この記事では、履歴書の添え状(送付状)の書き方と状況別の例文を紹介します。採用担当者が添え状でチェックするポイント、9つの構成要素、中途・未経験・新卒向けテンプレート、やりがちなNG例の改善策まで解説します。
履歴書の添え状(送付状)とは?必要な場面と不要な場面
添え状とは、履歴書や職務経歴書を郵送する際に同封するビジネス文書です。「送付状」「カバーレター」とも呼ばれます。
添え状の役割は「中身の案内+マナーの証明」
添え状には2つの役割があります。1つは同封書類の内容と枚数を伝える「案内状」としての機能。もう1つは、社会人としてのビジネスマナーが身についていることを示す機能です。
採用担当者はここを見ている
- 添え状の有無で「最低限のビジネスマナーを知っているか」を判断する
- 添え状の内容は読み流す程度だが、宛名や日付のミスは目に止まる
- 自己PRが長い添え状は「空気が読めない人」という印象を持つ
添え状そのもので合否が決まることはほぼありません。ただし「入っていて当然」と考える採用担当者が多いため、郵送時は必ず同封するのが無難です。
添え状が不要な3つのケース
すべての場面で添え状が必要なわけではありません。以下のケースでは不要です。
| ケース | 添え状 | 理由 |
|---|---|---|
| メールで応募書類を送付 | 不要 | メール本文が添え状の代わりになる |
| 面接時に手渡し | 不要 | 対面で挨拶できるため書面は不要 |
| 転職エージェント経由 | 不要 | エージェントが企業へ提出するため |
| 企業の求人に「送付状不要」の記載あり | 不要 | 指示に従うのがマナー |
迷ったときの基準はシンプルです。「自分で封筒に入れて郵送する場合は添え状を入れる」と覚えておけば間違いありません。
添え状の書き方|9つの構成要素と正しいレイアウト
添え状はビジネス文書の形式に沿って作成します。記載する内容は決まっているため、一度覚えれば迷うことはありません。
9つの構成要素を順番に解説
添え状に記載する項目は以下の9つです。上から順番にレイアウトします。
| 番号 | 項目 | 記載内容 |
|---|---|---|
| 1 | 日付 | 投函日を記載。履歴書・職務経歴書と統一する |
| 2 | 宛名 | 企業名+部署名+担当者名(わからなければ「採用ご担当者様」) |
| 3 | 差出人情報 | 住所・氏名・電話番号・メールアドレス |
| 4 | 件名 | 「応募書類の送付につきまして」が一般的 |
| 5 | 頭語 | 「拝啓」と記載 |
| 6 | 前文 | 時候の挨拶+「貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」 |
| 7 | 本文 | 応募の経緯と簡潔な自己紹介(2〜3行程度) |
| 8 | 結語 | 「何卒ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」+「敬具」 |
| 9 | 同封書類一覧 | 「記」の下に箇条書きで書類名と枚数を記載し、「以上」で締める |
本文部分は2〜3行で十分です。添え状で長々と自己PRを書く必要はありません。志望動機や強みのアピールは履歴書・職務経歴書の役割です。
用紙サイズ・フォント・余白の基本ルール
- 用紙サイズ:A4縦(職務経歴書と揃える)
- 向き:横書き
- フォント:明朝体またはゴシック体、10.5〜11pt
- 枚数:必ず1枚に収める
- 作成方法:PC作成が一般的(手書きでも可だが、PC作成が無難)
WordまたはGoogleドキュメントで作成し、PDF化して印刷するのが最も確実です。
【状況別】履歴書の添え状の例文テンプレート
ここからは状況別の例文を紹介します。本文部分のみ状況に合わせて書き換え、それ以外の構成要素(日付・宛名・同封書類一覧など)は共通フォーマットを使ってください。
中途採用(同業種への転職)の添え状例文
良い例文
拝啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、〇〇(求人媒体名)にて貴社の営業職の求人を拝見し、応募させていただきます。現職では法人営業として5年間、新規開拓から既存顧客のフォローまで一貫して担当してまいりました。培った提案力を貴社の事業拡大に活かしたいと考えております。
応募書類をご査収のうえ、面接の機会をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
同業種の場合は「現職での経験」と「それを貴社でどう活かすか」を1〜2文で添えると、履歴書を読む前の予備知識として機能します。
未経験職種へのキャリアチェンジの添え状例文
良い例文
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社ホームページの採用情報を拝見し、Webマーケティング職に応募させていただきます。前職の販売職ではお客様の課題をヒアリングし、最適な提案を行ってまいりました。この経験をデジタル領域のマーケティングに転換し、貴社のサービス拡大に貢献したいと考えております。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
未経験の場合は「前職の経験がどう活きるか」を簡潔に示すことで、採用担当者が職務経歴書を読む動機になります。ただし2〜3行を超えないようにしてください。
ブランクあり・転職回数が多い場合の添え状例文
良い例文
拝啓 貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
このたび、〇〇(求人媒体名)にて貴社の経理職の求人を拝見し、応募させていただきます。前職を退職後、簿記2級の取得に専念しておりました。経理実務の経験と新たに取得した資格を活かし、貴社の管理部門に貢献したいと考えております。
応募書類をご確認いただき、面接の機会を頂戴できれば幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
ブランク期間がある場合は「その間に何をしていたか」を一文で添えると、採用担当者の不安を和らげられます。言い訳にならないよう、前向きな行動に絞って記載しましょう。
新卒の就職活動の添え状例文
良い例文
拝啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇と申します。貴社の新卒採用に応募させていただきたく、下記の書類をお送りいたします。大学では〇〇を専攻し、ゼミ活動を通じてチームでの課題解決力を磨いてまいりました。
ご多忙中恐れ入りますが、ご査収のうえ選考の機会をいただけますと幸いです。
敬具
新卒の場合は大学名・学部を明記します。社会人経験がないため「学びの姿勢」や「チーム活動での役割」を一文で添えると印象に残りやすいです。
パート・アルバイト応募の添え状例文
良い例文
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴店の販売スタッフ(パート)の求人を拝見し、応募させていただきます。以前、接客業に3年間従事しておりましたので、お客様対応には自信があります。下記の書類をご査収のうえ、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
パート・アルバイトの場合、添え状を付ける求職者は少数派です。付けるだけで「丁寧な人」という印象になります。内容はシンプルで構いません。
なお、添え状の書き方で迷う方は、送付状の状況別テンプレート集も参考にしてください。

採用担当者が減点する添え状のNG例と改善策
添え状で「加点」されることは少なくても、マナー違反で「減点」されるケースはあります。よくある失敗を3つ紹介します。
NG1:自己PRや志望動機を長々と書く
NG例
「私は前職にて法人営業として新規開拓を担当し、年間売上1億2,000万円を達成いたしました。また、チームリーダーとして5名のメンバーを……(以下300文字以上続く)」添え状の本文が半ページ以上になるのはNG。採用担当者は「要点をまとめられない人」と判断します。
改善策:本文は2〜3行(100〜150文字程度)に収めてください。詳しいアピールは職務経歴書で行いましょう。
NG2:宛名の敬称を間違える
| 宛先 | 正しい表記 | NG表記 |
|---|---|---|
| 企業・部署宛て | 〇〇株式会社 人事部 御中 | 〇〇株式会社 人事部 様 |
| 個人名がわかる場合 | 〇〇株式会社 人事部 田中様 | 〇〇株式会社 人事部 田中御中 |
| 担当者不明 | 〇〇株式会社 採用ご担当者様 | 〇〇株式会社 御中様 |
「御中」と「様」の併用は間違いです。個人名がわかる場合は「様」、部署宛ての場合は「御中」を使い分けてください。
NG3:テンプレのコピペで企業名・日付がずれている
テンプレートを使い回すこと自体は問題ありません。しかし以下のミスは「他社への使い回し」が明らかになり、印象が悪化します。
- 宛名の企業名が前回応募した別企業のまま
- 日付が実際の投函日と合っていない
- 応募職種名が求人内容と一致しない
改善策:送付前に「企業名」「日付」「応募職種」の3点を必ず確認する習慣をつけてください。印刷前にPDFで最終確認するのも有効です。
添え状の封入マナーと郵送時の注意点
添え状を正しく書いても、封入方法を間違えると意味がありません。郵送時のマナーを確認しておきましょう。
封筒への入れ方と書類の順番
書類をクリアファイルに挟み、以下の順番で封筒に入れます。
- 添え状(一番上・最初に目に入る位置)
- 履歴書
- 職務経歴書
- その他の書類(ポートフォリオ・資格証明書のコピーなど)
クリアファイルに入れることで、雨濡れや折れ曲がりを防止できます。クリアファイルは無色透明のものを選んでください。
封筒の書き方と「履歴書在中」の記載位置
- 封筒サイズ:角形2号(A4が折らずに入る)
- 封筒の色:白が無難(茶封筒でも可)
- 「履歴書在中」の位置:封筒の表面・左下に赤字で記載し、四角で囲む
- 裏面:左下に自分の住所・氏名・投函日を記載
- 切手:重さに応じた料金の切手を貼る(A4数枚なら140円切手が目安)
書類を折って小さい封筒に入れるのは避けてください。折り目が付いた履歴書は、コピー・スキャン時に読みにくくなるため敬遠されます。
手書きで送付状を作成する場合のコツは、手書き送付状の書き方と例文で詳しく解説しています。

添え状を入れ忘れた場合の対処法
「書類を送ったあとに添え状を入れ忘れたことに気づいた」というケースは珍しくありません。対処法は状況によって異なります。
| 状況 | 対処法 |
|---|---|
| 投函直後(まだ集荷されていない) | 郵便局に連絡し、回収できるか確認する |
| すでに発送済み | 基本的には何もしなくてよい。添え状の有無だけで不採用にはならない |
| どうしても気になる場合 | メールで「書類をお送りしましたのでご査収ください」と一報を入れる |
添え状を入れ忘れただけで即不採用になることはまずありません。慌てて電話をかけたり、添え状だけを追加で郵送したりする必要もありません。次回から同封するよう意識すれば十分です。
メールで履歴書を送る際の書き方は履歴書のメール送付例文を参考にしてください。

まとめ
- 履歴書を郵送する場合は添え状(送付状)を必ず同封する
- 本文は2〜3行で簡潔に。長い自己PRは逆効果
- 宛名(御中・様の使い分け)と日付は送付前に必ず確認する
- 入れ忘れても即不採用にはならない。次回から対応すれば十分
添え状は「完璧な文章を書く」よりも「ミスなく定型通りに仕上げる」ことが求められる書類です。本記事のテンプレートを活用し、書類送付のハードルを下げてください。
履歴書の添え状に関するよくある質問
- 添え状は手書きとPCどちらが正解ですか?
-
PC作成が一般的です。手書きでもマナー違反ではありませんが、修正がしにくく時間もかかるため、特に指定がなければWordやGoogleドキュメントで作成することをおすすめします。手書きを求める企業はほぼありません。
- 添え状に季節の挨拶(時候の挨拶)は必要ですか?
-
「拝啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」のような汎用的な挨拶で十分です。月ごとの季語(「初春の候」など)を使う必要はありません。間違った季語を使うほうが印象が悪いため、汎用表現を使うのが無難です。
- 添え状なしで送ったら不採用になりますか?
-
添え状の有無だけで不採用になることはほぼありません。選考で重視されるのは履歴書・職務経歴書の内容です。ただし「ビジネスマナーを知らない」と判断される可能性はあるため、郵送時は同封するのが無難です。
- 添え状のサイズはA4とB5どちらを使いますか?
-
A4サイズを使用してください。職務経歴書がA4で作成されることが一般的なため、添え状もA4に揃えます。用紙サイズが揃っていると封入時の見た目も整い、採用担当者が書類を扱いやすくなります。

