この記事では、栄養士として就職・転職活動をする際の履歴書の書き方を採用担当者の視点で解説します。免許・資格欄の正式名称から、病院・介護施設・保育園・企業別の志望動機例文まで、書類選考を通過するポイントがまとめてわかります。
栄養士の履歴書で採用担当者が最初に確認する3つのポイント
採用担当者は履歴書を受け取った後、すべての項目を順番に丁寧に読むわけではありません。多くの場合、10〜30秒で「この人に会いたいか」の第一印象を判断しているのが実態です。
採用担当者はここを見ている
- ①免許・資格欄:「栄養士免許」の有無と正式名称の記載が正確かをまず確認する。管理栄養士免許があるのに記載を省略していると、確認のために連絡が必要になり印象が下がる
- ②志望動機:「なぜ他の施設ではなく、当施設なのか」が具体的に書けているか。「食に興味があります」「人の健康を支えたい」だけでは施設への本気度が伝わらない
- ③写真・レイアウトの第一印象:証明写真の表情と清潔感、全体の文字量バランス。手書きの場合は丁寧さが最初の評価基準になる
免許・資格欄は「この人は栄養士として即戦力か」を判断する最初のフィルターです。正式名称と取得日を正確に記載することが採用通過への第一条件であることを念頭に置いてください。
志望動機は「書類選考の最終的な合否を決める」項目です。採用担当者が何十枚もの書類を読む中で印象に残る志望動機とは、「施設の特性を理解した上で、自分のスキルがどう貢献できるか」が具体的に書かれているものです。就職先別の志望動機例文は後半のセクションで解説します。
【項目別】栄養士の履歴書の正しい書き方
履歴書の各項目には、栄養士として応募する際に押さえておくべきポイントがあります。書き方のルールと採用担当者が確認しているポイントを項目ごとに解説します。
基本情報(日付・氏名・住所・写真)
基本情報欄は書き間違いが最も多い箇所です。採用担当者が「この人は丁寧に書いているか」を確認するポイントでもあります。以下の表でルールを確認してください。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 日付 | 提出日(郵送なら投函日、持参・手渡しなら面接日)を記載。和暦・西暦は他の欄と統一する |
| 氏名・フリガナ | フリガナ欄が「フリガナ」ならカタカナ、「ふりがな」なら平仮名で記載 |
| 住所 | 都道府県から番地・アパート名まで省略せず記載。郵便番号も忘れずに |
| 電話・メール | 日中に連絡が取れる番号を記載。メールは現在使用中のアドレスを確認してから記入 |
| 写真 | 3か月以内に撮影したものを使用。スーツ着用・清潔感のある表情が基本 |
写真は「履歴書用」として撮影されたものを使うのが原則です。スマートフォンの自撮りやスナップ写真のトリミングは、採用担当者に対して準備不足の印象を与えるリスクがあります。最寄りのコンビニや写真館で証明写真を撮影することを推奨します。
学歴・職歴欄の書き方
学歴欄は「中学校卒業」から記載するのがルールです。「高校」ではなく「高等学校」と正式名称を使い、入学と卒業を1行ずつに分けて記入します。栄養系の学科・専攻名は省略せず記載してください。
NG例
○○高校 卒業 / ○○大学 栄養学科 卒業
「高校」は略称のため「高等学校」と記載する。1行に2項目まとめるのもNG。
良い例文
2010年 3月 ○○高等学校 普通科 卒業
2010年 4月 ○○大学 生活科学部 栄養学科 入学
2014年 3月 ○○大学 生活科学部 栄養学科 卒業
職歴欄は「入社・退社」の記載が基本です。給食委託会社や病院への入社は「入社」、医療施設への就職の場合は「入職」を使う施設もあるため、前職の表記に合わせます。在職中の場合は最後の行に「現在に至る」と記載します。
栄養士として前職での業務範囲(担当人数・給食規模・治療食の有無など)は、職歴欄ではなく自己PR欄で補足するのが一般的です。職歴欄は入退社の事実を記録する欄として、簡潔に書くことが求められます。
免許・資格欄の書き方(最重要)
免許・資格欄は、栄養士として採用担当者が最も注目する項目です。正式名称の誤りや記載漏れが選考落ちの直接的な原因になるケースがあるため、慎重に記入してください。
- 栄養士免許のみ保有の場合:「栄養士免許」と記載する。「栄養士資格」「栄養士(取得)」はNG
- 管理栄養士免許を保有の場合:「管理栄養士免許」のみ記載すれば問題ない。上位資格のため、栄養士免許を省略しても採用担当者に伝わる
- 取得見込みの場合:「管理栄養士国家試験 取得見込み」と記載する。合格後・申請中の場合は「管理栄養士国家試験 合格(免許申請中)」と書く
- 食育インストラクターや調理師免許なども保有の場合:取得日の古い順に記載する。資格が多い場合、採用に直接関連するもの(栄養士・管理栄養士)を先頭に書く
栄養士免許の詳しい記載ルールについては、以下の記事で解説しています。
栄養士免許を履歴書に書く際の正式名称・取得見込みの表現・NG例の詳細

志望動機の書き方
志望動機は採用担当者が「この人と会いたいか」を最終判断する項目です。栄養士の場合、「食に興味があります」「人の健康を支えたい」という動機は多くの候補者が書いているため、差別化になりません。
採用担当者はここを見ている
- 「なぜ他の施設ではなく当施設なのか」が具体的に書かれているか
- 施設の特性(患者層・食事形態・規模・理念)を理解した上で書かれているか
- 入職後に何をしたいか、施設にどう貢献できるかが伝わるか
文字数は200〜300文字を目安にします。長すぎると読まれなくなり、短すぎると熱意が伝わりません。就職先別の例文は次のセクションで紹介します。
自己PRの書き方
自己PRは「この人を採用するとどんなメリットがあるか」を採用担当者に伝える欄です。志望動機が「なぜここで働きたいか」の理由を伝えるものとすれば、自己PRは「自分はどんな強みを持った人間か」を伝えるものです。
栄養士特有のスキルを施設の課題解決と結びつける視点で書くと評価されやすくなります。アピールできる要素の例として、以下が挙げられます。
- 給食管理・栄養計算ソフトの使用経験(システム名を具体的に記載)
- 栄養指導・食育活動の実績(対象者数・実施頻度)
- 治療食・嚥下調整食の作成経験(食事形態のコードや病名を具体的に)
- 多職種連携(医師・看護師・介護スタッフとの協働)の経験
「コミュニケーション能力があります」「責任感が強いです」のような抽象的な表現は避け、「○○施設で△△人を対象に栄養指導を担当しました」という形で数字・固有名詞を使って具体化することが通過率を上げるポイントです。
本人希望欄の書き方
本人希望欄は「特になし」または「貴院の規定に従います」が基本です。ただし、以下に該当する場合は明記します。空欄にはせず、何らかの文章を入れることがマナーです。
- 在職中のため「○月以降の入職を希望します」など転職時期の希望がある
- 夜勤・早出対応の可否など、採用担当者が面接前に確認したい条件がある
- 週の希望勤務日数(「週4日以上希望」など)がある
就職先別|栄養士の志望動機の例文
栄養士が働く職場は病院・介護施設・保育園・企業と多岐にわたります。どの施設に応募するかによって、採用担当者が「この候補者に求めるもの」は大きく異なります。以下の例文を参考に、応募先の特性に合わせて書き換えてください。
病院・クリニック向けの志望動機例文
病院・クリニックへの応募では、治療食・嚥下食の経験や多職種連携への関心を盛り込むことが評価につながります。採用担当者は「NST(栄養サポートチーム)に貢献できるか」「病態別の食事管理ができるか」を確認しています。
良い例文(病院・クリニック)
前職の介護施設では嚥下調整食(コード3〜4)の献立作成と栄養管理を3年間担当しました。より医療的な栄養管理に携わりたいと考え、急性期病院への転職を希望しました。貴院ではNSTが活動しており、管理栄養士として多職種と連携しながら在宅復帰支援に貢献できると考えています。前職で培った嚥下食の経験と栄養改善モニタリングの実績を活かしてまいります。
NG例
病院で栄養士として働きたいと思いました。患者さんの役に立てると思います。
「なぜこの病院か」が全く伝わらない。施設の特性と自分のスキルとの接点が示されていない。
病院勤務の履歴書では、医療機関特有の用語(「入院」ではなく「入院患者への対応」、施設宛の敬称は「貴院」)にも注意が必要です。
医療施設への応募で使う「貴院」「入職」などの正しい表記はこちらで確認できます

介護施設・老人ホーム向けの志望動機例文
介護施設では、高齢者の食事量・嗜好・嚥下機能への対応と、利用者が「食事を楽しみ」と感じられる環境づくりが求められます。採用担当者は「低栄養・脱水の予防に主体的に動けるか」「介護スタッフとの協働に慣れているか」を見ています。
良い例文(介護施設・老人ホーム)
新卒から病院の急性期病棟で2年間勤務し、治療食の献立管理を担当しました。回復期・維持期の栄養管理にも携わりたいと考え、特別養護老人ホームへの転職を希望しました。食事が生活の楽しみになるよう利用者一人ひとりの嗜好や食形態に合わせた対応を大切にしており、貴施設の「食を通じた生活の質向上」という理念に共感しています。低栄養改善から在宅復帰支援まで、栄養の面から貢献できると考えています。
保育園・学校給食向けの志望動機例文
保育園・学校給食では、アレルギー対応の正確さと、子どもが食べたいと思える献立の設計力が重要です。採用担当者は「食物アレルギーのリスク管理を理解しているか」「子ども向けの食育活動への意欲があるか」を確認しています。
良い例文(保育園・学校給食)
大学卒業後、学校給食センターで2年間勤務し、1,200食規模の給食管理とアレルギー対応食の作成を担当しました。子どもたちが「給食が楽しみ」と感じられる環境づくりに大きなやりがいを感じ、保育園への転職を希望しました。貴園は給食を通じた食育に力を入れていることを拝見し、少人数でのきめ細かな関わりが可能な環境で、子ども一人ひとりに合った食を提供したいと考えています。
採用担当者はここを見ている
- アレルギー対応の経験・知識(食物アレルギー対応の具体的な業務経験)
- 子どもとのコミュニケーション経験・意欲(食育活動・調理体験の補助など)
- 季節感・行事食への関心(子どもが楽しめる献立への工夫)
企業(食品メーカー・スポーツ施設・事業所給食)向けの志望動機例文
食品メーカーや企業の事業所給食、スポーツ施設への応募では、栄養士免許を活かした商品開発・栄養指導・パフォーマンス向上への貢献が期待されます。採用担当者は「コスト管理や生産効率の視点を持っているか」「数字で考えられるか」を意識しています。
良い例文(食品メーカー)
管理栄養士免許を取得後、病院で2年間の栄養管理業務に従事しました。臨床の経験を活かして、より多くの人の健康づくりに貢献できる仕事に携わりたいと考え、食品メーカーへの転職を希望しました。特に貴社の健康食品ラインは医療機関でも推奨されており、患者さんへの食事指導の場面で高い関心を持っていました。エビデンスに基づいた商品開発と栄養情報の提供を通じて、より広い範囲で健康づくりに貢献できます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →採用担当者が評価する自己PRの書き方と例文
自己PRと志望動機は役割が異なります。志望動機が「なぜこの施設に応募したのか」の理由を伝えるものであるのに対し、自己PRは「自分はどんな強みを持った人間か」を具体的な経験で示す欄です。
経験者向けの自己PR例文
転職の場合は、前職の具体的な数字・実績を盛り込むことで採用担当者の記憶に残ります。「〜ができます」という宣言だけでなく、「〜の経験から〜を学び、〜に活かせます」という文脈で書くと説得力が増します。
良い例文(経験者・介護施設→病院への転職)
前職では80床の介護老人保健施設に栄養士1名体制で勤務し、約80名の個別栄養管理を担当しました。入居者の低栄養改善を目的に栄養計画を作成し、3か月で対象者5名のアルブミン値が全員改善した経験があります。週1回のケアカンファレンスに継続的に参加し、多職種チームとの連携において栄養改善のモニタリング結果を共有してきました。こうした栄養管理の経験を活かし、貴院の栄養サポートチームに貢献できます。
未経験分野への転職時の自己PR例文
異なる職場への転職の場合、「前の施設を離れる理由」への懸念を払拭しながら、「新しい環境でどう貢献するか」を前向きに伝えることが大切です。経験がない分野であっても、前職と共通するスキルを抽出して伝えることで、採用担当者の安心につながります。
良い例文(病院→企業への転職)
病院での栄養管理業務3年間を通じて、患者さんの体調変化に即応する観察力と、エビデンスに基づいた栄養計画の作成力を培いました。患者さんへの食事指導の場面で「わかりやすい」「続けやすい」とフィードバックをいただくことが多く、情報をわかりやすく伝えることに強みがあります。食品開発は未経験ですが、臨床現場で培った患者目線の視点を商品設計に活かし、早期に貢献できる体制を整えています。
履歴書の提出マナー(封筒・郵送・手渡し)
書類の内容が良くても、提出時のマナーに問題があると採用担当者の印象を下げることがあります。封筒の選び方から郵送・手渡しのルールまで確認しておきましょう。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 封筒サイズ | A4の履歴書を折らずに入れられる「角形2号(A4対応)」の白い封筒を使用 |
| 宛名の敬称 | 会社・施設宛は「御中」、担当者個人宛は「様」。「株式会社」を「(株)」と略さない |
| 封筒の表記 | 封筒の左下に赤字で「応募書類在中」と記載し、定規で枠を引く |
| 郵送時の日付 | 履歴書に書く日付は「投函日」。翌日以降に届く場合でも投函日を記載 |
| 手渡し時の日付 | 「面接当日の日付」を記載する |
郵送する場合は送付状(カバーレター)を同封します。送付状には「同封書類の種類と枚数」を記載し、先方が確認しやすい状態にするのが礼儀です。手渡しの場合は封をした状態で渡し、採用担当者の前で「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えます。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は①免許・資格欄 ②志望動機 ③写真・レイアウトの順に確認する
- 栄養士免許の正式名称は「栄養士免許」。「栄養士資格」「栄養士(取得)」はNG
- 管理栄養士免許を保有している場合は、管理栄養士免許のみの記載でよい
- 志望動機は「なぜこの施設なのか」を施設の特性と自分のスキルを結びつけて書く
- 就職先(病院・介護・保育園・企業)によって切り口を変え、使い回しは厳禁
- 自己PRは数字・固有名詞で具体化し、「採用するメリット」を伝える
書類選考を通過できるかどうかは、採用担当者の目線で「読みやすく・具体的で・その施設向け」に仕上げられているかにかかっています。今回紹介した例文を参考に、応募先の特性に合わせて書き換えてみてください。
栄養士の履歴書に関するよくある質問
- 栄養士免許と管理栄養士免許を両方持っている場合、どちらを書けばいいですか?
-
管理栄養士免許のみを記載するのが一般的です。管理栄養士免許は栄養士免許の上位資格のため、両方記載する必要はありません。ただし、応募先が「栄養士免許の有無」を明示的に問い合わせている場合は両方記載します。
- 管理栄養士免許が取得見込みの場合、履歴書にはどう書けばよいですか?
-
国家試験の合格発表前(在学中・受験後)は「管理栄養士国家試験 取得見込み」と記載します。試験合格後・免許申請中の場合は「管理栄養士国家試験 合格(免許申請中)」が適切です。栄養士免許はすでに取得済みであれば、その取得年月も忘れずに記載してください。
- 栄養士として初めて就職・転職する場合、志望動機はどう書けばいいですか?
-
「なぜ栄養士になったか」という動機と「なぜその施設を選んだか」の2点を必ず盛り込みます。経験が少ない場合は、実習やアルバイトでの具体的なエピソードを加えると採用担当者の印象に残ります。「食に興味があります」だけで終わらず、施設の特性と自分の関心が重なる具体的な点を書くことが重要です。
- 栄養士の履歴書は手書きとパソコン作成、どちらがよいですか?
-
採用施設から特に指定がない限り、パソコン作成でも手書きでも構いません。新卒採用では手書きを好む施設もありますが、中途採用では読みやすさと内容の具体性が優先されるため、パソコン作成で問題ありません。重要なのは内容の具体性と、誤字脱字のない状態で提出することです。


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