この記事では、職務経歴書とJIS規格の関係、採用担当者が認める3つのフォーマット、無料でダウンロードできるテンプレートの選び方を解説します。
JIS規格と職務経歴書の意外な関係
JIS規格はもともと「履歴書」のフォーマットだった
「JIS規格の職務経歴書テンプレート」を探している方に、まず知っておいていただきたい事実があります。JIS規格(日本工業規格)は、もともと履歴書のフォーマットを定めたものであり、職務経歴書には適用されていません。
さらに、その履歴書のJIS規格についても、2020年7月に日本規格協会がJIS規格の解説から様式例を削除しています。翌2021年4月には厚生労働省が新しい履歴書の標準様式を作成・公表し、「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目を省いた、現代の採用実態に合わせたフォーマットへと移行しました。
つまり「JIS規格の職務経歴書」というものは存在せず、職務経歴書は法令や規格による制約を受けない自由形式の書類です。このことを知らずに「JIS規格に準拠したフォーマットを探し続ける」状態になっている求職者は少なくありません。
職務経歴書に「公式の正解フォーマット」はあるか
「公式のフォーマットがないなら、何を使えばいいのか」と思う方は多いです。結論として、職務経歴書に「これが唯一の正解」というフォーマットはありません。ただし、長年の採用慣行のなかで「採用担当者が読み慣れた標準的な形式」として定着したフォーマットが3つあります。
- 編年体形式:時系列(古い順)で経歴を並べるスタンダードな形式
- 逆編年体形式:現在から過去に遡る形式。直近の実績が先頭に来る
- キャリア形式:業務内容やスキル軸で整理する形式。職種変更者に向く
この3形式に基づいたテンプレートを選ぶことが、「フォーマット選びで損をしない」ための第一歩です。履歴書のテンプレート選びについては履歴書テンプレートの選び方も合わせて確認してください。

採用担当者が認める職務経歴書の3つの形式とテンプレート
編年体形式|最もスタンダードで読まれやすい
転職経験者の多くが使うのがこの形式です。古い職歴から時系列順に記載するため、キャリアの流れが素直に伝わります。採用担当者も見慣れているため、「どの会社で何をしてきたか」を最短で把握できます。
採用担当者はここを見ている
- 在籍期間と実績のバランス(長く働いた職場の記述が具体的かどうか)
- 職歴の一貫性(同じ職種・業界で積み上げがあるか)
- 業務内容の記述が「説明」ではなく「貢献度」になっているか
編年体形式が向いている人は、同じ職種・業界での転職、または複数の職場にわたってキャリアを積んできたケースです。「業界経験10年・職種一貫」というキャリアは、古い順に並べるだけで説得力が生まれます。
逆編年体形式|直近の実績を前面に出したいとき
現在から過去に遡る逆編年体形式は、直近の職場での実績が最もアピールになる人に向いています。書類の冒頭に現職の実績が並ぶため、採用担当者が最初に目にする情報が「今何ができるか」になります。
転職市場では逆編年体を推奨するケースが増えており、ハイクラス転職や外資系企業への応募では特に有効な形式とされています。
採用担当者はここを見ている
- 現職・直前職での成果が具体的な数字で記載されているか
- 役職・肩書きの変化(昇進・役割拡大)が読み取れるか
- 期間と実績の密度が釣り合っているか
キャリア形式|職種・スキル軸でアピールしたいとき
キャリア形式(機能別形式)は、職歴ではなく「スキル・業務領域ごと」に整理する書き方です。「法人営業経験5年」「マネジメント経験3年」のように業務の種類でまとめることで、複数の職場にまたがって培ったスキルを明確に伝えられます。
向いているケースは以下の通りです。
- 異業種・異職種への転職(過去の職種と今後の職種が異なる)
- フリーランス・副業など複数の関係先で経験を積んだ
- 短期転職が複数あり、時系列で並べると印象が悪くなる
キャリア形式は在籍期間が見えにくくなるため、採用担当者から「何を隠しているのか」と思われるリスクがあることを知っておく必要があります。スキルが十分に伝わるよう、各項目に具体的な期間と実績を付記してください。
無料でダウンロードできる職務経歴書テンプレート
厚生労働省(ハローワーク)の公式テンプレート
JIS規格の代わりとして最も信頼性が高いのが、厚生労働省・ハローワークが提供する職務経歴書テンプレートです。公的機関が作成したフォーマットであるため、どの企業に提出しても問題ありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4縦・横どちらも対応 |
| 形式 | 編年体形式が基本(Word・Excel・PDF) |
| ダウンロード先 | ハローワークインターネットサービス |
| 費用 | 無料 |
| 記載項目 | 職務要約・職務経歴・保有スキル・自己PR |
ハローワークの職務経歴書テンプレートは「これを使えば間違いない」という安心感を持てます。一方で、記載内容が少ない場合はスキルや実績の訴求力が弱く見えるという声も採用担当者から聞かれます。テンプレートはあくまでも骨格であり、記載内容を充実させることが最優先です。
主要転職サイトが提供するテンプレートの比較
転職サイト各社もWordやExcel形式で無料テンプレートを提供しています。サイトによって特徴が異なるため、自分のキャリア状況に合ったものを選んでください。
| 提供元 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| マイナビ転職 | 97職種対応・編年体・逆編年体・キャリア形式の3種を網羅 | 職種別の参考例が欲しい人 |
| doda | JIS形式を含む複数フォーマット・シンプルな構成 | 迷ったらまずここ |
| リクナビNEXT | Word・Excel・PDF対応・スキルを強調できるフォーマット | スキルを前面に出したい人 |
| ハローワーク | 公的機関の標準様式・信頼性が高い | 公務員・準公的機関への応募 |
どのテンプレートを選んでも、フォーマットそのものより「記載する内容の質」が書類選考の通過率を決めます。採用担当者が書類を確認する時間は平均30秒〜1分程度です。この時間内で伝えたいことが伝わる構成になっているかどうかが、テンプレート選びより先に考えるべき点です。
職務経歴書の作成に時間がかかる場合や、どの形式が自分に合っているか判断に迷う場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用するとテンプレートに沿って入力するだけで書類を作成できます。

採用担当者が30秒で気づくNGフォーマット3パターン
テンプレートを選んだ後に確認すべきなのが、「やってはいけない使い方」です。採用担当者が日々大量の書類を処理する現場では、フォーマットの乱れや不適切な使い方が一瞬で識別されます。
フォント・罫線がバラバラで「読む気が失せる」書類
最も多いNGパターンが、フォントの種類やサイズが統一されていない書類です。テンプレートをコピー&ペーストで編集した際に体裁が崩れ、フォントが混在した状態になりやすいです。
NG例
見出しがゴシック体12pt・本文がMS明朝11pt・会社名だけ太字14pt…。フォントが混在した状態で提出。採用担当者には「細部に注意できない人」という印象を与えます。
対策は簡単です。使用するフォントを「本文:明朝体10.5〜11pt、見出し:ゴシック体12pt」に統一し、貼り付けた文字は必ず「書式のクリア」をしてから体裁を整えてください。
内容を詰め込みすぎた「1枚に収めようとした」書類
職務経歴書は「A4・1〜2枚」が目安とされています。この「1〜2枚」を「1枚に収めなければいけない」と勘違いし、フォントを小さくして行間を詰めた結果、読みにくくなるケースが多く見られます。
採用担当者はここを見ている
- 経歴が3社以上・転職歴が長い場合は2枚になることを許容する担当者がほとんど
- 問題は「枚数」ではなく「情報の取捨選択ができているか」
- 15年前の短期アルバイト経歴を1ページ使って書く必要はない
職歴が多い場合は、直近3〜5年の職歴を厚く記載し、それ以前の経歴は要約して簡略化することで、読みやすさと情報量を両立できます。
経歴の説明が業務の羅列にとどまっている書類
「営業業務を担当しました」「マーケティング業務を行いました」という記載は、テンプレートの欄を埋めているだけで、採用担当者に何も伝わりません。
NG例
「顧客への提案営業を担当し、売上向上に貢献しました。」→「何件の顧客を担当し、売上がどれだけ上がったのか」が見えないため、採用担当者は評価のしようがありません。
良い例文
「担当エリア(首都圏・30社)の法人顧客へ提案営業を実施。前年比120%の売上を達成し、チーム内トップの成約率(42%)を記録しました。」
フォーマットはどれを使っても、書き方次第で結果は大きく変わります。テンプレートを手に入れた後は「書き方」に集中してください。
書式よりも差がつく|職務経歴書の項目別ポイント
職務要約(冒頭4〜5行で採用担当者を引き込む)
職務要約は、書類全体の「見出し」にあたります。採用担当者はここを読んで「続きを読むかどうか」を判断します。職歴の年数・職種・最大の実績を4〜5行(150〜200文字)にまとめるのが目安です。
良い例文
「法人向けSaaSの営業を7年担当。主にエンタープライズ領域(従業員500名以上の企業)で新規開拓から継続利用まで一貫して担当し、在籍中の累計新規受注額は約3.2億円。直近2年は後輩3名のマネジメントも兼務しています。」
職務経歴(社名・期間・業務内容・実績)
職務経歴の欄は、以下の4要素をセットで記載することで採用担当者が「この人が何をできるか」を正確に把握できます。
| 要素 | 記載すべき内容 | NG例 |
|---|---|---|
| 会社概要 | 事業内容・従業員数・売上規模 | 社名だけで業種不明 |
| 在籍期間 | 年月単位(例:2018年4月〜2022年3月) | 「約3年」という曖昧表記 |
| 業務内容 | 具体的な業務・担当規模・役割 | 「営業を担当した」だけ |
| 実績・成果 | 数値化した結果(前年比・順位等) | 「成果を上げた」だけ |
保有スキルと資格(裏付けになる情報を整理する)
スキル欄は「持っているものを全部書く欄」ではありません。応募する職種に関連するスキルを優先して記載し、習熟度や使用年数を添えることで採用担当者が即戦力を判断できる情報に変えてください。
- Microsoft Excel(ピボットテーブル・マクロ作成/実務10年)
- Salesforce(案件管理・レポート作成/3年)
- TOEIC 820点(2024年取得)
資格は取得年月を必ず記載してください。採用担当者は資格の有効期限や取得タイミングも確認しています。
自己PR(具体的な数値で締める)
自己PRは「人柄・強み」を伝える欄ですが、抽象的な表現だけで終わると採用担当者の印象に残りません。強みを述べた後、必ずエピソードと数字で裏付けることで、「この人は本当にそのスキルを持っている」という確信を与えられます。
書類全体の質を上げたい場合は、採用担当者経験者によるプロの添削を活用するのも選択肢のひとつです。職務経歴書の有料添削サービスでは、書類全体を通じた具体的な改善点を指摘してもらえます。

まとめ
- 職務経歴書にJIS規格は存在しない。JIS規格は2020年に履歴書の様式例からも削除された
- 採用担当者が認める形式は「編年体・逆編年体・キャリア形式」の3種類
- 無料テンプレートはハローワーク・マイナビ転職・dodaなど複数の選択肢がある
- フォーマット選びより記載内容の質が書類通過率を左右する
- NGは「フォント混在」「詰め込みすぎ」「業務の羅列」の3パターン
フォーマットに迷う時間を減らし、記載内容の充実に集中してください。採用担当者がテンプレートを意識する時間はほぼゼロです。書類を手に取ってから最初の30秒で印象が決まります。
職務経歴書テンプレートとJISに関するよくある質問
- JIS規格の職務経歴書テンプレートはどこでダウンロードできますか?
-
職務経歴書にはJIS規格が存在しないため、「JIS規格の職務経歴書」というものは正確には存在しません。JIS規格は履歴書のフォーマットを定めたものですが、2020年7月にその様式例も削除されています。職務経歴書のテンプレートは、厚生労働省・ハローワークのサイトやマイナビ転職・dodaなどの転職サイトから無料でダウンロードできます。
- 職務経歴書のテンプレートは編年体と逆編年体のどちらを使うべきですか?
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初めての転職や経歴が同じ職種・業界に集中している場合は「編年体」が読みやすく、採用担当者にも受け入れられやすいです。直近の職場での実績が最も強いアピールになる場合や、ハイクラス転職・外資系企業への応募では「逆編年体」が有効です。異業種転職や複数の職場でスキルを積んだ場合は「キャリア形式」が向いています。
- 職務経歴書はA4何枚が正解ですか?
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職務経歴書の枚数に厳密なルールはありませんが、A4・1〜2枚が一般的な目安です。経歴が3社以上・転職回数が多い場合は2枚になることは問題ありません。大切なのは枚数より「読みやすさ」と「情報の取捨選択」です。採用担当者は1枚に無理に詰め込まれた読みにくい書類より、2枚でも整理された書類を好みます。
- WordとExcel、どちらのテンプレートを使うべきですか?
-
WordとExcelのどちらも一般的に使われます。表を多用してきれいに整列させたい場合はExcelが編集しやすく、文章量が多い場合はWordが扱いやすいです。提出はPDFに変換して送ることを推奨します。WordやExcelのまま送ると開く環境によって体裁が崩れる場合があるためです。


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