この記事では、介護職の履歴書の職歴欄の書き方を解説します。「入職か入社か」の使い分け、施設の正式名称の書き方、未経験・経験者・ブランクありの例文、採用担当者が落とすNG例まで順に紹介します。
採用担当者が職歴欄でチェックする3つのポイント
介護職の書類選考で通過する人と落とされる人の差は、職歴欄の書き方にあります。採用担当者が職歴欄を確認する時間はわずか数十秒。その短時間で「この人は即戦力になれるか」を判断しています。
そして多くの応募者が、3つの基本的なミスをしています。どれも小さなことのように見えますが、採用担当者の目には「業界への理解不足」として映ります。
①法人名・施設名は必ず正式名称で記載する
介護施設を運営する組織は、社会福祉法人・医療法人・NPO法人・株式会社と多様です。職歴欄に書く法人名と施設名は、省略や略称を使わず正式名称で記載してください。
施設の正式名称は、就業時に受け取った雇用契約書・辞令、または施設の公式ウェブサイトで確認できます。記憶が曖昧な場合は必ず確認してから記入してください。
採用担当者はここを見ている
- 「特養〇〇」「老健〇〇」などの略称が使われている書類は、最初の段階でマイナス評価になりやすい
- 法人名が「(福)〇〇会」のように省略されていると、確認作業が増えて印象が下がる
- 正式名称の記載は「書類作成に手を抜かない人」という第一印象をつくる
②「入職」と「入社」を法人格で使い分ける
「入社」という言葉は、株式会社・有限会社・合同会社など、会社組織に就職した場合にのみ使います。社会福祉法人・医療法人・NPO法人など「会社」以外の法人格の組織に就職したときは、「入職」と書くのが正確な表記です。
| 法人格の種類 | 就職時の表記 | 退職時の表記 |
|---|---|---|
| 株式会社・有限会社・合同会社 | 入社 | 退社 |
| 社会福祉法人 | 入職 | 退職 |
| 医療法人・社会医療法人 | 入職 | 退職 |
| NPO法人・任意団体 | 入職 | 退職 |
| 地方自治体(直営施設等) | 採用 | 退職 |
なお、「退職」は入職・入社どちらの場合にも使えます。「退社」は株式会社系の組織でのみ使われる表現です。グループホームやデイサービスは株式会社が運営している場合もあるため、就業時の雇用契約書で法人格を確認してください。
③担当業務を1行添えると評価が変わる
職歴欄は「いつ・どこで働いたか」を証明する欄ですが、担当業務を1行添えることで「どんな介護スキルを持っているか」が採用担当者に一目で伝わります。これが競合する他の応募者との差を生み出します。
良い例文
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
介護職員として身体介護・認知症ケア・夜勤業務に従事(入居者80名規模)
〇〇〇〇年〇月 退職
NG例
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
〇〇〇〇年〇月 退職
担当業務がないと、どの介護業務を経験しているか採用担当者には判断できません。「施設にいたこと」はわかっても、「何ができるか」が不明のままです。
介護職の履歴書では「職業欄」の書き方も採用担当者に見られています。資格の有無や雇用形態の表記についても確認しておくと安心です。

介護施設の種別別・職歴欄の書き方一覧
介護施設は種別によって正式名称が決まっています。日常的に「特養」「老健」と呼んでいても、履歴書の職歴欄には正式名称を記載する必要があります。下の一覧を参考に、勤務先の正式名称を確認してください。
| 施設の通称 | 正式名称(参考) | 職歴欄の記載例 |
|---|---|---|
| 特養 | 特別養護老人ホーム | 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職 |
| 老健 | 介護老人保健施設 | 医療法人〇〇会 介護老人保健施設〇〇 入職 |
| グループホーム | 認知症対応型共同生活介護 | 〇〇法人 認知症対応型共同生活介護〇〇 入職(または入社) |
| デイサービス | 通所介護(事業所名) | 株式会社〇〇 通所介護〇〇 入社 |
| ショートステイ | 短期入所生活介護 | 社会福祉法人〇〇 短期入所生活介護〇〇 入職 |
| 訪問介護 | 訪問介護(事業所名) | 株式会社〇〇 訪問介護事業所〇〇 入社 |
| 有料老人ホーム | 介護付き有料老人ホーム(または住宅型) | 株式会社〇〇 介護付き有料老人ホーム〇〇 入社 |
グループホーム・デイサービス・訪問介護・有料老人ホームは、社会福祉法人が運営する場合と株式会社が運営する場合があります。勤務先の法人格を確認してから「入職」か「入社」かを決めてください。法人格の種類は雇用契約書の事業者名欄から確認できます。
施設名の正式名称がわからない場合は、在職中に交付された辞令・雇用契約書、または施設の公式サイトで確認するのが最も確実です。他業種と同様に、法人名の「社会福祉法人」「医療法人」などの文言も(福)のように省略してはいけません。
病院や医療機関内の介護療養型施設・地域包括ケア病棟などへの転職を考えている場合は、病院・医療機関への転職時の職歴欄の書き方も参考になります。

未経験から介護職へ転職する場合の書き方
他業種から介護職に転職する場合、職歴欄には現在の勤務先の経験を正直に記載するのが基本です。採用担当者は「未経験だから」という理由だけで書類を落とすわけではありません。前職の経験が介護現場でどう活きるかを見ています。
前職の経験で評価されるポイント
介護の現場で活かせる経験には、介護業務の直接経験だけでなく、前職で身につけたスキルも含まれます。以下のような経験がある場合は、職歴欄の担当業務欄に自然に組み込んでください。
- 接客・サービス業:利用者・ご家族への対応力として評価される。コミュニケーション能力と気配りを担当業務に含める
- 医療・福祉周辺職(看護助手・ヘルパーボランティア等):直接的な介護現場の理解として高評価。経験の具体的内容を記載する
- 事務・管理職:介護記録の作成・報告書業務、チームワークの素地として評価される
- 体力を要する現場仕事:身体介護に必要な体力と体の使い方への適応力として伝わる
- 育児・家族の介護経験:職歴欄ではなく自己PR欄に記載する。介護への共感と実務感覚のアピールになる
未経験者向け・職歴欄の例文
良い例文(接客業からの転職)
〇〇〇〇年〇月 株式会社〇〇(スーパーマーケット〇〇店) 入社
食品売り場スタッフとして接客・レジ業務・在庫管理を担当
〇〇〇〇年〇月 退社(一身上の都合)
〇〇〇〇年〇月 現在求職中。介護職員初任者研修受講中
採用担当者はここを見ている
- 前職の業務内容に「接客」「コミュニケーション」の記述がある→利用者対応力として加点要素になる
- 「介護職員初任者研修受講中」など資格取得の動向が書かれている→本気度と学習意欲の証拠として評価する
- 転職理由は職歴欄に書かなくてよい。志望動機欄で丁寧に説明するのが適切
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介護施設から施設への転職(経験者)
複数の介護施設を経験している場合は、各施設の法人名・施設名・担当業務をそれぞれ記載します。施設の規模感(入居者数・定員数など)を一言添えると、経験の幅が採用担当者に伝わります。
経験者転職の例文
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
介護職員として身体介護・認知症ケア・夜勤業務に従事(入居者80名規模)
〇〇〇〇年〇月 退職(一身上の都合)
〇〇〇〇年〇月 株式会社〇〇 グループホーム〇〇 入社
介護職員として認知症高齢者の生活支援・個別ケアに従事(定員9名)
現在に至る
入居者数・定員数の記載は任意ですが、施設の規模によって業務の複雑さが大きく異なります。採用担当者は規模感から「どの程度の現場経験を持っているか」を推測するため、記載しておくと経験値の伝わり方が変わります。
ブランク期間がある場合の書き方
育児・家族の介護・療養などによるブランク期間がある場合、職歴欄には事実の記載で十分です。退職理由を一言添えることで、採用担当者の疑問を先回りして解消できます。
ブランクありの例文
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
介護職員として身体介護・生活支援業務に従事
〇〇〇〇年〇月 退職(育児のため)
〇〇〇〇年〇月〜〇〇〇〇年〇月 育児に専念
〇〇〇〇年〇月 現在求職中
「育児のため」「家族の介護のため」「療養のため」など、退職に至った背景を具体的に示すことが重要です。理由を記載せずに空白があると、採用担当者には「何かがあった」という印象を与えかねません。
介護の現場では、ご家族の介護のためにブランクができた経験者を採用する施設も多くあります。正直に記載することで誠実さが伝わります。状況別の空白期間の書き方については、別の記事で詳しく解説しています。

採用担当者が一目で落とす職歴欄のNG例3つ
採用担当者が書類を確認するのは短時間です。職歴欄に以下の3つのいずれかがあった時点で、評価が大きく下がります。確認する前の書類を見直す際のチェックリストとして活用してください。
NG①:施設名を略称で書いてしまう
NG例
〇〇〇〇年〇月 特養〇〇 入社
〇〇〇〇年〇月 退社
修正例
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
〇〇〇〇年〇月 退職
「特養」「老健」「デイ」などの略称は業界内では通じますが、履歴書という公式文書での使用はマナー違反です。加えてこの例では「入社」「退社」も誤っています。社会福祉法人の施設への就職は「入職」「退職」が正確な表現です。
NG②:社会福祉法人・医療法人の職歴に「入社」と書く
NG例
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入社
〇〇〇〇年〇月 退社
社会福祉法人は「会社」ではないため、「入社」「退社」という言葉は正確ではありません。採用担当者が介護業界の採用に携わっている場合、このミスは一目でわかります。法人格ごとに正しい言葉を使うことが、書類への丁寧さを示す最初のステップです。
NG③:職歴の業務内容を何も書かない
NG例
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
〇〇〇〇年〇月 退職
〇〇〇〇年〇月 株式会社〇〇 訪問介護事業所〇〇 入社
〇〇〇〇年〇月 退社
修正例(業務内容を1行追加)
〇〇〇〇年〇月 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム〇〇 入職
介護職員として身体介護・夜勤業務・記録業務に従事(入居者60名規模)
〇〇〇〇年〇月 退職
〇〇〇〇年〇月 株式会社〇〇 訪問介護事業所〇〇 入社
訪問介護員として単身高齢者の生活支援・身体介護を担当
〇〇〇〇年〇月 退社
勤務先の名称だけでは、採用担当者は「どの業務を担当していたか」を判断できません。施設に在籍していた事実はわかっても、介護スキルの具体的な中身が見えません。担当業務を1行添えるだけで通過率は変わります。
介護職の転職では、職歴欄とあわせて職務経歴書の書き方も問われます。職歴欄では伝えきれない業務の詳細や実績は、職務経歴書に記載するのが効果的です。
介護系の資格(介護福祉士・初任者研修・実務者研修など)は、職歴欄ではなく資格欄に記載します。以下の関連記事も合わせてご確認ください。




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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
介護職の履歴書の職歴欄は、書き方の基本を守るだけで採用担当者への印象が大きく変わります。今回解説した3つのポイントを軸に、提出前に職歴欄を見直してください。
- 法人名・施設名は正式名称で記載:略称は避け、雇用契約書や施設公式サイトで正確な名称を確認する
- 「入職」と「入社」を法人格で使い分ける:社会福祉法人・医療法人→「入職」、株式会社→「入社」
- 担当業務を1行添える:「身体介護・夜勤業務・認知症ケア」など具体的な業務内容を記載する
- ブランクは理由を一言添える:「育児のため」「療養のため」と明記して採用担当者の疑問を先回りする
- 未経験者は前職の経験で差をつける:接客・対人スキルを業務内容に記載し、資格取得中なら必ず書く
介護職の履歴書の職歴欄に関するよくある質問
- 退職理由(一身上の都合)は職歴欄に書く必要がありますか?
-
原則として書く必要はありません。職歴欄には「〇年〇月 〇〇施設 退職」という事実のみで十分です。ただし、育児・療養・家族の介護などでブランク期間がある場合は、退職理由を一言添えることで採用担当者の疑問を先回りできます。退職理由を詳しく説明したい場合は、履歴書の本人希望欄や添え状、面接の場で伝えるのが適切です。
- パート・非常勤の介護経験は職歴欄に書くべきですか?
-
書くべきです。介護職の転職では、非常勤・パートの経験も介護スキルの実証として評価されます。「〇年〇月 〇〇施設 非常勤職員として勤務(週3日・身体介護担当)」のように勤務形態と担当業務を添えて記載してください。なお、単発のボランティアや学校の実習は職歴欄には書かず、自己PR欄や特技欄で補足するのが適切です。
- 施設名が長くて職歴欄に収まらない場合はどうすればいいですか?
-
2行にわたって記載するのが正確です。略称を使うのは避けてください。法人名と施設名を1行目、担当業務を2行目に分けると見やすくなります。WEB履歴書の場合は文字数制限があるため、職務経歴書で詳細を補足する形で対応します。「(以下省略)」などの表記も避けてください。
- 1年未満の短期離職がある場合、職歴欄にはどう書きますか?
-
正直に記載してください。短期離職を隠すと、雇用保険の記録や採用後の経歴確認で必ずわかります。「〇年〇月 入職 〇年〇月 退職(施設閉鎖のため)」のように事実と理由を併記することで、採用担当者の不安を軽減できます。施設側の都合による退職(施設閉鎖・経営悪化など)は、明記することでかえって信頼性が高まります。

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