この記事では、履歴書のWordフォーマットを目的別に紹介し、採用担当者に通る様式の選び方とレイアウトが崩れない作成手順を解説します。厚生労働省の推奨様式を基本に、経歴・自己PR・資格など強調したい項目に合わせたフォーマットの使い分け方がわかります。
履歴書のWordフォーマットは厚生労働省様式が基本
Wordで履歴書を作成する場合、まず知っておくべきはフォーマットの「標準」です。2021年4月に厚生労働省が新たな履歴書様式例を公表して以降、この様式が事実上の標準フォーマットとなっています。
厚生労働省様式とは(2021年改定のポイント)
厚生労働省が公表した履歴書様式例は、公正な採用選考を推進する目的で設計されています。旧JIS規格の様式からの主な変更点は以下の通りです。
- 性別欄が任意記載に変更:「男・女」の二択選択から、記載するかどうかを応募者が選べる形式へ
- 「通勤時間」「扶養家族数」「配偶者」欄を削除:採用選考に直接関係しない個人情報の記載を求めない設計
- A4サイズ2枚(見開き1枚)が標準:B5サイズも使用可能だが、転職市場ではA4が主流
採用担当者はここを見ている
- フォーマットの種類自体で合否を決めることはないが、「読みやすさ」と「情報の整理度」は開いて3秒で判断している
- 厚生労働省様式を使っていれば「最低限のルールを知っている人」と認識される
- 古いフォーマット(通勤時間欄あり等)を使っていても即不採用にはならないが、情報感度の低さを印象づけるリスクがある
JIS規格との違いと現在の位置づけ
かつて履歴書の標準だったJIS規格様式は、2020年7月に日本規格協会が解説から削除しました。つまりJIS規格の履歴書は事実上廃止されており、現在は厚生労働省の様式例が唯一の公的な基準です。
| 項目 | 旧JIS規格 | 厚生労働省様式(現行) |
|---|---|---|
| 性別欄 | 男・女の二択(必須) | 任意記載(未記載可) |
| 通勤時間 | あり | なし |
| 扶養家族数 | あり | なし |
| 配偶者欄 | あり | なし |
| サイズ | B5またはA4 | A4推奨 |
市販の履歴書用紙やダウンロードテンプレートの中には、まだ旧JIS規格の項目が残っているものもあります。Wordでフォーマットを選ぶ際は、「通勤時間」「扶養家族」欄が含まれていないかを確認してください。
目的別に選ぶWordフォーマット4種類
厚生労働省様式をベースに、各転職サイトや求人メディアが「目的別にアレンジしたフォーマット」を無料で配布しています。自分の経歴やアピールポイントに合わせて選ぶのが正解です。
経歴が多い人向け(職歴欄が広いフォーマット)
転職回数が3回以上ある方や、部署異動が多い方に適しています。学歴欄を最小限に抑え、職歴を10行以上書ける設計になっているのが特徴です。
- 職歴欄:10〜12行(通常フォーマットは6〜8行)
- 志望動機・自己PR欄:やや小さめ
- 向いている人:転職3回以上、派遣経験が複数ある方
自己PR・志望動機を強調したい人向け
職歴が浅い20代の第二新卒や、異業種への転職を目指す方に適しています。志望動機欄と自己PR欄のスペースが広く取られており、意欲や適性を文章で伝えやすい設計です。
- 志望動機・自己PR欄:通常の約1.5倍のスペース
- 職歴欄:4〜6行(簡潔にまとめる前提)
- 向いている人:第二新卒、未経験転職、ブランク明け
資格・スキル欄を広く使いたい人向け
IT系の資格や国家資格を複数持っている方、語学力をアピールしたい方向けです。資格・免許欄が通常の2倍程度確保されているフォーマットを選んでください。
証明写真欄なしフォーマット(Web応募向け)
メールやWebフォームで提出する場合、写真欄がないフォーマットを使う選択肢もあります。写真は別途データで送付する指定がある企業で有効です。ただし、写真欄ありのフォーマットが一般的であり、指定がなければ写真欄ありを選ぶのが無難です。
履歴書をExcelで作りたい場合は、エクセル版の無料テンプレートも選択肢になります。

採用担当者が落とすフォーマットの特徴
フォーマット選び自体は難しくありません。問題は「選んだ後の体裁」です。採用担当者は1通あたり数十秒〜1分で書類を判断しており、体裁が崩れた履歴書は内容を読む前に印象が下がります。
レイアウト崩れ・フォント不統一がNGな理由
Wordで作成した履歴書に多いトラブルが「レイアウト崩れ」です。表の線がずれている、文字がはみ出している、フォントが部分的に変わっている。これらは能力とは無関係ですが、採用担当者からは「確認が雑な人」と映ります。
NG例
- 本文は游ゴシックなのに氏名欄だけMSゴシック → フォントが混在して見える
- セル内の文字がはみ出して次の行に食い込んでいる
- PDF変換後に罫線がずれて二重線になっている
- 余白が左右で異なり、全体が傾いて見える
余白・行間・文字サイズの正解
フォーマット全体の統一感を保つために、以下の数値を基準にしてください。
| 項目 | 推奨値 | 注意点 |
|---|---|---|
| フォント | 游ゴシック or MS明朝 | 全項目で統一する |
| 文字サイズ | 10.5〜11pt | 氏名欄のみ14〜16ptで可 |
| 行間 | 1.15〜1.25行 | 詰めすぎると読みにくい |
| 余白(上下左右) | 15〜20mm | 左右を均一に設定する |
フォーマットを変更した後は、必ずPDFに変換して印刷プレビューで体裁を確認してください。画面上では問題なくても、PDF化の段階でずれるケースがあります。
Wordで履歴書を作る手順(崩れないコツ)
テンプレートをダウンロードしてから提出用PDFに仕上げるまで、4つのステップで解説します。
テンプレートのダウンロードと初期設定
Word形式の履歴書テンプレートは、厚生労働省の公式サイトや大手転職サイト(リクナビNEXT・マイナビ転職・doda等)から無料でダウンロードできます。
- ダウンロード後、まず「ファイル」→「名前を付けて保存」で作業用ファイルを複製する
- 「レイアウト」タブで余白を確認(上下左右15〜20mm)
- 「ホーム」タブでフォントを確認し、全セルを選択して統一する
- 互換モードの表示が出た場合は「ファイル」→「変換」で最新形式に変換する
入力時の注意点(フォント・サイズ・揃え)
テンプレートに入力する際、以下のルールを守ると体裁が崩れません。
| ルール | 具体的な操作 |
|---|---|
| フォントを変えない | テンプレートに設定されたフォントのまま入力する |
| 文字数に注意 | セルからはみ出す場合は文字サイズを0.5pt下げるか文章を短縮する |
| 改行に気をつける | Enterで改行するとセルの高さが変わる。Alt+Enterは使わない |
| 日付の形式を統一 | 西暦か和暦かを全項目で揃える(混在はNG) |
採用担当者はここを見ている
- 日付の表記ゆれ(西暦と和暦が混在していないか)
- 文字の揃え方(左揃えで統一されているか)
- 空欄の処理(空欄があれば「特になし」等で埋めているか)
写真の挿入方法とずれ防止
Word上で証明写真を貼り付ける場合、「挿入」→「画像」で取り込んだ後に配置方法を設定します。
- 画像を選択 →「図の書式設定」→「レイアウト」→ 「前面」に変更
- 写真枠のサイズ(縦40mm×横30mm)に合わせてトリミング
- 「前面」配置にすると本文テキストに影響を与えず、位置がずれにくくなる
- PDF変換後にずれていないか必ず確認する
Wordでの写真挿入について詳しくは、Wordでの履歴書作成方法で手順を解説しています。

PDF変換と印刷の手順
完成した履歴書はWord形式のまま提出せず、PDFに変換してから送付するのが基本です。Word形式のまま送ると、相手のPCのフォント環境によってレイアウトが変わる可能性があります。
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」→ ファイルの種類で「PDF」を選択
- 保存前に「オプション」→「ページ範囲」を確認(余計なページが含まれていないか)
- 保存後、PDFを開いて表のずれ・フォントの変化・写真の位置を最終確認する
- 印刷する場合は「実際のサイズ」で出力し、A4用紙に余白が均等に出ているか確認する
手書きとPC作成、どちらを選ぶべきか
Wordフォーマットを選ぶか、手書きにするか。この判断で迷う方は少なくありません。結論として、2026年現在の転職市場ではPC作成(Word・Excel)で不利になることはほぼありません。
採用担当者の本音(PC作成で不利にはならない)
大半の企業では、履歴書がPC作成か手書きかで評価を変えていません。むしろPC作成の方が読みやすく、情報を正確に読み取れるため歓迎する担当者が多いのが実態です。
採用担当者はここを見ている
- 手書きかPCかではなく「中身の論理性と具体性」で判断している
- PC作成の場合、使い回しをしていないかどうか(志望動機が汎用的すぎないか)を見ている
- 手書きを評価するのは「文字を書く仕事」や「熱意を重視する中小企業」に限られる
手書きが求められるケース
以下のケースでは手書きの方が適している場合があります。
- 求人票や企業側から「手書きで」と明記されている場合
- 老舗の中小企業で「丁寧さ・誠実さ」を重視する社風の場合
- 接客業や営業職で文字の美しさ自体が評価される場合
これら以外のケースでは、Wordフォーマットで効率よく作成する方が合理的です。作成時間を短縮した分、志望動機や自己PRの内容を練ることに時間を使えます。
時間をかけずに見栄えの良い履歴書を作る方法は、履歴書を簡単に作る方法でも詳しく解説しています。

まとめ
- 履歴書のWordフォーマットは厚生労働省の様式例(2021年公表)が現在の標準
- 経歴の量や強調したい項目に合わせて4種類から選ぶと過不足なく情報を伝えられる
- フォント統一・余白設定・PDF変換後の確認が体裁崩れを防ぐ3つの基本
- PC作成で不利になることはほぼなく、内容を練る時間に充てるのが正解
フォーマット選びに正解はありませんが、「間違い」はあります。旧JIS規格の古い様式を使わないこと、フォントと余白を統一すること、PDF変換後に体裁を確認すること。この3点を守れば、フォーマットで損をすることはありません。
履歴書のWordフォーマットに関するよくある質問
- 履歴書のWordフォーマットは無料でダウンロードできますか?
-
はい。厚生労働省の公式サイト、リクナビNEXT、マイナビ転職、dodaなど大手転職サイトからWord・Excel・PDF形式で無料ダウンロードできます。会員登録不要で入手できるサイトも多くあります。
- 履歴書はA4とB5どちらのフォーマットを使うべきですか?
-
転職活動ではA4サイズ(見開きでA3)が主流です。B5サイズも使用可能ですが、職務経歴書やその他の応募書類がA4であることが多いため、サイズを揃える意味でもA4を選ぶのが無難です。
- Wordで作った履歴書はそのまま送って良いですか?
-
Word形式(.docx)のまま提出するのは避けてください。相手のPCのフォント環境や設定によってレイアウトが崩れる可能性があります。PDF形式に変換してから提出するのが基本マナーです。
- 厚生労働省のフォーマット以外を使うと不利になりますか?
-
不利にはなりません。厚生労働省の様式例はあくまで「推奨」であり、これ以外のフォーマットでも問題ありません。ただし「通勤時間」「扶養家族」などの旧項目が含まれるフォーマットは情報が古い印象を与える場合があります。
志望動機の書き方で迷っている方は履歴書の志望動機の書き方と例文も参考にしてください。

自己PRの書き方が決まらない方は履歴書の自己PR例文もあわせてご覧ください。


