この記事では、不動産営業の職務経歴書で採用担当者が最初に確認する3つのポイントを解説します。賃貸仲介・売買・投資用物件の職種別例文と、数値で表せない実績の書き方、他業種からの転職パターンも含めて紹介します。
不動産営業の職務経歴書|採用担当者が30秒で確認する3つのポイント
不動産業界は、賃貸仲介・売買仲介・投資用物件・建売・注文住宅など職種が細分化されており、同じ「不動産営業経験者」でも業務内容がまったく異なります。採用担当者は職務経歴書を見たとき、「自社のビジネスに合う人材かどうか」を30秒以内で判断します。
その判断に使われるのが次の3点です。この3つが書かれていない職務経歴書は、実績がどれほど優れていても採用担当者の目に止まりません。
採用担当者はここを見ている
- 取扱物件の種別と担当した役割(仲介/売主/管理)が明記されているか
- 月平均成約件数・達成率などの数値実績が書かれているか
- 宅建士の取得有無と実務での活用実績が記載されているか
①取扱物件の種別と担当した役割
「不動産営業の経験があります」という一文は、採用担当者にとってほとんど情報がありません。採用担当者が本当に知りたいのは、「何の物件を、誰に対して、どの立場で売ったか」です。
| 確認項目 | 具体的な記載例 |
|---|---|
| 物件種別 | 居住用賃貸、分譲マンション、戸建売買、収益物件(RC造3〜10棟規模)など |
| 担当役割 | 仲介(購入側)、売主側営業、オーナー向け管理受託 など |
| 顧客タイプ | 個人(エンド)、法人(投資家・法人借り上げ)など |
| エリア・規模感 | 東京都内23区(家賃5〜30万円帯)など |
賃貸仲介と売買仲介では、必要なスキルセットがまったく異なります。書類だけで即戦力かどうかを判断する採用担当者にとって、物件種別と役割の明記は職務経歴書の「最初の1秒」を決める情報です。
②数値化された実績
不動産営業の職務経歴書で最も差がつくのが実績の数値化です。採用担当者は「どのくらい売れた人か」を知りたいのですが、ほとんどの応募者は数値を書かずに落とされています。
記載できる数値の例を以下にまとめました。
- 月平均成約件数(例:月7〜10件、繁忙期は月13件)
- 年間売上目標達成率(例:対目標108%、3期連続達成)
- チームや支店内での順位(例:12名中上位2位以内を継続)
- 担当物件の取引規模(例:1件あたり2,000万〜8,000万円規模)
「具体的な数字が出せない」という方は、後述の「実績がない・数字で表せない場合の書き方」を参照してください。数字がなくても通過させる書き方があります。
③宅建士の取得・活用状況
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産業界では最も実務直結の国家資格です。採用担当者が重視するのは「取得しているかどうか」だけでなく、「実務でどう使っているか」まで確認します。
資格欄に「宅地建物取引士 合格(2022年)」と書くだけでなく、職歴欄や自己PR欄に「重要事項説明を月平均○件担当」「不動産売買契約書の作成・確認を担当」などの実務実績を加えると採用担当者の評価が大きく変わります。宅建士未取得の場合は、現在勉強中であれば「取得に向けて学習中(2026年10月受験予定)」と記載するだけで意欲が伝わります。
【項目別】不動産営業の職務経歴書の書き方
職務経歴書は一般的に「職務要約」「職歴」「保有資格・スキル」「自己PR」の4項目で構成されます。各項目で採用担当者が見るポイントを解説します。
職務要約の書き方(200〜300字)
職務要約は採用担当者が最初に読む箇所です。200〜300字で「誰に・何を・どのくらいの規模で売ってきたか」と「最大の強み」を一段落にまとめます。ここを読んで「続きを読む気になるかどうか」が書類選考の最初の分岐点です。
良い例文(賃貸仲介営業の場合)
不動産仲介会社にて7年間、東京・神奈川エリアを中心に居住用賃貸の仲介営業を担当しました。個人・法人問わずエンドユーザーへの反響営業をメインとし、月平均9件・年間100件前後の成約実績があります。3年目から未経験スタッフの育成にも携わり、3名をOJTで担当しました。宅地建物取引士を保有し、重要事項説明から契約書作成まで一貫して担当できます。
NG例
不動産会社に7年勤め、営業を担当していました。「何の物件を、誰に、どう売ったか」がまったく伝わらないため、採用担当者はこの時点で読むのをやめてしまいます。「丁寧に接客しました」「コミュニケーションを大切にしました」などの記述は、どの業界・どの職種でも使える言葉であり、不動産営業としての専門性が感じられません。
職歴欄の書き方|物件種別・顧客タイプ・実績を整理
職歴欄は時系列で記載します。各社の在籍期間と業務内容を書いたうえで、「業務の箇条書き」→「実績・成果の数値」→「担当役割の変化」の順に整理すると読みやすくなります。
職歴欄で書くべき内容の例です。
- 取扱物件:居住用賃貸(ファミリー向け2LDK〜4LDK、家賃12〜25万円帯)
- 営業スタイル:反響営業(ポータルサイト・自社サイト経由)、一部既存客へのリピート提案
- 担当業務:物件案内・条件交渉・重要事項説明・契約書作成・入居後フォロー
- 実績:月平均9件成約(支店内12名中2〜3位を3年継続)、年間目標達成率108%
ひとつの会社に長く在籍している場合は、年次ごとに担当業務の変化(一般業務→育成担当→副主任など)を書くと採用担当者にキャリアの成長が伝わります。同じ業務を5年続けているよりも、「成長している人」と判断されるためです。
保有資格・スキル欄の書き方
不動産営業では以下の資格・スキルを記載します。記載の優先度も示しています。
| 資格・スキル | 優先度 | 記載例 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引士 | ★★★(必須) | 宅地建物取引士 合格(2020年10月) |
| ファイナンシャルプランナー(FP2・3級) | ★★(アピールになる) | 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(2022年1月) |
| マンション管理士・管理業務主任者 | ★★(管理系なら必須) | 管理業務主任者(2023年1月) |
| 普通自動車免許 | ★(現地案内がある場合) | 普通自動車第一種運転免許(2015年3月) |
| PCスキル | ★(補足として) | Excel(関数・ピボット)、Salesforce(使用経験2年) |
自己PRの書き方
自己PRで最もよく見るNG例は、「コミュニケーション能力があります」「お客様のニーズを把握することが得意です」という抽象的な表現です。これは不動産営業の応募者のほぼ全員が書いており、差別化になりません。
自己PRは「どんな状況で、何をして、結果どうなったか」の3点セットで書きます。採用担当者が「この人なら自社でも同じことができる」と感じる具体性が必要です。
良い例文(自己PR)
入居率の低下が課題だったオーナー様へ、リノベーション提案と家賃設定の見直しを提案した結果、3ヶ月で入居率を68%から92%に改善した実績があります。単なる案内業務にとどまらず、オーナーの収益視点に立った提案を継続してきたことで、担当物件オーナーのリピート率は85%を維持できています。この「収益改善の視点」を貴社の新規オーナー開拓にも活かしたいと考えています。
完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →不動産営業の職務経歴書 例文集【職種別3パターン】
ここでは、不動産営業の職務経歴書「職務要約」と「職歴欄の業務内容部分」について、職種別の例文を紹介します。実際の職務経歴書では、これらを記載した上で各社での担当業務と実績を加えてください。
賃貸仲介営業(反響営業メイン)
職務要約 例文
都内・神奈川エリアの居住用賃貸仲介を5年間担当。ポータルサイト経由の反響営業をメインに、個人・法人借り上げ問わず月平均8〜10件の成約を継続しています。入居希望者の条件ヒアリングから契約後のトラブル対応まで一貫して担当し、宅地建物取引士資格を活用した重要事項説明を月20〜30件処理しています。
職歴欄 業務内容 例文
- 居住用賃貸物件の反響営業(SUUMO・HOME’S・アットホーム経由)
- 物件案内・条件交渉・申込審査補助・重要事項説明・契約書作成
- 法人担当(企業の社宅・寮):年間20〜30社への提案・成約実績
- 新人スタッフ(3名)のOJT担当(入社2年目以降)
実績:月平均9件成約、年間目標達成率104〜112%(3年連続達成)
売買仲介営業(個人・法人対応)
職務要約 例文
首都圏エリアの不動産売買仲介を6年間担当。分譲マンション・戸建・収益物件を扱い、個人エンド・投資家・法人それぞれのニーズに対応してきました。担当案件の平均取引額は3,500〜7,000万円規模。売主・買主双方の交渉を担当した経験を持ち、ローン・税務・法務の基礎知識を活かした提案型の営業スタイルが強みです。宅地建物取引士・FP2級を保有。
職歴欄 業務内容 例文
- 売買仲介:マンション(中古・新築)、戸建(建売・注文住宅)、投資用収益物件(区分・1棟)
- 購入側・売却側どちらもメイン担当として対応(双方代理は除く)
- 住宅ローン事前審査のサポート、金融機関との調整
- 重要事項説明・売買契約書の作成・決済立会いまで一貫担当
実績:年間成約件数18〜24件、売上目標達成率105%(2年連続)、全社表彰1回
他業種から不動産営業への転職
「不動産営業の経験がない」と職務経歴書を書くことに迷う方がいますが、採用担当者が未経験転職者に期待しているのは「前職で培った再現性のあるスキル」です。業種よりも「営業としてどう動けるか」を重視する企業は少なくありません。
職務要約 例文(IT系SaaS営業から不動産営業への転職)
IT企業にて法人向けSaaS製品の新規開拓営業を4年間担当(担当テリトリー:中小企業300社)。架電・訪問・オンライン商談を通じ、年間新規契約件数80〜100件を達成してきました。「顧客の課題を掘り起こし、解決策を提案する」営業スタイルを確立してきたことが強みです。現在、不動産売買仲介への転職を目指し宅建士の資格取得を進めています(2026年10月受験予定)。
職務経歴書に加え、志望動機の書き方も並行して準備しておきましょう。不動産・住宅業界への転職では、住宅営業の志望動機の書き方が参考になります。
ハウスメーカーへの転職を検討している場合は、職務経歴書の書き方や採用担当者視点が異なります。ハウスメーカーへの転職で書く職務経歴書も合わせて参考にしてください。

採用担当者が落とす職務経歴書のNG例と改善策
不動産営業の職務経歴書で実際に採用担当者が目にするNG例と、その改善策を3つ紹介します。
NG例①:物件種別と役割が不明
NG:「不動産営業として戸建・マンションを取り扱いました」
OK:「居住用賃貸(ファミリー向け2LDK〜4LDK、家賃12〜25万円帯)の仲介営業を担当。東京都内23区と神奈川北部エリアが主なテリトリーです」
物件の種別・規模感・エリアが書かれていないと、採用担当者は「自社の顧客層と合うか」を判断できません。同じ「不動産営業経験者」でも、賃貸仲介出身者と売買仲介出身者では求める経験がまったく異なります。
NG例②:業務の羅列だけで数値ゼロ
NG:「反響営業・訪問営業・テレアポ・物件案内・契約業務を担当しました」
OK:「反響営業メインで月平均8〜10件成約。年間目標達成率は3期連続105%以上を維持しました」
業務内容の羅列は「何をやってきたか」は伝わりますが、「どのくらい成果を出したか」が伝わりません。採用担当者が知りたいのは後者です。
NG例③:宅建士の活用実績がない
NG(資格欄のみ):「宅地建物取引士 2020年10月合格」
OK(職歴欄に追加):「重要事項説明を月20〜30件担当。売買契約書の作成・チェック業務を1年以上経験」
宅建士の「取得」だけを書くのは勿体ないです。実務でどう使っているかを職歴欄に書くことで、即戦力としての評価が上がります。
実績がない・数字で表せない場合の職務経歴書の書き方
「成約件数が少なかった」「個人の数字が把握できない」という状況でも、採用担当者に伝わる職務経歴書は書けます。採用担当者が本当に見ているのは数字の大きさではなく、「業務への向き合い方と成長の軌跡」です。
数字が出せないときに使えるアプローチを整理します。
- 担当件数の代わりに業務の規模感を書く:「月20〜30件の物件案内を担当」「1日5〜8組のお客様対応」のように、案内数・対応数に置き換える
- 担当業務の幅をアピールする:成約件数は少なくても「入居審査補助・重要事項説明・入居後フォローまで一貫対応」という業務範囲の広さが強みになる
- 社内での役割変化を書く:「入社1年目:一般業務 → 2年目:新人研修担当 → 3年目:副主任」のような成長過程を示す
- 自分が起こした変化を数値化する:「ポータルサイトの物件写真を見直し、問い合わせ数が前月比30%増加」のように、成約以外の改善実績を探す
職種を問わず、数字がない状況での職務経歴書の書き方については、職務経歴書 実績なし 例文でも詳しく解説しています。

なお、一から手書きするのが大変な場合は、職務経歴書の自動作成ツールを活用して骨格を作り、内容を肉付けする方法もあります。

完全無料の履歴書・職務経歴書作成ツール
「サクレキ」質問に答えるだけで、選考書類がカンタンに完成
- 自己PR・志望動機も例文付きで安心
- スマホからでもOK。たった3分で履歴書・職務経歴書が完成
- 自動フォーマットで書き間違いゼロ
\ 完全無料・簡単3分で完成! /
無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 採用担当者が30秒で確認するのは「物件種別と役割」「数値実績」「宅建士の活用状況」の3点
- 職務要約は200〜300字で「誰に・何を・どのくらい売ったか+最大の強み」を明示する
- 自己PRは「どんな状況で、何をして、結果どうなったか」の3点セットで書く
- 数字で表せない場合は、案内数・担当業務の幅・社内での役割変化・自分が起こした改善実績で代替できる
不動産営業の職務経歴書は「何をやってきたか」の羅列ではなく、「採用担当者の会社で何ができるか」が伝わる書き方に変えることで、通過率が大きく変わります。
不動産営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 不動産営業の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が一般的です。転職回数が1〜2回で在籍期間が5年以内であれば1枚にまとめることが望ましく、複数社・長期在籍の場合は2枚以内が目安です。3枚以上になると採用担当者が読み切れないため、職務要約で補足する形にまとめてください。
- 宅建士を持っていない場合は職務経歴書に何を書けばよいですか?
-
宅建士未取得でも、取得に向けた取り組みを記載することで意欲が伝わります。「宅地建物取引士試験に向けて学習中(2026年10月受験予定)」のように書くと、採用担当者から積極性として評価されるケースがあります。資格がない分は、取扱物件の種別・担当業務の幅・実績数値で補うことが重要です。
- 賃貸仲介から売買仲介に転職するとき、職務経歴書で何をアピールすればよいですか?
-
賃貸仲介で培ったヒアリング能力・物件知識・契約手続きの経験は、売買仲介でも直接活きるスキルです。「賃貸では月○件対応し、入居者の要望を詳細にヒアリングする能力を鍛えました。売買仲介でも同様に顧客の購入条件を細かく把握し、長期的な信頼関係を構築することに活かしたいと考えています」のように、スキルの転用可能性を明示することがポイントです。
- 成約件数が少なかった場合、どう書けばよいですか?
-
成約件数が少ない場合は、業務範囲の広さや担当役割の変化で補います。「成約件数は月3〜5件ですが、入居審査補助から重要事項説明、入居後のトラブル対応まで一貫して担当し、宅建士資格の実務経験を積みました」のような書き方が有効です。また「物件案内件数は月20〜30件」「担当オーナー数30社」のように、成約以外の業務数値を使うことで実務経験の厚さを伝えられます。


コメント