この記事では、事務職の転職で職務経歴書に書くことが見当たらないと感じる方向けに、採用担当者が実際に確認しているポイントをもとに、経験を正確に伝える書き方と、一般事務・営業事務・経理事務の職種別例文を解説します。
採用担当者が事務職の職務経歴書を落とす理由
事務職の求人は応募者が集まりやすく、採用担当者は短時間で多数の書類を判断しています。その中で「通過」を決める書類と、そうでない書類の間には明確な違いがあります。
「業務の羅列」が選考を通らない本当の理由
「電話対応、来客対応、データ入力、郵便物管理、備品管理」——このような記述で終わっている書類は、事務職の職務経歴書でよく見られるパターンです。
採用担当者はこのような書類に対して、次のような判断を下しています。
採用担当者はここを見ている
- 「何ができる人かはわかるが、どのくらいできるかがわからない」
- 「業務をこなしているだけで、成長や組織への貢献が見えない」
- 「他の候補者と何が違うのかを判断できない」
業務の「種類」だけを書いても、採用担当者は「自社で活躍できるかどうか」を判断できません。必要なのは、「どの規模・量で、どのような工夫をして、何に貢献したか」という情報です。
事務職が書類選考で埋もれる3つのパターン
採用担当者が実際に落とす事務職の職務経歴書には、共通するパターンがあります。自分の書類に当てはまっていないか確認してください。
| よくあるNG | 問題点 |
|---|---|
| 「Word・Excel使用可」だけの記載 | 習熟度が不明。全員が書くため差がつかない |
| 数字が一切ない | 業務の規模感・成果が伝わらない |
| 「几帳面です」「コミュニケーション能力があります」のみ | 事務職応募者全員が書く。エピソードと結果がなければ意味をなさない |
「書き方を知っているかどうか」よりも、「自分の経験をどう見せるか」が書類選考の通過率を左右します。次のセクションでは、書く前の棚卸し方法から解説します。
職務経歴書の全体的な書き方については、職務経歴書の書き方の基本と見落としがちなポイントもあわせて確認してみてください。

書く前に整える「事務スキルの棚卸し」3ステップ
職務経歴書を書き始める前に、自分の経験を「採用担当者が読みやすい形」に整理する作業が必要です。この棚卸しをせずに書き始めると、結果として業務の羅列になってしまいます。
「何をしていたか」から「どう役立ったか」へ
棚卸しの基本は、「何をしていたか」という事実を「どう役立ったか」という価値に変換することです。以下の表を参考に、自分の業務を書き換えてみてください。
| 事実(やっていたこと) | 価値(どう役立ったか) |
|---|---|
| 電話対応 | 月平均150件の受電を一人で担当、折り返し漏れをゼロに維持 |
| データ入力 | 受注データの入力ミス率を3%から0.5%に改善 |
| スケジュール管理 | 5名分の日程調整を担当、会議の二重予約を防止 |
| 備品管理 | 在庫管理を一元化し、欠品による業務停止をゼロに維持 |
この変換ができると、採用担当者は「この人が自社で働いた場合の具体的なイメージ」を持てるようになります。
「Excelが使えます」で終わらないスキルの具体化
事務職の職務経歴書でもっとも差がつくのが、PCスキルの書き方です。「使用可」の一言で終わらず、習熟度がわかる表現に変えることが重要です。
| NG表現 | OK表現 |
|---|---|
| Excel使用可 | Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル・条件付き書式・マクロ基礎) |
| Word使用可 | Word(議事録作成・差し込み印刷・目次自動生成) |
| PowerPoint使用可 | PowerPoint(月次報告資料の作成・アニメーション設定) |
| 事務経験あり | 伝票入力・経費精算処理(月平均○件)・請求書発行 |
MOS資格(Word・Excel・PowerPoint)を保有している場合は、必ず資格欄に記載してください。採用担当者にとって、スキルレベルを客観的に示す有力なシグナルになります。
数字がなくても実績は作れる
「自分には数字で表せる実績がない」と感じる方は少なくありません。しかし、事務職の実績は売上数字でなくて構いません。以下の観点で業務を振り返ると、数字を見つけやすくなります。
- 量:月に何件処理していたか、何名分のサポートをしていたか
- スピード:以前と比較して処理時間をどのくらい短縮したか
- 精度:エラー率の改善、手戻りをどのくらい減らせたか
- 貢献実績:業務改善の提案が採用された経験、マニュアルを作成した経験
数字がどうしても出せない場合でも、「○年間担当し続けた経験の蓄積」「後任に引き継いだ経験」なども実績として書けます。
数字なしで職務経歴書を書く具体的な方法については、職務経歴書の実績なし例文(数字ゼロでも通過する書き方)を参照してください。

事務職の職務経歴書 基本構成と各項目の書き方
職務経歴書の基本構成は「職務要約・職務経歴/業務内容・資格・スキル・自己PR」の4〜5項目です。採用担当者はA4用紙1〜2枚で書類を確認するため、それぞれの項目を簡潔かつ具体的に記載することが求められます。
職務要約(最初の3〜4行が合否を決める)
職務要約は職務経歴書の「顔」です。採用担当者が最初に目を通す箇所であり、ここで印象をつかめなければ残りの内容が詳しく読まれないケースもあります。
採用担当者はここを見ている
- 職種・業界・経験年数を最初の1文で把握できるか
- 「この人なら自社でどう活躍できるか」が伝わっているか
- 応募先の業務内容と自分の経験がマッチしているか
良い例とNG例を比較します。
NG例
事務職として7年間勤務してきました。電話対応やデータ入力を中心に業務を行い、様々な業務に対応してきました。コミュニケーション能力には自信があります。
→「様々な業務」「コミュニケーション能力」は採用担当者に何も伝えない。7年間の経験の中身が見えない。
良い例
一般事務として7年間、製造業(従業員120名規模)の管理部門で勤務。月平均180件の受電対応、10名分のスケジュール管理、月次経費精算処理を担当。Excelを使ったデータ集計・定型レポート作成を行い、業務効率化の提案を3件実施。新入社員へのOJT研修も担当し、業務マニュアルの整備に貢献しました。
→ 企業規模・業務の量・スキルと貢献実績が1段落に凝縮されている。読むだけで活躍イメージが湧く。
職務経歴・業務内容の書き方
職務経歴欄は「在籍期間・会社概要・担当業務」の3点を記載します。採用担当者は会社概要から業務環境を判断し、担当業務の記載で即戦力かどうかを評価します。
会社概要の記載例
会社名:○○株式会社
事業内容:機械部品の製造・販売(従業員数280名、年商50億円規模)
在籍期間:2018年4月〜2024年3月(6年間)
業務内容は箇条書きで記載し、メインで担当していた業務は先頭に記載します。補助的な業務は後半にまとめることで、採用担当者が重要な情報をすぐに見つけられます。
資格・PCスキル欄
資格・スキル欄は採用担当者が「即戦力かどうか」を判断するための項目です。保有資格はすべて正式名称で記載し、特に以下は優先的に記載してください。
- MOS(Microsoft Office Specialist):Word・Excel・PowerPointの習熟度の客観的証明になる
- 日商簿記:経理事務・総務経理を目指す場合は2級以上が強力なアピールになる
- 秘書検定:一般事務・秘書業務を目指す場合、ビジネスマナー習得の証明になる
- TOEIC:英語を使う業務がある場合、スコアとともに記載する
PCスキルは「使用経験あり」ではなく、具体的な活用例と習熟度を添えて記載します。資格がなくても「実務で使ってきた機能」を列挙するだけで、採用担当者の印象は変わります。
自己PR欄(選ばれるための書き方)
自己PRは「業務への向き合い方」と「採用先への貢献イメージ」を伝える場所です。「几帳面」「コミュニケーション能力があります」といった表現だけで終わると、採用担当者は判断材料を持てません。
具体的なエピソードを1〜2つ交えて記述することが、他の応募者との差を生みます。構成は以下の3点で組み立てると書きやすくなります。
- 自分の強み(1文):具体的にどんな点が強みか
- エピソード(2〜3文):その強みが発揮された場面と結果
- 応募先への貢献(1文):その経験を入社後にどう活かせるか
自己PR欄の「活かせる能力」を具体的に書く方法については、職務経歴書の活かせる能力欄の書き方と例文も参考にしてください。

事務職種別 職務経歴書例文
ここでは一般事務・営業事務・経理事務の3職種別に、職務要約の例文を紹介します。自分の経験に合わせて書き換える際の参考にしてください。
一般事務の例文
一般事務は応募者数が多いため、職務要約で業務の規模感と貢献実績を明確に示すことが特に重要です。
一般事務(経験者・転職)
メーカー管理部門にて一般事務を4年間担当。総務・経理補助・来客対応を担い、月次経費精算処理150件・受電対応200件を主担当として対応。Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)を活用した集計業務のほか、月次レポートのテンプレート化を提案・実施し、作成時間を半減。関連するコスト削減提案2件が採用された実績を持ちます。
一般事務(育児後の職場復帰・ブランクあり)
育児に伴う3年間のブランク後、パート事務として復帰(○年〜)。データ入力・電話対応・郵便物管理を担当し、在籍中はミスゼロを維持。ブランク期間中にMOS Excel(一般)を取得。現在はフルタイム勤務を前提に転職活動を進めており、即日業務に対応できる状態にあります。
営業事務の例文
採用担当者はここを見ている(営業事務)
- 営業担当との連携・サポートに関する具体的な記述があるか
- 受注管理・売上集計・在庫確認などバックオフィス業務の経験は何年か
- 電話・メール対応の件数・質感(クレーム対応の経験も評価の対象になる)
営業事務(経験者)
消費財メーカーにて営業事務を3年間担当。営業担当15名分の受注処理・請求書発行・在庫確認を担い、月平均受注件数は約300件。顧客からの問い合わせ対応(電話・メール)では、回答リードタイムを平均2日から翌日以内に改善。営業部向けExcel売上週報の作成を担当し、テンプレート化により作成時間を約40%短縮しました。
営業事務では電話対応スキルが重視されることが多く、電話対応業務の具体的な書き方については職務経歴書の電話対応欄の書き方と採用担当者が見るポイントを参照してください。

経理事務の例文
採用担当者はここを見ている(経理事務)
- 使用している会計ソフト(弥生会計・freee・マネーフォワードなど)の記載
- 日商簿記の保有有無(2級以上なら即戦力シグナルになる)
- 月次・年次決算補助の経験の有無と担当範囲
経理事務(経験者・日商簿記2級保有)
建設会社の経理部門にて経理事務を5年間担当(日商簿記2級保有)。勘定科目別の仕訳入力(月平均200仕訳)・経費精算処理・支払業務を担当。弥生会計を使用した月次締め処理をメイン担当として引き継ぎ、ミス件数ゼロを維持。年次決算補助では外部監査対応のための書類整理・照合を担当しました。
経理事務(未経験から転職)
営業事務3年の経験後、経理事務へ転職を希望(日商簿記2級取得済み)。前職ではExcelによる売上データ集計・月次予算実績管理に携わり、数値管理への適性を確認。弥生会計は独学で基礎操作を習得済み。正確性と改善への取り組みを活かし、早期に戦力となれる体制を整えています。
採用担当者が思わず通過させたくなる差別化テクニック
ここまでの内容で職務経歴書の基本は押さえられました。ここでは、さらに差をつけるための視点を紹介します。
NG例→OK例で見るbefore/after
実際の書き直し事例を見てみましょう。同じ経験を持つ人でも、表現の仕方で書類通過率が変わります。
NG例(自己PR)
コミュニケーション能力を活かして業務に取り組んでおりました。何事にも几帳面に丁寧に対応し、周りから頼られる存在でした。
→ 抽象的な表現のみ。具体的な場面も結果もないため、採用担当者には何も伝わらない。
OK例(同じ経験を書き直した場合)
入社2年目から電話対応の一次受けを一人で担当。月平均170件の受電のうち、折り返し対応が必要な案件は当日中の対応を徹底し、担当3年間で未対応件数ゼロを維持しました。クレーム案件では状況整理と担当部署への即時エスカレーション体制を自ら構築し、後任へのOJTも担当。引き継ぎ後も同水準の対応が維持されています。
→ 業務の量・継続した実績・改善内容・引き継ぎ実績まで示されており、採用後のイメージが湧く。
事務職で差がつくポータブルスキルの見つけ方
ポータブルスキルとは、業種・職種が変わっても通用する汎用能力のことです。事務職の経験の中には、気づかずに積み上げてきたポータブルスキルが多く含まれています。
| スキルカテゴリ | 事務職で身につく例 | 職務経歴書での表現 |
|---|---|---|
| 情報整理・管理 | 複数案件の進捗管理 | 「複数プロジェクトの同時管理と優先順位判断」 |
| 部門間連携 | 営業・製造・経理をつなぐ調整役 | 「3部門をつなぐ社内窓口として情報集約を担当」 |
| 業務改善 | Excelマクロ導入 | 「月次集計を6時間→1時間に短縮するマクロを開発」 |
| 人材育成 | 新人OJT担当 | 「新入社員2名へのOJT担当、業務マニュアルを整備」 |
これらのスキルを自己PRや職務要約に組み込むと、「業務をこなすだけの人」から「組織に貢献できる人」へと採用担当者の印象が変わります。活かせる能力欄の具体的な書き方については職務経歴書の活かせる能力欄の例文集も参考にしてください。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
事務職の転職職務経歴書で選ばれるためのポイントを整理します。
- 業務の羅列ではなく、「どう役立ったか」という貢献視点で書く
- PCスキルは習熟度・活用例まで具体的に記載する
- 数字がない場合でも「量・スピード・精度」の観点で実績を探す
- 職務要約の最初の3〜4行に会社規模・業務内容・貢献実績を凝縮する
- 自己PRはエピソード+応募先への貢献イメージで構成する
職務経歴書の完成度に自信が持てない場合は、転職エージェントの無料添削サービスを活用することも一つの選択肢です。採用担当者視点のフィードバックを受けることで、書類の弱点を客観的に把握できます。
職務経歴書を効率よく作成したい方は職務経歴書の自動作成ツールおすすめ7選も、書類の質を上げたい方は職務経歴書の有料添削サービス比較もあわせて確認してみてください。


事務職の転職職務経歴書に関するよくある質問
- 事務職の職務経歴書に書くことが見つかりません。どう対処すればいいですか?
-
業務の「種類」ではなく「量・頻度・精度」に着目してください。月何件処理したか、何名分のサポートをしたか、どのようなミスを防ぐ工夫をしていたか、この3点を棚卸しするだけで書ける材料が見つかります。「書くことがない」と感じる方は、「できて当然」と思っている業務の中にこそ価値があることが多いです。
- 未経験から事務職に転職する場合の職務経歴書はどう書けばいいですか?
-
前職の経験から「事務職に活かせるスキル」を転用することが重要です。例えば、接客業なら「対人対応力とクレーム処理の経験」、製造業なら「手順管理・正確性への意識」が事務職に応用できます。加えて、日商簿記やMOS資格の取得はアピールポイントになります。自己PR欄では「なぜ事務職を選んだか」の理由を明確に書くことで、志望度の高さを伝えられます。
- 事務職の職務経歴書はA4何枚が適切ですか?
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転職者の場合はA4用紙1〜2枚が基本です。経験が5年未満なら1枚にまとめることを目指し、5年以上なら2枚以内に収めます。採用担当者は多数の書類を短時間で確認するため、枚数が多すぎると重要な情報が埋もれてしまいます。内容の取捨選択が重要です。
- パート・アルバイトの事務経験しかない場合も職務経歴書に書けますか?
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雇用形態に関わらず、事務業務の経験は職務経歴書に記載できます。「パート」として在籍した事実を正直に記載し、そこで積んだ業務内容・実績・スキルを具体的に書いてください。採用担当者が重視するのは雇用形態よりも「業務経験の内容と習熟度」です。
- 職務経歴書と履歴書の違いは何ですか?
-
履歴書は学歴・職歴・資格・志望動機など基本プロフィールをまとめた書類です。一方、職務経歴書は「どのような業務を、どのような規模・方法で、どのような実績を出して行ったか」を詳しく説明する書類です。事務職の転職では両方の提出が求められるケースがほとんどで、職務経歴書は自由フォーマットで作成します。


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