この記事では、Webデザイナーの職務経歴書の書き方を採用担当者が見ている視点から解説します。職務要約・スキル欄・職務経歴詳細の正しい書き方と、良い例・NG例をもとに、書類選考を通過するポイントがわかります。
Webデザイナーの職務経歴書は「ポートフォリオがあるから」では通らない理由
Webデザイナーの転職活動では、ポートフォリオの完成度に集中するあまり、職務経歴書の準備が後回しになりがちです。しかし、ポートフォリオだけでは伝わらない情報が、採用の可否を分けることがあります。書類選考を通過できない理由を、採用担当者の視点から整理します。
デザイン部門以外の採用担当者は職務経歴書しか見ない
書類選考を担当するのはデザイン部門のディレクターだけとは限りません。人事担当者・部門責任者・役員など、デザインの専門知識を持たない人が選考に関わる企業は多く存在します。
そうした人たちは、ポートフォリオのクオリティを適切に評価できません。「きれいかどうか」「自分好みかどうか」という印象で判断する場面も出てきます。非デザイナーの目線でも「仕事ができそう」と判断できる情報を職務経歴書で伝えることが、選考通過の確率を上げる第一歩です。
ポートフォリオで伝わらない「判断プロセス」を職務経歴書が補う
ポートフォリオはデザインの結果物を示すものですが、採用担当者が知りたいのは結果物だけではありません。「なぜそのデザインを選んだのか」「どんな課題を解決したのか」「チームの中でどんな役割を担ったのか」——こうしたデザインの背景にある思考と実績を伝えるのが職務経歴書の役割です。
採用担当者はここを見ている
- 成果物の裏にある「判断の根拠」が言語化されているか
- チームの規模・自分の役割・発注元の業種が把握できるか
- 数字で示せる成果があるか(PV・CVR・プロジェクト件数など)
- ポートフォリオに載っていない業務(ディレクション・コーディング等)があるか
採用担当者が最初の30秒でチェックする4つのポイント
採用担当者が職務経歴書を確認する時間は、初見で30秒〜1分程度と言われています。この短い時間で「もっと読みたい」と思わせるには、最初に目が行く箇所に必要な情報が整理されていることが前提になります。
①プロジェクト規模と開発体制が把握できるか
同じ「Webデザイン経験3年」でも、1人でこなしたか5人チームの一員だったかでは、評価が大きく変わります。「チーム5名のうちビジュアルデザイン担当として参加」のように、規模と自分の役割を一緒に書くことで、即戦力としてのイメージが具体化します。
②ツールのスキルレベルが具体的か
「Figma使用経験あり」という記載では、採用担当者はスキルレベルを判断できません。「Figma:実務3年。コンポーネント設計・デザインシステム構築経験あり」のように、年数と業務での活用範囲を明記するのが正解です。
| 弱い書き方 | 強い書き方 |
|---|---|
| Figma使用経験あり | Figma:実務3年。コンポーネント設計・デザインシステム構築経験あり |
| Photoshop使える | Photoshop:実務5年。バナー・LP・SNS広告制作を月20〜30本対応 |
| HTML/CSS知識あり | HTML/CSS:基本的なコーディング可。Bootstrap・SCSSを使用した実務経験あり |
③成果が数字で示されているか
「デザインを改善した」という記述だけでは弱く、採用担当者の印象に残りません。成果を数字で示せると、候補者の業務への影響度が一気に伝わります。
- LPリデザインによりCVRが1.3倍に改善(A/Bテスト結果)
- サイトリニューアルで平均滞在時間が40秒から75秒に延伸
- 年間で新規LPを約120本担当(うちディレクション15本)
- プロジェクト参加後3ヶ月で、制作スループットをチーム全体で1.5倍に改善
数字化が難しいと感じる場合は、「件数・本数・期間・チーム規模・受注金額の規模感」だけでも入れると説得力が上がります。
④自己PRが応募先の業種・業態に合っているか
同じWebデザイナーでも、BtoB SaaSプロダクト企業と広告代理店では求められる経験がまったく異なります。1つの職務経歴書を使い回す人は多いですが、採用担当者は自己PRが「うちの仕事と合っているか」を必ずチェックします。自社のフェーズや業種に近い経験を前面に出す書き分けが重要です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →Webデザイナーの職務経歴書の基本構成と各セクションの書き方
職務経歴書の基本構成は「職務要約 → スキル・ツール一覧 → 職務経歴詳細 → 自己PR」の4セクションです。Webデザイナーの場合、スキル欄の作り方と職務経歴詳細のプロジェクト記述がとくに選考結果に直結します。
職務要約(200〜300文字)の書き方
職務要約は採用担当者が最初に読む箇所です。ここで「読む価値がある人材かどうか」の第一印象が決まります。書くべき内容は「経験年数・専門領域・得意なこと・直近の実績」の4点です。長くなりすぎず、200〜300文字に収めます。
- 経験年数:「Webデザイン実務経験〇年」と明記
- 専門領域:LP制作・UIデザイン・バナー制作・ブランディングなど具体的に
- 得意なこと:競合と差別化できる強み(「コーディングも一人で完結できる」など)
- 直近の実績:数字が入れられる場合は必ず1つ入れる
スキル・使用ツール一覧の書き方
スキル欄はツール名を並べるだけでなく、使用歴と業務での活用範囲をセットで書くのが基本です。採用担当者は「使えます」ではなく「どのレベルで何ができるのか」を知りたいため、単なるスキルリストは評価されにくい書き方です。
| カテゴリ | ツール・スキル | レベル・用途 |
|---|---|---|
| デザインツール | Figma | 実務4年。UIデザイン・コンポーネント設計・プロトタイプ作成 |
| デザインツール | Adobe Photoshop | 実務6年。バナー・LP・SNS広告素材の制作 |
| デザインツール | Adobe Illustrator | 実務4年。ロゴ・アイコン・印刷物制作 |
| コーディング | HTML/CSS | 実務3年。WordPress実装・レスポンシブ対応・SCSS使用経験あり |
| コーディング | JavaScript | 読み書きレベル。jQueryを使ったアニメーション実装経験あり |
| 解析ツール | Google Analytics 4 | 計測設定・レポート作成・デザイン改善への活用 |
知識レベルのものも「読み書き可」「基礎知識あり」として記載することで、チームでの協業可能範囲が伝わります。
職務経歴詳細の書き方
職務経歴詳細は、プロジェクトごとに「会社情報・事業内容・担当業務・使用ツール・実績」を記載します。Webデザイナーの場合、プロジェクトをすべて列挙するよりも成果が大きかったもの・特徴的だったものに絞って詳しく書く方が採用担当者の印象に残ります。
- 在籍期間:例「2022年4月〜2024年3月(約2年)」
- 会社・事業概要:業種・従業員規模・自分が在籍した部署・チーム人数
- 担当業務:プロジェクト別に箇条書きで整理
- 主な実績:数字や評価を含む成果
- 使用ツール:スキル欄と連動して記載
案件のURLやキャプチャをポートフォリオに収録している場合は「ポートフォリオ掲載:○○社LP(p.3)」のように職務経歴書と紐付けると、採用担当者が参照しやすくなります。
自己PRの書き方
自己PRはデザイナーとしての「強み」と「なぜその強みが応募先でも発揮できるのか」をセットで書きます。よくある失敗は「デザインが好きです」「ユーザー視点を大切にしています」のような、どのデザイナーでも言えることだけで終わってしまうことです。
自己PRに盛り込むべき3要素は「①具体的な強み ②強みを示す実績や根拠 ③応募先での活かし方」です。応募先が自社プロダクトを持つ企業であればUI改善・数値改善の経験を前面に出す。広告代理店であればスピードと量産対応の経験を強調する。という書き分けが書類通過率を上げます。
採用担当者に響く例文と落とされるNG例
職務要約の良い例・NG例
良い例文
Webデザイン実務7年。ECサイト・SaaS・メディアの計3社で、UIデザイン・LPデザイン・バナー制作を担当。直近2年はプロダクトチームにて、データ分析をもとにしたUIリデザインを主導し、主要ページのCVRを平均1.4倍に改善。FigmaとPhotoshopを軸に、HTML/CSSの実装まで一人で対応できます。
NG例
Webデザイナーとして約7年間勤務しました。さまざまな案件に携わり、デザインスキルを磨いてきました。「さまざまな案件」「スキルを磨いた」は何も伝えていない。どんな業種・どんな規模か、具体的な数字がなく採用担当者の印象に残らない典型例。
スキル欄・ツール欄の良い例・NG例
良い例文
【デザインツール】Figma(実務4年。UIデザイン・デザインシステム構築)、Photoshop(実務7年。LP・バナー量産)
【コーディング】HTML/CSS(実務3年。WordPress実装・レスポンシブ対応)
【解析ツール】Google Analytics 4(KPI設定・ヒートマップ分析・施策立案への活用)
NG例
【使用ツール】Figma、Photoshop、Illustrator、HTML、CSS、JavaScriptツール名を並べただけでは「触ったことがある」レベルなのか「実務で使いこなせる」レベルなのか判断できない。入社後の業務イメージが持てない最大の原因がこれ。
職務経歴詳細の良い例・NG例
良い例文
【会社概要】BtoC ECサービス運営会社(従業員120名)
【在籍部署】マーケティング部 デザインチーム(4名)
【在籍期間】2022年4月〜2024年3月(2年)
【主な担当業務】
・LP制作(月5〜10本):コンセプト設計からFigmaでのデザイン、HTML/CSSで実装まで一気通貫
・バナー量産(週15〜20本):SNS広告・リスティング用クリエイティブ制作
・UIリデザイン:ユーザーインタビューとGA4データをもとにカート導線を改修
【主な実績】カート改修後のCVRが3ヶ月間で1.3倍に改善
NG例
【業務内容】Webデザイン全般を担当しました。LPやバナーなど幅広く対応し、お客様に喜んでいただけるデザインを心がけました。「幅広く対応」「喜んでいただけた」は採用担当者に何も伝わらない。具体的な業務量・チーム規模・実績がすべて欠けている典型的な失敗例。
職務経歴書の作成に時間がかかる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用するのも一つの方法です。ツールで骨格を作り、採用担当者に伝わる表現に手を加えるという使い方が現実的です。

経験年数・状況別の職務経歴書のポイント
経験年数が短い・転職回数が多い場合
経験年数が2〜3年以下の場合、職務経歴の量より「成長速度」を見せることが重要です。短期間で担当業務の幅が広がった経緯や、自分で取り組んだスキルアップの事実(資格・独学ツールの習得・副業案件など)を具体的に書くことで、学習意欲の高さを伝えられます。
転職回数が多い場合は、各社での在籍理由・退職理由を簡潔に添えるか、職務要約に「各社でスキルの幅を広げてきた」という一貫したキャリアの文脈を書いておくと、採用担当者の疑念を先回りして解消できます。
フリーランス・副業経験がある場合
フリーランスや副業経験は、会社名がなくても職歴として記載できます。「案件数・受注金額の規模感・主なクライアント業種」で実績を示すのが基本です。「フリーランスとして活動」だけでは弱く、「フリーランスとして月3〜5件のLP制作を受注。主要クライアントは美容・EC・SaaS業界」のように書くと具体性が増します。
守秘義務があるクライアント名は出せなくても、業種・規模感・成果は書けることが多いため、できる範囲で具体化してください。フリーランス期間は「屋号または個人名 フリーランスWebデザイナー(20XX年〜20XX年)」のように職歴欄に明記することで、空白期間にはなりません。
デザイン以外のスキル(コーディング・ディレクション)も持っている場合
HTML/CSSのコーディングやプロジェクトディレクションができるWebデザイナーは、採用市場では希少です。ただし、スキルの幅を広く見せようとするあまり「全部できます」と書くと、逆に軸がないと判断される場合があります。
応募先が求めているポジションを確認し、その仕事に直結するスキルを最初に書く。それ以外のスキルは「補足可能な範囲」として添える書き方が、採用担当者への訴求力を高めます。たとえばUIデザイン職への応募であれば「Figmaを使ったUIデザイン・プロトタイプ作成が主軸。必要に応じてHTML/CSSの実装まで一人で完結可能」という順序が適切です。
職務経歴書とポートフォリオの役割分担と提出時の注意点
職務経歴書とポートフォリオは別の役割を持ちます。混同すると両方の質が下がる原因になるため、それぞれの役割を整理した上で提出することが重要です。
| 書類 | 主な役割 | 誰が読むか |
|---|---|---|
| 職務経歴書 | 実績・スキル・思考力・自己PRの言語化 | 人事・デザイン部門・役員 全員 |
| ポートフォリオ | デザインの品質・センス・スタイルの可視化 | 主にデザイン部門のディレクター・デザイナー |
提出時に注意が必要なのは、職務経歴書とポートフォリオの内容が矛盾していないかどうかです。職務経歴書に書いた実績とポートフォリオに掲載している案件の時期や内容がずれていると、採用担当者が混乱し、信頼性を疑われる原因になります。
ポートフォリオは職務経歴書から参照できるURL・ページ番号を記載すると、採用担当者が両方を照らし合わせて読みやすくなります。パスワード付きのポートフォリオの場合は、URLとパスワードをセットで記載してください。
書いた内容に自信が持てないときは、職務経歴書の添削サービスを活用することも選択肢の一つです。プロの視点でのフィードバックは、書類通過率の改善につながります。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- ポートフォリオに頼りすぎず、職務経歴書で「成果の裏側にある実績と思考」を言語化する
- 採用担当者が最初に見るのは「プロジェクト規模・スキルレベル・数字の実績・自己PRの適合度」
- ツール名の羅列だけでなく、使用歴と業務での活用範囲をセットで書く
- 職務経歴詳細はプロジェクト別に「会社概要・担当業務・実績・使用ツール」を整理する
- 自己PRは応募先の業種・フェーズに合わせて書き分けることで書類通過率が上がる
Webデザイナーの職務経歴書は、ポートフォリオでは伝わらない「判断力・実績・適応力」を言葉で証明する書類です。採用担当者の視点から何が求められているかを理解した上で書くと、同じ経歴でも伝わり方が変わります。
webデザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- Webデザイナーの職務経歴書にポートフォリオのURLを書いてもいいですか?
-
書いて問題ありません。むしろ積極的に書くことを推奨します。URLだけでなく、職務経歴書のどの案件と対応しているか(例:「ポートフォリオp.3掲載」)を紐付けると、採用担当者が参照しやすくなります。パスワード付きのポートフォリオの場合は、URLとパスワードを一緒に記載してください。
- フリーランス時代の経歴は職務経歴書にどう書けばいいですか?
-
フリーランス期間は「屋号または個人名 フリーランスWebデザイナー(20XX年〜20XX年)」のように職歴として記載します。在籍会社がなくても職歴の空白にはなりません。案件名や守秘義務のあるクライアント名は伏せて構いませんが、「月3〜5件受注、主な業種はEC・美容・SaaS」のように業務量と業種は書ける範囲で具体化しましょう。
- 職務経歴書とスキルシートは別々に提出が必要ですか?
-
企業や求人の指定によって変わります。スキルシートの提出が求められた場合は、職務経歴書のスキル欄をより詳しくした別紙として作成します。IT・Web・クリエイター系の求人ではスキルシートの提出を求めることもあるため、求人票の指定を確認してください。一般的な転職活動では職務経歴書のみ提出が標準です。
- Webデザイナーの職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙2〜3枚が一般的な目安です。経験年数が浅い場合は2枚以内、5年以上の経験があれば3枚程度に収めると読みやすい分量になります。枚数を増やすよりも、採用担当者が知りたい情報(実績・スキルレベル・プロジェクト概要)が明確に整理されているかどうかを優先してください。


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