この記事では、医療事務への応募時に履歴書へ同封する送付状の書き方を解説します。記載する7つの項目の書き方から、未経験・経験者・ブランクありの状況別例文3選、採用担当者が実際に確認しているポイントまで紹介します。
医療事務の履歴書に送付状は必要か
送付状(添え状とも言います)は、法律で定められた提出義務があるわけではありません。しかし、郵送で履歴書を送る場合は同封するのがビジネスマナーとされており、特に医療事務の求人では重視されやすいです。
医療事務は受付・窓口業務を担う仕事です。採用担当者は書類の段階から「患者様への対応イメージ」を見ており、送付状の有無や内容が第一印象を左右することがあります。
「送付状なし」を採用担当者はどう見るか
送付状がないからといって、すぐに不採用になるわけではありません。ただし、他の応募者が送付状を同封している場合、比較されたときに印象が弱くなる可能性はあります。
採用担当者はここを見ている
- 送付状の有無よりも、書類全体のまとまりや丁寧さを見ている
- 医療事務は患者様への対応力が求められるため、書類でのコミュニケーション能力が確認される
- 「同封書類の不足がないか」を送付状の一覧で確認している担当者が多い
送付状が不要なケース
以下のケースでは、送付状を省略しても問題ありません。
- メール応募の場合:メール本文が送付状の役割を担うため不要
- 面接で直接手渡しする場合:手渡しの場合は同封しなくてかまわない
- 求人票に「送付状不要」と明記がある場合:指示に従う
送付状に書く7つの記載項目
送付状には決まった形式があります。以下の7つの項目を、この順番で記載するのが基本です。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| ①日付 | 書面右上に記載。郵便ポストへの投函日を記入する |
| ②宛名 | 医療機関の正式名称・部署名・担当者名(左寄せ) |
| ③自分の住所・連絡先・氏名 | 宛名の右側または日付の下に右寄せで記載 |
| ④件名 | 「応募書類送付のご案内」など(中央揃え) |
| ⑤前文 | 頭語(拝啓)+時候の挨拶+相手の繁栄を祝う一文 |
| ⑥主文 | 応募の趣旨・自己紹介・志望の理由(3〜5文程度) |
| ⑦同封書類 | 封入した書類の種類と枚数を箇条書きで明記 |
日付の書き方
日付は封書をポストに投函した日(郵送日)を記入します。送付状を作成した日ではなく、実際に郵便局やポストに出す日付にします。同封する履歴書・職務経歴書の日付とも揃えるのがマナーです。
書式は「令和〇年〇月〇日」(和暦)でも「2026年〇月〇日」(西暦)でもかまいません。履歴書との表記を統一してください。
封筒の宛名に書く日付のルールについては、以下の記事も参考にしてください。

宛名の書き方(医療機関特有のルール)
宛名は医療機関の正式名称をそのまま記載します。「医療法人〇〇会」「社会医療法人」など法人格がある場合は省略せずに書くのがマナーです。
採用担当者の氏名がわかる場合は「〇〇 〇〇様」、わからない場合は「採用ご担当者様」とします。部署名が明確な場合は「人事部 御中」と書きます。
医療機関別の宛名 記載例
| 応募先の種類 | 宛名の書き方 |
|---|---|
| 総合病院・大学病院 | 〇〇病院 採用ご担当者様 |
| クリニック・診療所 | 〇〇クリニック 院長 〇〇 〇〇様(または採用ご担当者様) |
| 医療法人傘下の病院 | 医療法人〇〇会 〇〇病院 採用ご担当者様 |
| 人事部が明確な場合 | 〇〇病院 人事部 御中 |
本文(前文・主文・末文)の構成
本文は「前文→主文→末文」の3段構成が基本です。それぞれの役割と書き方は次のとおりです。
- 前文:「拝啓」に続けて時候の挨拶と相手の繁栄を祝う一文を書く(例:「向夏の候、貴院ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」)
- 主文:応募の経緯、自己紹介(職歴・資格・意欲)を3〜5文で述べる
- 末文:「ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」のような締めの言葉+「敬具」
「拝啓」と「敬具」はセットで使います。より格式高い文書にする場合は「謹啓」と「謹白」の対応になります。どちらかに統一してください。
同封書類の書き方
本文の末尾(敬具の下)に「記」と書き、封入した書類を箇条書きで明記します。枚数まで記載すると採用担当者が確認しやすくなります。
同封書類 記載例
- 履歴書 1枚
- 職務経歴書 1枚
- 資格証明書のコピー 1枚(医療事務の資格を保有している場合)
採用担当者が送付状で確認している3つのポイント
送付状は書式に従って書けばよい——そう考えると落とし穴があります。採用担当者は書き方の細部から応募者のマナー意識と志望度を読み取っています。特に次の3点が確認されやすいポイントです。
「貴院」と「貴社」の使い分け
送付状で最もよくあるミスが、医療機関への応募なのに「貴社」と書いてしまうことです。病院・クリニック・診療所には「貴院」が正しい表現です。
| 応募先 | 正しい敬称 |
|---|---|
| 病院・クリニック・診療所 | 貴院 |
| 医療法人(組織全体を指す場合) | 貴法人 |
| 調剤薬局(株式会社形態) | 貴社 |
| 訪問看護ステーション(株式会社形態) | 貴社 |
「医療法人〇〇会 〇〇クリニック」のように法人名が入る場合でも、実際に働く場所がクリニック・病院であれば「貴院」と書きます。「貴院」か「貴社」か迷ったときは、応募先が医療機関(診察・治療を行う場所)かどうかで判断してください。
定型文の中に個性があるか
送付状は形式が決まっているため、主文の中に志望理由の核心となる一文を入れることが重要です。「応募いたしました」で終わる送付状と、「〇〇という点に共感し貴院を志望いたしました」と書かれた送付状では、採用担当者が受ける印象が変わります。
送付状に志望理由を長々と書く必要はありません。詳細は履歴書の志望動機欄に委ね、送付状では「なぜこの医療機関を選んだか」を1〜2文で端的に示すだけで十分です。
書類の漏れ・ミスがないか
採用担当者が封筒を開封してまず確認するのは、「同封書類の一覧」と実際に入っている書類が合っているかどうかです。履歴書を入れ忘れたのに送付状には「履歴書1枚」と書いてある——というミスは、書類選考の評価にそのまま影響します。
封入前に封筒の中身と同封書類欄の項目を必ず照合してください。特に複数の医療機関に同時応募する場合、書類の入れ間違いが起きやすいため注意が必要です。
【状況別】医療事務の送付状 例文3選
ここでは未経験・経験者・ブランクありの3つの状況に対応した例文を紹介します。主文の部分を自分の状況に合わせて書き換えて使用してください。
未経験から医療事務に応募する場合
医療事務が未経験の場合、主文では「なぜ医療事務を志したのか」と「これまでの経験をどう活かせるか」の2点を盛り込むと採用担当者の印象に残りやすくなります。接客・事務・PC操作など、前職での経験を具体的に示してください。
例文:未経験から医療事務に応募する場合
拝啓 向夏の候、貴院ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度、〇〇(求人媒体名)にて、医療事務スタッフ募集のご案内を拝見し、応募書類を送付いたします。
私はこれまで一般企業にて受付・事務業務を〇年間担当してまいりました。接客で培ったコミュニケーション力と正確なデータ入力のスキルを、医療現場でお役立てしたいと考え、医療事務への転職を決意しました。現在は医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の取得に向けて学習を進めております。
貴院は地域医療の中核を担う施設であり、患者様に寄り添う丁寧な窓口対応で貢献したいと強く感じております。ご多用のところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
敬具
記
・履歴書 1枚
・職務経歴書 1枚
採用担当者はここを見ている
- 「未経験でも取得を目指している」という前向きな姿勢が、経験不足をカバーできる
- 前職との連続性(接客・事務・PCスキルなど)を示すと即戦力イメージが高まる
- 「なぜこの医療機関か」の理由が「地域貢献」など漠然としすぎている場合は、具体的な診療科や特色に触れるとよい
医療事務の経験を活かして転職する場合
経験者が転職する場合は、「どんな業務をどのくらいの期間経験したか」を具体的に示すことで、採用担当者が即戦力として評価しやすくなります。レセプト業務・電子カルテ操作・受付の具体的な業務名を記載してください。
例文:医療事務の経験を活かして転職する場合
拝啓 向夏の候、貴院ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度、〇〇(求人媒体名)にて、医療事務スタッフ募集のご案内を拝見し、応募書類を送付いたします。
私は〇〇クリニックにて医療事務として〇年間勤務し、受付業務・レセプト請求・電子カルテ(〇〇システム)の入力を担当してまいりました。在職中は月次のレセプト点検を主導し、返戻・査定件数の削減に取り組んだ実績があります。
貴院の〇〇(診療科目・特色など)に関心を持ち、これまでの経験をより専門的な環境でさらに活かしたいと考え、応募いたしました。ご検討いただけますと幸いです。
敬具
記
・履歴書 1枚
・職務経歴書 1枚
ブランクがあり再び医療事務に応募する場合
育児・介護・病気などでブランクがある場合、送付状でブランクの詳細を説明する必要はありません。ただし、「復帰への意欲と就業準備ができている状態」を一言添えることで、採用担当者の懸念を払拭できます。
例文:ブランクがあり再び医療事務に応募する場合
拝啓 向夏の候、貴院ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度、〇〇(求人媒体名)にて、医療事務スタッフ募集のご案内を拝見し、応募書類を送付いたします。
私は以前〇〇病院にて医療事務を〇年間担当しておりましたが、育児のため退職いたしました。子どもの成長に伴い就業環境が整ったことから、この機会に医療事務への復帰を決意しました。ブランク期間中も医療事務技能審査試験の資格を更新し、知識の維持に努めてまいりました。
貴院の〇〇に共感し、即戦力として貢献できると考え応募いたしました。ご検討いただけますと幸いです。
敬具
記
・履歴書 1枚
・職務経歴書 1枚
送付状をスマホで作成してコンビニで印刷する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →送付状でやりがちなNGパターン
書き方のルールを知っていても、細かい部分でミスが出やすいのが送付状です。採用担当者がよく見かけるNGパターンを事前に確認しておきましょう。
NG例①:「貴社」と書いてしまう
病院・クリニックへの送付状に「貴社ますますご清栄のこと〜」と書くのはNGです。医療機関には「貴院」を使ってください。採用担当者が最初に気づくミスのひとつです。
NG例②:複数の医療機関に同じ文面を使い回す
コピーペーストで作成した文面を複数先に送る際、施設名だけ差し替え忘れるミスが起きやすいです。「〇〇クリニック様」に「△△病院」の名称が混在してしまうと、採用担当者に「手を抜いている」という印象を与えます。送付前に施設名・診療科目・担当者名の確認を必ず行ってください。
NG例③:A4用紙1枚に収まらない
送付状が2枚に及んでいるケースは、採用担当者にとって確認しにくいだけでなく「要点をまとめる力がない」という印象につながります。主文は150〜200文字以内にまとめ、A4用紙1枚に収めるのが鉄則です。
- 日付を書き忘れる、または作成日と投函日がずれている
- 「医療法人〇〇会」の法人格を省略して病院名だけ書く
- 同封書類の枚数が実際と一致しない
- 「拝啓」と「謹白」、「謹啓」と「敬具」のように頭語と結語が対応していない
送付状の封入と郵送のマナー
送付状を書き終えたら、封入と郵送のマナーも確認しておきましょう。封筒の選び方から宛名の書き方まで、採用担当者が実際に目にする部分です。
封筒への書類の入れ方と順番
履歴書・職務経歴書は折らずに入るA4サイズの角形2号封筒(白・無地)を使用します。書類を封入する順番は次のとおりです。
- 一番上(最初に目に入る位置):送付状
- 2番目:履歴書
- 3番目以降:職務経歴書・その他書類(資格証明書のコピーなど)
書類はすべて表向きに揃えて封入します。採用担当者が封筒を開封した際に、送付状から順番に確認できる状態が理想です。
封筒の種類の選び方や印刷・折り方については、以下の記事も参考にしてください。

封筒の宛名書き
封筒の表面には応募先の医療機関の正式名称を丁寧に記載します。
| 状況 | 封筒の宛名の書き方 |
|---|---|
| 採用担当者が不明 | 〇〇病院 採用ご担当者様 |
| 採用担当部署がわかる | 〇〇病院 人事部 御中 |
| 院長名がわかるクリニック | 〇〇クリニック 院長 〇〇 〇〇様 |
封筒の裏面左下には自分の住所・氏名・投函日を記載します。封緘後は「〆」マークを書き、封筒の表面に赤字で「応募書類在中」と記載します。スタンプが手元にない場合は手書きでかまいません。
医療法人への履歴書全体の書き方については、以下の記事で解説しています。

また、医療法人の志望動機をどう書くかについては、以下の記事を参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 医療事務への郵送応募では、送付状(添え状)を同封するのがビジネスマナー
- 病院・クリニックへの送付状では「貴院」を使う。「貴社」は誤り
- 記載項目は「日付・宛名・自分の情報・件名・前文・主文・同封書類」の7項目
- 主文は自分の状況(未経験・経験者・ブランクあり)に応じて1〜2文加えるだけで印象が変わる
- 封入時は送付状を一番上に置き、書類は折らずに角形2号封筒(白・無地)に入れる
送付状の内容が適切かどうか不安な場合は、医療事務専門の転職エージェントや就職支援サービスに相談すると、書類の添削を受けられることがあります。
医療事務の送付状に関するよくある質問
- 送付状は手書きとパソコン作成のどちらがよいですか?
-
パソコンでの作成が一般的です。手書きを指定する求人は求人票に明記されていることが多く、特に指定がなければパソコン作成で問題ありません。手書きの場合はB5縦書き便箋に黒または青のボールペンで、パソコンの場合はA4横書きが基本です。読みやすさと誤字のなさを優先して選んでください。
- 時候の挨拶は省略してもよいですか?
-
省略しても選考上の不利はほとんどありませんが、正式なビジネス文書として同封するなら入れるのが基本です。月ごとの定型表現(例:6月なら「向夏の候」「梅雨の候」)を使えば一文で済みます。慣れていない場合は「平素より大変お世話になっております」のような汎用表現でも問題ありません。
- クリニックが院長名で求人を出している場合、宛名はどう書けばよいですか?
-
院長名がわかる場合は「〇〇クリニック 院長 〇〇 〇〇様」と記載します。名前が不明な場合は「〇〇クリニック 採用ご担当者様」で問題ありません。「院長先生様」は二重敬語になるため使わないでください。「院長先生」か「〇〇先生」のどちらかが適切です。
- メール応募の場合、送付状はどうすればよいですか?
-
メール応募では、メール本文が送付状の役割を果たします。件名は「医療事務職への応募について(氏名)」のように応募職種と氏名を入れ、本文で応募の趣旨・同封書類・連絡先を簡潔に記載します。紙の送付状を別途作成してPDFで添付する必要はありません。


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