この記事では、履歴書を書き間違えた時に訂正印を押して直していいのかを、採用担当者の視点から解説します。原則は書き直し、やむを得ず訂正印を使う場合の正しい手順、状況別の判断基準、そして提出後にミスへ気づいた時の対応まで具体的にまとめました。
履歴書を間違えた時、訂正印を押して提出していい?【結論】
結論から言うと、履歴書を書き間違えた場合は新しい用紙に一から書き直すのが原則です。訂正印を使った修正は「どうしても書き直す時間がない」ときの最終手段であり、積極的に選ぶ方法ではありません。
厚生労働省が示す履歴書作成の基本でも、修正液・修正テープ・二重線・訂正印による修正は避け、間違えたら書き直すこととされています。履歴書は選考の合否を左右する正式な応募書類のため、修正跡のないきれいな状態で提出するのが望ましい、という考え方が根底にあります。
採用担当者はここを見ている
- 訂正印の跡そのものより、「なぜ書き直さなかったのか」という提出物への向き合い方
- 訂正が2箇所・3箇所と増えていないか(多いほど雑な印象につながる)
- 訂正の手順が正式なマナーに沿っているか(自己流で消していないか)
書き間違い自体が直接の不採用理由になることは多くありません。ただし、能力や経歴が拮抗した応募者が並んだとき、修正跡のある履歴書は最後のひと押しでマイナスに働くことがあります。時間に余裕があるなら、迷わず書き直しを選んでください。提出後に気づいたケースなど、書き間違いの全体像は履歴書を間違えた時の対処法でも詳しく整理しています。

訂正印・修正テープでの修正が避けられる理由
「なぜ訂正印や修正テープではダメなのか」を理解しておくと、いざ間違えた時にどう動くべきかの判断が早くなります。理由は大きく分けて2つあります。
修正テープ・修正液が使えない理由
修正テープや修正液は、書いた本人でなくても誰でも上から書き換えられます。つまり、後から内容を差し替えられる余地が残るため、公的な書類としての信頼性が損なわれてしまいます。履歴書は経歴を証明する書類の一つなので、「改ざんできない状態」で提出することが前提になっています。
訂正印の跡が印象で損をしやすい理由
二重線と訂正印による修正は、契約書などでは正式に認められた方法です。ただし履歴書の場合、訂正印が押されている時点で「書き直す時間を惜しんだ」「見直しが甘い」という印象を持たれるリスクがあります。採用担当者は毎日多くの応募書類に目を通しているため、修正跡は想像以上に目立ちます。
NG例(やってはいけない直し方)
- 消せるボールペン(フリクション等)で書く:熱で消えるため、郵送中や保管中に文字が消えるリスクがあり厳禁
- 砂消しゴム・カッターで削る:紙が毛羽立ち、削った跡は一目で分かるため逆効果
- 修正部分を塗りつぶす・上から強く書き直す:かえって見苦しく、隠そうとした印象を与える
これらはすべて「間違いをなかったことにしよう」とする直し方です。隠すより、正しく直すか書き直すほうが、結果的に印象を損ないません。
やむを得ず訂正印で直す時の正しい手順
提出期限が今日中で予備の用紙もない、といった緊急時に限り、二重線と訂正印での修正が認められます。ただし自己流で消すと逆効果になるため、正式な手順を守ってください。
- 間違えた部分に、定規を使ってまっすぐ二重線を引く
- 二重線に少しかかるように訂正印を押す
- 間違えた箇所のすぐ上、または下に正しい内容を書く
使う印鑑は「認印」でよい
訂正印は専用の小さな印鑑でなくても、履歴書の署名欄に使う認印で構いません。ただし、インクが内蔵されたシャチハタ(インク浸透印)は正式な書類での使用が避けられる傾向があるため、朱肉を使う印鑑を選んでください。訂正箇所と署名欄で印鑑がそろっていると、より丁寧な印象になります。
| 使ってよい印鑑 | 避けたい印鑑 |
|---|---|
| 朱肉を使う認印(署名欄と同じもの) | シャチハタ(インク浸透印) |
| 訂正用の小さな印鑑 | 実印(履歴書には不要かつ過剰) |
訂正は1箇所まで。2箇所以上なら書き直す
訂正印での修正は、履歴書全体で1箇所までにとどめるのが基本です。2箇所、3箇所と増えると、それだけで書類全体が雑に見え、訂正印を使うメリットよりデメリットが上回ります。間違いが複数ある時点で、素直に書き直したほうが早く、印象も良くなります。二重線での訂正が本当に許容されるのかを詳しく知りたい場合は、履歴書の二重線訂正の正しい直し方もあわせて確認してください。

良い訂正例
生年月日の「昭和」を「平成」と書き間違えた場合、「平成」に定規で二重線を引き、その線にかかるよう認印を押し、すぐ上に「昭和」と書く。訂正はこの1箇所のみで、他の欄はきれいなまま。
NG例
間違えた箇所を1本の線だけで消して訂正印もなし、あるいは訂正印を4〜5箇所に押している。線の引き方が自己流だったり訂正が多すぎたりすると、丁寧さが伝わらず逆効果になります。
【状況別】書き直すか訂正印で済ませるかの判断
「書き直すべきか、訂正印で済ませていいか」は状況で変わります。自分の状況を下の表に当てはめて判断してください。
| 状況 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 提出まで時間に余裕がある | 迷わず新しい用紙に書き直す |
| 期限が今日中で予備の用紙もない | 1箇所のみ二重線+訂正印で対応 |
| 間違いが2箇所以上ある | 訂正印で粘らず書き直す |
| パソコンで作成した履歴書 | データを修正して印刷し直す(訂正印は不要) |
| コンビニ購入の市販用紙で予備がある | もう1枚買って書き直す |
パソコンで作った履歴書は、そもそも訂正印の出番がありません。データを直して印刷し直せば、修正跡のない状態で提出できます。手書きよりミスの修正がしやすいため、書き間違いが不安な人はパソコン作成も選択肢になります。
提出後に間違いに気づいた時の対応
投函した後やメール送信後に誤字へ気づくこともあります。その場合は隠したり放置したりせず、気づいた時点で速やかに応募先へ連絡するのが正解です。連絡した事実そのものが、誠実さの証明になります。
- 郵送した後:採用担当者へ電話またはメールで、間違いと再提出の意向を伝え、指示を仰ぐ
- メールで送った後:同じ宛先に、訂正版を添付し直すか差し替えの可否を確認する
- 面接に持参予定:新しい履歴書を用意し直し、当日きれいなものを提出する
連絡の文例(メール)
先ほど応募書類を送付いたしましたが、履歴書の生年月日に記載誤りがございました。訂正した履歴書を改めてお送りしたく存じます。差し替えの可否についてご教示いただけますと幸いです。
ミスに気づいて連絡してくる応募者を、採用担当者はマイナスには捉えません。むしろ、間違いに気づける注意力と、それを正直に伝える姿勢を評価します。黙って放置するほうが、後で発覚した時のダメージが大きくなります。
履歴書の書き間違いを防ぐコツ
そもそも書き間違えなければ、訂正印で悩む必要もありません。手書きで作る場合は、次の3つを意識するだけでミスが大きく減ります。
- 鉛筆で薄く下書きする:レイアウトと文字量を確認してからペンでなぞり、乾いてから消しゴムをかける
- 予備の用紙を2〜3枚用意する:書き直せる前提だと焦りが減り、かえってミスしにくい
- 日付・氏名・生年月日など固定情報から書く:間違えにくい欄を先に埋め、集中力を後半の文章に残す
修正のしやすさを重視するなら、パソコンでの作成に切り替えるのも有効です。作り方の手順は履歴書のワード作成の手順で解説しています。各項目の正しい書き方を一通り押さえたい場合は、履歴書の書き方を項目別に解説した記事もあわせて確認してください。
まとめ
- 履歴書を書き間違えたら、原則は新しい用紙に書き直す。訂正印は最終手段
- 修正テープ・修正液・消せるボールペン・砂消しはすべてNG
- やむを得ず直す時は、二重線+認印で1箇所まで。2箇所以上なら書き直す
- 提出後に気づいたら、隠さず速やかに応募先へ連絡する
採用担当者が見ているのは、訂正印の有無よりも書類への丁寧さです。時間が許す限り、修正跡のないきれいな履歴書で勝負してください。
履歴書の訂正印に関するよくある質問
- 履歴書の訂正印はシャチハタでもいいですか?
-
シャチハタ(インク浸透印)は正式な書類での使用が避けられる傾向があるため、朱肉を使う認印を使ってください。署名欄の印鑑と同じものを使うと統一感が出て丁寧な印象になります。
- 訂正印がない時はどうすればいいですか?
-
訂正印が手元にない場合は、無理に修正せず新しい用紙に書き直すのが確実です。訂正印を使うのはあくまで書き直す時間がない緊急時に限られるため、印鑑がないなら書き直しを優先してください。
- 訂正印を押した履歴書だと選考で不利になりますか?
-
訂正が1箇所で手順も正しければ、それだけで落とされることはほとんどありません。ただし修正跡は目立つため、他の応募者と評価が拮抗した場合にマイナスへ働くことはあります。時間があれば書き直すのが無難です。
- パソコンで作った履歴書でも訂正印は必要ですか?
-
必要ありません。パソコン作成ならデータを修正して印刷し直せば、修正跡のないきれいな状態で提出できます。訂正印は手書きの履歴書で緊急に直す場合のみ使うものです。

