この記事では、電子履歴書の作り方をWord・Excelのテンプレート選びから始め、PDF変換の手順、ファイル名のつけ方、メール送付マナーまで解説します。採用担当者が実際に落とすNGパターンも具体例を挙げて紹介します。
電子履歴書とは|手書きとの違いと採用担当者の本音
電子履歴書とは、WordやExcelなどのソフト、またはWebサービスを使ってパソコンやスマホで作成した履歴書のことです。手書きと異なり、テンプレートに文字を入力するだけで体裁が整い、修正や複数社への使い回しが簡単な点が最大の特徴です。
採用担当者の本音:手書きと電子は「どちらでもよい」が主流の理由
採用担当者の調査では、「手書きかどうか気にしない」と答える割合は40〜50%程度を占めています。転職市場では特にその傾向が強く、「手書きでなければ熱意が伝わらない」という考え方は現在では少数派です。
採用担当者が見ているのは手書きかどうかではなく、書類の完成度と情報の正確さです。電子で作っても中身が薄ければ通りませんし、逆に電子であることの利点(読みやすさ・修正のしやすさ)を活かせていない書類は印象を下げます。
採用担当者はここを見ている
- 読みやすいフォント・サイズで全体が統一されているか
- フォーマット(罫線・余白)が崩れていないか
- 証明写真が適切な位置に貼られているか
- ファイル形式・ファイル名が管理しやすい状態か
電子履歴書が事実上「必須」になる3つのケース
業界・企業によっては、電子形式での提出が標準になっています。次のいずれかに該当する場合は、電子での作成が適切です。
- 転職エージェント経由で応募する場合:多くのエージェントはWordまたはPDF形式での提出を求めます
- メール・Web経由での書類提出を求められている場合:手書きをスキャンして送ることも技術的には可能ですが、読みにくさのリスクがあります
- 複数社に同時応募する場合:電子なら氏名・住所・学歴などの基本情報を使い回せるため、作業量を大幅に削減できます
電子履歴書の作り方|採用担当者に通じる5つのステップ
電子履歴書の作成は、次の5つのステップで進めます。それぞれのステップで採用担当者が気にするポイントを意識することが、書類選考を通過するうえで重要です。
Step1 テンプレートを選ぶ(Word・Excel・Webサービス)
電子履歴書の作成には、大きく分けて3つの選択肢があります。
| 作成方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| WordやExcelのテンプレート | 細かい調整が必要な場合 | PDF変換が別途必要 |
| Webサービス・アプリ | 初めての方・スマホ利用者 | サービス終了時のリスクあり |
| 厚生労働省の様式 | 公的機関・官公庁への応募 | デザインが必要最小限 |
厚生労働省は2021年4月に履歴書の様式例を改定し、「性別欄の記載は任意」「通勤時間・扶養家族数の欄がない」標準的な様式を公開しています。一般的な転職・就活では転職サービス提供のテンプレートか、厚生労働省様式をベースにした無料テンプレートを選ぶとよいでしょう。
無料で使えるテンプレートの選び方と注意点については、履歴書テンプレートの選び方と無料ダウンロード先の記事で詳しく解説しています。

Webサービスを使って電子履歴書を作成する場合は、web履歴書おすすめ9選の比較記事も参考にしてください。

Step2 基本情報・学歴・職歴を入力する
テンプレートを選んだら、各項目を入力していきます。このとき、採用担当者が特に確認するのは学歴・職歴欄の記載の正確さと志望動機・自己PRの具体性です。
電子で作成する場合、フォントは全項目で統一してください。日本語フォントは明朝体(游明朝・ヒラギノ明朝など)が基本で、文字サイズは10.5〜11ptが標準です。小さすぎると印刷したときに読みにくくなります。
フォント選びの詳細は、履歴書フォントの選び方を解説した記事も参考にしてください。

Step3 証明写真を貼り付ける
電子履歴書では、証明写真はデジタル画像ファイルとして貼り付けます。スキャナーで撮影した写真をデジタル化するか、スマホアプリで撮影した証明写真を使います。
写真のサイズは縦4cm×横3cm(比率4:3)が標準です。貼り付ける際は、指定の写真欄に収まるようにサイズを調整してください。Wordの場合は「図の書式設定」で高さと幅を数値で指定できます。
採用担当者はここを見ている
- 写真が枠内に正しく収まっているか(はみ出しや空白が多いのはNG)
- スーツ着用・白またはグレー背景になっているか
- 過度な加工(美白・修整のしすぎ)がないか
- 表情が自然で、清潔感があるか
Step4 PDF形式に変換する
電子履歴書の提出では、企業から特別な指定がない限りPDF形式が基本です。WordやExcelのまま送ると、受け取り側のソフトのバージョンやOS環境によってレイアウトが崩れるリスクがあります。
PDFへの変換方法は次のとおりです。
- Wordの場合:「ファイル」→「名前を付けて保存」→ファイルの種類で「PDF」を選択
- Excelの場合:「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSの作成」を選択
- Macの場合:印刷画面から「PDFとして保存」を選択
- Webサービスの場合:「ダウンロード」ボタンからPDF形式を選択
変換後は必ずPDFを開いてレイアウトが崩れていないか、写真が正しく反映されているかを確認してください。
Step5 送付前の最終確認をする
送付前に以下の項目を確認します。一度メールで送信した書類は取り消せないため、この確認は省略せずに行ってください。
- 誤字・脱字がないか(PCで作成すると入力ミスを見落としやすい)
- 日付は提出当日の日付になっているか
- フォントが全欄で統一されているか
- 証明写真が正しく表示されているか
- ファイルサイズが5MB以内か
ファイル形式の正解はPDF|Wordのまま送ると採用担当者に迷惑がかかる理由
電子履歴書の提出でよくある失敗が、WordやExcelのファイルをそのまま送ることです。受け取った採用担当者の環境によっては、フォントが変わる・レイアウトが崩れる・写真が表示されないといった問題が発生します。
WordやExcelのままで送ってはいけない3つの理由
- レイアウトが崩れるリスク:Wordはバージョンや環境によって表示が変わります。自分のPCでは正しく見えていても、採用担当者のPCで開いたときに行がずれたり、写真が消えたりするケースがあります
- フォントが変わるリスク:自分のPCにしか入っていないフォントを使用した場合、受け取り側では別のフォントに自動変換されます。そのせいで文字が枠からはみ出すことがあります
- 編集できる状態で送ることへの懸念:Word・Excelファイルは受け取った側が内容を変更できます。個人情報を含む書類として管理上の懸念につながることもあります
NG例
「履歴書.docx」のファイル名でWordファイルをそのまま添付して送信した。採用担当者のPCで開いたところ、証明写真が表示されず、文字が枠からはみ出してしまった。
良い例
Wordで作成した後、PDF形式に変換してから添付した。変換後にPDFを開いてレイアウトを確認し、問題がないことを確かめてから送信した。
企業からファイル形式の指定があった場合の対応
企業や採用担当者から「Word形式で」「Excel形式で」と指定された場合は、その指示に従います。指定がある場合は、企業側が書類を編集・加工することを想定しているケースが多く、PDFで送ると受け取り側に余計な手間をかけてしまいます。
指定がない場合は迷わずPDFを選択してください。
ファイル名のつけ方|採用担当者が困るNGと正しい命名ルール
電子履歴書では、ファイル名は採用担当者が最初に目にする情報です。何十通もの応募書類を受け取る採用担当者にとって、ファイル名がわかりにくいと管理の手間が増えます。「誰の、何の書類か」が一目でわかるファイル名にしてください。
正しいファイル名の形式は次のとおりです。
良いファイル名の例
20260619_履歴書_山田太郎.pdf
日付(YYYYMMDD形式)+書類の種類+氏名の順が最もわかりやすいです。採用担当者がファイルを保存したときに日付順に並ぶため、複数の書類をまとめて管理しやすくなります。
NG例
- 「履歴書.pdf」:誰の書類かが判別できない。同名ファイルと混同・上書きされるリスクもある
- 「rirekisho.pdf」:ローマ字名は採用担当者が検索・整理しにくい
- 「履歴書_最終版(2).pdf」:版管理の痕跡を残すと、作成プロセスの不安定さを感じさせることがある
企業から特定の命名規則が指定されている場合は、必ずその指定に従ってください。履歴書ファイル名の詳しい命名ルールについては、ファイル名のつけ方を採用担当者視点で解説した記事も参考にしてください。
メール送付マナー|件名・本文・添付のルール
電子履歴書は、多くの場合メールに添付して送ります。採用担当者がメールを受け取った瞬間から評価は始まっています。件名・本文・ファイルの扱い方でその人のビジネスマナーが判断されます。
件名の書き方
件名は採用担当者がメール一覧を見たときに、誰からの何の書類かが一目でわかることが最低条件です。
良い件名の例
・【応募書類送付】〇〇職 山田太郎
・履歴書のご送付について/山田太郎
NG例
- 「よろしくお願いします」:何の件かわからない
- 「履歴書を送ります」:誰かわからない
- 件名なしで送信:採用担当者が内容を開くまで把握できない
メール本文の書き方(例文)
本文は長くする必要はありません。要点を簡潔にまとめ、丁寧な文体で書きます。
メール本文の例文
〇〇株式会社
採用ご担当者様
突然のご連絡をお許しください。このたびは、御社の〇〇職(貴社ウェブサイト掲載の求人)に応募させていただきたく、ご連絡いたしました。
履歴書をPDFファイルにてお送りいたします。ご査収いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
山田太郎
電話:000-0000-0000
メール:taro.yamada@example.com
送信前に確認すべき5つのポイント
- 送信先のメールアドレスが正しいか:1文字でも間違えると不達になります。コピー&ペーストで確認を
- 添付ファイルが正しくつけられているか:「送ります」と書いてファイルが添付されていないミスは致命的です
- 企業名・担当者名の表記が正しいか:漢字の読み間違いや法人格(株式会社と㈱)の混在に注意してください
- 送信時間が非常識な時間帯でないか:深夜や早朝の送信は印象が下がることがあります。翌朝7〜8時台に予約送信するのも方法のひとつです
- 返信先のメールアドレスが署名に入っているか:採用担当者からの返信を確実に受け取れるよう、正確なアドレスを署名に記載してください
採用担当者が落とす電子履歴書|よくある7つのNG
書類選考で差がつくのは「内容の優劣」だけではありません。電子で作成した書類ならではのミスが、採用担当者の印象を下げることがあります。以下の7つをすべてクリアしてから送付してください。
採用担当者が落とす電子履歴書のNG7選
- NG①:WordファイルのままPDF変換せず送信 → レイアウト崩れや写真消失のリスクがある
- NG②:ファイル名が「履歴書.pdf」のみ → 誰の書類かわからず、採用担当者の管理が煩雑になる
- NG③:フォントが混在している → 明朝体とゴシック体が混ざると統一感がなく雑な印象になる
- NG④:証明写真が枠に収まっていない → はみ出しや空白が多いと書類全体の完成度に疑問を持たれる
- NG⑤:日付の表記が和暦・西暦で混在 → 「令和〇年〇月〇日」と「2026年〇月〇日」が混ざるのは統一感がなくNGです
- NG⑥:印鑑欄に押印がない(様式によっては必要) → 印鑑欄があるテンプレートでは電子印鑑ツールで対応するか、企業に確認を
- NG⑦:ファイルサイズが5MBを超えている → 写真の解像度が高すぎると受け取り側の受信ボックスで問題になることがある
スマホで電子履歴書を作成したい場合は、スマホで履歴書を作成できるサービスの比較記事もあわせて確認してください。

まとめ
- 電子履歴書は手書きより不利ではない。採用担当者が見るのは書類の完成度と情報の正確さ
- 作成は「テンプレート選択→入力→証明写真追加→PDF変換→最終確認」の5ステップで進める
- 企業から指定がない限り、提出形式はPDFが基本
- ファイル名は「日付_履歴書_氏名.pdf」の形式にすると採用担当者が管理しやすい
- メール送付時は件名・本文・添付ファイルの3点を送信前に必ず確認する
電子履歴書は、正しい手順で作成・提出するだけで採用担当者に「丁寧さ」と「ビジネスマナーの理解」を伝える書類になります。
電子履歴書に関するよくある質問
- 電子履歴書は手書きより採用担当者に不利ですか?
-
不利ではありません。採用担当者の調査では、40〜50%が「手書きかどうか気にしない」と回答しています。特に転職市場では電子提出が主流で、読みやすく整った電子履歴書の方が好印象を与えることも多いです。採用担当者が重視するのは手書きかどうかではなく、書類の完成度と記載内容の正確さです。
- 電子履歴書に印鑑は必要ですか?
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使用するテンプレートによって異なります。厚生労働省が2021年4月に改定した標準様式には印鑑欄がありません。ただし、印鑑欄があるテンプレートを使う場合や企業から印鑑を求められた場合は、Web上で使える電子印鑑ツールで押印してください。不明な場合は企業に確認するのが確実です。
- スマホだけで電子履歴書を作れますか?
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作れます。スマホ対応の履歴書作成アプリやWebサービスを使えば、PCなしでも電子履歴書を作成してPDF形式でダウンロードできます。証明写真もアプリで撮影・加工できるものがあります。ただし、細かいレイアウト調整はPCの方がやりやすいため、こだわりたい場合はPCでの作業を検討してください。
- 電子履歴書を複数の企業に使い回してもよいですか?
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基本情報(氏名・住所・学歴・職歴・資格)の部分は使い回しできます。ただし、志望動機と自己PRは企業・職種ごとに書き直してください。テンプレートの流用自体は問題ありませんが、志望動機まで流用すると採用担当者に内容の薄さが伝わります。

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