この記事では、栄養士の履歴書に書く志望動機の書き方と例文を、採用担当者が実際に確認するポイントと合わせて解説します。病院・介護施設・保育園・企業別の例文と、何を書いても通らない志望動機のNGパターン3選も紹介します。
なお、栄養士免許の資格欄の正しい書き方については、栄養士免許の履歴書への書き方で詳しく解説しています。

栄養士の志望動機で採用担当者が確認する3つの視点
志望動機の書き方の前に、採用担当者が何を確認しているかを知っておくと、方向性が定まります。どんな職場でも、採用担当者が志望動機から読み取ろうとしている視点は共通しています。
「なぜこの職場か」の解像度を見ている
採用担当者が志望動機の最初の一文から確認するのは、「この人は本当にうちに来たいのか、それとも何十社にも同じ内容を送っているのか」という点です。病院・介護施設・学校・企業と活躍の場が幅広い栄養士だからこそ、「なぜそこでなければいけないのか」の理由が必須になります。
採用担当者はここを見ている
- 施設名や患者層・事業内容への具体的な言及があるか
- 「どこの施設にでも当てはまる内容」か「この施設への志望動機」かを区別している
- 読み終えても印象に残らない志望動機は、通過候補から外れやすい
エピソードに数字があるかを確認する
「栄養指導を担当していました」と「月20〜30件の栄養指導を担当し、3か月で患者の自己管理スコアが平均15%向上しました」では、採用担当者の印象がまったく異なります。数字がなくても、「〇〇病院の回復期病棟で2年間担当した」のように具体的な文脈があれば、スキルの裏付けとして機能します。
採用担当者が数字を重視する理由は、それが唯一の客観的な根拠だからです。感想ではなく事実として読めるため、信頼性が大きく変わります。
長く働けるかどうかを見ている
栄養士は慢性的に人手不足の職場が多い専門職です。採用担当者は「1〜2年でまた転職されては困る」という本音を持っており、志望動機の文脈から継続意欲を読み取ろうとしています。
- 「管理栄養士の資格取得を目指しながら長期的に貢献したい」
- 「貴施設の〇〇という方針に共感しており、腰を据えて取り組みたい」
- 「この分野のスペシャリストとして、貴院でキャリアを積みたい」
このような継続性のある記述があると、採用担当者の安心感につながり、通過率が上がります。
志望動機を書く前に確認すべき3つのこと
志望動機を書き始める前に準備できている人ほど、完成度の高い文章に仕上がります。ここでは、書き始める前に必ず確認したい3点を整理します。
自分のキャリアの軸を一文で言語化する
「自分はなぜ栄養士をやっているのか」を一文で答えられるかが出発点です。この一文が、どの職場の志望動機にも共通する「軸」になります。軸が定まっていないと、読んでいて方向性が見えない志望動機になりがちです。
- 「高齢者の食生活を支えて、生活の質を一日でも長く維持したい」
- 「子どもたちに食の楽しさと栄養の基礎を体験を通じて伝えたい」
- 「社員の健康を食から支えて、組織の生産性に貢献したい」
応募先の3つの情報を事前に調べる
応募施設について以下の3点を調べることで、「この施設でなければいけない理由」を自然に書けるようになります。どれか1点でも具体的に言及できると、読み手の印象が大きく変わります。
| 調べる項目 | 確認できる場所 |
|---|---|
| 施設・企業の理念・方針 | ホームページのトップ・施設概要 |
| 患者・利用者の特徴(年齢・疾患など) | サービス内容・実績紹介 |
| 栄養管理の取り組み(NST・食育・健康経営等) | 求人票・プレスリリース・採用ページ |
過去の経験を数値で置き換える準備をする
書き始める前に、自分の経験を数値で言い換えられるかを確認します。担当した患者数・栄養指導の件数・食数(大量調理なら1日〇食)・改善事例(完食率・検査数値の変化)など、思い当たる数値をメモしておくだけで、志望動機の説得力が格段に上がります。
数値が出しにくい場合は、「〇〇病院の〇〇病棟で〇年間担当」のような具体的な文脈で補えます。重要なのは、読んだ採用担当者が「この人の経験を具体的に想像できるか」です。
【職場別例文】採用担当者に響く志望動機の書き方
栄養士が活躍する職場によって、採用担当者が志望動機で確認するポイントは異なります。それぞれの職場で「見られているポイント」と「良い例・NG例」をセットで確認してください。
病院(栄養指導・NST・嚥下対応)
採用担当者はここを見ている
- 急性期・回復期・慢性期など病院の機能種別への言及があるか
- NST・嚥下・疾患別栄養管理など病院固有の専門領域への理解が読み取れるか
- チーム医療(医師・看護師・STとの連携)への参加意識があるか
良い例文
前職では200床規模の一般病院でNST専任栄養士として3年間勤務し、入院患者の栄養状態評価と栄養管理計画の作成を担当してまいりました。貴院が回復期リハビリテーション病棟での嚥下評価から退院後の在宅栄養フォローまで一貫して管理している点に強く惹かれています。患者さんの在宅復帰を食の面から支える栄養士として、長期的に貢献したいと考え志望いたしました。
NG例
病院で患者さんの健康をサポートしたいと考えております。食を通じて人の役に立てると思い、志望いたしました。(NGな理由: どの病院にでも送れる内容で、「なぜこの病院か」がまったく伝わらない)
病院の志望動機は、医療法人の志望動機の書き方と例文も参考になります。

介護施設(高齢者食・ミールラウンド)
採用担当者はここを見ている
- 嚥下調整食・形態変換など介護施設特有の食事管理への理解
- ミールラウンドや多職種連携(看護師・STとの協働)の経験・意欲
- 低栄養改善・褥瘡予防など介護施設の栄養管理課題への理解
良い例文
老人保健施設での2年間の経験を通じ、嚥下調整食の形態変換と栄養補助食品の導入による低栄養改善に取り組みました。貴施設がミールラウンドを通じた多職種連携を重視されていることを求人票で拝見し、共感して応募を決めました。入居者一人ひとりの状態に合わせた食環境づくりに、これまでの経験を活かしたいと考えています。
NG例
お年寄りのために働きたいと思っています。笑顔を引き出せる仕事だと思い志望しました。(NGな理由: 介護施設のどの職種にも当てはまる文章で、栄養士としての専門性がまったく伝わらない)
福祉施設での志望動機の書き方については、精神保健福祉士の志望動機の書き方も、施設別の構成を参考にできます。

保育園・学校(食育・給食管理)
採用担当者はここを見ている
- 食育の具体的な活動内容への関心と実践意欲
- 食物アレルギーへの対応知識・経験
- 保護者・教職員との連携意識
良い例文
前職の認可保育園では0〜6歳の成長段階に合わせた献立作成と、35名の食物アレルギー個別対応を担当しておりました。貴園が「農園での野菜栽培から給食への活用」という食育活動を実施されていることに強く共感しています。子どもたちが「食べることの楽しさ」を体験できる場づくりに、これまでの経験を活かして貢献したいと考えています。
保育園・学校での食育活動に関わる資格として食育インストラクターの履歴書への書き方も参考になります。

企業・社員食堂(大量調理・健康経営)
採用担当者はここを見ている
- 大量調理の経験とコスト・衛生管理への対応力
- 健康経営・特定保健指導など企業側のニーズへの理解
- 喫食率・メニュー改善など実績の数値化
良い例文
給食委託会社で3年間、1日600食規模の事業所給食を担当してまいりました。献立作成・食材発注・栄養管理に加えて、喫食率分析からのメニュー改善を主導し、喫食率を15%向上させた実績があります。貴社が従業員の健康経営を事業方針に掲げていることに共感しており、食の専門家として組織の健康課題解決に貢献したいと考え志望いたしました。
給食委託会社(多施設対応・衛生管理)
給食委託会社の場合、複数施設への対応経験や幅広い現場経験を積める点が特徴です。「特定の施設に縛られず、専門性を広げたい」という志望動機が受け入れられやすいです。
良い例文
現職では病院給食の現場で栄養管理・献立作成を担当しておりますが、より多様な施設での栄養管理経験を積みたいと考えるようになりました。貴社が医療・介護・学校の3領域で給食委託事業を展開されており、施設の種別を超えた専門性を高められる環境に魅力を感じています。食品衛生責任者の資格取得済みで、現場での即戦力としてすぐに貢献できます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →【状況別例文】こんな時の志望動機の書き方
職場だけでなく、応募者の状況によっても志望動機の書き方は変わります。自分の状況に近いパターンを参考にしてください。
新卒で就職する場合
新卒は実務経験がない分、実習・ゼミ・アルバイトで得た気づきを具体的なエピソードとして活用します。「なぜ栄養士を選んだか」という原点のエピソードは、採用担当者の印象に残る材料です。数値がなくても、体験から得た気づきを具体的に記述することで説得力を補えます。
良い例文(保育園・新卒)
大学4年間で給食経営管理実習・臨床栄養学実習を修了しました。保育園実習中、苦手な野菜を農園収穫体験後に自発的に食べた子どもの姿が印象に残り、体験を通じた食育の力を実感しました。貴園が「地域の農家と連携した食育活動」を実施されている点に共感しており、学んだ知識と実習経験を活かして食育の現場に携わりたいと考え応募いたしました。
異業種・他職種から転職する場合
別業種の経験は「弱点」ではなく「独自の視点」として提示できます。特に、栄養士免許を取得した理由(なぜこの職種を選び直したか)を具体的に書くことで、転職の本気度が伝わります。
良い例文(飲食業→介護施設栄養士)
飲食業での5年間で、食材調達・コスト管理・献立提案の実務経験を積みました。家族の介護経験をきっかけに食の専門知識を医療・福祉に活かしたいと考え、栄養士免許を取得しました。貴施設が未経験者の育成体制を整えておられることを知り、これまでの現場経験と新たな専門知識を両立させながら貢献できると確信し、志望いたしました。
同業転職(栄養士→栄養士)の場合
同業転職では「前職と何が違うのか」が無言で問われます。転職理由を前職への批判にせず、「新しい職場で何を実現したいか」という前向きな記述に転換してください。採用担当者は「また同じ理由で辞めないか」を確認しています。
良い例文(急性期病院→在宅支援病院)
現職では急性期病院で3年間、疾患別の栄養管理に注力してまいりました。患者さんの退院後の食生活の変化を継続的に追えないことに課題を感じ、在宅支援まで一貫して関われる職場へのキャリア転換を決めました。貴院では退院後の在宅栄養フォローまで栄養士が担当されていると伺っており、患者さんの生活全体を支える栄養管理に取り組みたいと考え応募いたしました。
管理栄養士資格取得後の転職
「管理栄養士になりました」だけでは弱い。「その資格をどの分野で活かしたいか」「なぜこの施設・職場なのか」まで書くことで、資格取得という行動の意味が初めて伝わります。
良い例文
栄養士として3年間の実務経験を経て、管理栄養士国家試験に合格しました。病態別栄養管理への関心が深まり、より専門的な栄養指導に携われる職場へのキャリアアップを決めました。貴院では管理栄養士がNSTコアメンバーとして主体的に活動できると伺っており、専門性を発揮しながら患者さんの回復に貢献したいと考え志望いたしました。
採用担当者が即落とす志望動機のNGパターン3選
どれだけ熱意があっても、以下のパターンに該当すると採用担当者の判断が早まります。自分の志望動機が当てはまらないか、最後に必ず確認してください。
NG1:「食に興味がある」「人の役に立ちたい」だけで終わる
NG例
食を通じて人の役に立ちたいと考えており、栄養士として活躍できる環境を求めています。食の大切さを伝えられる仕事がしたいです。(NGな理由: 栄養士全員が持つ動機。「なぜこの施設か」「何ができるか」がまったく伝わらない)
採用担当者の本音は「それはうちじゃなくてもいいですよね?」です。必ず施設の特徴と自分の経験を結びつける一文を加えてください。
NG2:待遇・条件から入る
NG例
御施設は残業が少なく、育児と両立しやすい環境と伺っており、長く働けると考えています。(NGな理由: 条件が変われば即辞める人と判断される。待遇は判断材料だが志望動機には書かない)
働きやすさへの言及は面接の終盤に自然に質問する程度にとどめ、志望動機には書きません。
NG3:前職への批判が透けて見える
NG例
現職はキャリアアップの機会もなく、評価制度にも不満があるため転職を決意しました。貴施設でリスタートしたいと思っています。(NGな理由: 「また同じ理由で辞めないか」という懸念を生む。転職理由はポジティブに変換する)
200〜300文字に収まる志望動機の組み立て方
「何を書けばいいかわかってきたけど、まとまらない」という場合は、構成フレームを使うと整理しやすくなります。
「結論→理由→経験→貢献」の4段構成
| 段階 | 内容 | 目安文字数 |
|---|---|---|
| 結論 | どの職場に志望し、なぜかを一文で | 40〜60文字 |
| 理由 | なぜその施設・会社なのかを具体的に | 50〜80文字 |
| 経験 | 自分の実績・経験(数値あり) | 50〜70文字 |
| 貢献 | この施設でどう活かすか | 30〜50文字 |
この4段構成で書くと、自然に200〜260文字程度に収まります。各段落は1〜2文を目安にし、接続詞でつなぎすぎないことがポイントです。
削る優先順位
300文字を超えた場合は、以下の優先順位で削ります。
- まず感情・感想表現を削る:「非常に」「とても」「深く」など強調副詞、「強く惹かれています」→「惹かれています」
- 次に繰り返し表現を削る:同じ意味を別の言葉で2回言っている箇所
- 最後にどこにでも当てはまる一般論を削る:「食は人の命を支えます」など
他の医療系職種の履歴書志望動機の書き方として、歯科衛生士の履歴書の書き方も構成の参考になります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は「なぜここか」「何ができるか」「長く働けるか」の3点を志望動機で確認している
- 職場別に書き分けることで、採用担当者に「うちを調べてくれた人」として印象に残る
- 4段構成(結論→理由→経験→貢献)で200〜300文字にまとめると読みやすい
- 数字を1つ入れるだけで、志望動機の説得力は格段に上がる
- 「食に興味がある」「人の役に立ちたい」だけでは通らない — 必ず施設の特徴と自分を結びつける
書き上げた志望動機は声に出して読んでみてください。「なぜこの施設なのか」が読み手に伝わる文章になっていれば、採用担当者の目に止まります。
栄養士の履歴書 志望動機に関するよくある質問
- 栄養士の履歴書の志望動機は何文字が適切ですか?
-
200〜300文字が目安です。長すぎると要点が見えにくく、短すぎると熱意が伝わりにくくなります。「結論→理由→経験→貢献」の4段構成で書くと、自然にこの文字数に収まります。
- 転職の場合、前職の退職理由はどこまで書いていいですか?
-
退職・転職理由を直接書くのは原則避けてください。「前職では〇〇を経験した。さらに〇〇に関わりたいため転職を決めた」のように、次の職場で実現したいことに変換して記述するのが基本です。前職への批判は一切書かないことが重要です。
- 新卒で実績がない場合、志望動機に何を書けばいいですか?
-
実習経験・ゼミ・学部での研究・アルバイトを活用します。特に実習で印象に残った場面や、そこから得た気づきは採用担当者の目に止まりやすい材料です。「なぜ栄養士を選んだか」という原点のエピソードも、新卒ならではの説得材料になります。
- 管理栄養士資格取得後の転職では、志望動機にどう書けばいいですか?
-
「管理栄養士資格を取得したので転職します」だけでは不十分です。「その資格をどの分野で活かしたいか」「なぜこの施設・職場なのか」まで書くことで、資格取得の意義が伝わります。病態別栄養管理・NST・特定保健指導など、管理栄養士として携わりたい専門分野を具体的に明記してください。


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