この記事では、履歴書の志望動機を「書き出し・エピソード・締めくくり」の3ステップで組み立てる方法を解説します。経験者・未経験者別の例文と、採用担当者が使い回しと判断してしまうNG例もあわせて紹介します。
志望動機を書く前に確認したい3つの基本
履歴書の志望動機は、例文を当てはめる前に押さえておきたい基本があります。自己PRとの役割の違いと文字数の目安を先に確認しておくと、書き出したあとに内容がぶれにくくなります。採用担当者は、この2項目が重複していないかを最初にチェックしています。
志望動機と自己PRの違い
志望動機と自己PRは、混同されやすい項目です。片方に書くべき内容をもう片方にも書いてしまうと、内容が重複して薄く見えてしまいます。
| 項目 | 志望動機 | 自己PR |
|---|---|---|
| 目的 | なぜこの会社を選んだかを伝える | 自分の強みが会社でどう活きるかを伝える |
| 書く内容 | 企業への関心・入社後の展望 | 実績・スキル・エピソード |
| 避けたい書き方 | どの会社にも当てはまる内容 | 志望動機と同じエピソードの流用 |
文字数・レイアウトの目安
志望動機欄の文字数は、200〜300字程度が目安です。欄の大きさに対して余白が目立つと熱意が伝わりにくく、逆に文字を詰め込みすぎると読みにくくなります。
- 手書きの場合:欄の8割程度を目安に収める
- PC作成の場合:フォントサイズを本文と統一し、行間を詰めすぎない
- 結論・エピソード・締めくくりの3要素で配分する
履歴書の志望動機、基本の書き方3ステップ
志望動機は「書き出し」「エピソード」「締めくくり」の3ステップで組み立てると、限られた文字数でも要点が伝わります。それぞれの役割を確認しながら、自分の経験に置き換えてみてください。
書き出しで結論を先に伝える
最初の一文で「なぜこの会社なのか」という結論を伝えます。背景の説明から入ると、採用担当者は最後まで読まないと要点がつかめず、印象が薄くなります。
良い例文
貴社が展開する地域密着型の営業スタイルに強く惹かれ、志望いたしました。
エピソードで説得力を持たせる
結論のあとに、その会社を選んだ根拠となる経験や気づきを添えます。ここで具体的な業務内容や数字を盛り込むと、応募先企業でしか成立しない文章になり、使い回しではないことが伝わります。
- 前職での担当業務と、そこで得た気づき
- 応募先企業の事業内容・商品・サービスとの接点
- 数字や固有名詞など、具体性のある情報
締めくくりで入社後の貢献を示す
最後は、入社後にどう貢献するかで締めます。「頑張ります」で終わらせず、これまでの経験をどう活かすかまで書くと、採用担当者は入社後の働き方を具体的にイメージできます。
良い例文
入社後は前職の接客経験で培った提案力を活かし、貴社の顧客満足度向上に貢献してまいります。
NG例
精一杯頑張りたいと思います。入社後の貢献イメージが伝わらず、意気込みだけで終わってしまっています。
採用担当者は志望動機のここを見ている
採用担当者が志望動機を重視するのは、入社後の定着度を見極める材料になるためです。表現が整っていても、内容がどの会社にも当てはまるものであれば、本気度は伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 会社選びの理由の具体性:「なぜこの会社でなければならないか」が読み取れるか
- 貢献イメージの明確さ:入社後にどう活躍したいかが具体的に書かれているか
- 他の項目との一貫性:職務経歴書や自己PRの内容と矛盾していないか
職務経歴書とも内容の一貫性を持たせることが、通過率を左右します。書き方に迷う場合は職務経歴書の書き方もあわせて確認しておくと、書類全体の説得力が高まります。

経験者・未経験者・状況別の志望動機例文
志望動機は、応募者の状況によって強調すべきポイントが変わります。自分の状況に近いパターンを参考に、経験や気づきを当てはめてみてください。
転職・経験者の例文
経験者は、これまでの実務経験と応募先企業の事業内容をどう結びつけるかがポイントです。実績を数字で示すと説得力が増します。
良い例文
前職では法人営業として3年間、新規開拓を担当してまいりました。貴社の〇〇分野への注力方針に共感し、これまでの営業経験を新しい環境で活かしたいと考え志望いたしました。入社後は既存の提案力を土台に、貴社の売上拡大に貢献してまいります。
未経験・第二新卒の例文
未経験の場合は、実務経験の代わりに学ぶ姿勢と、これまでの経験で培ったポータブルスキルを伝えます。「未経験だから何もない」ではなく、これまでの経験の中で応募先に活かせる部分を1つでも見つけて言葉にします。
良い例文
これまで接客業でお客様の要望を聞き取り、提案につなげる経験を積んでまいりました。未経験の業界ではありますが、貴社の研修制度を活用しながら早期に戦力となれるよう努力し、接客で培った傾聴力を新しい業務でも活かしてまいります。
特に志望理由がない・迷っている場合の書き方
「勤務地」や「給与」が応募のきっかけでも、そのまま書く必要はありません。条件を選んだ背景には、働き方や将来設計への希望があるはずです。そこを言語化すると、条件だけの志望動機から抜け出せます。
たとえば「自宅から通いやすい」であれば、長く腰を据えて働きたいという意図に、「給与が魅力」であれば、成果を正当に評価してほしいという意図に言い換えられないか考えてみてください。応募先企業の求人情報や採用ページから、その意図と重なる情報を1つ見つけて添えるだけでも説得力が増します。
職歴に空白期間がある場合は、志望動機の中でその期間の過ごし方に軽く触れておくと、採用担当者の疑問を先回りできます。詳しい書き方は履歴書の空白期間の書き方で状況別に紹介しています。

採用担当者が思わず落とすNGパターン
文章として破綻していなくても、内容によっては選考で不利になる志望動機があります。書き終えたあとに、次のパターンに当てはまっていないか見直してみてください。
NG例:待遇面だけを理由にする
「福利厚生が充実しており、安定して働けると思い志望しました」仕事内容への関心が読み取れず、待遇目当てという印象を与えてしまいます。
NG例:どの会社にも当てはまる内容
「貴社の企業理念に共感し、志望いたしました」だけで終わると、同業他社の名前に差し替えても成立してしまいます。理念のどの部分に、なぜ共感したのかまで書く必要があります。
このほか、次のような書き方も採用担当者からマイナス評価を受けやすい傾向があります。
- 「入社させていただけたら」など、受け身な姿勢が目立つ表現
- 自己PRや職務経歴書の内容と矛盾している
- 自社サービス・商品名の誤記や、業界研究不足がにじむ内容
書き終えたら確認したいセルフチェックリスト
提出する前に、次の項目を確認してください。いずれも採用担当者が書類選考で実際に確認しているポイントです。1つでも当てはまらない場合は、該当の項目に戻って書き直すことをおすすめします。
- 最初の一文で「なぜこの会社か」という結論を伝えているか
- エピソードは応募先企業ならではの内容になっているか
- 自己PR・職務経歴書の内容と矛盾していないか
- 入社後の貢献イメージが具体的に書かれているか
- 待遇面だけを理由にした文章になっていないか
まとめ
- 志望動機は「書き出し・エピソード・締めくくり」の3ステップで組み立てる
- 採用担当者は会社選びの理由の具体性と入社後の貢献イメージを見ている
- 条件が応募のきっかけでも、その背景にある希望を言語化すれば説得力が出る
書類選考を通過したあとの面接では、この志望動機をさらに深掘りされる場面が多くあります。書いた内容をそのまま覚えるのではなく、エピソードの詳細まで話せるように準備しておくと安心です。
履歴書の志望動機に関するよくある質問
- 志望動機と自己PRを同じ内容にしてもいいですか?
-
志望動機は「なぜこの会社か」、自己PRは「自分の強みがどう活きるか」を伝えるためのものです。重なる部分があっても構いませんが、全く同じ文章にすると内容が薄く見えるため、視点を変えて書き分けることをおすすめします。
- 志望動機が思いつかない場合はどうすればいいですか?
-
給与や勤務地などの条件が入り口になっていても構いません。その条件を選んだ背景にある「働き方への希望」や「会社の事業内容との接点」を言語化すると、具体性のある志望動機になります。
- 志望動機の文字数はどのくらいが適切ですか?
-
履歴書の志望動機欄は200〜300字程度が目安です。欄の大きさに合わせて、要点が伝わる範囲で調整してください。
- 志望動機は面接でも聞かれますか?
-
ほとんどの面接で聞かれます。履歴書に書いた内容をそのまま話すだけでなく、より詳しいエピソードを添えて話せるように準備しておくと安心です。


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