この記事では、転職活動で提出する履歴書と職務経歴書について、手書きとパソコンのどちらが採用担当者に好まれるかを解説します。採用担当者へのアンケートデータをもとに、それぞれの正解と使い分けのルール、作成時の注意点まで整理します。
転職の履歴書、採用担当者はパソコン作成をどう見ている?
「手書きで丁寧に書いた方が熱意が伝わる」という考え方は、転職市場ではすでに少数派です。複数の人材会社が実施した採用担当者アンケートでは、次のような結果が出ています。
| 作成方法の好み | 採用担当者の回答割合(複数調査の平均) |
|---|---|
| パソコン作成が良い | 約47〜69% |
| どちらでも良い | 約30〜41% |
| 手書きが良い | 約15〜27% |
調査機関や時期によって数値は異なりますが、いずれの調査でも「パソコン作成が良い」または「どちらでも良い」という回答が8割を超えています。
ただし、この数値には一つ重要な前提があります。採用担当者が「パソコンが良い」と答える最大の理由は「読みやすいから」という実務上の理由です。手書きの書類を見て「この候補者の熱意が伝わらない」と判断する採用担当者は、現在の転職市場ではごく少数に限られます。
採用担当者はここを見ている
- 読みやすさ:文字サイズや行間が均一なパソコン作成は、複数枚の書類を短時間で読む採用担当者に好まれる
- 情報の整理力:職歴・スキルを表形式で整理できるパソコン作成は、職務経歴書では特に評価されやすい
- 内容の質:作成方法よりも、職歴・実績・志望動機の具体性が選考の核心になる
- 企業の指定:「手書き指定」がある場合はその指示を必ず守ること。指定を無視すると減点対象になる
特に転職活動では、採用担当者が1日に数十枚の書類に目を通すケースも珍しくありません。そのため「短時間で内容を正確に把握できるか」という観点で書類を評価しています。作成方法の選択に迷って時間をかけるより、中身の質を高めることに注力する方が書類選考通過への近道です。
履歴書のフォーマット選びに悩んでいる場合は、転職・就活・アルバイト別の比較も参考になります。

手書きとパソコン、それぞれのメリットとデメリット
採用担当者に好まれるのはパソコン作成とはいえ、手書きにも無視できない強みがあります。どちらを選ぶかは、応募先の業界・職種・企業文化によって変わります。両者の特性を正確に理解した上で判断してください。
手書きで提出するメリット・デメリット
手書きのメリット
- 丁寧さ・誠実さが伝わりやすい:一文字ずつ丁寧に書かれた書類は、手間をかけた事実として伝わる場合がある
- 手書きを重視する業界では好印象:伝統的な業種(冠婚葬祭・士業・一部の金融機関など)では手書きを評価する採用担当者も存在する
- 個性・人柄が出やすい:字体や余白の取り方から人物像を感じ取る採用担当者も一定数いる
手書きのデメリット
- 修正が一切できない:修正テープ・修正液の使用はNG。書き間違えたら最初から書き直し
- 字の乱れが評価に影響する:緊張や疲労で字が乱れると、読みづらい書類になりやすい
- 時間がかかる:複数の企業に応募する場合、同じ内容を何度も書き直す手間が発生する
- 職務経歴書との相性が悪い:複数ページにわたる職務経歴書を手書きで仕上げるのは、実務上かなりの負担になる
パソコンで作成するメリット・デメリット
パソコン作成のメリット
- 読みやすく整った仕上がり:フォントが統一され、文字サイズ・行間が均一なため、採用担当者が内容を把握しやすい
- 修正・更新が簡単:応募先ごとに志望動機を書き直す際も、元データを上書き保存するだけで対応できる
- 情報の整理が容易:職歴・スキルを表形式でまとめやすく、採用担当者にとって読解しやすい書類になる
- 複数応募に対応しやすい:転職活動では複数の企業に同時に応募するケースが多く、書類の再利用・流用がしやすい
パソコン作成のデメリット
- テンプレートの使い回しに見える場合がある:内容が薄かったり、どこかで見たような文章だと採用担当者に見抜かれやすい
- 印刷品質の問題:インクジェットプリンターで印刷した場合、滲みや薄さが出て読みにくくなることがある
- フォント・レイアウトのミス:フォント選びや余白設定を誤ると、見た目の印象が悪くなる
転職の職務経歴書はパソコン作成が事実上の基準になっている
履歴書の場合は「手書き・パソコンどちらでも許容される」という回答が多い一方で、職務経歴書に関しては採用担当者の7〜8割がパソコン作成を前提として見ています。
その背景には、職務経歴書固有の特性があります。履歴書と異なり、職務経歴書には決められたフォーマットが存在しません。A4サイズで1〜3枚程度が一般的で、職歴の数や記載内容によってはそれ以上になるケースもあります。これほどの分量を手書きで仕上げると、どうしても文字の乱れや読みにくさが生じやすく、採用担当者が「内容」に集中できず、読み解く手間が増えてしまうという問題があります。
さらに職務経歴書は、職歴・担当業務・実績・スキルを整理して伝えるための書類です。表形式で情報を構造化したり、数値で実績を示したりするためにはパソコン作成の方が圧倒的に適しています。
NG例
手書きで提出した職務経歴書で選考を通過しにくい主なケースは以下の通りです。
- 2〜3ページ分を手書きで書いたため後半になるほど文字が乱れ、内容が読み取りにくい
- 書き直しを繰り返した跡が残り、書類全体の丁寧さへの印象が損なわれる
- 表形式での経歴整理が難しく、複数の職場での職歴が時系列で整理されていない
- 実績の数値(売上○%増加・担当件数○件など)を見やすく記載できず、アピール力が落ちる
採用担当者はここを見ている
- 職務経歴書は「候補者が自分の経験を整理・言語化する力があるか」を見る書類でもある
- 手書きで出すこと自体よりも、内容が整理されているかどうかが評価の核心
- パソコン作成でも、内容が薄い・実績が抽象的な職務経歴書は選考を通過しにくい
職務経歴書の作成に時間をかけたい場合は、AI搭載の自動作成ツールを活用する方法もあります。

手書きの履歴書とパソコンの職務経歴書は混在させていい?
転職活動中によく出る疑問の一つが「履歴書は手書きで出したいが、職務経歴書はパソコンで作成していい?」というものです。結論から言えば、手書きの履歴書とパソコン作成の職務経歴書を一緒に提出しても問題ありません。
履歴書と職務経歴書は、そもそも書類としての性質が異なります。履歴書は基本情報の証明書類という性格が強く、職務経歴書は自分のキャリアをプレゼンする書類です。採用担当者もこの2種類の書類を別々の観点で読んでいるため、作成方法が異なっていても減点にはなりません。
採用担当者はここを見ている
- 混在させること自体を問題視する採用担当者は少数派。最終的に重視するのは「書類の内容が読み取れるか」という点
- 「手書き指定」が履歴書のみに記載されている場合は、職務経歴書はパソコン作成で問題ない
- 一方で「応募書類はすべて手書きで提出してください」という指定がある場合は、職務経歴書も手書きが必要
企業の指定が「手書き」かどうかを確認する際は、求人票の応募方法欄・採用ページの応募規定を必ず読んでください。指定が見当たらない場合は、パソコン作成で問題ありません。迷った場合は応募先の採用担当者に問い合わせると確実です。
転職書類で損をしないための手書き・パソコン作成の注意点
作成方法を決めたら、次はそれぞれの方法に応じた注意点を押さえておく必要があります。「どちらでも良い」という結論に安心して細部を疎かにすると、採用担当者の印象を損ねることになります。
手書きで提出する場合の注意点
- 使用するペンは黒のボールペン・万年筆が基本:鉛筆・シャープペンシル・カラーペンは不可。消えるボールペン(フリクションなど)も熱や紫外線で消える可能性があるためNG
- 修正テープ・修正液の使用は厳禁:書き間違えた場合は最初から書き直すこと。修正箇所がある書類は、採用担当者に「雑な印象」を与える
- 文字は楷書で丁寧に書く:崩し字・草書は読みにくさにつながる。普段の筆記体に近い字でも、採用書類では楷書が基本
- 余白・行間を均等に保つ:行が傾いたり余白がバラバラだと、全体のまとまりが悪く見える。下書き用の補助線(鉛筆→後で消す)を活用する方法もある
- 日付は提出する日の日付を記入する:書いた日ではなく、郵送なら投函日、持参なら面接当日の日付を記入する
- 提出前にコピーを取る:面接では書類の内容を聞かれることがある。手元にコピーがないと何を書いたか確認できなくなる
- 折り曲げ・汚れを防ぐ:郵送の場合はA4サイズのクリアファイルに入れ、角形A4封筒(角2号)で送る。折り目がついた書類は採用担当者への印象が悪い
パソコンで作成する場合の注意点
- フォントは明朝体またはゴシック体を選ぶ:本文サイズは10.5〜11ptが基本。装飾的なフォントや手書き風フォントは使用しない
- 印刷はレーザープリンターが理想:インクジェットプリンターは雨や水分で滲む場合がある。コンビニのマルチコピー機(レーザー印刷)を利用する方法も有効
- PDFに変換してからメール送付する:WordやExcelのファイルを直接送ると、受け取り側の環境によってレイアウトが崩れることがある。特別な指定がない場合はPDF形式が安全
- テンプレートは最新フォーマットを使用する:厚生労働省が推奨する「様式第15号(改定版)」など最新の書式で作成する。古い書式のテンプレートは項目が不足している場合がある
- 証明写真は指定サイズ・高解像度を使用する:スマホで撮影した低解像度の画像を貼り付けると、印刷後に粗くなる。証明写真専門のアプリやコンビニプリントサービスを活用する
フォントの選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

無料で使える最新のテンプレートと選び方については、以下の記事を参考にしてください。

業界・職種・企業タイプ別の選び方早見表
転職先の業界や職種によって、手書きとパソコン作成の受け止め方が異なります。下の表を参考に、応募先に合わせた判断をしてください。
| 業界・職種・企業タイプ | 推奨する作成方法 | 理由 |
|---|---|---|
| IT・Web・ベンチャー企業 | パソコン(PDF) | デジタルでの提出が標準。手書きは時代遅れの印象を持たれる場合がある |
| 大手企業・上場企業 | パソコンまたは指定に従う | 採用システムでデータ管理するためパソコン作成を前提とするケースが多い |
| 中小企業・地場企業 | どちらでも可(手書き推奨の場合もある) | 企業の採用担当者の年代・社風によっては手書きを重視するケースも残っている |
| 金融・保険・士業 | 手書き指定のケースあり | 書類の正確性・誠実さを重視する業界のため、手書きが求められる場合がある |
| 冠婚葬祭・伝統的サービス業 | 手書き推奨 | 礼節・丁寧さを重視する業界で、手書きが好印象につながりやすい |
| クリエイティブ職(デザイン・広告) | パソコン(個性的なレイアウトも可) | 書類にもセンスやスキルを示す機会と捉えられる場合がある |
上記はあくまでも目安です。企業側に明確な指定がある場合はその指示を最優先してください。迷った場合は応募先の採用ページを確認するか、エージェント経由の場合はエージェントに確認する方法が確実です。
まとめ
- 転職活動における履歴書は、手書きとパソコン作成どちらでも問題なし。ただし採用担当者の約47〜69%がパソコン作成を好む傾向にある
- 職務経歴書はパソコン作成が事実上の標準。複数ページにわたる内容を手書きで仕上げるのは実務的ではなく、採用担当者に読まれにくい書類になるリスクがある
- 手書きの履歴書とパソコンの職務経歴書の混在は一般的に問題なし。ただし「すべて手書きで提出」という指定がある場合は従うこと
- 手書きを選ぶ場合は黒ボールペン・楷書・修正テープ禁止が基本ルール。パソコンを選ぶ場合はフォント・印刷品質・PDF変換に注意する
- 最終的に採用担当者が重視するのは「書類の内容の質」。作成方法の選択よりも、職歴・実績・志望動機の具体性を高めることが書類選考通過への近道
作成方法が決まったら、次は各項目の記載内容を丁寧に仕上げることに集中してください。
転職の履歴書・職務経歴書に関するよくある質問
- 転職活動で手書き履歴書とパソコンで作成した職務経歴書を一緒に提出していいですか?
-
一般的に問題ありません。履歴書と職務経歴書は書類としての性質が異なるため、作成方法が違っても採用担当者が減点することはほぼありません。ただし求人票や採用ページに「すべての書類を手書きで提出してください」という指定がある場合は、その指示に従ってください。
- 転職活動で手書きの履歴書を提出したら不利になりますか?
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採用担当者の約8割は「パソコン作成または手書きどちらでも良い」と回答しており、手書きであること自体が大きな不利になることはほぼありません。ただし、IT・Web系や外資系など一部の業界では「パソコンを使えない人」という印象につながる場合があります。応募先の業界や職種に合わせて判断することをおすすめします。
- 手書きで履歴書を書くとき、間違えたら修正テープを使っていいですか?
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修正テープ・修正液の使用はNGです。採用書類では「書き損じが残った書類は提出しない」がマナーとして定着しています。間違えた場合は最初から書き直してください。複数回の書き直しが見込まれる場合は、練習用の用紙に一度書いてから本番用の書類に清書する方法を取るのが得策です。


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