海外営業の職務経歴書は、担当市場・実績数値・語学力の3点を冒頭で明示するのが基本です。駐在経験がなくても、出張型や国内対応型の実務を正しく言語化すれば書類選考は十分に通過できます。この記事では結論となる書き方の型と、状況別の例文、採用担当者が実際に確認しているポイントを解説します。
【結論】海外営業の職務経歴書はこう書く|すぐ使える例文
結論:担当市場・実績数値・語学力の3点を冒頭で示す
海外営業という職種は業務の幅が広く、同じ肩書きでも会社によって仕事の中身が大きく異なります。採用担当者がまず知りたいのは、担当していた地域・商材・顧客タイプ、実績の数値、語学力の実務レベルの3点です。この3点を職務要約の冒頭2〜3行に集約するだけで、書類の伝わり方は大きく変わります。書式に迷う場合は営業の職務経歴書テンプレートに沿って項目を埋めると、抜け漏れを防げます。
職務要約の例文(商社・メーカー実績者)
担当地域・商材・実績・語学力を1つの要約にまとめると、以下のような形になります。自分の経験に置き換えて活用してください。
良い例文
精密部品メーカーにて、東南アジア・欧州向けの海外営業を6年担当しました。現地代理店の新規開拓から既存代理店の育成まで一貫して経験し、タイ・ドイツを中心とした担当売上を3年間で1.6倍に拡大した実績があります。英語での価格交渉・技術プレゼンが可能で、TOEIC 810点を保有しています。
駐在経験なし(出張型・国内対応型)の場合の書き方
海外営業といえば現地駐在のイメージが強いため、出張ベースや国内対応型の経験しかないと不利に感じる方は少なくありません。採用担当者が見ているのは駐在の有無ではなく、海外顧客との折衝を実際にどう動かしたかという実務の中身です。出張頻度・対応言語・商談での役割を具体的に書けば、駐在経験がなくても評価は下がりません。
良い例文(出張型・国内対応型の場合)
産業機械メーカーの国内営業部にて、海外顧客からの引き合い対応と価格交渉を3年間担当しました。駐在経験はありませんが、年4回のアジア圏出張(タイ・ベトナム)で技術者に同行し現地商談を実施し、英語でのメール対応・見積作成を週次で行っています。着任後、担当顧客からの追加受注率を32%から48%に改善しました。
NG例
海外営業として、海外顧客とのやり取りを担当していました。駐在経験はありませんが、英語力を活かして貢献していきたいと考えています。
駐在の有無を断り書きのように添えるだけでは、何をどこまで担当していたかが伝わりません。駐在経験がない分だけ、出張頻度や商談での役割など行動量を具体的に補って書くことが必要です。
採用担当者はここを見ている
- 駐在の有無ではなく、海外顧客との折衝を自分がどこまで主体的に行っていたか
- 出張頻度・同行者の有無・商談での役割が具体的に書かれているか
- 国内対応でも英語でのメール・電話対応の頻度が示されているか
採用担当者が海外営業の職務経歴書で最初に確認する3つのポイント
採用担当者は海外営業の応募書類を受け取ったとき、まず担当市場・実績数値・語学力の3点を確認します。この3点が揃っているかどうかで、書類を読み進めるかどうかが決まります。
採用担当者はここを見ている
- 担当地域・取扱商材・営業スタイル(駐在型か出張型か)が業務概要から読み取れるか
- 実績が売上額・達成率・顧客獲得数など具体的な数値で示されているか
- 語学力がTOEICスコアと実務での使用シーンをセットで記載されているか
| 項目 | 記載内容 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験年数・担当市場・代表実績 | 3行程度で全体像が伝わるか |
| 担当業務 | 地域・顧客タイプ・商談スタイル | 業務範囲が具体的か |
| 実績 | 数値つきの成果 | 目標や前年との比較があるか |
| 語学力 | TOEIC・実務使用実績 | 即戦力レベルが判断できるか |
実績を数値で伝える書き方|為替や現地事情でも数値化できる
海外営業の実績は、現地通貨や為替変動の影響で正確な金額を出しにくいことがあります。ただし絶対値が難しい場合でも、達成率や伸長率、行動量であれば数値化できます。
| 数値の種類 | 記載例 |
|---|---|
| 達成率・伸長率 | 現地通貨ベースの売上を前年比124%に拡大 |
| 規模感 | 担当代理店8社の管理、年間出張6回 |
| スピード | 新規市場(フィリピン)着任から初受注まで6ヶ月 |
| 行動量 | 月間商談12件、英語メール対応 週20件程度 |
NG例
担当エリアの売上拡大に貢献しました。
良い例文
現地通貨ベースで担当エリアの売上を前年比124%に拡大し、新規代理店3社の契約を獲得しました(着任から2年間)。
語学力・TOEICの正しい書き方
語学力の記載が曖昧だと、採用担当者は実務での使用シーンを判断できません。TOEICスコアに加え、商談・メール・プレゼンなど実務での使用実績を組み合わせて記載してください。
| TOEICスコア | 評価目安 | 記載例 |
|---|---|---|
| 〜699点 | 限定的な英語使用が可能 | 英語:読み書きレベル(TOEIC 650点)。英語メールでの問い合わせ対応経験あり |
| 700〜799点 | ビジネスメール・電話対応が可能 | 英語:ビジネスレベル(TOEIC 760点)。商談議事録の作成・顧客メール対応が可能 |
| 800点以上 | 交渉・プレゼンテーションが可能 | 英語:ネゴシエーションレベル(TOEIC 820点)。価格交渉・技術プレゼンを英語で実施 |
NG例
英語:日常会話可
良い例文
英語:商談・価格交渉・プレゼンテーションが可能(TOEIC 820点)。中国語:現地工場スタッフとの品質確認で使用経験あり(HSK4級)

採用担当者が落とすNG例と改善パターン
海外営業の職務経歴書では、貿易実務の専門用語や略語をそのまま書いてしまうケースが目立ちます。業界外の人事担当者が最初の選考を担当する場合、意味が伝わらなければ評価のしようがありません。
NG例
FOB・CIF条件での価格交渉、L/C対応が主な業務です。
良い例文
出荷条件(FOB:本船渡し/CIF:運賃保険料込み)の選定から価格交渉、信用状(L/C)ベースの決済対応まで貿易実務全般を担当しました。
略語の意味を括弧書きで補うだけで、業界外の読み手にも業務内容が伝わるようになります。

異業種・国内営業から海外営業を目指す場合の書き方
海外営業の実務経験がなくても、語学力・異文化対応力・国内での折衝実績を組み合わせれば応募は可能です。採用担当者は実務経験の有無だけでなく、海外業務に対応できるポテンシャルを見ています。
例文:国内営業→海外営業 キャリアチェンジ
国内メーカーの法人営業を4年担当し、大手製造業向けの新規開拓・既存フォローを経験しました。TOEIC 750点を保有し、直近1年は海外部門のサポートとして英語メールでの問い合わせ対応を担当しています。国内営業で培った価格交渉力と、大学在学中の半年間の留学経験を、海外顧客対応に応用したいと考えています。
履歴書もあわせて準備する場合は、職歴の記載内容を職務経歴書と揃えておくと、面接時の食い違いを防げます。転職用の履歴書テンプレートを使うと、職歴欄の項目を職務経歴書と同じ形で整理できます。
提出先から様式の指定がない場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを選ぶと、どの企業に提出しても違和感がありません。

まとめ
- 採用担当者は担当市場・実績数値・語学力の3点を優先的に確認する
- 駐在経験がなくても、出張頻度や商談での役割を具体的に書けば評価は下がらない
- 実績は絶対値でなく達成率や伸長率でも数値化できる
- 語学力はTOEICスコアと実務での使用シーンをセットで記載する
- 貿易実務用語は業界外の人事担当者にも伝わる表現に変換する
書類は面接に進めるかどうかを決める最初の判断材料です。担当市場・実績・語学力の3点を意識して、自分の経験を具体的な言葉に置き換えてみてください。
海外営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 海外営業未経験でも職務経歴書だけで応募できますか?
-
応募は可能です。語学力(TOEICスコア等)や留学経験、国内営業での折衝実績を具体的に記載し、海外業務に対応できるポテンシャルを伝えてください。現在学習中の内容があれば、目標スコアとあわせて記載すると前向きな姿勢として受け取られる場合があります。
- 駐在経験がなくても書類選考は通りますか?
-
通ります。採用担当者が確認しているのは駐在の有無ではなく、海外顧客との折衝を実際にどう進めていたかという実務の中身です。出張頻度や商談での役割、対応言語を具体的に記載してください。
- TOEICが700点台でも語学力として記載すべきですか?
-
実務での使用実績があれば記載を推奨します。「英語:ビジネスレベル(TOEIC 760点)。商談議事録の作成・顧客メール対応が可能」のように、スコアと実務経験をセットで書くことで説得力が増します。
- 実績の数値を正確に覚えていない場合はどうすればいいですか?
-
概算でも問題ありません。給与明細のインセンティブ額や社内資料、当時のスケジュールから逆算し、「約」を付けて記載してください。面接で説明できる根拠を持っておくことが前提になります。

