この記事では、転職における履歴書と職務経歴書の作成方法(手書き・パソコン)の選び方を採用担当者の視点から解説します。両方をどう揃えるべきか、一方だけ手書きにしてよいかどうかの判断基準もわかります。
転職の書類は、履歴書も職務経歴書もパソコンで統一するのが基本
転職活動では、履歴書・職務経歴書の両方をパソコンで作成するのが基本です。採用担当者へのアンケート調査では「パソコン作成のほうが良い」と答えた担当者が約47〜50%を占め、「手書きのほうが良い」は20%台にとどまります。
特に転職では職務経歴書のボリュームが多くなります。職歴・スキル・実績を複数ページにわたって記述する必要があるため、訂正や書き直しが難しい手書きよりパソコンのほうが実用的です。
ただし「手書きのほうが誠意が伝わる」「丁寧さをアピールできる」という考え方も一定数あります。重要なのは「どちらが良いか」ではなく「履歴書と職務経歴書の形式を揃えているか」です。この「統一感」の問題が、採用担当者から見たときの最大の判断ポイントになります。
採用担当者が語るリアルな評価——「パソコン派」が多い理由
採用担当者の約半数が「パソコンのほうが良い」と答える背景
採用担当者が「パソコン作成のほうが良い」と考える理由は、主に次の3点です。
- 読みやすさ:1日に数十枚の書類を確認する採用担当者にとって、整ったフォントで印字された書類は読む負担が少ない
- PCスキルの証明:Word・Excelなど基本的なアプリケーションを使いこなしていることが伝わる
- 複数応募の対応:テキストを使い回せるため、志望動機以外の共通部分を効率よく更新できる
採用担当者はここを見ている
- 書類全体の「整合性」——フォーマットや文体が統一されているか
- 読む側の負担を意識した「配慮」——字の大きさ、余白、段落の区切りが適切か
- 「パソコンを仕事で使える人か」というシンプルな判断材料
それでも「手書き」を評価する採用担当者の視点
一方、手書きを評価する採用担当者が一定数いるのも事実です。その理由として多いのが「応募意欲の高さが伝わる」「人柄がにじみ出る」という感覚的な評価です。
ただし「手書き=誠意がある」という前提は職種によって大きく異なります。デジタルツールを日常的に使う職種(IT・マーケティング・事務など)への応募で手書き書類を提出すると、「パソコンが苦手なのでは」というマイナス評価につながることがあります。
手書きが有利に働くのは、職人系・芸術系・接客業など、字の丁寧さや直筆への評価が文化として残っている業界への応募に限られます。
採用担当者が一番困る「混在パターン」——履歴書は手書き・職務経歴書はパソコン
履歴書と職務経歴書の選考セットを確認しているとき、採用担当者が最も困惑するのが「書類によって形式が違う」パターンです。一方が手書き、もう一方がパソコン作成という提出形式は、読む側に「どちらかを後回しにした」「書類の準備が行き当たりばったり」という印象を与えます。
統一感のなさが採用担当者に伝えてしまうサイン
採用担当者が「混在」から読み取るのは、主に次のような点です。
- 「どちらかを妥協して仕上げた」という準備不足の印象
- 「書類全体を一つのセットとして考えていない」という思慮の浅さ
- 「パソコンが苦手なのではないか」という懸念(パソコン職種の場合)
NG例
履歴書はコンビニで買った既製品の用紙に手書き、職務経歴書はWordで作成してA4印刷→書類のサイズ・雰囲気・トーンが完全に異なり、「準備に一貫性がない人」という印象になります。
例外:混在が許容される唯一のケース
企業側から「履歴書は手書きで、職務経歴書は形式不問」と明示されている場合は、指示に従うのが優先です。また、採用担当者から直接「どちらでも構いません」と言われたときは、統一の方針を相手に確認してから進めると安心です。
いずれの場合も、企業からの指定がない限り、両方の形式を揃えることが基本方針です。
手書きで作成するときに採用担当者が見る3つのポイント
使って良い筆記用具・ダメな筆記用具
手書きで提出する場合、筆記用具の選択は採用担当者の印象を左右します。
| 筆記用具 | 使用可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 黒の油性ボールペン | ◎ 推奨 | 消えない・読みやすい・正式書類の基本 |
| 万年筆(黒・濃紺インク) | ○ 可 | 格式ある印象を与える。インク滲みに注意 |
| ゲルインクボールペン(黒) | ○ 可 | 書きやすく読みやすい。耐水性のあるものを選ぶ |
| 水性ボールペン | △ 要注意 | 雨などで滲む可能性がある |
| 鉛筆・シャープペンシル | ✗ NG | 消えるため公式書類に不適切 |
| カラーボールペン・赤ペン | ✗ NG | 採用書類として不適切 |
最もおすすめは黒の油性ボールペン(細字〜中字)です。インクが乾きやすく、万が一の雨濡れにも強い点が手書き書類に適しています。
修正のルール(修正テープ・修正液はNG)
修正テープや修正液を使った手書き書類の提出は、採用の場では厳禁です。「訂正印を押して書き直す」「最初から書き直す」のどちらかが正しい対処法です。
採用担当者が修正テープを見て感じるのは「雑な印象」ではなく、「この書類で本当に良いと思っているのか」という疑問です。修正の痕跡は、書類作成への真剣さを問われます。
採用担当者はここを見ている
- 修正テープや修正液の使用がないか(一箇所でもあれば印象ダウン)
- 訂正箇所がある場合は二重線+訂正印が正式な修正方法
- 書き損じが複数ある書類は「書き直し」が基本——時間をかけて丁寧に作ること自体が評価される
採用担当者が読みにくいと感じる書き方の例
丁寧に書いているつもりでも、読む側が「読みにくい」と感じるパターンがあります。
NG例
- 文字の大きさがマスに対して小さすぎる・大きすぎる(枠内に収まらない)
- 行をはみ出した文字、傾いた行
- 略字・崩し字の多用(行書・草書体は採用書類に不向き)
- 「㈱」「(株)」などの略称使用(「株式会社」と正式名称で記載する)
楷書で一文字ずつ丁寧に書くのが基本です。ただし、字が得意でない場合は迷わずパソコン作成を選んだほうが、採用担当者に好印象を与えられます。
手書きで郵送する場合は、封筒の宛名書きにも同様のマナーがあります。手書き履歴書を郵送する際の封筒の書き方は別記事で詳しく解説しています。

パソコンで作成するときに採用担当者が見る3つのポイント
フォントと文字サイズの基本ルール
パソコン作成の書類で採用担当者が最初に気づくのが「フォント」です。フォントの選択を誤ると、内容が良くても読みにくい書類になります。
| 項目 | 推奨 | NGの例 |
|---|---|---|
| 本文フォント | 游明朝・ヒラギノ明朝・MS明朝(明朝体) | 游ゴシック・メイリオをベタ文字に使う |
| 見出し・項目名 | 游ゴシック・ヒラギノ角ゴなど(ゴシック体) | 手書き風フォント・装飾書体 |
| 文字サイズ(本文) | 10.5pt〜11pt | 9pt以下(小さすぎ)・13pt以上(大きすぎ) |
| 行間 | 1.5〜1.7倍(適度な余白) | 行間なし(詰まりすぎ) |
本文は明朝体、見出しはゴシック体が採用書類の基本です。視認性が高く、長文を読む際の疲労感を軽減します。ゴシック体だけで統一した書類は、ビジュアルとしては見やすいですが「重要なポイント」と「説明文」の差がつきにくくなります。
フォントの詳しい選び方は下記の記事で解説しています。

提出前に必ずPDF化する
WordやExcelのデータをそのまま送付した場合、受信側の環境によってフォントが別のものに変換され、レイアウトが崩れることがあります。提出前に必ずPDFに変換してから送付するのが採用書類の基本です。
- WordからPDF変換:「名前を付けて保存」→ファイル形式で「PDF」を選択
- 変換後の確認:実際にPDFを開いて、文字の表示・写真の位置・ページ番号がずれていないか必ず確認する
- 印刷物の場合:PDFから印刷すると、Wordから直接印刷するよりレイアウトが安定する
テンプレートの「使い回し」が採用担当者に伝わる理由
複数社に応募する際に起きやすいミスが「テンプレートの使い回し」です。具体的には、以下のような事態が実際に発生しています。
NG例
- 志望動機の中に前の会社名が残っている(「○○株式会社様のサービスに魅力を感じ…」の会社名が別の企業になっている)
- 「貴社」「御社」の使い方が混在している(書面では「貴社」が正式)
- 「応募職種欄」に前に応募した職種が残ったまま提出される
採用担当者がこのような書類を目にすると、応募意欲への疑問だけでなく「確認作業の粗さ」という評価につながります。提出前のチェックを必ず1社ごとに実施してください。
職務経歴書の作成にはAI搭載の自動作成ツールを活用することで、入力ミスや書き漏れを防げます。

状況別の判断基準——転職・新卒・バイトで変わる正解
転職(中途採用)の場合
転職活動では、ほぼすべての業界・職種でパソコン作成が標準になっています。特にIT・Web・金融・コンサル・外資系企業への応募では、手書き書類は選考前からマイナス評価のリスクがあります。
職務経歴書は必然的にボリュームが増えるため(A4用紙2〜3枚が標準)、修正や調整のしやすさからもパソコン作成一択です。履歴書もパソコン作成に揃えて統一感を出しましょう。
新卒就活の場合
新卒の就活では、企業エントリーフォームや就活サービス上でデータ提出が主流です。ただし、合同説明会や個別面接で紙の書類を求められる場合があります。
「手書きのほうが誠意が伝わる」という意見が残りやすいのが新卒採用の現場ですが、企業から指定がない限りパソコン作成で問題ありません。特に大手企業・メーカー・金融機関への応募では、読みやすさを重視した書類が評価されます。
アルバイト・パートの場合
アルバイト・パートの応募では、市販の手書き履歴書用紙を使うケースが依然として多いです。職務経歴書の提出が不要な場合も多く、書類はシンプルな履歴書1枚だけのこともあります。
パートの採用担当者(小売・飲食・介護などの現場責任者)は、書類の形式より「人柄が伝わるか」「清潔感があるか」を重視する傾向があります。手書き・パソコンどちらでも構いませんが、判断に迷うならパソコン作成のほうが無難です。
| 状況 | 推奨形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 転職(中途採用) | パソコン一択 | 職務経歴書のボリューム・PCスキルの証明 |
| IT・外資・コンサル系 | パソコン一択 | 手書きはマイナス評価のリスク |
| 新卒就活(大手) | パソコン推奨 | 企業指定がなければパソコンが無難 |
| 新卒就活(中小・職人系) | 企業の指定に従う | 「手書き指定」がある場合も |
| アルバイト・パート | どちらでも可 | 形式より内容・人柄が重視される |
まとめ
- 転職活動では、履歴書・職務経歴書の両方をパソコンで揃えるのが基本
- 採用担当者の約半数が「パソコン作成のほうが良い」と回答——読みやすさとPCスキルの証明が主な理由
- 履歴書=手書き・職務経歴書=パソコンの「混在」は準備不足の印象につながるため避ける
- 手書きの場合は黒の油性ボールペン・修正テープNG・楷書で丁寧に書くのが基本
- パソコン作成の場合は明朝体・10.5〜11pt・PDF化・1社ごとの確認が必須
- 業種・状況によって正解は変わるが、企業からの指定がない限りパソコン作成を選ぶのが無難
書類の「形式」で損をしないために、まずは作成ツールとテンプレートを活用して、内容の質を高める時間を確保してください。


履歴書・職務経歴書の作成方法に関するよくある質問
- 履歴書を手書き、職務経歴書をパソコンで作っても大丈夫ですか?
-
企業からの指定がない限り、形式を統一するのが原則です。採用担当者が「なぜ形式が異なるのか」と感じる可能性があり、準備の一貫性を疑われることがあります。迷ったときは両方ともパソコンで統一するのが最も無難です。
- 手書きで書いた後に修正したい場合はどうすればいいですか?
-
修正テープ・修正液は採用書類には使用できません。1〜2文字程度の誤りは二重線と訂正印で対応できますが、複数の訂正がある場合や大きなミスは最初から書き直すのが正解です。採用担当者は訂正の痕跡よりも「書き直した丁寧さ」を評価します。
- パソコンで作成した履歴書はWordとPDFのどちらで提出すればよいですか?
-
企業から指定がない限り、PDF形式での提出を推奨します。WordファイルはOS・Officeのバージョンによってフォントやレイアウトが崩れることがあるため、PDF化することで意図したデザインのまま相手に届けられます。送付前に必ずPDFを自分で開いて確認してください。
- 転職活動で履歴書のフォントは何を使えばいいですか?
-
本文には明朝体(游明朝・ヒラギノ明朝・MS明朝)を使うのが基本です。文字サイズは10.5〜11ptを目安にします。見出し・項目名はゴシック体を使うと視認性が上がります。手書き風フォントや装飾書体は採用書類には不適切です。
- アルバイトの応募でも、手書きとパソコンどちらがいいですか?
-
アルバイト応募では、企業や店舗から「手書きで持参してください」と指定されるケースが多くあります。指定がない場合はどちらでも問題ありませんが、コンビニで購入した既製品の手書き用紙を使う場合でも、黒ボールペン・修正テープ不使用・楷書で丁寧に記入するマナーは守ってください。


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