この記事では、転職の履歴書における学歴欄の書き方を解説します。最終学歴に応じたどこから書くかの判断基準、高校・大学・大学院別の正式な記載方法、中退・浪人・留年・休学など状況別の書き方、採用担当者が学歴欄で確認しているポイントをまとめています。
転職の履歴書で学歴はどこから書く?
転職なら義務教育は省略してOK
転職の場合、企業から指定がなければ、中学校以前の義務教育は省略して問題ありません。学歴欄の書き始め位置は「最終学歴の1つ前の学校の卒業」が一般的な基準です。
新卒の場合は中学卒業から書くことが多いですが、転職では採用担当者も職歴欄との関連を重視しており、遠い過去の義務教育まで詳細に記載することへのニーズは高くありません。スペースに余裕がある場合は中学校卒業から書いても問題ありませんが、書き始め位置は最終学歴に合わせるのが実務上の標準です。
最終学歴別:学歴欄の書き始め位置
| 最終学歴 | 書き始め位置 | 最初の行の記載例 |
|---|---|---|
| 高校卒業 | 高等学校 入学 | 平成〇年 4月 〇〇高等学校 普通科 入学 |
| 専門学校卒業 | 高等学校 卒業 | 平成〇年 3月 〇〇高等学校 商業科 卒業 |
| 大学卒業 | 高等学校 卒業 | 平成〇年 3月 〇〇高等学校 普通科 卒業 |
| 大学院修了 | 大学 入学(高校卒業でも可) | 平成〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 入学 |
「高校も省略できる?」と思う方もいますが、高校の記載は転職でも省略しないのが原則です。大学院修了の場合は大学入学から書き始めるのが一般的ですが、高校卒業から記載しても問題ありません。
採用担当者はここを見ている
- 最終学歴の確認:求人票に「大卒以上」などの条件がある場合、学歴欄で応募資格を確認する
- 経歴の時間軸の把握:入学・卒業年を見て、転職回数や職歴との流れを把握する
- 記載の丁寧さから仕事ぶりを推測:学校名の正式名称・学部学科名が正確かどうかで応募者の細かさを読み取る
転職の履歴書・学歴欄 基本の書き方ルール5つ
①学校名・学部・学科は正式名称を使う
「高校」は略称であり、正式名称は「高等学校」です。学部名・学科名についても、日常的に使っている略称ではなく、卒業証書や学校の公式サイトに記載された正式名称で書いてください。「法学」「経済」「機械」などの省略表記はNGで、「法学部 法律学科」「経済学部 経済学科」「機械科」のように正式に記載します。
NG例
〇〇高校 入学 / 〇〇大学 法学 卒業
「高校」「法学」はいずれも略称・非正式な表記です。「〇〇高等学校」「〇〇大学 法学部 法律学科」のように卒業証書に記載された正式名称を使ってください。
②西暦か和暦か、履歴書全体で統一する
年号の書き方に指定がなければ西暦・和暦どちらでも構いませんが、1枚の履歴書の中で混在させることは厳禁です。学歴欄だけでなく、職歴欄・資格欄も含めて全体で統一してください。令和・平成・西暦が混在した履歴書は、細部への注意が欠けているという印象を与えます。
③入学と卒業は必ず別行に書く
学歴欄は「入学」と「卒業」を別々の行に記載するのが基本です。同じ行に「入学・卒業」とまとめると採用担当者が経歴の流れを把握しにくくなります。1つの入学・卒業につき1行を使い、時系列で上から古い順に書いてください。
正しい書き方
令和3年 4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
令和7年 3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
④学歴欄の最後は右寄せ「以上」で締める
学歴・職歴欄の最後の行には、右寄せで「以上」と記載します。「記載内容はすべて正確です」という意味を持つ慣習的な書き方で、忘れると未完成の印象を与えることがあります。手書き・Web入力どちらの場合も必ず記入してください。
⑤1行目中央に「学歴」と書く
学歴欄の1行目の中央に「学歴」と書き、2行目から学校名を記載します。書式が決まっているWeb入力フォームや既製のフォーマットでは不要なケースもありますが、手書きや自由形式の場合は必ず記載してください。
| よくあるNG | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| △△高校 | △△高等学校 | 「高校」は略称。「高等学校」が正式名称 |
| 経済(学部省略) | 経済学部 経済学科 | 学部・学科まで正式名称で記載する |
| 令和5年入学 / 2026年卒業 | 令和5年入学 / 令和8年卒業 | 和暦・西暦どちらかに統一する |
| 〇〇大学 入学・卒業を同行に記載 | 入学と卒業を別行に記載 | 経歴の時系列が採用担当者に伝わりやすくなる |
| 「以上」なし | 最終行を右寄せ「以上」で締める | 記載完了を示すフォーマット上の慣習 |
| 〃(同上の繰り返し) | 学校名を毎行すべて記載 | 口語的・略式表現は使わない |
【状況別】転職の履歴書 学歴欄の書き方パターン
大学院修了(修士・博士)の書き方
大学院は「修了」が正式な表現です(「卒業」ではありません)。修士課程と博士課程で記載が異なるため、卒業証書で確認してから記載してください。
正しい書き方(修士課程の例)
令和〇年 3月 〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業
令和〇年 4月 〇〇大学大学院 △△研究科 □□専攻 修士課程 入学
令和〇年 3月 〇〇大学大学院 △△研究科 □□専攻 修士課程 修了
NG例(大学院を「卒業」と書く)
〇〇大学大学院 △△研究科 卒業
大学院は「修了」が正しい表現です。「卒業」と書くと基本知識の欠如と受け取られる場合があります。
大学・専門学校を中退した場合
中退の事実は「中途退学」と正直に記載することが必須です。卒業したように見せかける記載は虚偽申告となり、入社後に発覚すると懲戒解雇の対象になることもあります。中退の理由は書いても書かなくても構いませんが、面接で確認される可能性が高いため、前向きな理由を準備しておきましょう。
正しい書き方(大学中退の例)
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 入学
令和〇年 〇月 〇〇大学 △△学部 □□学科 中途退学
※括弧書きで「(一身上の都合による)」と理由を添えることも可能
NG例(中退を「卒業」と偽る)
〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業(実際は中退)
学歴詐称は発覚時に内定取消・解雇処分の対象になります。卒業したかのような記載は絶対に避けてください。
浪人・留年した場合
浪人・留年の場合、学歴欄に特別な記載は不要です。実際の入学年・卒業年をそのまま正確に書くと、入学年と卒業年の間に自然なギャップが生じますが、それ自体は問題ありません。履歴書の段階では入学・卒業年月を正確に記載するだけで問題ありません。面接で年度の流れを確認された場合は正直に答えるだけで十分です。
採用担当者はここを見ている
- 浪人・留年を隠すために年度をずらして記載することは厳禁。入学・卒業年が合わなければ虚偽申告になる
- 「この年度に大学を卒業されたんですね」と面接で確認されることがある。前向きな理由を準備しておくと安心
休学・留学経験がある場合
休学や留学は、学歴欄に事実として記載できます。「休学」「留学」と補足を入れると採用担当者が経歴の流れを把握しやすくなります。留学先の大学名・国名も記載するとより丁寧です。
正しい書き方(休学・留学の例)
【休学の場合】
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 入学
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 休学
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 復学
令和〇年 3月 〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業
【留学の場合】
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 入学
令和〇年 9月 アメリカ合衆国 △△University 留学(令和〇年 6月 帰国)
令和〇年 3月 〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業
通信制・定時制高校を卒業した場合
通信制・定時制の記載を避ける必要はありません。仕事や家庭と両立しながら卒業した事実は、継続力・誠実さのアピールになることがあるため、正直に記載するのがベストです。課程を隠しても採用担当者に経緯が伝わることがあるため、正直な記載が最善です。
正しい書き方
【定時制の場合】
〇〇高等学校(定時制)普通科 入学
〇〇高等学校(定時制)普通科 卒業
【通信制の場合】
〇〇高等学校 通信制普通科 入学
〇〇高等学校 通信制普通科 卒業
編入学・職業訓練校の記載方法
大学への編入学は「入学」ではなく「編入学」と記載します。また、公共職業能力開発施設(職業訓練校)は学歴欄に記載しても問題ありません。修了の場合は「修了」と書いてください。
正しい書き方
【編入学の場合】
令和〇年 4月 〇〇大学 △△学部 □□学科 3年次編入学
令和〇年 3月 〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業
【職業訓練校の場合】
令和〇年 4月 〇〇職業能力開発校 △△科 入校
令和〇年 3月 〇〇職業能力開発校 △△科 修了
採用担当者が学歴欄で実際に確認していること
正確さと丁寧さから「仕事ぶり」を読む
採用担当者が学歴欄を確認するとき、学校名や年度だけでなく、記載の丁寧さそのものを見ています。正式名称で書かれているか、年号が統一されているか、入学・卒業が整然と記載されているか。これらが乱れていると「細かい作業が苦手な人」という印象につながります。
転職の書類選考では、1人の採用担当者が数十〜数百の応募書類を短時間で確認します。「学歴欄が丁寧に書かれている」という事実が、プラスの第一印象を作る出発点になります。
経歴の流れから「転職の背景」を読む
採用担当者は学歴欄と職歴欄を組み合わせて、「この人はどういう経緯でこの会社に来たのか」を読み取ります。専門学科や理系学部出身なのに異業種転職をする場合は、職務経歴書の志望動機欄での説明が重要になります。学歴欄の記載が正確であれば、そうした「なぜ?」への答えを履歴書全体で語りやすくなります。
採用担当者が減点する学歴欄のNGパターン
- 学校名の略称使用:「〇〇高校」「〇〇大」など略称で記載している
- 学部・学科の省略:「〇〇大学 卒業」と書き、学部・学科名を記載していない
- 年号の混在:学歴は和暦、職歴は西暦というように統一されていない
- 入学・卒業を同行に記載:「〇〇大学 入学・卒業」のように一行にまとめている
- 中退を隠している:実際は中退なのに「卒業」と記載している(発覚すれば懲戒処分の対象に)
入学・卒業年度 早見表(西暦・和暦対応)
学歴欄を記載する際に役立つ西暦・和暦の対応表です。誤った年度を記載すると採用担当者に不信感を与えるため、実際の卒業証書や通知書と照合して確認してください。
| 西暦 | 和暦 | 西暦 | 和暦 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 令和8年 | 2012年 | 平成24年 |
| 2025年 | 令和7年 | 2011年 | 平成23年 |
| 2024年 | 令和6年 | 2010年 | 平成22年 |
| 2023年 | 令和5年 | 2009年 | 平成21年 |
| 2022年 | 令和4年 | 2008年 | 平成20年 |
| 2021年 | 令和3年 | 2007年 | 平成19年 |
| 2020年 | 令和2年 | 2006年 | 平成18年 |
| 2019年 | 令和元年(平成31年) | 2005年 | 平成17年 |
| 2018年 | 平成30年 | 2004年 | 平成16年 |
| 2017年 | 平成29年 | 2003年 | 平成15年 |
| 2016年 | 平成28年 | 2002年 | 平成14年 |
| 2015年 | 平成27年 | 2001年 | 平成13年 |
| 2014年 | 平成26年 | 2000年 | 平成12年 |
| 2013年 | 平成25年 | 1999年 | 平成11年 |
※2019年は4月30日まで平成31年、5月1日から令和元年
まとめ
- 転職の学歴欄は「最終学歴の1つ前から」が基本:義務教育は省略OK。大卒なら高校卒業から、大学院修了なら大学入学から書くのが一般的
- 正式名称を使う:「高校」→「高等学校」、学部・学科名は卒業証書に記載の名称で確認
- 年号は統一する:西暦か和暦かを決め、職歴欄・資格欄も含めて全体で統一
- 入学・卒業は別行に記載:同行にまとめず、1つの入学・卒業につき1行を使う
- 中退は「中途退学」と正直に記載:卒業と偽る虚偽申告は懲戒処分のリスクがある
- 浪人・留年・通信制などは特別な対応不要:事実をそのまま正確に記載する。丁寧な記載が採用担当者への誠実さになる
学歴欄は職歴欄に比べて記載ボリュームが少ない分、一つひとつの正確さが採用担当者に伝わりやすい箇所です。正式名称・年号の統一・入学卒業の別行記載という基本3点を押さえるだけで、書類選考での印象は大きく変わります。
転職の履歴書・学歴に関するよくある質問
- 転職の場合、学歴欄はどこから書けばいいですか?
-
最終学歴の1つ前の学校の卒業から書くのが一般的です。大卒であれば「高等学校 卒業」から、大学院修了であれば「大学 入学」から始めるケースが多いです。企業から義務教育から書くよう指定がある場合は中学卒業から記載してください。高校の記載は転職でも省略しないのが原則です。
- 浪人・留年した場合、学歴欄にどう書けばいいですか?
-
特別な記載は不要です。実際の入学年・卒業年をそのまま正確に記載してください。入学年と卒業年の間にギャップが生じても問題ありません。浪人・留年を隠すために年度を意図的に変えることは虚偽申告にあたるため、絶対に避けてください。
- 大学を中退した場合、履歴書にどう書けばいいですか?
-
入学年月と「中途退学」を正直に記載してください。「(一身上の都合による)」のように理由を添えることも可能です。中退を隠して卒業と記載することは虚偽申告にあたり、発覚した場合に内定取消や懲戒解雇の対象になるリスクがあります。正直な記載が最善です。
- 学歴欄の年号は西暦・和暦どちらにすればいいですか?
-
どちらでも構いませんが、1枚の履歴書の中で必ずどちらかに統一してください。学歴欄だけでなく、職歴欄・資格欄も含めて全体で統一することが重要です。年号が混在した履歴書は注意力が低い印象を与えることがあります。企業から指定がある場合はその指示に従ってください。


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