この記事では、Webデザイナーの職務経歴書に採用担当者が何を求めているか、NG例と通過する書き方の違い、状況別の例文を解説します。ポートフォリオとの使い分け方もあわせてまとめています。
Webデザイナーの職務経歴書はポートフォリオだけでは補えない
転職活動をしているWebデザイナーから「ポートフォリオを出すから職務経歴書は簡単でいい」という声をよく聞きます。採用担当者の立場から言うと、この認識が書類落ちの一因になっています。
採用担当者が職務経歴書に求めている情報
採用担当者がポートフォリオで確認するのは「何を作れるか」という成果物のクオリティです。一方で職務経歴書で確認するのは、「どんな環境で・どんな規模の案件を・どんな役割で担当してきたか」という仕事の文脈です。
デザインの品質が同程度の候補者が2人いるとき、採用担当者は職務経歴書を読んで「この人は自社の仕事にフィットするか」を判断します。受注金額・チーム規模・担当領域・ツールのレベル感——こうした情報はポートフォリオからは読み取れません。
採用担当者はここを見ている
- 担当案件の種類と規模:コーポレート・LP・ECサイトなどの種類と、ページ数や案件規模
- 使用ツールと習熟度:FigmaやPhotoshopなど、実務で何年・どの業務で使ったか
- デザインの思考プロセス:なぜそのデザイン判断をしたか、課題設定と解決のストーリー
- チームでの役割:ディレクターやエンジニアとの連携経験があるか
書類選考で30秒しか読まれない現実
採用担当者が1つの書類を最初に読む時間は平均30〜60秒と言われています。この時間で「読む価値がある書類か」を判断し、次のステップに進む候補者を絞り込みます。
Webデザイナーの職務経歴書で最初に目が止まるのは、職務要約とスキル欄です。この2箇所にキャリアの強みが凝縮されていない書類は、詳細を読む前に次へ回されることになります。ポートフォリオを添付していても、この判断フローは変わりません。
採用担当者がWebデザイナーの書類で確認する3つのポイント
①担当案件の「種類」と「規模感」が伝わるか
Webデザイナーの実務経験は「Webデザインを担当していました」という一文では全く伝わりません。採用担当者が知りたいのは、以下のような具体的な情報です。
- 案件の種類(コーポレートサイト・LP・ECサイト・アプリUI・バナーなど)
- プロジェクトの規模(ページ数・チームメンバー数・受注金額の概算)
- 担当フェーズ(ヒアリング・ワイヤー・デザイン・コーディング・保守など)
- 業界・クライアントの種類(BtoB企業・EC・メディア・官公庁など)
特に「どこまで一人で担当したか」は重要な判断材料です。ディレクションから実装まで一気通貫で担当した経験と、デザインのみを担当した経験では、採用担当者が受ける印象が大きく変わります。
②使用ツールと習熟度が判断できるか
スキル欄にツール名を並べるだけでは不十分です。採用担当者が知りたいのは「使える」のレベル感——実務で何年使ったか、どのような業務で使ったかです。
Webデザイナーのツールは大きく3カテゴリに分けて記載すると整理しやすくなります。
| カテゴリ | 代表的なツール例 | 記載のポイント |
|---|---|---|
| デザイン・制作 | Figma / Photoshop / Illustrator / XD | 実務経験年数と主な用途を添える |
| コーディング | HTML / CSS / JavaScript / WordPress | レベル感を「基礎〜応用」等で補足 |
| 分析・改善 | Google Analytics / Search Console / Hotjar | 実際に使った施策・改善経験を一言 |
「Figma(実務3年、ワイヤー〜プロトタイプ作成まで)」のように、ツール名+実務年数+用途の形で書くと、採用担当者がスキル感を即座に把握できます。
③自己PRにデザインの「思考プロセス」があるか
採用担当者がWebデザイナーの自己PRで最も確認しているのは、「デザインが好き・センスがある」という宣言ではありません。「どんな課題を設定し、なぜそのデザイン判断をしたか」というプロセスの言語化です。
プロセスが書けている自己PRは、面接での深掘りがしやすく、採用担当者に「会ってみたい」と思わせます。逆に「常に最高のデザインを追求しています」という抽象的な表現は、ほぼすべての候補者が書いているため差別化になりません。
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職務要約(200〜300文字)の書き方
職務要約は採用担当者が最初に読む項目です。ここで「この候補者は何者か」を30秒で伝えられなければ、詳細を読んでもらえません。
Webデザイナーの職務要約に含めるべき情報は次の4点です。
- 経験年数と主な専門領域(UI/UXデザイン・Webサイト制作・バナーデザインなど)
- 得意な案件の種類・業界
- 主要ツールとスキルのレベル感
- 今後のキャリアで実現したいこと(1〜2行)
良い職務要約の例
WebデザインおよびUI/UXデザインの実務経験5年。ECサイトやSaaSのプロダクトUIを中心に、ヒアリングからデザイン実装まで一貫して担当してきました。Figmaを用いたプロトタイプ作成とユーザーテスト設計が得意で、UI改善施策によりコンバージョン率を平均18%改善した実績があります。デザインと事業成果を直接つなげられる環境で、さらにスキルを深めたいと考えています。
NG例
Webデザイナーとして5年の経験があります。PhotoshopやIllustratorを使用してさまざまなWebサイトのデザインを担当してきました。デザインへの情熱を持ち、クオリティの高い仕事をすることを心がけています。
なぜNGか:得意分野・案件規模・具体的な成果が一切読み取れない。「さまざまな」「情熱」のような抽象表現は採用担当者の記憶に残らない。
スキル・使用ツール欄の書き方
スキル欄は、採用担当者が職務経歴書をスキャンする際に必ず目を止める箇所です。「使ったことがある」ツールをすべて並べると、習熟度が伝わらない上に読みにくくなります。
実務で3ヶ月以上継続的に使用したツールのみを記載し、実務経験年数と主な用途を必ず添えることが大切です。経験が浅いものを書く場合は「学習中」と明記するほうが誠実です。
スキル欄の記載例
- Figma:実務4年(UI設計・プロトタイプ・デザインシステム構築)
- Adobe Photoshop:実務6年(バナー・LP・画像加工)
- Adobe Illustrator:実務6年(ロゴ・アイコン・印刷物デザイン)
- HTML / CSS:実務3年(コーディング実装・レスポンシブ対応)
- Google Analytics 4:実務2年(Webサイト改善施策の分析)
- WordPress:実務2年(テーマカスタマイズ・プラグイン設定)
職務経歴詳細の書き方:案件ごとに記載する
職務経歴詳細は会社単位で記載するのが基本ですが、Webデザイナーは担当した案件の多様性がアピールポイントになるため、主要案件を取り上げて案件ごとに書く方法が効果的です。
1案件ごとに以下の要素を整理します。
- 案件概要:サイトの種類・業界・ページ数など
- 担当フェーズ:ヒアリング〜公開〜改善のどこを担当したか
- 使用ツール:その案件で使用したツール
- 実績・成果:PV・CV・直帰率などの改善数値、または取り組みの工夫点
数値の実績が書けない場合は、「UX改善を目的にABテストを実施した」「ユーザーインタビューを設計しフィードバックをデザインに反映した」など、プロセスと意図を具体的に書くことで採用担当者の興味を引けます。
職務経歴書の作成に時間がかかる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用して下書きを効率的に作成する方法もあります。

自己PRの書き方:思考プロセスを言語化する
Webデザイナーの自己PRで最も多いNGパターンは「デザインへの情熱」「丁寧な仕事ぶり」「コミュニケーション力」のような汎用的な表現です。これらはどの職種の候補者も書ける内容で、採用担当者の記憶には残りません。
採用担当者に刺さる自己PRは、次の3ステップで構成します。
- ①課題:どんな問題があったか(例:CVRが低いLPを担当した)
- ②判断と行動:なぜそのアプローチを選んだか(例:ユーザー行動分析とABテストを設計した)
- ③結果と学習:何が変わったか・何を学んだか(例:CVRを12%改善し、仮説検証の重要性を実感した)
この構成で書くと、採用担当者が「デザイン業務をどう考えているか」を面接前に把握でき、具体的な質問を準備してくれます。面接で自分の得意分野を深掘りしてもらえる環境を、職務経歴書の段階で作れるかどうかがポイントです。
採用担当者が「落とす」書類に共通するNG例
NG例①:業務内容が抽象的で規模感がわからない
NG例
「クライアントのWebサイトのデザインを担当しました。UIの改善やバナー制作なども行いました。」
なぜNGか:クライアントの業種・サイトの種類・案件の規模が一切わからない。「担当しました」だけでは、どのフェーズをどの程度の裁量で担当したか採用担当者には伝わらない。
通過する書き方
「BtoB SaaS企業のコーポレートサイト(約30ページ)のリニューアルをデザインリードとして担当。ワイヤーフレーム設計からビジュアルデザイン・コーディング仕様書の作成まで一貫して対応。公開後6ヶ月でオーガニック流入が前年比145%に増加。」
NG例②:スキルを羅列するだけで習熟度が見えない
NG例
「使用ツール:Photoshop、Illustrator、Figma、XD、InDesign、Premiere、After Effects、HTML、CSS、JavaScript、React、Google Analytics」
なぜNGか:ツール名を12個並べても、採用担当者には「どれを実務レベルで使えるのか」が全くわからない。習熟度の差が見えない羅列は、かえって信頼性を下げる場合がある。
NG例③:「デザインが好き」しか伝わらない自己PR
NG例
「私はデザインへの強いこだわりと情熱を持っており、常にクオリティの高いアウトプットを目指しています。ユーザーに寄り添ったデザインを心がけ、コミュニケーションを大切にして業務に取り組んでいます。」
なぜNGか:「情熱」「寄り添う」「大切に」という表現は具体性ゼロ。デザインの判断根拠・課題解決のプロセスが示されていないため、面接で深掘りするポイントを採用担当者が見つけられない。
状況別:Webデザイナーの職務要約・自己PR例文
実務3年以上の経験者:転職を目指す場合
経験者の職務経歴書で最も重要なのは、「何を専門として深めてきたか」を明確にすることです。Webデザインのスコープは広く、UI/UXからバナー制作、Webマーケティングまで多岐にわたります。すべてをアピールしようとすると、得意分野が見えなくなります。
採用担当者が経験者に期待するのは「即戦力」です。自社の仕事に近い案件経験と、成果の数値・プロセスの言語化が揃っている書類が最も評価されます。
職務要約の例文(実務5年・ECサイト専門)
アパレル・化粧品・食品ECサイトのWebデザインを中心に実務5年。ヒアリングからデザイン納品・改善PDCAまで一気通貫で担当。Figmaによる高精度プロトタイプ作成とGA4を活用した数値改善施策を得意としており、担当LPのCVRを平均23%改善した実績があります。新規サービスのブランドデザインを立ち上げから担当した経験もあり、UI設計と事業視点を両立したデザイン提案ができることが強みです。
未経験からWebデザイナーを目指す場合
未経験の場合、実務経験がない分「なぜWebデザイナーを目指すのか」の背景と、「独学・スクールで何をどこまで学んだか」を具体的に示すことが重要です。採用担当者が確認したいのは、入社後に成長できる素地があるかどうかです。
前職のスキルを「デザイン業務にどう活かせるか」を書くことも差別化になります。営業経験があればヒアリング力、事務経験があれば情報整理力——こうした強みはWebデザイン業務で実際に機能します。
職務要約の例文(未経験・スクール修了後)
前職は営業職として3年間、BtoB顧客への提案業務に従事。顧客の課題を視覚的に整理して提案する過程でUI設計に興味を持ち、Webデザインスクールを修了しました(2025年12月〜2026年5月)。Figmaを用いたワイヤー設計・UIデザイン・プロトタイプ作成、HTML/CSSによるコーディングを習得。スクール課題として3サイトを制作し、ポートフォリオにまとめています。営業経験で培ったヒアリング力と課題整理力をデザインに活かしたいと考えています。
自己PRや職務経歴書の書き方に迷いがある場合は、職務経歴書の有料添削サービスを利用して、採用担当者に届く表現に仕上げる方法もあります。

Webデザイナーだからこそ意識すべき「書類の見た目」
Webデザイナーとして転職活動をする場合、職務経歴書そのものの見た目が採用担当者の最初の判断材料になることがあります。「この候補者はデザインセンスがあるか」を書類のレイアウトや読みやすさで無意識に評価しているケースがあるためです。
ただし、過剰にデザインを凝る必要はありません。採用担当者が職務経歴書に求めているのは「美しさ」ではなく「読みやすさ」です。以下の3点を意識するだけで、書類の印象は大きく変わります。
- フォントと行間の統一:フォントは明朝体またはゴシック体に統一し、行間は1.5〜1.8倍が読みやすい
- 情報の優先度が視覚的に伝わる構成:重要な項目(職務要約・スキル)は上部に配置し、詳細は下部へ
- 実績URLやキャプチャの活用:担当したWebサイトのURLを記載することで採用担当者がすぐに確認できる
担当したサイトのURLを職務経歴詳細に記載することで、ポートフォリオを別途開くことなく採用担当者がデザインの実績を確認できます。すでに公開されているサイトであれば積極的に記載してください。クライアントの機密情報が含まれるサイトは掲載前に確認が必要です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 職務経歴書はポートフォリオの代替ではない。採用担当者は「案件の規模・役割・ツールレベル」を職務経歴書で確認する
- 書類選考は30〜60秒が勝負。職務要約とスキル欄にキャリアの強みを凝縮することが最優先
- NG例の共通点は「抽象的・羅列・熱意だけ」。通過する書類は「具体的・構造化・プロセスが見える」
- 経験者は専門領域を絞り込み、未経験者は学習内容と前職スキルの転用可能性を明示する
- Webデザイナーは書類の見た目も評価材料になる。読みやすさと情報の優先度を意識したレイアウトを
職務経歴書は一度完成させたら終わりではなく、応募先の企業の求める人物像に合わせて都度調整することが書類通過率を上げる実践的な方法です。
Webデザイナーの職務経歴書に関するよくある質問
- Webデザイナーの職務経歴書にポートフォリオのURLを記載してもいいですか?
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記載することを推奨します。担当したWebサイトのURLや、ポートフォリオサイトのURLを職務経歴書内に記載することで、採用担当者がデザインの実績を一目で確認できます。ただし、クライアントの機密情報が含まれるサイトや非公開のプロジェクトは、掲載前にクライアントへの確認が必要です。
- 未経験でWebデザイナーに転職する場合、職務経歴書に書くことがありません。どうすればいいですか?
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スクールや独学での学習内容・制作物を具体的に記載してください。使用したツール・制作したサイトの種類・学習期間・習得したスキルを明示することで、入社後の成長ポテンシャルを採用担当者に伝えられます。また、前職のスキル(営業経験なら提案力・ヒアリング力など)がデザイン業務でどう活きるかを自己PRに組み込むことで、未経験でも差別化できます。
- Webデザイナーの職務経歴書は何枚が適切ですか?
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A4用紙2〜3枚が一般的な目安です。経験年数が5年未満であれば2枚、5年以上であれば3枚を上限として、採用担当者が読みやすいボリュームにまとめてください。情報を詰め込みすぎると読まれなくなるため、実績や案件は主要なもの3〜5件に絞って記載することを推奨します。
- デザインの実績を数値化できない場合はどう書けばいいですか?
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数値が出せない場合は、「プロセスと意図」を具体的に書いてください。たとえば「ユーザーの離脱ポイントをヒートマップで分析し、ナビゲーション設計を見直した」「ABテストを設計して2つのデザイン案を比較検証した」といった記述は、数値がなくても採用担当者に成果の文脈を伝えられます。結果だけでなく「なぜそのアプローチを選んだか」の判断根拠を加えることが重要です。


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