この記事では、経理の職務経歴書の書き方を採用担当者の判断ポイントから逆算して解説します。職務要約・職務経歴欄・自己PRの書き方と、1〜3年目・4〜7年目・マネジャー別の例文を掲載します。書類通過率を下げるNGパターンの改善法もあわせて確認できます。
採用担当者が経理の職務経歴書で最初に確認すること
採用担当者が職務経歴書をスキャンする時間は、書類1枚あたり30秒前後といわれています。その短い時間で経理職の採用担当者が真っ先に確認しているのは、「担当業務の範囲」「経験年数」「決算業務の有無」の3点です。この3点が一目でわかる職務経歴書かどうかが、書類通過の第一関門になります。
30秒でスキャンされる「経理スキルレベル」の見られ方
経理職の採用担当者は、職務経歴書を読む前に「この人はどのレベルの経理経験者か」を確認しています。判断基準は明確で、担当業務の種類・規模・システムの3点セットで把握しようとしています。
採用担当者はここを見ている
- 月次・年次決算に関与しているか:月次処理だけか、年次決算(税務申告補助含む)まで経験しているかでスキルレベルが大きく変わる
- 使用していた会計システムの名前:弥生会計・SAP・freee・PCAなど具体名がないと経験の深さを確認できない
- 一人体制か分業制か:小規模企業で一人経理の経験者と、大企業で専門分業した経験者では即戦力性が異なる
- 業務量の規模感:「請求書処理50件/月」「売上管理:年間5億円規模」など数字があると業務習熟度が伝わる
採用担当者が落とす職務経歴書の3つのパターン
経理職の書類選考では、書き方のパターン次第で通過率が大きく変わります。採用担当者の視点から見たとき、落とされやすい職務経歴書には共通した3つのパターンがあります。
- 「経理業務全般を担当」の一言で済ませている:具体的に何をどの程度こなせるのかが採用担当者に伝わらない
- 数字・規模感がゼロ:「月次処理を担当」だけでは件数・金額・責任範囲がわからない
- 使用システムを記載していない:即戦力かどうかを判断するために、会計システムの経験は採用担当者にとって必須の確認事項
NG例
「経理部にて経理業務全般を担当。日々の入出金管理や帳票整理を行い、決算期には補助業務も経験しました。」
「何が担当業務か」「補助業務とはどこまでか」が採用担当者に全く伝わりません。「補助業務も経験」という表現は、むしろ「中途半端にしか関与していない」という印象を与えます。
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職務経歴書は「職務要約」「職務経歴」「スキル・資格」「自己PR」の4構成が基本です。各項目ごとに採用担当者が見るポイントと、書き方のコツを解説します。
職務要約|採用担当者が最初に読む冒頭サマリー
職務要約は、職務経歴書の冒頭に3〜5行で書く「自分の経歴の要約」です。採用担当者がここを読んで「詳細を読む価値があるか」を判断します。経理年数・担当業務の範囲・使用システムの3要素を必ず含めてください。
良い例文
製造業(年商30億円規模)の経理部門で5年間勤務。月次決算・資金繰り管理・請求書処理(月80件)を一人担当。使用会計ソフトは弥生会計を5年使用しており、月次締め後の試算表作成までを単独でこなせます。
NG例
「これまで経理部門での勤務経験があります。経理業務を幅広く担当してきました。」
「幅広く」「経験があります」だけでは、採用担当者は何もわかりません。職務要約は「採用担当者が5秒で自分のレベルを把握できる」情報密度が必要です。
職務経歴欄|業務内容を数字と範囲で書く
職務経歴欄では、在籍期間・会社概要・担当業務を時系列で記載します。業務内容は箇条書きで、かつ具体的な数字や規模感を必ず添えることが採用担当者の評価を分けます。
| 項目 | 書き方のポイント | 記載例 |
|---|---|---|
| 在籍期間 | 年月まで記載する | 2019年4月〜2024年3月(5年) |
| 会社概要 | 業種・規模を1行で | 精密機器メーカー、従業員200名、年商45億円 |
| 担当業務 | 箇条書きで業務種別ごとに | 月次決算業務(月150件の仕訳入力・試算表作成) |
| 使用システム | 製品名と使用年数を明記 | SAP(FI/CO)5年、Excel(ピボット・VLOOKUP活用) |
「月次決算業務を担当」だけでは不十分です。「月次決算業務(仕訳件数:月150件、試算表作成:月次締め翌2営業日に完成)」のように具体化することで、採用担当者は業務スピードと習熟度を判断できます。
スキル・使用システム欄|会計ソフトと業務ツールを明記する
経理職の採用担当者が特に確認するのは、使用してきた会計システムです。システムが自社環境と一致していれば教育コストが下がるため、採用判断に直結します。スキル欄には以下の内容を記載してください。
- 会計システム:弥生会計(○年使用)、freee、PCA会計、SAP(FI/CO)、勘定奉行など製品名と使用年数を添える
- 業務ツール:Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル・IF関数など使用機能を具体的に)、Access、Google Workspace
- 申告・申請業務の対応範囲:消費税申告補助、法人税申告補助(税理士法人と連携)、社会保険業務など、どこまで対応できるかを明記
資格欄|簿記資格の正しい書き方とアピール法
経理職の資格欄で最も多く記載されるのが、日商簿記検定です。正式名称は「日商簿記検定○級合格」と記載するのが基本で、略称の「簿記2級」だけでは正式な書き方になりません。
| 資格名 | 職務経歴書への正式記載 |
|---|---|
| 日商簿記2級 | 日商簿記検定2級合格 |
| 日商簿記3級 | 日商簿記検定3級合格 |
| 全商簿記1級 | 全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定1級合格 |
| ファイナンシャルプランナー2級 | 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
簿記2級は、経理職の採用において事実上の最低基準とする企業が多くあります。資格の正式名称と記載方法については、履歴書の検定記載の正式名称と書き方も参考にしてください。

自己PR欄|経理職ならではの強みを言語化する
経理職の自己PRでよくある失敗は、「コツコツ丁寧に取り組めます」「数字が得意です」という汎用的な表現で終わらせることです。採用担当者は経理という職種の特性を知っているため、抽象的な「長所の説明」ではなく、具体的な業務実績・改善行動・成果を求めています。
良い例文
「前職では月次締め後の作業に残業3〜4時間かかる状況を改善するため、仕訳データの入力フォームをExcelマクロで整備しました。結果として月次締め翌日の残業時間をゼロにでき、部門全体の作業効率が向上しました。経理の精度を保ちながら業務の仕組みを整えることへの関心が強く、新しい職場でも早期に貢献できると考えています。」
NG例
「几帳面でミスが少なく、数字を扱う仕事に向いています。経理の仕事が好きで、コツコツと丁寧に業務に取り組むことができます。」
「好き」「向いている」という主観的な表現は、採用担当者には何の判断材料にもなりません。実績・行動・成果の3点セットで構成してください。
経理の職務経歴書 例文集【経験年数・レベル別】
ここでは、経理の経験年数・業務レベル別に職務経歴書の例文を掲載します。職務要約・職務経歴・自己PRの3点セットで確認できます。自身の状況に近いパターンを参考に、具体的な数字や使用システムを自分のものに差し替えてください。
経理1〜3年目(月次処理メイン)の例文
入社から3年以内で月次処理が中心の経験者が対象です。決算への関与が少なくても、処理件数・使用システム・自分が単独でこなせる業務範囲を明記することで採用担当者への訴求力が増します。
【職務要約】経理1〜3年目
小売業(年商15億円)の経理部門で3年間勤務。月次の売掛・買掛管理、請求書処理(月60件)、経費精算(月40件)を単独担当。使用会計ソフトは弥生会計(3年)。年次決算については上長のサポートのもと棚卸資産集計・固定資産台帳更新の補助を2期経験。
【職務経歴】主な業務内容
- 売掛金管理:取引先30社の入金確認・残高照合(月次)
- 買掛金管理:仕入先20社への支払処理・振込業務
- 請求書発行・受領:月60件の処理を弥生会計で管理
- 経費精算:月40件の領収書確認・仕訳入力
- 月次試算表作成サポート:仕訳データの集計・整理
- 決算補助:棚卸資産の集計・固定資産台帳更新(年2回)
【自己PR】経理1〜3年目
3年間の経理業務を通じて、月次処理を単独で完結させる経験を積みました。入社2年目に経費精算の受付フォームをExcelで整備し、申請ミスによる差し戻し件数を月平均10件から2件に削減した実績があります。決算業務についてはサポート参加できた経験を足がかりに、早期に担当範囲を広げることを目標にしています。
経理4〜7年目(月次・年次決算経験あり)の例文
決算経験のある中堅経理担当者向けです。月次・年次決算の具体的な業務内容と、自分が何をどこまで担っていたかを明示することが、同経験年数の競合との差別化につながります。
【職務要約】経理4〜7年目
製造業(年商50億円)の経理部門で7年間勤務。月次決算(仕訳件数:月200件)・年次決算(法人税申告書作成補助・税理士との連携)・資金繰り管理を中心に担当。使用システムはSAP(FI/CO)を5年。経理チーム3名のうちリーダー格として後輩指導も経験。
【職務経歴】主な業務内容
- 月次決算業務:仕訳入力〜試算表確定まで(月200件・締め翌2営業日に完成)
- 年次決算補助:税理士との連携・申告書数値確認・固定資産管理(取得〜除却処理)
- 資金繰り管理:月次資金繰り表の作成・銀行との折衝補助
- 売掛金・買掛金管理:取引先50社の債権・債務照合
- 後輩指導:入社1〜2年目2名のOJT担当(月次処理・伝票入力指導)
【自己PR】経理4〜7年目
7年間の経理業務で得た強みは、決算業務の全体像を把握したうえで月次処理との整合性をとりながら動ける点です。前職では年次決算時に過去データとの不整合が2件発生し、原因分析を担当した経験から月次チェックリストを自主的に整備しました。この取り組みにより翌期以降の決算ミスがゼロになりました。新しい職場でも同様の視点で業務精度の向上に貢献できると考えています。
経理マネジャー・チームリーダー経験者の例文
チーム管理経験がある場合、採用担当者が確認するのは「マネジメントの範囲と成果」です。部下の人数・指導内容・チームとしての業務改善実績を明示してください。「チームをまとめていました」という表現だけでは評価されません。
【職務要約】マネジャー・リーダー経験者
IT系サービス業(年商120億円)の経理部門で10年間勤務。うち3年間は経理チーム(5名)のリーダーとして月次・四半期・年次決算の取りまとめ、経営管理資料の作成、監査法人対応を担当。会計システムはfreee(4年)とSAP(6年)を使用。
【自己PR】マネジャー・リーダー経験者
チームリーダーとして3年間取り組んだなかで最も成果を感じたのは、月次締め作業の平準化です。以前は担当者によって締め作業の完了日が翌日〜翌々日にバラついており、経営会議資料の準備がギリギリになっていました。業務フローを可視化して属人化を解消した結果、全員が締め翌2営業日に完了できるようになり、経営会議の前日提出が定着しました。新しい組織でも「仕組みを整える」視点から貢献できると考えています。
採用担当者が「通過させたい」と思う職務経歴書の3つのポイント
例文を参考にしながら、自分の職務経歴書の完成度を高めるために押さえておきたい3つのポイントを解説します。どれも難しい内容ではありませんが、意外と多くの転職者が見落としています。
ポイント①:数字を使って業務量・規模感を伝える
「月次処理を担当しました」と書いても、採用担当者には業務量が見えません。「月150件の仕訳入力・月次試算表を締め翌2営業日に完成」のように、件数・頻度・スピードを具体的に示すことで業務レベルが直感的に伝わります。「年間○億円の売上管理」「入金確認○社分」なども同様です。
ポイント②:決算への関与の「深さ」を正直に書く
決算業務への関与は「補助から独立担当まで」の幅広い表現があります。重要なのは、自分が実際にどこまで関与したかを正直に記載することです。「決算補助(棚卸資産の集計・固定資産台帳更新)」のように具体化すれば、実際に手を動かした経験として評価されます。「担当しました」と過度に誇張するよりも、誠実に範囲を示す書き方が採用担当者の信頼を得やすいです。
ポイント③:業務改善・仕組みづくりのエピソードを1つ入れる
採用担当者が「この人を採用したい」と感じるのは、単に業務をこなすだけでなく、自分の仕事を改善しようとする姿勢が見えるときです。Excelシートの整備・チェックリストの作成・申請フローの改善など、どんな小さな取り組みでも「具体的な行動と結果」がある話として書いてください。「何をどう変えたか」まで書くことが不可欠です。
採用担当者はここを見ている
- 変化・成果への言及:「〜の結果、○○が改善した」という形式で書かれているか
- 受け身ではなく能動的な行動:「担当しました」ではなく「〜を整備しました」「〜を提案しました」になっているか
- 誇張・矛盾がないか:面接で深掘りされたときに説明できる内容になっているか
職務経歴書を仕上げたら、転職エージェントやプロによる職務経歴書の添削サービスを活用して第三者の視点で確認するのも有効です。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
経理の職務経歴書で採用担当者に評価されるためには、「何をどれだけこなせるか」が一目でわかる書き方が必要です。
- 採用担当者が最初に確認するのは「担当業務の範囲・決算有無・使用システム」の3点
- 職務要約は経理年数・業務範囲・使用システムの3要素を必ず含める
- 職務経歴欄は業務内容を箇条書きにし、件数・金額・頻度などの数字を添える
- 自己PRは「コツコツ丁寧」より「具体的な改善行動と成果」で差がつく
- 簿記資格は正式名称「日商簿記検定○級合格」で記載する
書類を仕上げた後は、職務経歴書の自動作成ツールで基本フォーマットを整えることも選択肢の一つです。

経理の職務経歴書に関するよくある質問
- 経理未経験でも職務経歴書は必要ですか?
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経理未経験でも職務経歴書の提出を求める企業は多くあります。未経験の場合は、簿記資格の取得状況・関連する業務経験(事務・数字管理・Excelスキル)・なぜ経理を目指すかの動機を中心に構成してください。「経理に関連する経験」を意識的に整理して記載することで、採用担当者に努力と適性を伝えられます。
- 決算業務の経験が少ない場合、どう書けばよいですか?
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決算補助の経験でも、具体的な作業内容を書くことで評価されます。「固定資産台帳の更新(年2回)」「棚卸資産の集計・照合」「試算表の数値確認補助」など、実際に手を動かした内容を記載してください。「補助経験しかない」と一言で済ませるより、補助でも自分が担った範囲を正直に書く方が採用担当者の信頼を得やすいです。
- 簿記3級しか持っていない場合、職務経歴書に書けますか?
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簿記3級でも資格欄に「日商簿記検定3級合格」として記載できます。ただし、簿記3級を強くアピールするよりも、実務経験の内容(業務範囲・期間・システム)を充実させることを優先してください。簿記2級取得に向けて勉強中であれば「日商簿記検定2級取得に向け勉強中」と付記することで、成長意欲もあわせて伝えられます。
- 職務経歴書はどのくらいの枚数が適切ですか?
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一般的には1〜2枚(A4)が目安です。経験年数が3年以内であれば1枚にまとめ、5年以上の場合は2枚以内に収めることを意識してください。文字は詰め込みすぎず、採用担当者がスキャンしやすいよう余白と箇条書きを効果的に使って整理することで、読みやすさが大きく変わります。


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