この記事では、介護職の職務経歴書の書き方を採用担当者の視点から解説します。施設種別(特養・デイ・訪問介護)の例文、よくあるNG例と改善例、状況別(未経験・ブランクあり)の書き方まで網羅しています。
介護職の職務経歴書 採用担当者が確認する5つのポイント
採用担当者が職務経歴書を最初に確認する時間は、30秒〜1分程度です。その短時間で「この人を面接に呼ぼう」と思わせるには、採用担当者が何を見ているかを先に把握しておくことが必要です。
採用担当者はここを見ている
- 施設の種類と規模:どんな施設で、何名の利用者を担当していたか(定員・ユニット数・介護度)
- 業務の具体性:身体介護・認知症ケア・夜勤の有無など、どんな業務をどの程度の規模でこなしてきたか
- 資格の正確性:「介護福祉士」「実務者研修」など資格名が正式名称で書かれているか
- 職務要約との一貫性:要約に書いた内容と職歴欄の記載が矛盾していないか
- 自己PRの中身:「人が好き」ではなく、施設の課題解決につながる経験や視点があるか
この5つのポイントのうち、多くの応募者が不合格になるのは「施設情報の書き方の甘さ」と「自己PRの抽象度が高すぎること」の2点です。以降のセクションでは、具体的な書き方と例文をセットで解説します。
介護職の職務経歴書 項目別の書き方と良い例・NG例
職務要約の書き方
職務要約は「この人はどんな人か」を3〜5行で伝える冒頭文です。採用担当者がここを読んで「続きを読もう」と思わなければ、その後の詳細欄はほとんど読まれません。
介護職の職務要約で重要なのは、勤務施設の種類・年数・担当した利用者の介護度を一文に圧縮することです。「介護が好きで経験を積んできました」のような感想は採用担当者の目を止めません。
良い例文
特別養護老人ホームで5年、グループホームで2年の計7年間、介護職として従事しました。特養では要介護3〜5の利用者30名を担当するユニットのリーダーを3年間務め、夜勤業務・看取りケアを経験。現在は後輩3名の育成も担当しています。
NG例
介護の仕事に情熱を持って取り組んできました。利用者の方々に寄り添ったケアを心がけています。施設の種類・年数・担当業務がすべて省かれており、採用担当者は何も判断できません。
職務経歴欄の書き方(施設情報が評価を左右する)
職務経歴欄は、採用担当者が最も時間をかけて読む箇所です。多くの応募者が「業務内容だけ」を書いてしまい、施設の規模感や入所者の状態を省略しがちです。
採用担当者は「この人が担当していた施設の規模・入所者の状況」を確認してから、自施設との適合性を判断します。施設情報が薄いと、経験の重みが正確に伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 施設形態:特養(ユニット型 / 従来型)、デイサービス、訪問介護、有料老人ホームなど
- 規模:定員数、ユニット数、担当フロアの人数
- 入所者の状態:要介護度の目安(例:要介護3〜5が7割)
- 担当業務:身体介護・生活援助の具体的な内容(入浴介助・食事介助・排泄介助)
- 特記事項:夜勤の有無、認知症ケア、看取りケアの経験の有無
記入フォーマットとして、以下のような表形式が採用担当者にとって最も読みやすいです。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 在籍期間 | 2019年4月〜2024年3月(5年間) |
| 施設名・形態 | 社会福祉法人〇〇 特別養護老人ホーム(ユニット型、定員80名) |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 担当業務 | 要介護3〜5の高齢者30名を担当。身体介護(入浴・食事・排泄)、夜勤(月6回)、看取りケア対応 |
| 役割 | 入職3年目よりユニットリーダー(後輩3名のOJT担当) |
資格・スキル欄の書き方
資格欄は正式名称で記載しないと、採用担当者に不信感を与えます。特に介護職では資格の種類が多く、略称や誤った表現で書いてしまうケースが目立ちます。
| 資格名 | 職務経歴書への正しい記載例 |
|---|---|
| 介護福祉士 | 介護福祉士(登録番号:〇〇〇〇〇〇) |
| ケアマネジャー | 介護支援専門員(〇〇県第〇〇〇〇〇〇〇号) |
| 実務者研修 | 介護職員実務者研修 修了(〇〇年〇月) |
| 初任者研修 | 介護職員初任者研修 修了(〇〇年〇月) |
| 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 取得(〇〇年〇月) |
資格欄で特に注意すべきは、「修了」と「取得」の使い分けです。研修系(初任者研修・実務者研修)は「修了」、試験に合格して登録する資格(介護福祉士・ケアマネ)は「取得」が正確な表現です。
自己PRの書き方(抽象表現を避けて差をつける)
自己PRは採用担当者が「この人に会いたいかどうか」を判断する最後のフィルターです。「人が好き」「やさしい」「頑張ります」という表現が並ぶ書類は、書類選考で落とされやすいです。
採用担当者が知りたいのは、その人が施設にとって「戦力になるかどうか」です。具体的な実績・対応した経験・チームへの貢献が書かれていると、印象が大きく変わります。
良い例文
特養のユニットリーダーとして3年間、夜勤を含む介護業務に加え、新入職員3名のOJTを担当しました。業務マニュアルの改訂に主体的に関わり、ヒヤリハットの記録件数を前年比30%削減した実績があります。認知症ケアの知識を深めるため、昨年認知症ケア専門士を取得しました。次のキャリアでも、経験と資格を活かしながらチームに貢献したいと考えています。
NG例
高齢者の方が好きで、いつも笑顔で接することを大切にしています。利用者様の生活を支えるお手伝いができれば幸いです。「好き」と「笑顔」のみで実績がゼロ。採用担当者にはスキルも成果も何も伝わりません。
施設別 介護職の職務経歴書 例文
施設の種類が異なると、採用担当者が重視するポイントも変わります。自分の勤務先の施設形態に合わせた例文を参考にしてください。
特別養護老人ホーム(特養)の例文
特養は要介護3以上の重度ケアが基本です。採用担当者は「ユニット型か従来型か」「看取りケアの経験があるか」「夜勤回数」を特に確認します。
職務要約の例文(特養)
社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム(ユニット型、定員80名)に正社員として5年間勤務しました。要介護3〜5の利用者30名を担当するユニットで、身体介護・夜勤・看取りケアに対応。3年目からユニットリーダーを担い、後輩育成と業務改善にも取り組んできました。
職務経歴欄の例文(特養)
【施設情報】社会福祉法人〇〇 特別養護老人ホーム○○(ユニット型・定員80名・ユニット数8)
【在籍期間】2019年4月〜2024年3月(5年間、正社員)
- 要介護3〜5の利用者30名に対する身体介護(入浴・食事・排泄介助)
- 夜勤業務(月6回):利用者60名のフロアを2名体制で対応
- 認知症ケア(BPSD対応を含む)
- 看取りケア(家族対応・ターミナルケア)
- ユニットリーダーとして後輩3名のOJT・シフト作成・申し送り進行
デイサービスの例文
デイサービスでは「1日の利用者人数」「レクリエーションの企画・実施経験」が採用担当者の判断材料になります。特養と異なり夜勤がない分、利用者とのコミュニケーション量が多いことを数字で示すと効果的です。
職務要約の例文(デイサービス)
1日最大50名が利用する通所介護施設に3年間勤務しました。要介護1〜3の利用者への身体介護・生活援助に加え、月2回のレクリエーション企画・進行を担当。送迎業務にも携わり、利用者宅での短時間の状態確認も経験しています。
職務経歴欄の例文(デイサービス)
【施設情報】株式会社〇〇 通所介護(デイサービス)○○(定員50名 / 日、スタッフ12名)
【在籍期間】2021年4月〜2024年3月(3年間、正社員)
- 要介護1〜3の利用者への身体介護(入浴・食事・排泄介助)
- 月2回のレクリエーション企画・進行(体操・季節行事)
- 送迎業務(普通自動車免許活用、1日10名程度の送迎)
- ケア記録・申し送りの作成(介護ソフト使用)
訪問介護の例文
訪問介護は「単独で利用者宅に訪問する」業務のため、採用担当者は「独立した判断力」と「安全管理への意識」を重視します。1日の訪問件数と移動手段も記載すると、稼働量が伝わります。
職務要約の例文(訪問介護)
訪問介護事業所に4年間勤務し、1日5〜7件の利用者宅を担当しました。要支援2〜要介護3の高齢者への身体介護・生活援助を担当。2年目からサービス提供責任者の補助業務(ヘルパーのシフト調整・利用者対応)も兼任しています。
職務経歴欄の例文(訪問介護)
【施設情報】株式会社〇〇 訪問介護事業所(担当エリア:〇〇市内、ヘルパースタッフ20名)
【在籍期間】2020年4月〜2024年3月(4年間、正社員)
- 要支援2〜要介護3の利用者への身体介護(清拭・食事・排泄介助)
- 生活援助(掃除・調理・買い物同行)
- 1日5〜7件のご自宅訪問(自転車・原付での移動)
- サービス提供責任者補助:ヘルパー5名のシフト調整・利用者家族への連絡対応
職務経歴書の作成が難しいと感じる場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用するのも一つの方法です。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →状況別 介護職の職務経歴書の書き方
他業種からの転職(未経験)
介護未経験の転職では、「なぜ今のタイミングで介護の仕事に就くのか」を採用担当者は必ず確認します。「人が好き」「祖父母が好き」だけでは転職の理由として弱いです。
未経験者が職務経歴書で差をつけるポイントは、前職の経験を「介護の現場で使えるスキル」に翻訳することです。
採用担当者はここを見ている
- 前職での接客・コミュニケーション経験(対人業務の素地があるか)
- 介護職員初任者研修・実務者研修などの資格取得状況(学ぶ意欲があるか)
- 転職理由が介護の仕事への積極的な動機か(ネガティブ離職かどうか)
自己PRの例文(未経験転職)
前職では飲食店の店長として5年間、スタッフ管理と接客業務を担当しました。高齢のお客様への対応が多く、コミュニケーションと観察力を身につけてきました。昨年から祖父の介護に関わる中で、専門的なケアの必要性を実感し、介護職員初任者研修を修了(2025年12月)。経験を積みながらキャリアを作っていきたいと考えています。
ブランク期間がある場合
育児・介護・病気療養などでブランク期間がある場合、採用担当者が気にするのは「復帰後に即戦力として動けるか」という点です。ブランクの理由の説明よりも、現在の状況と復帰への準備を明確に伝えることが重要です。
良い例文(ブランクあり)
2022年より親族の介護のため一時的に就業を中断していましたが、2024年に介護体制が整ったため転職活動を再開しました。ブランク期間中は認知症ケア専門士の資格取得に向けて学習を継続し、2024年3月に取得しました。就業ブランクは約2年ありますが、身体介護・夜勤の経験は5年以上あり、即日現場に入れる状態です。
職務経歴書全体の書き方について、より詳しく確認したい方は職務経歴書の書き方ガイドもあわせて参照してください。

採用担当者が落とす職務経歴書 3つのNG
書類選考で落とされる職務経歴書には共通のパターンがあります。以下の3つのNGに当てはまっていないか、提出前に確認してください。
NG① 施設の規模・形態が書かれていない
「特養で5年働いた」とだけ書かれた職務経歴書は、採用担当者にとって情報不足です。定員20名の小規模施設と定員100名の大規模施設では、業務の重さも求められる判断力も大きく異なります。
施設名・定員数・ユニット数・担当人数をセットで書くことで、経験の重みが正確に伝わります。
NG② 業務内容が「介護業務全般」で終わっている
「介護業務全般」という記載は、採用担当者が最も困る表現です。「何ができて、何ができないか」が判断できません。
NG例
利用者への介護業務全般を担当しました。入浴・食事・排泄・夜勤・認知症対応のどれを経験しているか不明。採用担当者は次の判断ができません。
箇条書きで具体的な業務を列挙することで、採用担当者が自施設との適合性を即座に判断できるようになります。
NG③ 自己PRが「熱意」だけで具体性がない
「高齢者の方が好きで情熱を持って取り組んでいます」という書き方は、採用担当者が書類選考で最も多く目にする表現です。全員が同じことを書いているため、誰にも刺さりません。
自己PRには、必ず「数字・具体的なエピソード・施設への貢献内容」を含めてください。「ヒヤリハット30%削減」「後輩3名のOJT担当」「業務マニュアルの改訂」など、採用担当者がイメージできる具体性が書類通過の鍵です。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者は「施設の種類・規模・担当業務の具体性」を最初に確認する
- 職務要約は3〜5行で「施設形態・年数・介護度・役割」を圧縮して書く
- 資格は正式名称で記載し、「修了」と「取得」を正しく使い分ける
- 自己PRは「人が好き」ではなく「実績・数字・チームへの貢献」で差別化する
- 未経験・ブランクありの場合も、前職の経験や資格取得への姿勢を具体的に伝えることで書類通過率は上がる
職務経歴書は「過去の経験を書く書類」ではなく、採用担当者に「次のステップに進んでほしい」と思わせる書類です。施設情報の具体性と自己PRの中身が、他の応募者との差を作ります。
介護職の職務経歴書に関するよくある質問
- 介護職の転職で職務経歴書は必要ですか?
-
必須ではない施設もありますが、提出することで書類選考を有利に進められます。特に複数の施設を経験している場合や、資格を複数持っている場合は、履歴書だけでは伝えられる情報に限界があります。職務経歴書を用意しておくと、応募先から「準備が丁寧な人」という印象を持たれます。
- 介護職員初任者研修しか持っていない場合、職務経歴書に書けることはありますか?
-
十分書けます。施設の規模・担当業務・対応した利用者の介護度・自分の役割(シフト補助、後輩指導など)を具体的に書くことで、資格の少なさを実務経験で補えます。初任者研修のみでも実務経験が豊富であれば、採用担当者はそちらを重視することが多いです。
- 介護職の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
1〜2枚が基本です。1つの施設のみの経験なら1枚に収め、複数の施設を経験している場合は2枚までが読みやすいとされています。3枚以上になる場合は、各施設の情報を表形式でまとめて圧縮することをおすすめします。
- 転職回数が多い場合、職務経歴書でどう説明すればいいですか?
-
転職回数よりも「各施設で何を経験し、何を身につけたか」に焦点を当てて書きましょう。複数の施設形態(特養・デイ・訪問介護など)を経験している場合は、「幅広い施設種別の現場経験がある」という強みに転換できます。短期間の在籍が続く場合は、職務要約や自己PRで前向きな転職理由を一言添えることが有効です。


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