履歴書に「一身上の都合」を書かないほうがいいのは、会社都合退職や契約期間満了で辞めたケースです。自分の意思で辞めた自己都合であれば「一身上の都合により退職」と書けば問題ありません。ただしケースを取り違えると、経歴詐称を疑われたり、かえって印象を落としたりします。この記事では、退職理由を書くかどうかの判断基準と、状況別の正しい書き方・NG例を採用担当者の視点で整理しました。
【結論】履歴書に「一身上の都合」を書かない判断とケース別の書き方
退職理由の書き方は、辞めた理由が「自分の意思か、会社の事情か」で分かれます。まずは自分がどのケースに当てはまるかを確認してください。
自己都合は「一身上の都合により退職」、会社都合・契約満了は書かない
転職やキャリアアップなど自分の意思で辞めた場合は自己都合退職にあたり、職歴欄には「一身上の都合により退職」と書けば十分です。一方で、リストラや倒産といった会社側の事情で辞めた場合に「一身上の都合」と書くのは事実と異なります。会社都合や契約満了のときは、事実に合った言葉に書き換えるのが正しい対応です。
| 退職の状況 | 職歴欄の書き方 |
|---|---|
| 自己都合(転職・キャリアアップ・結婚など) | 一身上の都合により退職 |
| 会社都合(リストラ・倒産・解雇) | 会社都合により退職 |
| 契約期間満了(派遣・契約社員) | 契約期間満了により退職 |
| 定年 | 定年退職 |
良い例文(自己都合の場合)
令和4年3月 株式会社〇〇 一身上の都合により退職
自分の意思で辞めた場合は、この一文で退職理由の説明として成立します。辞めた背景を細かく書く必要はありません。
NG例
(リストラで辞めたのに)令和4年3月 株式会社〇〇 一身上の都合により退職
会社都合退職を「一身上の都合」と書くと事実と食い違い、経歴詐称を疑われる原因になります。会社都合のときは次の見出しの書き方に置き換えてください。
「一身上の都合」という表現そのものの意味や使い方を詳しく確認したい場合は、履歴書の一身上の都合の書き方もあわせて確認しておくと安心です。

そもそも履歴書に退職理由(一身上の都合)は書かなくていい?
自己都合退職であれば、辞めた理由を細かく書く必要はありません。職歴欄には会社名と「退職」、または「一身上の都合により退職」と書けば十分です。転職を決めた動機や辞めた背景は、志望動機欄や面接で伝えれば問題ありません。
むしろ、狭い職歴欄に退職理由を長々と書き込むと、レイアウトが窮屈になり読みにくくなります。履歴書は事実を簡潔に、退職理由の深掘りは面接でという役割分担を意識してください。
採用担当者はここを見ている
- 退職理由そのものより「同じ理由で早期離職しないか」を確認している
- 自己都合の背景を書きすぎると、かえって言い訳がましい印象になりやすい
- 事実と日付が正確にそろっているかを最初にチェックしている
「一身上の都合」を書かないほうがいいケースと正しい書き方【状況別】
会社の事情で辞めた場合や、契約・定年で区切りがついた場合は、「一身上の都合」ではなく状況に合った表現を使います。ここでは代表的な3つのケースを見ていきます。
会社都合退職(リストラ・倒産・解雇)の場合
会社の業績悪化や倒産、部門閉鎖などで辞めた場合は「会社都合により退職」と書きます。自分の落ち度で辞めたわけではないことが伝わるため、正直に書いたほうが有利に働くケースも少なくありません。
良い例文(会社都合の場合)
令和5年6月 株式会社〇〇 会社都合により退職
倒産や事業所閉鎖など背景を補足したい場合は「株式会社〇〇 事業所閉鎖に伴い退職(会社都合)」のように、事実を一言添える書き方も可能です。
会社都合退職の詳しい書き方や不利にならない伝え方は、履歴書の会社都合退職の書き方で具体的に解説しています。

契約期間満了(派遣・契約社員)の場合
派遣社員や契約社員として働き、契約期間が終わって辞めた場合は「契約期間満了により退職」と書きます。これを「一身上の都合」と書くと、自分の意思で途中退職したように誤解される可能性があります。
良い例文(契約満了の場合)
令和5年9月 株式会社〇〇(派遣元:△△株式会社) 契約期間満了により退職
派遣の場合は「派遣元」と「派遣先」を分けて書くと、勤務実態が正確に伝わります。複数の派遣先で働いた履歴のまとめ方は、派遣・単発の職歴の書き方を参考にしてください。

定年退職の場合
定年を迎えて辞めた場合は「定年退職」と書きます。この場合も「一身上の都合」ではありません。定年後に再雇用され、その後辞めた場合は「定年退職」と「一身上の都合により退職」を年月ごとに分けて書くと経緯が正確に伝わります。
「一身上の都合」の代わりに退職理由を書きたいときの書き方
自己都合でも、あえて具体的な理由を書いたほうが印象が良くなるケースがあります。結婚・出産・介護・配偶者の転勤など、本人の責任ではないやむを得ない事情は、事実を添えることでブランクの理由も自然に説明できます。
良い例文(理由を添える場合)
- 令和4年3月 株式会社〇〇 結婚に伴い退職
- 令和4年8月 株式会社〇〇 配偶者の転勤に伴い退職
- 令和5年4月 株式会社〇〇 家族の介護に専念するため退職
NG例(書きすぎ)
令和4年3月 株式会社〇〇 人間関係の悪化と長時間労働に耐えられず一身上の都合により退職
ネガティブな理由や感情的な表現を職歴欄に書き込むと、同じ理由でまた辞めるのではと警戒されます。前向きに言い換えられない理由は、職歴欄では「一身上の都合により退職」にとどめ、面接で説明するのが無難です。
会社都合を「一身上の都合」と書くのは経歴詐称になる?
会社都合で辞めたのに「一身上の都合」と書くことは、事実と異なる内容の記載にあたり、経歴詐称と見なされる可能性があります。逆に、自己都合なのに「会社都合」と書くのも同様です。事実に沿って書くことが、結果として自分を守ることにつながります。
虚偽が発覚しやすいのは入社後です。雇用保険の手続きで離職票を提出する際、退職理由の食い違いが表面化することがあります。発覚のタイミングによっては、内定取り消しや懲戒解雇につながるリスクもあります。
採用担当者はここを見ている
- 会社都合退職を「本人に問題がある」とは見ていない。むしろ正直さを評価する
- 離職票・雇用保険の記録と履歴書がそろっているかを確認できる立場にある
- 事実を書いたうえで前向きに転職している姿勢を高く評価する
職歴欄で退職理由を書くときの注意点
転職回数が多く「一身上の都合により退職」が並ぶとき
転職回数が多いと、職歴欄に「一身上の都合により退職」が何度も並び、見た目が単調になります。気になる場合は、社名の下に「退職」とだけ書いてそろえても問題ありません。すべての行を無理に「一身上の都合により退職」で統一する必要はありません。
在職中は「現在に至る」、退職予定は日付を明記
今の会社に在職中の場合は、入社年月を書いた次の行に「現在に至る」と記載し、職歴欄の最後の行を「以上」で締めます。退職日が決まっている場合は「令和6年8月末日退職予定」のように具体的な日付を書くと、いつから働けるかが伝わります。
短期間で辞めた職歴も省略しない
数か月で辞めた職歴でも、社会保険に加入していた場合は入社日の記録が残り、後から発覚することがあります。書きたくないからと省略すると経歴詐称になりかねません。短期離職を隠すべきか迷ったときは、短期離職は履歴書に書かない?で線引きを確認してください。

職歴欄以外の項目もまとめて確認したい場合は、履歴書の書き方を項目別に解説した記事が便利です。
まとめ
- 自己都合退職なら「一身上の都合により退職」でよく、詳しい理由は書かなくてよい
- 会社都合は「会社都合により退職」、契約満了は「契約期間満了により退職」、定年は「定年退職」と書く
- 会社都合を「一身上の都合」と書くと経歴詐称を疑われ、離職票の提出で食い違いが発覚しやすい
- 短期間の職歴も省略せず、事実に沿って書くことが自分を守る
退職理由は、自分の状況に合った言葉を選べば、書かない判断も書き換える判断も迷いません。事実に沿って簡潔に記載し、伝えきれない背景は面接で補いましょう。
履歴書の「一身上の都合」を書かないことに関するよくある質問
- 退職理由は「退職」とだけ書いてもいいですか?
-
自己都合退職であれば「退職」とだけ書いても問題ありません。転職回数が多く「一身上の都合により退職」が並んで単調に見える場合は、「退職」でそろえると読みやすくなります。ただし会社都合や契約満了の場合は、状況がわかる表現に書き換えてください。
- 会社都合退職を隠して「一身上の都合」と書くとバレますか?
-
入社後の雇用保険の手続きで離職票を提出する際に、退職理由の食い違いが発覚することがあります。事実と異なる記載は経歴詐称と見なされ、内定取り消しや懲戒解雇のリスクがあるため、会社都合のときは正直に書くことをおすすめします。
- 派遣の契約満了も「一身上の都合」と書いていいですか?
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契約期間が満了して辞めた場合は「契約期間満了により退職」と書くのが正確です。「一身上の都合」と書くと自分の意思で途中退職したように誤解されるため、契約満了とわかる表現を使いましょう。
- 退職理由を職歴欄に詳しく書いたほうが有利ですか?
-
自己都合の場合は詳しく書く必要はありません。結婚・出産・介護など本人の責任ではない事情はブランクの説明になるため添えても構いませんが、人間関係などネガティブな理由は職歴欄に書かず、面接で前向きに説明するほうが印象は良くなります。

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