この記事では、Webデザイナーの転職で提出する職務経歴書の書き方を、採用担当者が実際に選考で確認しているポイントから逆算して解説します。経験者向けの例文と、未経験からWebデザイナーを目指す方向けの書き方も合わせて紹介します。
Webデザイナーの職務経歴書とは|採用担当者が必ず目を通す理由
転職活動中のWebデザイナーの多くが、「ポートフォリオがあるから職務経歴書は簡単でいい」と考えています。しかし採用担当者の視点は正反対です。書類選考の入口は職務経歴書であり、ポートフォリオを開く前にこの書類を読んで選考可否を判断しています。
履歴書との違い
履歴書と職務経歴書は役割が異なります。どちらを何のために使うか把握した上で職務経歴書を作成すると、採用担当者に必要な情報を過不足なく伝えられます。
| 書類 | 役割 | フォーマット |
|---|---|---|
| 履歴書 | 氏名・学歴・職歴・資格などの基本情報を証明する | JIS規格など決まった様式 |
| 職務経歴書 | これまでの業務内容・実績・スキルを詳しく伝える | 書式自由(A4縦2〜3枚が目安) |
「ポートフォリオがあれば不要」が間違いである理由
ポートフォリオは「何を作ったか」を見せるためのものです。一方、採用担当者が知りたいのは「どんな文脈で、何人のチームで、どう貢献したか」という業務の実態です。完成形の画像だけでは、この情報は伝わりません。
ポートフォリオを1人で全部作ったのか、ディレクターの指示通りに制作したのか、クライアントへの提案まで行ったのかは、見た目だけでは判断できません。職務経歴書がその文脈を補います。
採用担当者が職務経歴書で確認している3つのこと
採用担当者はここを見ている
- 担当範囲と役割:チームの中で何を担当したか(提案・設計・制作・コーディングのどこまでか)
- スキルレベルの実態:ツール名だけでなく、どの機能をどの程度使えるかが伝わるか
- 業務の成果:制作した結果、何がどう変わったか(数値で示せるか)
採用担当者が30秒で書類を判断する「読み方」
採用担当者は複数の書類を同時に処理するため、1通あたりの確認時間は限られています。特に一次スクリーニングでは30秒〜1分程度が実態です。この時間をどのパートに費やしているかを知ると、どこに力を入れるべきかが明確になります。
最初の3秒で見る「職務要約」
書類を開いてまず目が行くのが、ページ最上部の職務要約です。「この人はどんなデザイナーか」が3秒でつかめる職務要約は、続きを読んでもらえる確率が上がります。職務要約で「続きを読みたい」と思わせられるかどうかが、選考の入口になります。
次の10秒で見る「スキル・ツール一覧」
職務要約に引き続き、採用担当者はスキル欄を確認します。ここでは「自社が必要としているツールを使えるか」「経験年数は十分か」を確認しています。ツール名の羅列では判断しにくいため、経験年数とレベルを明示した書き方が重要です。
残り15秒で見る「プロジェクト実績」
職務経歴詳細のプロジェクト記述は、直近の案件から読まれます。採用担当者が15秒で確認しているのは2点です。
- 業務の具体性(どんな案件を・どんな規模で・どこまで担当したか)
- 数値で示された成果(CVR・PV・工数削減率など)
この30秒を通じて「一次通過にする」と判断されれば、その後ポートフォリオを確認・詳細に読み込む段階に進みます。最初の30秒に刺さる書類を作ることが、書類選考通過の第一条件です。
職務要約の書き方と例文【OK例・NG例つき】
職務要約は全体で200〜300字が目安です。採用担当者がここを読んで「詳しく見たい」と感じるかどうかが、書類選考の通過率に直結します。
職務要約に書くべき3つの情報
- 経験年数と得意領域(例:Webデザイン歴6年、ECサイト・コーポレートサイトのUI設計を中心に担当)
- 業務の対応範囲(例:クライアントへのヒアリング〜コーディング指示まで一気通貫で対応可能)
- 今後のビジョン(例:UI/UXの設計フェーズにより深く関わり、事業成果に貢献したい)
経験者の職務要約例文
NG例
Webデザイン歴6年。Photoshop・Illustrator・FigmaなどのAdobeツールに精通しており、バナー制作からLPデザインまで対応可能です。コミュニケーションを大切に、丁寧な仕事を心がけています。(← 具体性がなく誰でも書ける内容。提案力・実績が一切伝わらない)
良い例
Webデザイン歴6年。ECサイト・BtoBサービスのUIデザインを中心に、クライアントへのヒアリング〜デザイン制作〜コーディング指示まで一貫して担当してきました。直近3年はFigmaを使ったUIコンポーネント管理・プロトタイピングを主導し、デザインリニューアルプロジェクトでCVRを平均1.8倍に改善した実績があります。今後はUXリサーチも含めた上流工程への関与を深め、事業成果に直結するデザイン判断ができる環境で働きたいと考えています。
未経験・スクール卒の場合の職務要約の書き方
実務経験がない場合、職務要約には「何を学んだか・何を作れるか・前職経験をどう活かすか」の3点を書きます。在職中に副業・フリーランスで制作実績がある場合はそれも含めます。
未経験者の職務要約 例文
前職は広告代理店での営業職(4年)。クライアントの課題をヒアリングし提案に落とし込む経験を積みました。1年前からWebデザインを独学で習得し、Figma・HTML/CSS・WordPress を使ったポートフォリオ(LP・コーポレートサイト・ECサイト計8点)を制作しています。提案力・ヒアリング力を活かしながら、クライアントの課題を解決するUIデザインに携わりたいと考えています。
スキル・使用ツール一覧の書き方
スキル欄は採用担当者が10秒以内で確認する項目です。読みやすい形式と、採用担当者がすぐに判断できる情報量を意識して書きます。
ツールを羅列するだけでは通らない理由
NG例
【スキル】Photoshop / Illustrator / Figma / XD / HTML / CSS / JavaScript / WordPress / Premiere Pro
ツール名を並べるだけでは「使えます」という事実しか伝わりません。採用担当者が判断したいのは「どの程度使えて、どんな業務に対応できるか」です。10個以上のツールが並んでいても、レベルが書かれていなければ評価のしようがありません。
採用担当者に伝わるスキル記載の書き方
ツール名・経験年数・主な用途の3点をセットで書くことで、採用担当者が募集ポジションとのマッチングを判断しやすくなります。特にFigmaは現在のWebデザイン業務で中心的なツールになっているため、どの機能をどの程度使えるかを具体的に書くと差別化になります。
Webデザイナーのスキル記載例(表形式)
| ツール・スキル | 経験年数 | 主な用途・レベル |
|---|---|---|
| Figma | 3年 | UIデザイン・コンポーネント管理・プロトタイピング(チーム共同編集経験あり) |
| Adobe Photoshop | 6年 | バナー制作・画像加工・サイトビジュアル制作 |
| Adobe Illustrator | 6年 | ロゴ・アイコン作成・印刷物デザイン |
| HTML / CSS | 4年 | レスポンシブ対応・Flexbox・Grid・SCSS使用経験あり |
| WordPress | 3年 | テーマカスタマイズ・ブロックエディタ・プラグイン設定 |
| Adobe XD | 2年 | ワイヤーフレーム作成(現在はFigmaに移行済み) |
職務経歴詳細(プロジェクト実績)の書き方と例文
職務経歴詳細は、採用担当者が最も時間をかけて読む項目です。ここでの書き方が選考通過を左右します。会社ごと・案件ごとに構造化して記述することで、採用担当者が業務実態を把握しやすくなります。
採用担当者が「なるほど」と感じる実績の書き方
採用担当者が「この人は仕事ができる」と判断するのは、「何をしたか」ではなく「何をどう変えたか」が明確な記述です。以下の3ステップで書くと、業務の文脈と成果が伝わります。
- 課題の設定:担当案件の背景・既存の問題(例:直帰率65%でユーザーが離脱していた)
- 自分が行ったこと:具体的な対処内容(例:ユーザーインタビューをもとにナビゲーション構造を見直し、UIを刷新)
- 結果:成果を数値で示す(例:直帰率65%→42%に改善、月間コンバージョン数1.4倍)
デザイン成果を数値化するコツ
「デザインの仕事は数字で表しにくい」と感じる方は多いですが、以下の指標でほとんどの業務は数値化できます。
| 業務内容 | 数値化できる指標の例 |
|---|---|
| LPデザイン・リニューアル | CVR(改善前後の比較)、直帰率、滞在時間 |
| バナー・広告クリエイティブ | CTR(クリック率)、A/Bテスト結果 |
| ECサイトデザイン | カート追加率、購入率、離脱率 |
| デザインシステム構築 | 制作工数の削減率(時間・件数) |
| チーム内標準化 | 修正回数の減少、制作サイクルの短縮 |
数値化が難しい案件の場合は、案件の規模(月間PV・クライアント業種・ページ数・チーム構成)を記載するだけでも伝わり方が変わります。
プロジェクト詳細の例文
職務経歴詳細 例文
株式会社〇〇(Web制作会社)/2020年4月〜2024年3月
【事業概要】中小企業向けWebサイト制作・運用代行。社員12名、デザイン担当3名。
【担当業務】
・クライアントへのヒアリング〜ワイヤーフレーム作成〜デザイン制作〜コーディング指示
・ECサイト・コーポレートサイト・LP等、年間30〜40件の案件を担当
・Figmaを使ったデザインシステム構築(社内初導入を主導)
・クライアントへのデザイン改善提案(A/Bテストの設計・結果分析含む)
【実績】
・美容クリニックECサイトのリニューアルでCVR 1.2%→2.4%(2倍)に改善
・デザインシステム導入により制作工数を平均25%削減
・担当案件の平均修正回数を2.1回→0.9回に短縮(ヒアリング精度向上の取り組みによる)
ポートフォリオと職務経歴書の正しい組み合わせ方
ポートフォリオと職務経歴書は、互いを補完する関係にあります。片方だけ充実させても、採用担当者に「この人に会いたい」と思わせることは難しいです。
職務経歴書にポートフォリオURLを必ず記載する理由
書類選考の段階でポートフォリオのURLを記載していない応募者は、採用担当者が「作業のクオリティを確認できない」と判断することがあります。職務経歴書のスキル欄または末尾に「詳細はポートフォリオをご参照ください」とURLを明記することで、書類の情報量が格段に上がります。
URL記載の書き方と設計のポイント
ポートフォリオのURLを職務経歴書に書く際は、以下の点を確認してください。
- URLが正しく開けるか確認する(提出前に必ずチェック)
- 掲載している作品に守秘義務違反がないか確認する
- 制作の意図・背景が説明されているか(「なぜこのデザインにしたか」が言語化されているポートフォリオは評価が高い)
- 最新の制作実績が上位に来るよう並べる
ポートフォリオに掲載している作品については、職務経歴書のプロジェクト詳細欄で「このプロジェクトはポートフォリオXX番に掲載」のように対応させると、採用担当者が確認しやすくなります。
自己PRの書き方と例文
自己PRは「強みの説明」で終わらせず、「その強みを入社後にどう活かすか」まで書いて完成します。採用担当者は「今後一緒に働いたときにどう役立つか」を判断材料にしているからです。
採用担当者の目に止まる自己PRの3要素
- 強み(得意なこと):抽象的な表現ではなく、具体的な業務行動で示す
- 裏付けとなるエピソード:数値・案件名・具体的な状況で強みを証明する
- 入社後のビジョン:自社でどう活かすか・どういう仕事をしたいか
自己PR例文
自己PR 例文(転職・経験者)
強みは「クライアントの要望をデザインに落とし込む提案力」です。前職では月間30件以上の案件を担当し、ヒアリング設計を見直した結果、担当案件の修正回数を平均2.1回から0.9回に短縮しました。クライアントが「何となくイメージと違う」と感じる根本原因を最初のヒアリングで言語化する習慣が、この数値につながっています。今後は、事業フェーズから逆算してUIを設計する上流工程の業務に関わり、デザインが直接ビジネスの成果に貢献できる環境でさらに成長したいと考えています。
状況別の書き方|未経験・転職・フリーランス
自分の状況に合わせた書き方を選ぶことが、採用担当者に「自分に合った応募者」と認識させる近道です。
未経験からWebデザイナーを目指す場合
実務経験がない場合は、スキル欄にスクール・独学で習得した内容と制作実績を記載します。「実務経験なし=書くことがない」という思い込みは捨ててください。学習期間・制作件数・使用ツール・ポートフォリオURLは書けます。
未経験者のスキル欄 例文
【習得スキル・ツール(独学・スクール)】
・Figma:UIデザイン、コンポーネント設計(ポートフォリオでLP・コーポレートサイトUI計5点制作)
・HTML / CSS:レスポンシブ対応・Flexbox・Grid(静的サイト3点制作済み)
・Photoshop:バナー制作・画像加工(10ヶ月の独学期間に50点以上制作)
・ポートフォリオURL:https://〇〇〇.com
他職種・異業種からWebデザイナーへの転職の場合
前職の経験はWebデザインの文脈に変換して書くことで、採用担当者に「デザイン知識はないかもしれないが、業務に活かせる経験がある」と判断させられます。
| 前職の経験 | Webデザインへの転換視点 |
|---|---|
| 営業・接客 | クライアントの要望をデザインに落とし込む提案力・ヒアリング力 |
| マーケティング | CVR・直帰率などの指標を意識したデザイン判断ができる |
| グラフィックデザイン | 印刷物からWebへの展開、色彩・レイアウト知識の応用 |
| エンジニア・コーダー | 実装面を理解したデザイン設計(フロントエンドとの連携が得意) |
| EC・小売業 | 購買心理・商品訴求への理解をECサイトデザインに直結できる |
フリーランス・副業経験がある場合
フリーランスや副業でのWebデザイン実績は、正社員の職歴と同様に職務経歴詳細に記載できます。「個人事業主(Webデザイン業)」または「屋号名(Webデザイン)」として記載し、主要案件を列挙します。
守秘義務がある場合はクライアント名を「EC事業者A社」のように匿名化し、業種・規模・担当内容・実績だけ書けば問題ありません。フリーランス期間に制作した実績は、正社員採用においても十分評価対象になります。
職務経歴書の作成に自動化ツールを活用したい場合は、職務経歴書の自動作成ツール比較も参考にしてください。

まとめ
- 採用担当者は職務経歴書を30秒で判断するため、職務要約と直近の職歴が書類通過の入口になる
- スキル欄はツール名の羅列ではなく「ツール名+経験年数+用途」の3点セットで記載する
- プロジェクト実績は「何をしたか」ではなく「何をどう変えたか」を数値で示す
- ポートフォリオのURLを職務経歴書に必ず記載し、プロジェクト詳細と対応させる
- 未経験・転職者は前職の経験をWebデザインへの強みに変換する視点で書く
職務経歴書で差をつける最大のポイントは、「何をしたか」ではなく「何をどう変えたか」を書くことです。作成後は第三者に読んでもらい、業務の実態が伝わるかを確認するのも効果的です。書類の精度をさらに上げたい方は、転職エージェントによる添削を活用する方法もあります。
添削サービスを検討している場合は、職務経歴書の有料添削サービス比較も確認してみてください。

Webデザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書は手書きとPC作成のどちらがいいですか?
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Webデザイナーの場合はPC作成が前提です。手書きが絶対NGという訳ではありませんが、PCでのデザインスキルをアピールする職種として、書類もきれいにレイアウトされた状態で提出するほうが採用担当者への印象が良くなります。Wordで作成し、PDFに変換して提出するのが一般的です。
- 職務経歴書の分量はどのくらいが適切ですか?
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実務経験3年以上のデザイナーであれば、A4用紙2〜3枚が目安です。1枚では情報量が少なすぎ、4枚以上になると採用担当者が読む前に疲れてしまうことがあります。実績と担当業務を具体的に書きながら、2〜3枚に収めるのが理想的です。
- 未経験からWebデザイナーに転職する場合、職務経歴書に何を書けばいいですか?
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前職の職歴と、独学・スクールで習得したスキルを組み合わせて記載します。スキル欄に習得ツールと制作実績(ポートフォリオの件数)を書き、自己PRで「なぜWebデザイナーを目指したか」と「前職経験をどう活かすか」を明示します。ポートフォリオのURLは必ず記載してください。
- フリーランス経験は職務経歴書にどう書きますか?
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フリーランスの活動は「屋号または個人事業主(Webデザイン)」として会社欄に記載し、主要な案件を職務経歴詳細に書きます。守秘義務がある場合はクライアント名を「EC事業者A社」のように匿名化し、業種・規模・担当内容・実績だけ書けば問題ありません。
- ポートフォリオと職務経歴書の内容が重複してもいいですか?
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重複は問題ありません。ポートフォリオは「完成形を見せるもの」、職務経歴書は「業務の文脈・プロセス・成果を伝えるもの」として役割を分けて書くのが理想です。ポートフォリオに掲載している作品については、職務経歴書のプロジェクト詳細欄で「なぜそのデザインにしたか」を補足すると採用担当者の理解が深まります。


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