履歴書の扶養家族数は、自分の収入で養っている家族がいなければ「0人」と書くのが正解です。空欄のまま提出すると記入漏れと誤解されるおそれがあります。この記事では配偶者欄・配偶者の扶養義務欄との違いや、扶養にカウントされる4つの条件、2026年の制度変更まで、独身・既婚・学生などケース別に採用担当者の視点で解説します。
履歴書の扶養家族数は「0人」が基本|結論と記入ルール
結論:養っている家族がいなければ0人
扶養家族数とは、あなたの収入で生計を支えている家族の人数のことです。独身で誰も養っていなければ「0人」、配偶者以外に子どもや親御さんを養っていればその人数を記入します。本人は数に含めません。「0人と書くと寂しい印象になるのでは」と迷う方もいますが、これは社会保険手続きのための事務情報にすぎず、遠慮する必要はありません。
記入例
良い例文(独身・養っている家族なしの場合)
- 扶養家族数(配偶者を除く):0人
- 配偶者の有無:無
- 配偶者の扶養義務:無
NG例
扶養家族数の欄を空欄のまま提出するのはNGです。記入漏れと判断されるリスクがあるため、該当者がいなくても必ず「0人」と数字で明記してください。
配偶者欄・配偶者の扶養義務欄との違い
履歴書の扶養関連欄で混乱しやすいのが、扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務の3つの違いです。それぞれ意味が異なるため、表で整理します。
| 欄名 | 記入する内容 | 独身の場合 |
|---|---|---|
| 扶養家族数(配偶者を除く) | 配偶者以外で自分が生計を支える家族の人数 | 0人(養っている親族がいなければ) |
| 配偶者の有無 | 法律婚・事実婚の相手がいるかどうか | 無 |
| 配偶者の扶養義務 | 配偶者を自分の健康保険の扶養に入れているか | 無 |
多くの人がここで手が止まるのは、3欄がセットで並んでいるために「1つ書けば残りも連動するのでは」と誤解してしまうためです。実際は3つとも独立した項目のため、それぞれの意味を確認してから記入すると迷いがなくなります。
扶養家族としてカウントされる4つの条件
社会保険上の扶養家族の定義
履歴書に書く扶養家族数は、一般的に「社会保険(健康保険)上の扶養家族」の人数を指します。次の条件をすべて満たす人が対象です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 親族の範囲 | 3親等内の親族(配偶者・子・父母・祖父母・兄弟姉妹など) |
| 年収の上限 | 年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満) |
| 収入の割合 | あなたの年収の2分の1未満であること |
| 年齢 | 75歳未満(75歳以上は後期高齢者医療制度に移行するため対象外) |
| 他の保険 | 他の健康保険の被保険者になっていないこと |
別居の親族を扶養に入れられるケース
同居していない親族でも、扶養家族に含められる場合があります。ただし範囲には条件があります。
- 直系尊属・配偶者・子:別居でも仕送りなど生計維持の事実があれば対象
- それ以外の3親等内の親族(兄弟姉妹・叔父叔母など):原則として同居が条件
- 仕送りは「定期的」であることが求められ、単発の送金は対象外になりやすい
採用担当者はここを見ている
- 扶養家族数は選考の合否には直接影響しない。あくまで入社手続き用の事務情報として確認している
- 親を扶養に入れていると分かれば、入社後の保険手続きに時間がかかることを事前に想定する
【ケース別】扶養家族数の書き方と記入例
独身・一人暮らしの場合
養っている家族がいなければ、扶養家族数は0人です。転職用の履歴書テンプレートを使う場合も、同じ考え方で問題ありません。
実家暮らしで親を養っている場合
実家暮らしでも、親が現役で働いていたり年金収入が130万円以上あったりする場合は「0人」です。一方、無職や少額の年金収入のみで生計をあなたに頼っている場合は、扶養家族数に加算します。
| ケース | 扶養家族数 |
|---|---|
| 実家暮らし、親は現役で就労中 | 0人 |
| 実家暮らし、母(年収80万円)を扶養 | 1人 |
| 実家暮らし、両親(ともに無職)を扶養 | 2人 |
配偶者が専業主婦(夫)の場合
配偶者を扶養に入れている場合、扶養家族数には配偶者を含めません。配偶者は「配偶者の有無:有」「配偶者の扶養義務:有」で別欄に記入し、扶養家族数にはお子さんなど配偶者以外の人数のみを書きます。子どもがいなければ扶養家族数は0人です。
夫婦共働きの場合
配偶者にも年収130万円以上の収入があり、それぞれ別の健康保険に加入している場合、配偶者は扶養に該当しません。「配偶者の有無:有」「配偶者の扶養義務:無」と記入し、扶養家族数はお子さんなど扶養している家族の人数のみを数えます。パート用の履歴書テンプレートで応募するケースでも同じ考え方です。
自分が学生の場合
学生アルバイトの場合、多くは親の扶養に入っている側であり、自分が家族を扶養しているケースは稀です。したがって扶養家族数は0人と記入するのが基本です。アルバイト用の履歴書テンプレートにこの欄がある場合も、同様に0人で記入してください。
採用担当者はここを見ている
- 属性が違っても「配偶者を除いた人数」という数え方は共通。ケースごとに公式が変わるわけではない
- 共働き・専業主婦(夫)などで配偶者の扶養状況を書き間違えると、入社後の保険手続きが差し戻しになりやすい
扶養家族数を書くときによくある3つのミス
採用担当者の目線から見て、扶養家族欄で特に多いミスを3つ紹介します。提出前のセルフチェックに使ってください。
NG例
- 自分自身をカウントしてしまう:扶養家族数に「1人」と誤って記入するケース。本人は扶養家族に含めません
- 空欄のまま提出する:該当者がいなくても、必ず「0」と数字で記入する
- 配偶者を扶養家族数に含めてしまう:配偶者は別欄で扱うため、扶養家族数からは除く
採用担当者はここを見ている
- 扶養家族数の申告が実態とズレていると、入社後の保険証発行や年末調整でやり直しが発生する
- 3欄の整合性が取れているかどうかで、書類作成の丁寧さを見ている
本人希望欄に扶養内での勤務を希望する旨を書きたい方は、本人希望欄に扶養内を書く方法もあわせてご覧ください。

扶養家族数の欄と近い場所にある家族構成欄の書き方もあわせて確認すると、関連する欄のミスを防げます。

2026年の制度変更で変わる扶養の考え方
扶養の基準となる「年収の壁」は近年見直しが続いています。履歴書に直接影響するものではありませんが、扶養家族数の判断材料として知っておくと安心です。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2023年10月〜 | 人手不足による一時的な収入増であれば、事業主の証明により最大連続2年間まで扶養を継続できる特例が開始 |
| 2025年10月〜 | 19〜22歳の学生を扶養する場合の所得基準が引き上げられ、150万円が目安に |
| 2026年10月〜(予定) | 106万円の壁(月額賃金8.8万円以上の要件)が撤廃され、従業員数や労働時間による加入基準に一本化される見込み |
これらの変更は主にパート・アルバイトで働く配偶者や親族の社会保険加入基準に関わるものです。扶養家族数の判定基準そのものが緩和される方向にあるため、「一時的に収入が増えたから扶養家族数を変えなければ」と焦る必要は薄れつつあります。実際の適用条件は加入している健康保険組合によって異なるため、迷った場合は勤務先や保険組合へ確認してください。
採用担当者はここを見ている
- 制度が変わるたびに履歴書を書き直す必要はない。応募時点の実態を記入すれば十分
- 扶養の最終確認は入社後の正式な扶養届で行うため、履歴書の数字だけで手続きを進めることはない
社会保険への加入希望を本人希望欄に書きたい場合は、社会保険加入希望の書き方を参考にしてください。

厚生労働省の新様式では扶養家族欄が不要
2021年4月、厚生労働省は履歴書の様式例を改定しました。この新様式では、「扶養家族数」「配偶者の有無」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」の4項目が削除されています。プライバシー性の高い個人情報であり、選考に本来必要ないと判断されたためです。
一方、市販の履歴書や企業指定のフォーマット、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレート以外の様式には旧様式の欄が残っている場合があります。欄がある履歴書を使うなら空欄にせず正確に記入し、欄がない履歴書ならこの項目について考える必要はありません。
採用担当者はここを見ている
- 厚労省様式か旧様式かで、採用担当者の印象が変わることはない
- 欄がある履歴書を使いながら空欄で提出すると「未記入=雑な人」という印象につながりやすい
まとめ
- 独身で養っている家族がいなければ、扶養家族数は「0人」
- 配偶者は扶養家族数に含めない。「配偶者の有無」「配偶者の扶養義務」で別途記入する
- 親や兄弟を自分の収入で養っている場合は、年収130万円未満などの条件を確認して加算する
- 空欄は記入漏れと見なされるため、0人でも必ず数字で記入する
- 厚労省の新様式には扶養家族欄がないため、欄がなければ記入不要
扶養家族数の記入は数秒で終わる作業ですが、空欄や誤記は書類全体の印象を下げます。提出前に扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務の3欄をセットで確認してください。
扶養家族数に関するよくある質問
- 独身で実家暮らしの場合、扶養家族数は何人と書けばいいですか?
-
親が現役で働いていて年収130万円以上ある場合は「0人」です。実家で同居していても、あなたが経済的に養っていない限り扶養家族には該当しません。親が無職や年金収入のみで130万円未満の場合は、扶養家族に含められる可能性があります。
- 扶養家族数が0人だと採用で不利になりませんか?
-
不利にはなりません。扶養家族数は社会保険手続きのための事務情報であり、選考の合否には影響しないのが一般的です。扶養家族がいないからといってマイナス評価を受けることはないため、実態のとおり正確に記入してください。
- 厚労省の新しい履歴書には扶養家族欄がないと聞きました。書かなくてもいいですか?
-
2021年4月に厚生労働省が作成した新しい様式例では、扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務・通勤時間の4項目が削除されています。この新様式を使う場合は記入不要です。ただし、市販の履歴書や企業指定のフォーマットに欄がある場合は、空欄にせず正確に記入してください。
- 別居の親に仕送りしている場合、扶養家族に含めますか?
-
別居でも、直系尊属(父母・祖父母)であれば扶養家族に含めることができます。ただし相手の年収が130万円未満(60歳以上は180万円未満)で、かつあなたの年収の2分の1未満であることが条件です。定期的な仕送りの事実も必要になります。

