この記事では、パソコンで履歴書を作成するフォント・書式・印刷方法を、採用担当者が実際にチェックする観点から解説します。WordとGoogleドキュメント別の設定手順と、書類選考で落とされやすいNG例もセットで確認できます。
パソコンと手書き、採用担当者が教える正しい選び方
採用担当者に「履歴書はパソコンか手書きか、どちらが有利ですか?」と聞くと、多くの場合「どちらでも構いません」という答えが返ってきます。ただし、これは「どちらで作っても評価が同じ」という意味ではありません。
採用担当者が書類選考で見ているのは「作成方法」ではなく「読みやすさ」と「内容」です。その前提のうえで、応募する職種や状況によって向き・不向きが実際に存在します。まず比較表で全体像を把握しておきましょう。
| パソコン作成 | 手書き | |
|---|---|---|
| 読みやすさ | ◎ 文字が均一で見やすい | △ 字の上手・下手で差が出る |
| 修正・流用 | ◎ 複数社への応募で効率的 | × 書き直しに時間がかかる |
| 誠実さの演出 | △ 印象は内容次第 | ◎ 手間をかけた誠実さが伝わりやすい |
| 向く職種 | IT・事務・営業・技術職 | 飲食・接客・ブライダルなど |
| 提出形式 | PDF添付での応募に最適 | 直接手渡し・郵送に適している |
パソコン作成が向いているケース
- IT・事務・営業職など、パソコンスキルが業務に直結する職種への応募
- 学歴・職歴・資格が多く、記入量が多い場合
- 複数の企業に同時並行で応募する予定がある場合
- メールや採用サイト経由でPDF提出を求められている場合
手書きが向いているケース
- 「手書きで提出すること」と明示されている場合(この指示は絶対に守ること)
- 飲食・接客・ブライダルなど、丁寧さや誠実さを重視する職種への応募
- 応募先がパソコン作業に縁遠い業界・企業(中小の伝統的な職人企業など)
採用担当者はここを見ている
- 手書き・パソコンより「字の乱れ」「修正液の跡」「余白の使い方」が先に目に入る
- パソコン作成でも「フォントがバラバラ」「余白が狭すぎる」書類は第一印象で損をする
- 「応募先の指定に沿っているか」を確認することが、最初のふるい分けになっている
パソコンで履歴書を作るソフトとテンプレートの選び方
パソコンで履歴書を作成する方法は大きく3つに分かれます。Microsoft Word、Googleドキュメント、そして履歴書専用のWebツール・アプリです。それぞれに特徴があり、使う状況によって最適な選択肢が異なります。
Word・Googleドキュメント・専用ツールの使い分け
| ツール | こんな人に向いている | 主な注意点 |
|---|---|---|
| Microsoft Word | 書式を細かく調整したい人・テンプレートが豊富 | バージョンによってレイアウトがずれることがある |
| Googleドキュメント | PCにWordが入っていない人・クラウドで管理したい人 | PDF出力時にフォントが変わるケースがある |
| 履歴書専用ツール | 書式に自信がない人・すぐに完成させたい人 | レイアウトが固定のため自由度が低い |
スマホだけで完結させたい場合は、スマホ対応の履歴書作成サービスも選択肢になります。利用シーンに合わせた選び方はスマホで作れる履歴書作成サービスの比較記事も参考にしてください。
各ツールの詳しい比較は履歴書作成ツールの採用担当者視点の選び方をあわせて確認してください。

テンプレートの選び方と採用担当者が気にする書式
テンプレートを選ぶ際は、「厚生労働省推奨の様式」か「JIS規格準拠」のものを選ぶのが基本です。独自デザインのテンプレートは採用担当者に「書類の体裁が整っていない」という印象を与えるリスクがあります。
- 転職向け: 志望動機・自己PR欄が広いタイプを選ぶ(職歴の記載スペースも確保)
- 新卒・第二新卒向け: 学歴欄が広く、アルバイト欄が充実しているタイプ
- 職歴が多い人向け: 職歴欄のスペースが大きいタイプ(A3または2枚組み対応)
無料で使えるテンプレートの種類と注意点は履歴書テンプレート無料ダウンロードの選び方ガイドで詳しく解説しています。

パソコン履歴書の作成手順【書式設定から印刷まで】
テンプレートを選んだら、書式設定から始めます。採用担当者が「第一印象」として確認するのは、書式の統一感と文字の読みやすさです。本文を読む前に書式の乱れだけで評価が下がるケースは実際に多く存在します。順番に確認していきましょう。
フォントとサイズの正解(採用担当者が30秒で判断する第一印象)
フォントと文字サイズは、採用担当者が書類を手に取った瞬間に判断する要素です。正解は「明朝体・10.5〜11pt・1種類で統一」です。これを外すと、内容の前に「この人、書類が雑だな」という印象を与えてしまいます。
| 設定項目 | 正解 | NGの例 |
|---|---|---|
| フォント(本文) | 游明朝、ヒラギノ明朝Pro、MS明朝 | メイリオ、手書き風フォント、ポップ体 |
| フォントサイズ | 10.5〜11pt(見出し項目名は12pt可) | 9pt以下(読みにくい)・13pt以上(圧迫感) |
| フォントの統一 | 全体を1種類に統一する | 項目ごとに複数のフォントが混在している |
| 太字・下線 | 原則使わない | 「強調したい」という理由で多用する |
| フォントカラー | 黒のみ | 青・赤など色付きで強調する |
フォント選びの詳細と採用担当者が実際にチェックするポイントは、履歴書のフォントは明朝体が基本である理由をあわせて確認してください。

各項目の書き方(学歴・職歴・志望動機・自己PR)
パソコンで書く場合も、各欄の記入ルールは手書きと変わりません。ただし、パソコン作成ならではの「やりがちなミス」があります。以下のポイントを意識して記入してください。
- 学歴欄: 正式名称を省略しない。「○○高等学校 卒業」「○○大学○○学部○○学科 卒業」と正式に書く
- 職歴欄: 「入社」「退社」を使う。「就職」「辞める」はNG。在職中なら最終行に「現在に至る」→改行後に右寄せで「以上」を記載
- 資格欄: 正式名称で記載する(簿記3級→「日本商工会議所主催 簿記検定試験3級 合格」など)
- 志望動機欄: テンプレートの枠に合わせて文章量を調整する。空欄が目立つのも、文字で埋め尽くすのも印象が悪い
- 自己PR欄: 同上。枠を大幅に超えてフォントを縮小するのはNG
採用担当者はここを見ている
- 志望動機・自己PR欄が「空欄だらけ」または「文字で埋め尽くされている」書類は読む気が失せる
- 枠内に収めようとフォントサイズを小さくした痕跡は、目視で分かる
- 「現在に至る」「以上」が抜けている書類は、確認不足の人という印象につながる
写真の貼り付け方と印刷設定
パソコン作成の履歴書で写真を「データとして貼り付け」する際は、いくつかの注意点があります。
- 写真サイズ: 縦4cm×横3cmが標準。テンプレートの枠内に収まるようにリサイズする
- 画像品質: 印刷後に粗くならないよう、解像度の高い(300dpi以上)写真データを使う
- 印刷設定: 「実際のサイズで印刷」を選択する。「ページに合わせて縮小」にすると書類全体のサイズが変わる
- 郵送・手渡しの場合: 実際の証明写真(L版プリント)を印刷した書類に貼り付けるのが基本。データ埋め込みで印刷すると粗くなるリスクがある
採用担当者が落とす、パソコン履歴書のNG例5つ
パソコン作成だからこそ起きやすい失敗があります。採用担当者が実際に目にするNGパターンを5つ紹介します。「なぜ落とされるのか」を理解しておくことが、書類通過への近道です。
NG1:フォントが複数種類混在している
本文はMS明朝なのに、見出し項目名だけメイリオになっている——このような書類を採用担当者は「統一感がなく、丁寧さに欠ける」と判断します。フォントは1種類に統一し、サイズ変更だけで強弱をつけるのが正解です。テンプレートによっては最初から複数フォントが設定されているものがあるため、使用前に確認してください。
NG2:余白が極端に少ない(または多い)
情報を詰め込もうとして余白を削りすぎると、読む気を失わせます。逆に余白が多すぎると「書くことがない人」という印象を与えます。上下左右の余白は20〜25mm程度が目安です。Wordのデフォルト設定(上下35mm・左右30mm)より少し狭め、かつ詰め込みすぎない範囲に調整してください。
NG3:志望動機・自己PRを複数社に流用している
パソコン作成の最大のリスクは「書類の使い回し」です。採用担当者は毎日多くの書類を見るため、どこにでも送っている内容を見抜きます。特に別の企業名が残ったまま提出するミス(「○○株式会社で活躍したい」と書くべきところに前の応募先企業名が残っている)は即アウトです。提出前に企業名・職種名が正しいか必ず確認してください。
NG4:印刷後の確認をしていない
画面上で問題なく見えていても、印刷すると「写真が横に伸びている」「テキストが枠からはみ出している」ことが起きます。必ず実際に1枚印刷して、画面と見比べてから封入するのが基本です。特にA3→A4縮小印刷や、PDF出力時のフォント置換による文字化けには注意が必要です。
NG5:「現在に至る」「以上」の記載漏れ・位置ずれ
職歴欄の最後には、在職中なら「現在に至る」、その下に「以上」と右寄せで記載するのがルールです。Wordで作成した場合、「以上」の右揃えが崩れやすいので、Tab位置やテキスト揃えの設定を確認してから印刷してください。この記載があるかないかだけで、採用担当者の「書類の完成度」に対する印象が変わります。
履歴書の「パソコンスキル欄」の書き方
「履歴書にパソコンスキルをどう書けばいいかわからない」という疑問は、転職活動中によく出てきます。これは主に、履歴書の「特技・資格欄」や「自己PR欄」にパソコンスキルをどう記載するかという問いです。
採用担当者の立場から見ると、「パソコンが使えます」だけでは何も評価できないのが実情です。重要なのは「何のソフトを・何の業務で・どの程度使えるか」の具体性です。
スキルレベル別の書き方
| スキルレベル | 記載例 | 採用担当者の見方 |
|---|---|---|
| 基礎レベル | Word・Excelによる文書作成・データ入力(基本操作) | 事務補助・入力業務向けとして評価する |
| 中級レベル | Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を使った売上管理実務3年 | 実務経験とセットで評価が上がる |
| 上級レベル | ExcelマクロVBAによる業務自動化ツールの開発・運用経験あり | 専門職・IT職の評価指標として扱う |
採用担当者に響く書き方と例文
採用担当者が求めているのは「業務で実際に何をしていたか」です。「使える」という状態の表現を、業務内容と期間に落とし込んで書きます。
NG例
Word、Excel、PowerPointが使えます。「使える」という状態の記述だけでは、採用担当者はスキルレベルを判断できない。競合する応募者の多くが同じ書き方をするため、印象に残らない。
良い例文
Excel(関数・ピボットテーブル)を用いた月次売上集計レポートの作成を3年間担当。Word・PowerPointは社内提案書・プレゼン資料の作成に日常的に使用。タイピング速度は1分間に50〜60文字程度(ビジネス実用レベル)。
このように「何のソフト × 何の業務 × どのくらいの期間」の3点セットで書くと、採用担当者がスキルレベルを即座に把握できます。MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などの資格がある場合は資格欄に記載し、実務経験は自己PR欄・特技欄に書く形が理想的です。
印刷・提出前のチェックリスト
パソコンで作成した履歴書は、提出前に以下のチェックを必ず行ってください。画面上では気づきにくいミスが、印刷後や受け取った側の環境で発覚するケースが多くあります。
印刷設定と用紙の選び方
- 印刷サイズ確認: A4・両面印刷(2枚組みの場合)の設定が正しいか確認する
- 印刷プレビュー: 印刷プレビューで全ページを確認してから実行する
- 試し刷り1枚: 実際に1枚印刷し、画面と印刷物を並べて確認する(写真・文字サイズ・余白)
- 用紙: 上質紙またはコピー用紙(白色度の高い高品質なもの)を使用する。薄いコピー用紙は透けて裏面が見えることがある
PDF化する場合の注意点
メールやWeb応募でPDF提出を求められる場合は、以下の点に注意してください。
- フォント埋め込み: WordからPDF出力する際は「フォントを埋め込む」設定をオンにする。これをしないと、受け取った側の環境でフォントが変わるリスクがある
- ファイル名: 「履歴書_氏名.pdf」のように、誰の書類かわかる名前にする
- パスワード設定: パスワードをかける場合は、別途メールでパスワードを送る。採用担当者が開封できない事態を避けるために必須
- 送付前確認: 送る前に必ずPDFを開いて、表示崩れ・文字化けがないか確認する
採用担当者はここを見ている
- PDFで届いた書類がパスワードで開けない場合、そのまま「選考不可」として処理されるケースがある
- ファイル名が「resume.pdf」「document.pdf」など汎用的なものだと、管理に支障が出る
- 文字化け・レイアウト崩れのあるPDFは、内容より先に「確認の甘さ」が伝わる
まとめ
- パソコン・手書きの選択は、応募先の指定を最優先に、次に職種の特性で判断する
- フォントは「明朝体・10.5〜11pt・1種類統一」が採用担当者の第一印象を守る基本
- パソコン作成ならではのNG(流用ミス・フォント混在・印刷未確認・現在に至る記載漏れ)を事前に潰す
- パソコンスキル欄は「何のソフト × 何の業務 × どのくらいの期間」で具体的に書く
- PDF提出ではフォント埋め込み・ファイル名・開封確認まで徹底する
履歴書の作成方法と合わせて、各欄の具体的な書き方も確認しておくと書類選考の通過率が上がります。

パソコン履歴書の書き方に関するよくある質問
- パソコンで作った履歴書を郵送する場合、印刷は必須ですか?
-
郵送で提出する場合は印刷が必須です。A4サイズで印刷し、折らずに角形2号の封筒(A4が折らずに入るサイズ)で送るのが基本マナーです。印刷後は写真・文字サイズ・余白を必ず目視で確認してから封入してください。
- WordがなくてもGoogleドキュメントで履歴書は作れますか?
-
作れます。Googleドキュメントで作成し、PDF形式でエクスポートして提出できます。ただし、WordのテンプレートをGoogleドキュメントで開くとレイアウトがずれることがあるため、PDF出力前に必ず表示を確認してください。フォント埋め込みはGoogleドキュメントのPDF出力では自動で行われます。
- パソコンで作った履歴書に直筆のサインや押印は必要ですか?
-
特別な指定がない限り、サインや押印は不要です。ただし、使用するテンプレートに「本人署名欄」がある場合は、印刷後に手書きで署名・捺印が必要なケースがあります。求人票や応募要項に指定がある場合は、その指示に従ってください。
- パソコン履歴書の証明写真はデータのまま貼り付けてもいいですか?
-
PDF提出の場合は高解像度(300dpi以上)の写真データを埋め込んで出力する方法で問題ありません。郵送・手渡しで提出する場合は、実際の証明写真(L版プリント)を印刷した書類に貼り付けてください。データ貼り付けで印刷すると解像度不足で粗くなることがあります。


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