この記事では、Webマーケティングの職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。職務要約・担当業務・実績の数値化・自己PRまで、SEO・広告・SNS担当別の例文を交えて具体的に説明します。
Webマーケティングの職務経歴書で採用担当者が確認する4つのポイント
Webマーケティングの職務経歴書は、他の職種と比べて「何をどのチャネルでどれくらいの規模で動かしてきたか」が問われます。採用担当者は1人の書類を30秒以内に判断するケースが多く、最初に目が行くポイントは決まっています。
採用担当者はここを見ている
- 担当チャネルと予算規模:どのメディア・媒体を動かしていたか、月間予算はいくらか
- 数値で示された実績:KPI改善率・PV数・CVR・CPA等、具体的な数字があるか
- 使用ツール・スキルセット:GA4・Search Console・広告管理画面等の実務経験があるか
- 職務要約と自己PRの一貫性:何を強みとする人材かが一貫して伝わるか
① 担当チャネルと予算規模
「Webマーケティング経験あり」という一言で片付けてしまうと、採用担当者には何の情報も残りません。担当していた具体的なチャネル名(SEO・リスティング・SNS広告・メルマガ等)と、月間予算の規模感を必ず明記してください。予算規模は「自社に合う人材かどうか」を判断する重要な指標として、採用担当者が必ずチェックします。
月間予算は正確な金額でなくても構いません。「月額50〜100万円規模のリスティング広告を管理」「年間予算1,000万円のSNS広告を単独で担当」といった表現で、規模感を伝えることが重要です。
② 数値で示された実績
Webマーケティング職の最大の強みは、成果を数値で証明できる点です。「PVが上がりました」「CVRが改善しました」では書類選考を通過しません。「何を(施策)」「どのくらい(数値)」「どのように(手法)」の3点をセットで書くことが通過率を上げる核心です。
採用担当者は実績の数字から「この人に任せれば再現できるか」を見ています。数値の大きさより、変化量と施策の内容をセットで伝えることが評価に直結します。
③ 使用ツール・スキルセット
採用担当者は「入社後すぐに使えるツールがあるか」を確認します。Google Analytics 4、Search Console、Meta広告マネージャー、Google広告、HubSpotといった実務で使ったツールを具体的に列挙することが必要です。略称(GA、GSCなど)は使わず、正式名称で記載してください。
④ 職務要約と自己PRの一貫性
採用担当者が職務経歴書全体を通じて確認するのは「この人は何者か」という一点です。職務要約で「SEOが専門」と書いておきながら自己PRで「広告運用全般が強み」と書くと、どちらの経験も薄く見えます。一枚の書類を通じて、応募職種に直結する専門性が一貫して伝わるよう設計することが重要です。
採用担当者が最初に読む「職務要約」の書き方
職務要約は、職務経歴書の最上部に置く3〜5行の要約文です。採用担当者は30秒以内の書類確認で、職務要約を読んで「詳細を読むかどうか」を決めます。ここで興味を引けなければ、どれだけ充実した職務経歴欄を作っても読まれないまま不合格になります。
通過する職務要約の3条件
- 担当チャネルと経験年数を冒頭に置く:「SEOコンテンツマーケティングを5年担当」のように、何者かを1文目で伝える
- 最大の実績を1行で入れる:「月間PV数を12万から38万に拡大」など、インパクトのある数値を1つだけ入れる
- 転職の目的・方向性を最後に添える:「今後は〇〇の領域に専門性を広げたい」のように、入社後のイメージを採用担当者に与える
職務要約の例文(良い例・NG例)
良い例文
SEOコンテンツマーケティングを4年間担当し、自社メディアの月間オーガニックセッション数を15万から42万(前年比約2.8倍)に拡大しました。記事制作ディレクション・KW戦略・内部リンク設計まで一貫して担当し、年間150本以上の制作管理を経験しています。今後はSEOに加え、コンテンツを活用したリード育成(ナーチャリング)の領域で専門性を高めたいと考えています。
NG例
Webマーケティングを4年間担当しました。SEO、Web広告、SNS運用などを幅広く経験しており、サイトの改善に貢献してきました。「幅広く経験」「改善に貢献」は採用担当者に何も伝わらないNG表現です。何を何件どれだけ改善したかを数値で示すことが必須です。
担当業務欄の書き方|ポジション別の例文
Webマーケティングは担当する領域によって、書くべき内容が大きく異なります。採用担当者は「この人が自社のどのポジションで活躍できるか」を職務経歴欄から判断します。自分の専門領域を軸に、担当業務を具体的に整理してください。
SEO・コンテンツマーケティング担当の場合
SEO担当者の職務経歴で採用担当者が確認するのは「キーワード戦略を設計できるか」「技術的SEOの知識があるか」「コンテンツ制作の管理経験があるか」の3点です。担当してきたKW規模(検索ボリューム帯)や、月間制作本数を具体的に書くと説得力が増します。
良い例文(SEO・コンテンツ担当)
【業務内容】
・月間検索ボリューム・競合分析に基づくKWクラスタリングと記事制作優先順位の設計
・外部ライター10名のディレクション(月間20〜30本の制作管理)
・タイトルタグ・メタディスクリプションの最適化、内部リンク設計
・Google Search Consoleを用いたCTR・掲載順位の週次モニタリング
【主な実績】
・自社メディアの月間オーガニックセッションを18万→45万に拡大(18ヶ月)
・CVにつながるボトムファネル記事の制作でリード数を前年比160%に改善
Web広告(リスティング・ディスプレイ)担当の場合
Web広告担当者が職務経歴書で最も問われるのは「予算規模と費用対効果(ROAS・CPA)の実績」です。採用担当者は「広告費を無駄なく使える人材か」を確認しています。担当していた媒体の種類と予算規模、そして改善した指標を必ずセットで記載してください。
良い例文(Web広告担当)
【業務内容】
・Google広告(検索・P-MAX)の月額80〜150万円規模の運用管理
・Meta広告(Facebook・Instagram)のクリエイティブA/Bテスト設計と実施
・週次レポート作成(KPI:CPA・コンバージョン数・ROAS)と改善提案
【主な実績】
・リスティング広告のCPAを8,500円→4,200円に改善(6ヶ月)
・クリエイティブのA/Bテスト導入でCTRを1.2%→2.8%に改善
SNS運用担当の場合
SNS運用は「数値化しにくい」と感じる担当者が多い領域です。しかし採用担当者はフォロワー数だけでなく、エンゲージメント率・インプレッション数・SNS経由のサイト流入数といった指標も評価します。「投稿しました」の記述で終わらせず、投稿した結果として何が変わったかを必ず添えてください。
良い例文(SNS運用担当)
【業務内容】
・Instagram・X・TikTokの3媒体を1人で運用管理
・週次コンテンツカレンダーの策定、投稿原稿の作成・スケジューリング
・エンゲージメント率・リーチ数のモニタリングと月次レポート作成
【主な実績】
・Instagramフォロワー数を8,000→32,000に拡大(12ヶ月)
・エンゲージメント率を平均1.8%→4.2%に改善(コンテンツフォーマット刷新による)
・SNS経由サイト流入を月間500→2,300セッションに拡大
Webアナリスト・データ分析担当の場合
アナリスト・データ分析担当者の職務経歴書では、「どのツールを使ってどんな意思決定を支援したか」が重要です。分析結果をレポートにまとめるだけでなく、施策改善につなげた実績があると高く評価されます。「分析→示唆→施策」の流れを具体的に書くことが差別化につながります。
良い例文(アナリスト・データ分析担当)
【業務内容】
・Google Analytics 4・BigQueryを使ったユーザー行動分析と月次レポート作成
・Looker Studioでのダッシュボード構築、経営会議向けレポートの作成
・A/Bテスト設計・統計的有意差の検証、施策優先順位の提言
【主な実績】
・離脱率の高いLP特定と改善提案でCVRを2.1%→3.8%に改善
・ダッシュボード整備によりレポート作成工数を月20時間削減
実績を数値で伝える書き方|採用担当者が評価する指標
Webマーケティングの職務経歴書を作る際に最も多い悩みが「数値化できる実績がない」という感覚です。しかし実際には、業務の中に数値化できる材料が必ず存在します。採用担当者は「数値で語れる人材かどうか」を確認しています。
KPI別の数値化例
| 担当領域 | 使える指標の例 | 記載例 |
|---|---|---|
| SEO | 月間オーガニックセッション数、掲載順位、CVR | 月間PVを12万→28万に改善(12ヶ月) |
| Web広告 | CPA、ROAS、CTR、コンバージョン数 | リスティングCPAを9,000円→4,500円に半減(6ヶ月) |
| SNS | フォロワー数、エンゲージメント率、リーチ数 | Instagramエンゲージメント率を1.5%→4.0%に改善 |
| コンテンツ | 記事制作本数、CVへの貢献件数、リード数 | 月間制作25本でリード獲得120件/月(コンテンツ経由) |
| 分析 | 施策改善率、工数削減量、A/Bテスト勝率 | ダッシュボード整備で月次レポート工数を60%削減 |
「数値化できない」と感じたときの対処法
数値化が難しい業務でも、採用担当者に価値を伝える方法があります。以下の3つの観点から整理してみてください。
- 規模感で代替する:「月間予算50万円のアカウント管理」「記事50本の制作ディレクション」など、業務の規模を数字で表現する
- 業務量で代替する:「週次レポートを毎週5媒体分作成」「月間10社のクライアントレポートを担当」など、業務の頻度・量を示す
- 比較値で代替する:前年同期比、担当前後の比較、チーム内の実績順位など、変化量や相対的な位置を示す
採用担当者が警戒するのは「数値がない」ことではなく、「主観的な自己評価だけが並んでいる」状態です。規模感・業務量・比較値のいずれかで客観性を持たせることが、書類通過への直接的な手段です。
職務経歴書の作成に時間をかけられない方は、職務経歴書の自動作成ツールを活用すると、骨格を短時間で作れます。

スキル・ツール欄と資格の書き方
スキル・ツール欄は「入社後すぐに稼働できるか」を採用担当者が確認するセクションです。ツール名は略称ではなく正式名称で記載し、習熟度(基本操作・実務レベル・上級者)を添えると採用担当者が判断しやすくなります。
必須ツールと加点ツールの使い分け
| カテゴリ | ツール例 | 記載の優先度 |
|---|---|---|
| アクセス解析 | Google Analytics 4、Google Search Console | 最優先(必須) |
| 広告管理 | Google広告、Meta広告マネージャー、Yahoo!広告 | 担当経験があれば必須 |
| CRM・MA | HubSpot、Salesforce、Marketo | 経験があれば加点材料 |
| SEOツール | Ahrefs、SEMrush、Moz | 経験があれば加点材料 |
| BI・分析 | Looker Studio、BigQuery、Tableau | データ系ポジション志望なら必須 |
| コンテンツ・デザイン | Canva、Adobe Express、Figma | SNS・コンテンツ担当志望なら記載 |
資格・認定の書き方(GAIQ・Google広告認定など)
Webマーケティング職で評価される代表的な資格・認定は以下の通りです。取得している場合は資格欄に正式名称で記載します。
- Google アナリティクス認定資格(GAIQ):Google Analytics 4の認定試験。2023年以降はGA4版に更新が必要。正式名称は「Google アナリティクス認定資格」
- Google 広告認定資格:検索・ディスプレイ・動画・ショッピングなど種別ごとの認定資格。取得した種別を明記する
- ウェブ解析士:一般社団法人ウェブ解析士協会が認定する民間資格。転職市場での認知度は高く、未経験転職の加点材料になる
- Meta認定資格(Meta Blueprint認定):Meta広告の公式認定資格。Meta広告運用担当への転職で有効
資格欄に記載する際は「〇〇認定資格 取得(20XX年XX月)」の形式を使います。有効期限がある認定資格(Google認定は1〜2年)は、期限内のものだけを記載してください。
自己PR欄で差をつける書き方
自己PR欄は、職務経歴書の中で採用担当者に「この人と会いたい」と思わせる唯一のセクションです。スキルや実績の列挙ではなく、「どう考えて行動した結果、何が変わったか」という思考プロセスと再現性を伝えることが採用担当者に響く自己PRです。
競合他社の職務経歴書と最も差がつく部分でもあります。多くの応募者が「スキルの列挙」で終わっている中、施策の選択理由と改善プロセスを書ける応募者は「自社でも同じことができる人材」として評価されます。
採用担当者が評価する自己PR例文とNG例
良い例文
前職では、担当するオウンドメディアの月間PVが18ヶ月間停滞している状況を引き継ぎました。アクセス解析を行ったところ、上位記事の検索順位が3〜10位に集中しており、1位獲得による流入の伸びしろが大きいことが判明。KWクラスタ戦略を再設計し、競合が手薄なロングテールKWへのリソース集中と既存記事の内部リンク最適化を3ヶ月かけて実施しました。結果として月間セッション数が15万→41万に拡大し、リード獲得数も前年比230%を達成しました。課題の本質を数値で捉え、優先順位をつけて施策を実行するプロセスが自分の強みだと考えています。
NG例
私はWebマーケティングに4年間従事し、SEOや広告運用など幅広い経験を積んできました。常にデータを意識した施策を実行することを心がけており、チームのPDCAサイクルを回すことが得意です。御社でもその経験を活かしていきたいと考えています。「心がけている」「得意」だけでは採用担当者に再現性が伝わりません。具体的なエピソードと数値を必ずセットで記載してください。
採用担当者はここを見ている
- 課題の発見プロセスが論理的かどうか(データを根拠にしているか)
- 施策の選択理由が説明できているか(なぜその方法を選んだか)
- 結果の数値が具体的かどうか(定性表現だけで逃げていないか)
- 次の職場でも再現できる汎用性があるか(特定の会社・環境依存の強みでないか)
書き上げた自己PRが採用担当者の目線で読んで説得力があるか確認するため、職務経歴書の添削サービスを活用する方法があります。

まとめ
- 採用担当者が確認する4つのポイントは「担当チャネルと予算規模」「数値実績」「ツールスキル」「職務要約と自己PRの一貫性」
- 職務要約は採用担当者が30秒で判断する関門。担当領域・実績数値・転職方向性の3点を盛り込む
- 担当業務欄はSEO・広告・SNS・分析のポジション別に書き分け、業務内容と実績をセットで記載する
- 数値化できない業務は規模感・業務量・比較値で客観性を持たせる
- 自己PRは「課題発見→施策選択の理由→数値実績」の流れで思考プロセスの再現性を伝える
職務経歴書の完成度を高めるためには、自己添削と並行してプロの目線でのフィードバックを取り入れることが有効です。転職エージェントへの登録では無料の書類添削サービスを受けられます。
- Webマーケティングの職務経歴書に書くことがない場合はどうしたらいいですか?
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「書くことがない」と感じる場合は、業務の規模感・担当期間・使用ツールの3点から整理してください。「月間予算30万円のリスティング広告を6ヶ月管理」のような規模感の記述でも、採用担当者には十分な情報になります。実績が出ていなかった場合でも、施策の内容とPDCAのプロセスを具体的に書けば評価対象になります。
- 未経験からWebマーケティング職に転職する場合、職務経歴書にどう書けばいいですか?
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未経験の場合は、現職で培った「数値管理」「分析思考」「プロジェクト推進力」などの汎用スキルを前面に出し、自主学習やポートフォリオ(個人ブログ・SNS運用実績等)を実績として記載することが有効です。GAIQやウェブ解析士などの資格を取得した場合は資格欄に明記し、学習意欲の高さを示してください。
- Webマーケティングの職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
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経験年数が3年未満の場合はA4用紙1枚、3年以上の場合は2枚が標準です。2枚を超える場合は情報を整理して絞り込む必要があります。採用担当者が短時間で全体像を把握できるよう、職務要約を必ず設け、要点を箇条書きにまとめる形式にしてください。
- ポートフォリオと職務経歴書は別に用意するべきですか?
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Webマーケティング職の転職では、施策実績をまとめたスライド等をポートフォリオとして職務経歴書に添付する求職者が増えています。広告クリエイティブの制作実績やSNS運用事例がある場合は、視覚化したポートフォリオが有効です。ただし、まず職務経歴書だけで内容が完結するようにしておき、ポートフォリオは補足資料として位置づけてください。


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