この記事では、履歴書の志望動機の書き方を、採用担当者が実際に見ているポイントから解説します。書き出しと締めくくりの型、200〜300字にまとめるコツ、未経験・転職・新卒など状況別の例文、そして書類選考で落とされるNG例までまとめました。何を書けば通るのか迷って手が止まっている方が、書き始められる状態を目指します。
履歴書の志望動機で採用担当者が見ている3つのこと
志望動機の書き方を考える前に、読む側が何を確認しているのかを押さえておくと、書く内容がぶれません。採用担当者は履歴書の志望動機欄を、おおむね30秒から1分で読みます。その短い時間で見ているのは、文章のうまさではなく次の3点です。
採用担当者はここを見ている
- なぜこの会社なのか:他社ではなく自社を選んだ理由が書かれているか
- 入社後に何をしてくれるのか:活躍する姿を具体的に想像できるか
- 自己PRや職歴と矛盾していないか:書類全体で一貫したストーリーになっているか
この3点のうち、最も差がつくのが「なぜこの会社なのか」です。給与や福利厚生、知名度だけを理由にすると、採用担当者は「条件が同じなら他社に移るのでは」と受け取ります。志望動機は自分の熱意を伝える欄であると同時に、採用担当者が「長く働いてくれそうか」を見極める材料でもあります。
項目別の全体像から確認したい方は、履歴書全体の書き方を項目別にまとめた記事もあわせて確認すると、志望動機と他の欄の整合が取りやすくなります。

通過する志望動機の書き方【3ステップの型】
志望動機は「書き出し」「根拠となるエピソード」「締めくくり」の3段構成で組み立てると、伝わりやすくまとまります。ゼロから文章を考えるのではなく、この順番で埋めていく方法です。
| 構成 | 書く内容 | 目安の文字数 |
|---|---|---|
| 書き出し | 志望した結論(なぜこの会社か) | 50〜80字 |
| 根拠エピソード | その理由の裏付けとなる経験・実績 | 100〜150字 |
| 締めくくり | 入社後にどう貢献するか | 50〜80字 |
書き出しは結論から書く
書き出しでは、志望した理由の結論を先に置きます。「貴社の〇〇に魅力を感じ、志望いたしました」と冒頭で示すと、採用担当者は続きを読む前に方向性をつかめます。ここで自分史を語り始めたり、前置きを長く書いたりすると、肝心の理由が最後まで出てこず印象がぼやけます。
良い例文(書き出し)
貴社が地域密着で手がけるリフォーム事業に魅力を感じ、志望いたしました。前職で培った顧客対応の経験を、住まいの相談に寄り添う貴社のサービスで活かせると考えています。
根拠となるエピソードで裏付ける
書き出しの理由を、自分の経験で裏付けるのがこの部分です。ここが薄いと「言葉だけ」に見え、逆に具体的だと説得力が一気に増します。実績は数字を添えると伝わりやすくなります。「売上に貢献した」ではなく「担当店舗の客単価を前年比で約1割引き上げた」のように、行動と結果をセットで書きます。
根拠を強くする3つの要素
- いつ・どんな状況で取り組んだのか(背景)
- 自分が具体的に何をしたのか(行動)
- その結果どうなったのか(数字があると理想的)
締めくくりは入社後の貢献で結ぶ
締めくくりでは、これまでの経験を入社後にどう活かすかを書きます。「学ばせていただきたい」で終えると受け身に見えるため、「〜で貢献したい」と与える側の視点で結びます。応募先の事業内容と自分の強みが線でつながると、採用担当者は活躍する姿を想像しやすくなります。
志望動機の文字数は200〜300字が目安|余白で損をしない理由
履歴書の志望動機は、欄のサイズにもよりますが200〜300字が一つの目安です。採用担当者が30秒から1分で読み切れる量で、要点が絞られていて読みやすいと感じられます。文字数の指定がある場合は、その指定の8割以上を埋めるようにします。
採用担当者はここを見ている
- 欄がスカスカだと「志望度が低い」と受け取られやすい
- 欄からはみ出す・小さすぎる字での詰め込みは読みにくく逆効果
- 7〜8割まで自然に埋まっている状態が最も印象が良い
文字数を守っても、内容が薄ければ通過しません。文字数の配分や「余白で見抜かれる」仕組みをもっと詳しく知りたい方は、志望動機は何文字が正解かを解説した記事を確認してみてください。

状況別・そのまま書ける志望動機の例文
同じ3ステップの型でも、置かれた状況によって強調するポイントは変わります。ここでは代表的な3つのケースの例文を紹介します。自分の経歴に近いものを土台にして、会社名や具体的な経験を置き換えて使ってください。
経験者・同職種への転職
良い例文(経験者・転職)
前職では法人向けの営業として、新規顧客の開拓から契約後のフォローまでを担当し、担当エリアの受注件数を2年で約1.5倍に伸ばしました。貴社が力を入れている中小企業向けの提案営業で、この経験を即戦力として活かせると考え志望いたしました。入社後は既存顧客との関係構築にも貢献したいと考えています。
転職の場合は、退職理由と志望動機の一貫性も見られます。より詳しい状況別の型は、転職の志望動機の例文をまとめた記事で確認できます。

未経験・異業種への転職
未経験の場合は、業界の知識よりも「これまでの経験のどこが活かせるか」を軸にします。「学びたい」だけで終えると弱いため、前職で身につけた力と応募先の仕事を接続します。
良い例文(未経験・異業種)
前職の接客業では、一日に50名以上のお客様に対応し、要望を素早く汲み取る力を養いました。人と丁寧に向き合う姿勢は、貴社が大切にしている顧客対応の仕事でも活かせると考えています。未経験の分野ではありますが、これまで培った対応力を土台に、一日でも早く戦力になれるよう努めてまいります。
未経験でも差をつける書き方は、未経験の志望動機で差がつく例文の記事で詳しく解説しています。職種によっては、施工管理の志望動機のように職種別の切り口を参考にすると書きやすくなります。

新卒・第二新卒の場合
新卒はアピールできる職歴がない分、学生時代の取り組みや、その会社を選んだ理由の具体性で勝負します。200字程度に収めつつ、企業研究の跡が見える一文を入れると印象が変わります。
良い例文(新卒)
大学のゼミで地域企業の販促を支援する活動に取り組み、聞き取りから提案までを2年間続けてきました。貴社の「地域とともに成長する」という方針に共感し、現場に足を運んで課題を見つける姿勢で貢献したいと考え志望いたしました。学んだ提案力を、貴社の営業として早期に発揮できるよう努めます。
新卒向けの200字の型は、新卒の志望動機の例文と型を解説した記事で確認できます。介護職など職種別の例文が必要な場合は、介護の志望動機の例文16選もあわせて参考になります。

落ちる志望動機のNG例と直し方
型どおりに書いても、内容が次のパターンに当てはまると通過しにくくなります。採用担当者が「これは弱い」と感じる典型を、直し方とあわせて確認しておきます。
NG例(使い回し)
「貴社の経営理念に共感し、これまでの経験を活かして貢献したいと考え志望いたしました。」会社名を入れ替えてもそのまま通用する内容は、採用担当者に使い回しと見抜かれます。その会社ならではの事業や特徴に触れて具体化するのが直し方です。
NG例(条件・受け身)
「福利厚生が充実しており、腰を据えて長く働けると思い志望しました。」給与や休日など条件面が中心の志望動機は、他社でも同じ理由が成り立ちます。条件は志望のきっかけにとどめ、その会社の仕事内容に踏み込んで書き直します。
「共感」「成長したい」など、悪くないのに埋もれてしまう表現の避け方は、使い回しで落ちる人の共通点を解説した記事で具体的に紹介しています。

志望動機が思いつかないときの企業研究3手順
志望動機が書けないのは、熱意がないからではなく、その会社の情報が足りないだけのことがほとんどです。「なぜこの会社か」を書く材料は、次の3手順で集められます。
- 採用ページと事業内容を読む:どんな顧客に何を提供している会社かを一文で言えるようにする
- 競合と比べる:同業他社と何が違うのかを探すと「その会社ならではの理由」が見つかる
- 自分の経験と重ねる:見つけた特徴と、自分の経歴・強みが交わる点を志望動機にする
3手順で出てきたキーワードを、そのまま書き出し・根拠・締めくくりの型に流し込めば、その会社に向けた志望動機の骨組みができあがります。応募先ごとに手順1と2を繰り返せば、使い回しにならない志望動機を無理なく用意できます。
まとめ
- 採用担当者は「なぜこの会社か」「入社後に何をしてくれるか」「書類全体の一貫性」を見ている
- 書き出し(結論)→根拠エピソード→締めくくり(貢献)の3ステップで組み立てる
- 文字数は200〜300字が目安。欄の7〜8割を自然に埋める
- 会社名を入れ替えても成り立つ内容と、条件面中心の理由は避ける
型と例文が用意できたら、応募先の特徴を一文だけでも自分の言葉で入れてみてください。その一文が、他の応募者との差になります。
履歴書の志望動機に関するよくある質問
- 志望動機は何文字書けばいいですか?
-
欄のサイズにもよりますが、200〜300字が目安です。文字数の指定がある場合は、その8割以上を埋めるようにします。欄が大きく空くと志望度が低いと受け取られやすいため、7〜8割まで自然に埋まる分量を意識してください。
- 志望動機が思いつかないときはどうすればいいですか?
-
熱意がないのではなく、会社の情報が足りないことがほとんどです。採用ページで事業内容を確認し、競合と比べて違いを探し、その特徴と自分の経験が重なる点を書き出してみてください。その交点が「なぜこの会社か」の答えになります。
- 志望動機の例文をそのまま使ってもいいですか?
-
そのまま書き写すのは避けてください。採用担当者は多くの履歴書を読んでおり、会社名を入れ替えても成り立つ文章は使い回しと見抜かれます。例文は構成の型として使い、会社名や自分の具体的な経験に必ず置き換えてください。
- 未経験の職種でも志望動機は書けますか?
-
書けます。業界知識ではなく、前職で身につけた力のどこが応募先で活かせるかを軸にします。「学びたい」だけで終えず、これまでの経験と応募先の仕事を接続すると、未経験でも説得力のある志望動機になります。


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