されているか(年月なしはそのまま確認対象になる)
- 「取得」または「取得見込み」で文末が統一されているか
- 幼稚園教諭免許状は種別(一種・二種・専修)まで書かれているか
臨床検査技師など他の医療・福祉系国家資格でも、資格名の正確な表記は採用担当者が確認するポイントです。国家資格を正確に書く方法の参考例はこちらでも確認できます。

保育士資格と一緒に書きたい関連資格
保育士として働く際、あわせて持っていると評価される関連資格と履歴書への書き方を整理します。採用担当者は資格の有無だけでなく、記載の正確さで「この人は自分の専門性を把握しているか」を判断しています。
幼稚園教諭免許状の種類と書き方
幼稚園教諭免許状は学校教育法に基づく「免許状」です。「保育士資格」とは根拠法が異なり、こちらは「免許状」という名称が正式に定められています。
正式名称は「幼稚園教諭○種免許状」(○種は一種・二種・専修のいずれか)です。「幼稚園教諭免許」という略称や種別を省略した書き方は避けましょう。認定こども園など幼保連携型の施設では、採用担当者が一種か二種かを判断材料にします。
その他の保育関連資格と書き方
保育現場で評価される主な関連資格と、履歴書への書き方の例を紹介します。
| 資格・研修名 | 履歴書への書き方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 子育て支援員研修 | 20XX年○月 子育て支援員研修修了(○○コース) | 「取得」ではなく「修了」と書く |
| 食育インストラクター | 20XX年○月 NPO日本食育インストラクター協会 食育インストラクター○級 取得 | グレード(級)を明記する |
| 社会福祉主事任用資格 | 20XX年○月 社会福祉主事任用資格 取得 | 「任用資格」まで書く |
| 児童厚生1級・2級指導員 | 20XX年○月 児童厚生○級指導員 取得 | 等級(1級・2級)を明記する |
子育て支援員研修は「資格取得」ではなく「研修修了」のため、資格欄ではなく「特記事項」や「備考欄」に書く施設もあります。応募先の書式に応じて確認してください。
食育インストラクターを保育士の資格と組み合わせて持っている場合、食育への理解があると評価されることがあります。食育インストラクターの履歴書への正しい書き方はこちらをあわせて確認してください。

福祉系の資格を複数持っている場合、精神保健福祉士など他の福祉専門職の書き方も参考になります。福祉系国家資格の書き方についてはこちらも参照してください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 保育士の正式名称は「保育士資格」。「保育士免許」は誤りで、「保育士証」は登録証の名称
- 「保母資格」は1999年に廃止。現在は「保育士資格」に統一されている
- 取得年月は養成施設卒業者は卒業年月、試験合格者は合格年月を書く(登録日は書かない)
- 幼稚園教諭免許状は種別(一種・二種・専修)まで正確に書く
- 取得見込みの場合は「○○年○月 保育士資格 取得見込み」と明記する
保育士資格は今後も需要の高い国家資格です。履歴書の一文を正確に書くことが、自分の専門性への理解を示す最初の機会になります。
保育士免許の正式名称に関するよくある質問
- 保育士の履歴書で「保育士免許」と書いてしまいました。修正すべきですか?
-
提出前であれば必ず修正してください。「保育士免許」という名称は法的根拠のない誤りで、採用担当者が書類の正確さを確認する際に気になる記載です。提出後の場合は面接で指摘されることはほとんどありませんが、次回の書類から正しい表記に統一することをおすすめします。
- 保育士試験に合格しましたが、まだ保育士証が届いていません。履歴書にはどう書けばよいですか?
-
保育士証が届いていなくても、合格通知書に記載された年月を取得年月として「保育士資格 取得」と書いて問題ありません。保育士証の登録日と合格日は別物です。履歴書に書くのは合格通知書に記載された合格年月です。登録手続き中であれば、面接時にその旨を伝えるだけで問題なく対応してもらえます。
- 保育士資格と幼稚園教諭免許を同じ年月に取得した場合、どちらを先に書きますか?
-
取得年月が同じ場合はどちらを先に書いても誤りではありません。一般的には幼稚園教諭免許状を先に書くケースが多いです。認定こども園など幼保連携型の施設では幼稚園教諭免許状を優先して確認する採用担当者もいるため、幼稚園教諭免許状を先に書いておくのが無難です。


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