この記事では、事務職の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。一般事務・営業事務・経理事務の職種別見本に加え、採用担当者が確認する3つのポイントと、よくあるNG例も例文とセットで紹介します。
採用担当者が事務職の職務経歴書で最初に確認する3つのこと
事務職は応募倍率が高く、書類選考で多くの候補者が絞り込まれます。採用担当者が職務経歴書を確認するのは平均30秒以下とされており、瞬時に「この人は使えるか」を判断しています。
採用担当者はここを見ている
- 「電話対応を担当していました」だけでは何もわからない。「1日50件・伝達ミスゼロ」なら処理能力が伝わる
- PCスキルは「使えます」ではなく「どの機能を使えるか」が採否の判断基準になる
- 言われた仕事だけこなす受け身の職歴より、自分で課題を見つけて動いた経験がある人材を選ぶ
①業務量・処理件数を数値で示しているか
採用担当者が事務職に求めるのは「正確さ」と「処理能力」です。どれだけの量を、どれだけの精度でこなせるかという実績を数値で示すことが、競合候補との差別化につながります。
NG例
「電話対応・データ入力・請求書作成を担当していました。」業務内容の羅列だけでは、量・精度・能力水準が伝わりません。
良い例
「電話対応1日40〜60件(英語対応10%含む)、月次請求書150件の作成・発送を担当。処理ミスは在職4年間でゼロを維持。」
数値化できる項目の例としては次のようなものがあります。
- 1日の電話・メール対応件数
- 月次処理する書類の件数(請求書・発注書・納品書など)
- 管理している顧客・取引先の社数
- サポートした担当者の人数・部署規模
②PCスキルの具体的なレベルが書かれているか
「Excel使用可」という記載は採用担当者にほとんど情報を与えません。関数が使えるのか、マクロが組めるのか——この差が採用判断に直結します。
NG例
「Excel・Word・PowerPoint使用可」操作できることはわかりますが、レベルが不明なため採用担当者は判断できません。
良い例
「Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル・条件付き書式・グラフ作成)、Word(差し込み印刷)、PowerPoint(営業資料作成)、Google Workspace(ドキュメント・スプレッドシート)、Slack」
業務ソフトや社内システムの経験も必ず記載します。特に会計ソフト(弥生会計・freee)やSFA/CRM(Salesforce)の経験は即戦力の証明になるため、積極的にアピールしましょう。
③能動的な改善・効率化の姿勢があるか
採用担当者が評価するのは「言われた仕事をこなす人」ではなく「自分で課題を見つけて動ける人」です。事務職でも、日常業務の中で小さな改善をしていたかどうかが評価ポイントになります。
「改善エピソード」として使えるものの例:
- 書類フォーマットを統一して作業時間を短縮した
- 問い合わせ管理台帳を作成して対応漏れをなくした
- 月次集計のExcelマクロを組んで処理時間を削減した
- 新人向けの業務マニュアルを作成した
「何のために」「どう変わったか」を添えるだけで、採用担当者の目に止まる記述に変わります。
事務職の職務経歴書の基本構成と各項目の書き方【見本付き】
事務職の職務経歴書はA4用紙1〜2枚が基本です。以下の構成が標準的で、採用担当者も見慣れているため読みやすく好印象を与えます。
| 項目 | 目安文字数 | 主な記載内容 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 150〜200文字 | 経験年数・業務の概要・主な強み |
| 職務経歴 | 400〜600文字 | 会社情報・在籍期間・担当業務 |
| 資格・PCスキル | 50〜100文字 | 保有資格・使用可能ソフト・業務ツール |
| 自己PR | 300〜500文字 | 強み・入社後の貢献イメージ |
①職務要約(200文字程度)の書き方と見本
職務要約は採用担当者が最初に読む部分です。「誰が・どこで・何を・どのくらい」が伝わる構成にします。書き方の基本は「①経験年数と職種 ②主な担当業務と規模 ③特筆すべき実績または強み」の3点を150〜200文字以内にまとめることです。
良い例文
「株式会社〇〇にて一般事務を5年間担当。受発注管理・請求書処理(月150件)・電話対応(1日40件)を中心に、部門間の調整業務も幅広く担当しました。Excel(VLOOKUP・ピボット)を活用した月次集計業務も担い、集計時間を従来比40%短縮した実績があります。」(137文字)
NG例
「入社以来、事務業務全般を担当してきました。丁寧な仕事を心がけており、上司からも評価されています。」「何ができるか」が一切伝わらず、採用担当者の記憶に残りません。
②職務経歴・業務内容の書き方と見本
会社概要(業種・規模)と在籍期間を明記した上で、業務内容をリスト形式で記載します。可能な限り数値を添えると説得力が高まります。
会社情報として書くべき項目:
- 会社名・業種(守秘義務がある場合は「食品メーカー(従業員300名)」等でもOK)
- 従業員数・売上規模(把握している範囲で)
- 自分が所属した部署・チーム構成
業務内容の良い書き方(見本)
【会社情報】株式会社〇〇(食品商社)/従業員120名/所属:営業事務部(5名)
【在籍期間】2019年4月〜2024年3月(5年)
【担当業務】
・受発注処理(月200〜250件)
・請求書・納品書の作成・発行
・電話・メール対応(1日30〜50件)
・営業担当者(7名)へのサポート業務全般
・売上データのExcel管理・月次集計(集計時間を2時間→30分に短縮)
③資格・PCスキル欄の書き方と見本
資格は「正式名称 + 取得年月」で記載します。業務で使用したソフト・ツールはすべて列挙し、使用レベルを補足することが大切です。
| 資格・スキル | 詳細 |
|---|---|
| 日商簿記2級 | 2019年6月取得 |
| MOS Excel(エキスパート) | 2021年3月取得 |
| Excel | VLOOKUP・ピボットテーブル・条件付き書式・グラフ作成 |
| Word | 差し込み印刷・スタイル設定 |
| 業務ソフト | 弥生会計(仕訳入力・振替伝票)、Salesforce(顧客管理・商談管理) |
④自己PRの書き方と見本
自己PRは「強み → 具体的なエピソード → 入社後の貢献イメージ」の3段構成が効果的です。
良い例文(一般事務)
事務業務においてミスなく迅速に処理することを最優先に取り組んできました。前職では請求書処理・受発注管理を担当し、月250件の処理を在職4年間でミスゼロを継続しています。また、業務上の非効率を発見した際には自発的に改善策を提案してきました。電話対応マニュアルを作成した際は、新人の習熟期間が従来の3週間から1週間に短縮されました。貴社でも確実で丁寧な事務処理と積極的な業務改善を通じて、チームへの貢献を目指します。
NG例
「几帳面で丁寧な性格です。コツコツ仕事することが得意で、ミスが少ないと言われています。」自己評価のみで証拠がなく、採用担当者の判断材料になりません。
職務経歴書の作成に行き詰まったときは、プロによる職務経歴書の添削サービスを利用して第三者の視点でチェックしてもらう方法もあります。

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事務職のタイプによってアピールすべきスキルと実績が異なります。自分の経験に近い見本を参考に、具体的な数値と業務内容に落とし込んでください。
一般事務の職務経歴書 見本
一般事務は業務範囲が広いため、「何でもできます」ではなく「何が得意か・何を担ってきたか」を絞って伝えることが採用担当者の印象に残るポイントです。
一般事務 職務要約(見本)
株式会社〇〇にて一般事務を5年間担当。受発注管理(月200件)・電話応対(1日50件)・書類作成を中心に、部内の業務マニュアル整備も担当しました。Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を用いた月次集計業務では集計時間を2時間→30分に短縮した実績があります。
採用担当者はここを見ている
- 「月200件」「1日50件」と数値が具体的で処理能力が伝わる
- 「集計時間を短縮」という能動的な実績があり、改善意識が示されている
- マニュアル整備という「仕組みを作った」経験は、将来のリーダー候補として評価される場合がある
営業事務の職務経歴書 見本
営業事務では「営業担当何名をサポートしているか」「どの程度の売上規模を動かしているか」を示すことで、業務の重さが採用担当者に伝わります。
営業事務 職務要約(見本)
IT商社の営業部門(担当者8名)をサポートする営業事務として3年間勤務。見積書・注文書の作成(月300件)、納期管理・顧客対応(1日20件以上)、Salesforceによる商談データ入力・管理を担当。担当部署の月次売上が前年比120%に達した繁忙期も滞りなく書類対応を完遂しました。
採用担当者はここを見ている
- 「担当者8名」「月300件」でサポート規模が具体的にわかる
- SalesforceというCRMツールの経験が即戦力感を高める
- 「売上前年比120%の繁忙期でも対応を完遂」は、プレッシャー下での安定稼働の証明になる
経理事務の職務経歴書 見本
経理事務では保有資格と使用会計ソフトの明記が必須です。仕訳入力や決算補助など、どの範囲まで対応できるかを具体的に示すことで採用判断がしやすくなります。
経理事務 職務要約(見本)
中小製造業(従業員60名)の経理担当として4年間勤務。弥生会計を使用した月次仕訳入力(月350〜400件)、請求書・振込処理(月80件)、年次決算の補助業務を担当。日商簿記2級を保有し、決算書の読み取りと月次試算表の作成まで対応できます。消費税改定時には仕訳ルールの見直しを担当し、税務調査でも指摘ゼロを達成しました。
採用担当者はここを見ている
- 月次仕訳件数と決算補助の経験で、経理スキルの幅がわかる
- 「税務調査で指摘ゼロ」は正確性の高い実績として信頼度が増す
- 会計ソフト(弥生会計)と資格(日商簿記2級)の両方を明記することで即戦力性が高まる
「書くことがない」と感じた人が試してほしい3つの視点
「毎日同じ作業の繰り返しで、書けるものがない」と感じている方は少なくありません。しかし日常業務の積み重ねにこそ、採用担当者が評価する材料が埋まっています。
視点①:量で表現する
「電話対応をした」ではなく、「1日何件対応したか」に変換します。処理件数を把握していない場合は、在職期間に掛け合わせて概算を出すだけで構いません。「月〇件」という数字があるだけで、採用担当者の頭の中の解像度が上がります。
視点②:誰のために・何を・どう貢献したかで語る
「書類整理をした」ではなく、「営業7名が必要な資料にすぐアクセスできるようにファイリングを再整備した」と言い換えると、仕事の意図と貢献が見えてきます。
自分の業務を「誰のために(Who)」「何をした(What)」「どんな結果になったか(Result)」の3点で整理し直すだけで、地味に見えていた職歴が採用担当者に響く実績として書けるようになります。
視点③:自分の当たり前が武器になることがある
「Excel集計はできて当然」と思っていても、VLOOKUP・ピボットテーブルを日常的に使いこなせる事務スタッフは思ったより少ないものです。自分が当たり前にやっていることをいったんリストアップし、「これができない職場もある」と意識して書き直してみてください。
書き方に行き詰まったときは、職務経歴書の自動作成ツールで骨格を作り、そこに数値や具体的エピソードを肉付けする方法も有効です。

未経験から事務職に転職する場合の職務経歴書の書き方
事務未経験での転職では「即戦力」より「早期に活躍できる素地がある」ことを証明することが目標です。次の3点を意識して作成します。
①事務スキルとの共通点を前職から探す
前職で文書作成・データ整理・電話対応などをしていた場合、それが事務業務と重なることを明記します。「前職はまったく異業種」と感じていても、業務を細分化すると事務的な要素が見つかることは多いです。
前職(販売スタッフ)→事務への変換例
「接客業で1日100名以上の来店客に対応し、クレーム対応も独力で処理してきました。毎日の売上集計・在庫管理・仕入れ発注業務も兼任しており、電話・メール対応と書類作成の基礎を実務で身につけています。」
②PCスキルは現在のレベルを正確に書く
「Excel少し使えます」ではなく、「Excel基礎(セル操作・SUM・IF関数程度)」と正確に記載します。学習中の場合は「MOS取得に向けて学習中」と書くことで前向きな姿勢が伝わります。背伸びして書いた内容は入社後にすぐ発覚するため、正確さを優先してください。
③自己PRで事務職を志望する積極的な理由を添える
なぜ事務職を希望するかを、消極的な理由ではなく積極的な言葉で書きます。自分のどんな特性が事務職に向いているかを、具体的なエピソードとセットで示してください。
未経験向け自己PR(見本)
前職(販売スタッフ・3年)では毎日の売上集計・在庫管理・発注業務も兼任しており、実質的に事務業務の一部を担っていました。Excel(SUM・VLOOKUP・グラフ作成)と基幹システムへのデータ入力も業務に含まれており、MOS Excel(一般)を2024年に取得しています。細かい作業を正確に積み上げることにやりがいを感じており、前職でも数字の入力ミスはゼロを維持してきました。貴社でも即戦力として事務業務を担えると考えています。
一人では対応が難しいと感じた場合は、転職エージェントや職務経歴書の代行サービスを活用する方法もあります。

事務職の職務経歴書でやりがちなNG例と改善策
採用担当者が「通らない職務経歴書」と判断するパターンには共通点があります。自分の書類と照らし合わせて確認してください。
NG①:業務内容の羅列だけで実績がない
NG例
「電話対応、データ入力、書類作成、ファイリング、来客対応などを担当しました。」「何をしたか」のリストだけでは、量・質・能力水準が採用担当者に届きません。
改善後
「電話対応(1日30〜50件、うち英語対応10%程度)、受発注データ入力・確認(月200件)、取引先別ファイリング整備(50社分)を担当。書類の伝達ミスを在職中ゼロで維持しています。」
NG②:PCスキルが「使用可」だけ
NG例
「PCスキル:Word、Excel、PowerPoint使用可」Excelが「表が作れる程度か」「VBAが書けるか」判断できず、採用担当者は次の候補者に進みます。
改善後
「Excel(VLOOKUP・INDEX/MATCH・ピボットテーブル・条件付き書式・グラフ作成)、Word(差し込み印刷・スタイル設定)、PowerPoint(社内プレゼン資料作成)、freee(仕訳入力・振込作成)」
NG③:自己PRが性格の説明だけで終わっている
NG例
「几帳面で丁寧な性格です。コツコツ仕事することが得意で、ミスが少ないと言われています。」採用担当者は証拠を求めています。「言われている」だけでは何も伝わりません。
改善後
「精度を重視する業務姿勢から、月次請求書処理(150件)において在職4年間でミスゼロを継続しています。繁忙期は他メンバーのサポートに回ることもあり、部門全体の処理速度向上に貢献してきました。」
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 業務量は具体的な数値で示す(「月〇件」「1日〇件」)
- PCスキルは使える機能・ソフト名を具体的に記載する
- 採用担当者が評価するのは「能動的な改善エピソード」がある職務経歴書
- 職種別(一般事務・営業事務・経理事務)で強調すべき実績が異なる
- 「書くことがない」と感じたときは、量・貢献・当たり前スキルの3視点で棚卸しする
事務職の書類選考を通過するには、自分の業務を「採用担当者が知りたい言葉」に変換することが最初の一歩です。この記事の見本と視点を活用して、採用担当者に伝わる職務経歴書を仕上げてください。
職務経歴書 事務職に関するよくある質問
- 事務職の職務経歴書は手書きでもいいですか?
-
手書きでも提出は可能ですが、事務職の場合はPC作成が一般的です。採用担当者はPCスキルを重視するため、PC作成の職務経歴書そのものがスキルのアピールになります。誤字脱字を防ぐためにも、WordやGoogleドキュメント、専用ツールを使って作成することをお勧めします。
- 職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が基本です。枚数に厳密な決まりはありませんが、1枚では情報不足になりがちで、3枚以上は採用担当者の負担が増します。経験年数が少ない場合は1枚、複数社・複数業種の経験がある場合は2枚にまとめるのが目安です。
- 在職中で実績の数値が変わり続けています。どう書けばいいですか?
-
「2026年〇月現在」という時点を明記した上で、その時点の最新情報を記載してください。応募するたびに最新の数値に更新することで、採用担当者に実力を正確に伝えられます。特に月次処理件数や在職年数など変動する情報は、面接前に必ず確認する習慣をつけると安心です。
- 事務職を未経験で転職する場合でも職務経歴書は必要ですか?
-
必要です。未経験でも、前職の業務内容と事務職との共通点(PCスキル、書類処理、電話対応など)を記載することで適性をアピールできます。「学習中の資格」「自主的なPC学習」などを記載し、入社後の成長意欲を示すことも有効です。


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