この記事では、履歴書の「配偶者の扶養義務」欄に「有」「無」どちらに丸をつけるかを、3ステップの判定方法とケース別の記入例で解説します。採用担当者がこの欄を確認する理由と、2021年以降の新様式での扱いもあわせて紹介します。
配偶者の扶養義務とは?履歴書で聞かれる理由
「配偶者の扶養義務」とは、あなたが配偶者(夫または妻)を健康保険上の被扶養者として扶養しているかどうかを示す項目です。民法上の「夫婦間の扶助義務」とは異なり、履歴書では社会保険制度における扶養関係を問われています。
企業がこの欄を設けている理由は、入社後の事務手続きにあります。具体的には以下の2つです。
- 社会保険の被扶養者届の手続き:配偶者を自分の健康保険に入れるかどうかの判断材料
- 家族手当・扶養手当の支給判定:多くの企業では扶養家族がいる社員に手当を支給している
採用担当者はここを見ている
- この欄の内容で書類選考の合否を判断することはまずない
- 空欄のまま提出されると「書類不備」として印象が下がる可能性がある
- 入社後の保険手続きをスムーズに進めるための事前情報として確認している
つまり、この欄を間違えたからといって即不採用になることはありません。ただし空欄で提出するのは避けてください。
「有」「無」の判定方法|3ステップで迷わない
配偶者の扶養義務が「有」か「無」かは、以下の3ステップで判定できます。上から順に確認するだけで答えが出ます。
ステップ1:配偶者はいるか
法律上の婚姻関係にある配偶者がいない場合(独身・離婚済み・死別)は、「無」に丸をつけて完了です。これ以降のステップを確認する必要はありません。
ステップ2:配偶者の年収は130万円未満か
配偶者がいる場合、次に確認するのは配偶者の年間収入です。交通費を含めた総支給額が年間130万円未満であれば、ステップ3へ進みます。130万円以上であれば「無」です。
なお、配偶者が60歳以上または障害者の場合は基準が180万円未満に変わります。
ステップ3:配偶者は自分の勤務先で社会保険に加入しているか
年収130万円未満でも、配偶者自身が勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している場合は「無」になります。配偶者が社会保険に加入しておらず、あなたの被扶養者になっているなら「有」です。
| ステップ | 確認内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 1 | 配偶者がいない | 「無」で確定 |
| 2 | 配偶者の年収130万円以上 | 「無」で確定 |
| 3 | 配偶者が自分で社保加入 | 「無」で確定 |
| 3 | 配偶者が自分で社保未加入 | 「有」で確定 |
ケース別の記入例|独身・共働き・パート・専業主婦
実際の生活状況ごとに、配偶者欄・配偶者の扶養義務欄・扶養家族数をどう書くかを具体例で示します。
独身(配偶者なし)の場合
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 配偶者の有無 | 無 |
| 配偶者の扶養義務 | 無 |
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 0人 |
独身の方は全項目「無」「0人」で問題ありません。親を扶養に入れている場合のみ扶養家族数が変わります。
配偶者が専業主婦(夫)の場合
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 配偶者の有無 | 有 |
| 配偶者の扶養義務 | 有 |
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 子どもの人数(例:子2人なら「2人」) |
配偶者に収入がなく、あなたの健康保険の被扶養者になっている場合は「有」です。子どもがいればその人数を扶養家族数に記入します。
共働き(配偶者の年収130万円以上)の場合
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 配偶者の有無 | 有 |
| 配偶者の扶養義務 | 無 |
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 自分が扶養する子どもの人数 |
配偶者が自分の勤務先で社会保険に加入しているため、あなたの被扶養者ではありません。「配偶者の有無」は「有」ですが、扶養義務は「無」になります。
子どもがいる場合は、収入の多いほうの扶養に入れるのが一般的です。あなたの扶養に入っている子どもの人数だけを記入してください。
配偶者がパート(年収130万円未満)の場合
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 配偶者の有無 | 有 |
| 配偶者の扶養義務 | 有(配偶者が自分で社保未加入の場合) |
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 子どもの人数 |
パート勤務で年収130万円未満、かつ勤務先で社会保険に加入していなければ「有」です。ただし、従業員51人以上の企業で週20時間以上働き年収106万円以上の場合は、パート先で社会保険に加入する義務が生じるため「無」になるケースもあります。
事実婚・内縁関係の場合
健康保険法では、届出をしていない事実婚(内縁関係)のパートナーも被扶養者として認められます。社会保険上の扶養に入れている場合は「有」と記入して問題ありません。
ただし、履歴書の「配偶者の有無」欄については、法律婚でない場合は「無」に丸をつけ、必要に応じて本人希望欄に補足を書く方法が一般的です。
扶養家族数の書き方|配偶者の扶養義務との違い
「配偶者の扶養義務」と混同しやすいのが「扶養家族数」の欄です。この2つは別の質問であり、カウントのルールが異なります。
扶養家族数のカウントルール
- 自分自身は数に含めない
- 配偶者は数に含めない(「配偶者を除く」と記載がある)
- 健康保険上の被扶養者のうち、配偶者以外の人数を書く
- 75歳以上の後期高齢者は含めない
たとえば、妻と子ども2人を扶養している場合、扶養家族数は「2人」です。妻は「配偶者の扶養義務:有」で別途示されるため、家族数には含みません。
大学生がアルバイトの履歴書を書く場合は、自分が誰かを扶養しているわけではないため「0人」になります。大学生の扶養家族数の書き方は別記事で詳しく解説しています。

別居している親に仕送りをしている場合も、社会保険上の被扶養者であれば扶養家族数に含めることができます。ただし、同居の場合は親の年収があなたの年収の半分未満である必要があります。
採用担当者はここを見ている
- 扶養家族数と配偶者の扶養義務の整合性が取れているか
- 例:「配偶者の扶養義務:有」なのに扶養家族数に配偶者を含めて水増ししていないか
- 数字に矛盾があると入社時の手続きで確認の手間が発生するため、正確な記入を期待している
2021年以降の新様式では欄が削除されている
2021年4月、厚生労働省は公正な採用選考の観点から履歴書の推奨様式を改定しました。新様式では「配偶者の有無」「配偶者の扶養義務」「扶養家族数」「通勤時間」の欄がすべて削除されています。
これはプライバシー性の高い情報を応募段階で求める必要がないという判断によるものです。実際に、転職サイトやハローワークで配布される履歴書の多くは新様式に移行しています。
新様式と旧様式の見分け方
- 用紙の右下付近に「配偶者」「扶養家族」の記入欄があれば旧様式
- 旧様式でも使用すること自体に問題はない(企業側が指定している場合もある)
- 欄がある場合は空欄にせず、本記事の判定方法に従って記入する
なお、2026年の税制改正で所得税の基礎控除が引き上げられましたが、社会保険の扶養基準(年収130万円)は変わっていません。履歴書の扶養義務欄はあくまで社会保険の基準で判断するため、税制改正の影響を受けない点に注意してください。
「配偶者の有無」欄の意味や学生の場合の書き方は、配偶者とは?学生バイトの履歴書の書き方で解説しています。

パート勤務で扶養内希望の場合は、本人希望欄での伝え方にもコツがあります。履歴書の本人希望欄に扶養内を書く方法もあわせてご確認ください。

まとめ
- 「配偶者の扶養義務」は、配偶者を自分の社会保険の被扶養者にしているかどうかを示す欄
- 判定基準は「配偶者の年収130万円未満」かつ「配偶者が自分で社保に加入していない」場合に「有」
- 独身や共働きの場合は「無」、配偶者が専業主婦(夫)やパート(年収130万円未満・社保未加入)の場合は「有」
- 2021年以降の厚労省推奨様式では欄自体が削除されているが、旧様式を使う場合は正確に記入する
- 記入内容が選考の合否に影響することはほぼないが、空欄は避ける
迷ったときは本記事の3ステップ判定表を見返してください。30秒で正しい答えが出ます。
配偶者の扶養義務に関するよくある質問
- 配偶者の扶養義務を間違えて書いたら不採用になりますか?
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この欄の記載ミスだけで不採用になることはまずありません。企業が確認するのは入社後の社会保険手続きのためであり、選考の合否判断には使われません。ただし、入社時に正しい情報を改めて確認されるため、できる限り正確に記入しておくのが望ましいです。
- 共働きで配偶者の年収が130万円ぎりぎりの場合はどうすればよいですか?
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現時点で配偶者があなたの社会保険の被扶養者に入っているなら「有」、配偶者が自分の勤務先で社会保険に加入しているなら「無」で記入します。将来的に年収が変動する可能性がある場合でも、履歴書には提出時点の状況を書いてください。入社後に状況が変わった場合は会社に届け出れば問題ありません。
- 離婚調停中の場合はどう書きますか?
-
離婚が成立していない段階では法律上の配偶者がいる状態です。「配偶者の有無」は「有」とし、扶養義務は実態に応じて判断します。配偶者が別居しており、自身の収入で生計を立てている場合は「無」になるケースが多いです。
参考:身上書の家族欄の書き方

