この記事では、営業職の職務経歴書で書類選考を通過するための例文5選と書き方のポイントを、採用担当者の視点から解説します。法人営業・個人営業・IT営業など種別ごとのサンプル、実績の数値化のコツ、書類選考で即落とされるNG例まで網羅します。
採用担当者が営業の職務経歴書で最初に確認する3つのこと
採用担当者が職務経歴書を読む時間は、平均30秒から1分程度です。その短い時間の中で「この人物を面接に呼ぶか」を判断しています。営業職において確認されるポイントは3つに絞られます。
①「誰に・何を・どのように・いくら」の4点が30秒で読み取れるか
採用担当者が最初に確認する情報は以下の4点です。これらが書類から即座に読み取れない場合、内容がよくても落とされるリスクが高まります。
| 確認ポイント | 意味 | NG例 | OK例 |
|---|---|---|---|
| 誰に | 顧客の属性・規模 | 「法人向け」のみ | 「中堅〜大手製造業、20社担当」 |
| 何を | 商材・サービス | 「提案営業をしていた」 | 「ERPシステム導入提案(月額100万円〜)」 |
| どのように | 営業スタイル | 「積極的に営業した」 | 「新規開拓60%・既存フォロー40%」 |
| いくら | 実績・規模感 | 「好成績でした」 | 「年間売上3億円、目標比115%」 |
②実績は「数字+再現性」で書いて初めて評価される
採用担当者が最も気にするのは「その実績が次の職場でも再現できるか」という点です。「年間売上5億円達成」という数字だけでは、たまたまの商材・市場・運が重なった結果かどうかが判断できません。
「何が課題で、どんな施策を打ち、どんな結果が出たか」という流れで実績を書くことで、採用担当者は「次の職場でも再現できる人材」として評価できます。単純な数字の羅列と、このような文脈のある実績では、書類通過率が大きく変わります。
採用担当者はここを見ている
- 同業他社への転職なら「同じ顧客層・商材で戦えるか」を確認している
- 異業種への転職なら「どのスキルが汎用的に再現できるか」を読み取ろうとしている
- 数字の大きさより、数字を出すまでのプロセスと工夫を重視する担当者が多い
③自社の顧客・商材とのフィット感
採用担当者は「この人は自社で活躍できるか」という視点で読みます。担当顧客の業界・規模・商材の詳細を省略すると、フィット感を判断できないまま落とされます。「法人向け営業経験あり」という記述では、相手に業界・商材・規模感がまったく伝わりません。
職務経歴書の全体的な書き方については、職務経歴書で書類選考を通過できない人が見落としている3つの欠点も合わせて確認してください。

営業の職務経歴書に書くべき4つの必須項目
営業職の職務経歴書には、業種や営業スタイルにかかわらず必ず記載すべき項目があります。それぞれの書き方のポイントをまとめます。
①職務要約(200〜300文字)
職務要約は、採用担当者が最初に目を通す「自己紹介文」の役割を持ちます。ここで興味を引けないと、本文を精読してもらえないまま書類落ちになるリスクがあります。書き方の原則は「在籍企業・在籍年数・担当顧客・商材・主な実績」の5点を200〜300文字に凝縮することです。
職務要約の例文(法人営業)
株式会社〇〇にて、製造業・流通業向けBtoBクラウドサービス(在庫管理SaaS)の法人営業を5年間担当しました。担当エリアは関東一円、担当顧客は中堅〜大手企業を中心に30社。新規開拓に注力し、入社2年目から新規契約件数で社内トップを3期連続維持。直近の年間売上は2億8,000万円(目標比118%)です。課題発見から提案書作成・クロージングまで一貫して担当し、顧客の業務課題を中心に据えたソリューション型営業が強みです。
②職務経歴(業務内容の詳細)
業務内容は、表や箇条書きを使って「担当顧客」「商材」「営業スタイル」「エリア」を整理するのが採用担当者にとって最も読みやすい形式です。以下のような項目を表形式で整理しましょう。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 期間 | 20XX年4月〜現在(5年) |
| 所属 | 株式会社〇〇 営業部 主任 |
| 担当顧客 | 製造業・流通業の中堅〜大手企業 30社 |
| 商材 | 在庫管理クラウドサービス(月額5〜30万円/社) |
| 営業スタイル | 新規開拓60%/既存フォロー40% |
| 主な業務 | テレアポ・展示会フォロー・提案書作成・デモ・クロージング |
③実績・成果の数値化のコツ
実績欄は「数字+文脈」で書くことが鉄則です。ただし、金額や順位が出せない場合もあります。その際は以下の優先順位で使える数字を探してください。
- 売上金額・目標達成率(例:年間売上2億8,000万円、目標比118%)
- 件数・社数(例:新規開拓月5社、担当顧客30社を維持)
- 社内順位・表彰(例:全社員120名中3位、年間MVP受賞)
- 前年比・前月比(例:担当エリアの売上を前年比132%に拡大)
- 行動指標(例:月間アポイント件数を50件→80件に改善)
自分の行動指標(訪問件数・提案数・アポ数)は、売上が出なくても必ず数字で書けます。「積極的に活動した」より「月50件のテレアポを実施」のほうが、採用担当者には格段に伝わります。
④保有スキル・資格欄
スキル欄には、業務で実際に使えるレベルのものだけを記載します。営業職で書くべき主なスキルと資格は次の通りです。
- MOS(Word・Excel・PowerPoint):提案書・資料作成の実力証明になる
- TOEIC:グローバル企業・外資系への転職では有効
- SalesforceなどCRM/SFAの操作経験:IT・SaaS系企業への転職で評価されやすい
- 業界関連資格(宅地建物取引士・FP・中小企業診断士など):専門商材の営業では差別化につながる
「活かせる能力」欄の詳しい書き方は、職務経歴書の活かせる能力|例文と採用担当者が見るポイントを参考にしてください。

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ここでは、営業タイプ別に職務経歴書の実際の例文を紹介します。自分の状況に近い例文を参考に、具体的な数字や業務内容を自分のものに入れ替えて活用してください。
①法人営業(BtoB・提案型)の例文
法人向けの提案型営業は、「課題の掘り起こし→提案書作成→稟議突破→クロージング」という複雑なプロセスが評価ポイントになります。担当顧客の意思決定者と何人まで関係構築できたかも記載するとよいでしょう。
良い例文(法人営業・SaaS)
【職務要約】
株式会社〇〇にて、製造業・物流業向けBtoBクラウドサービスの法人営業を5年間担当。担当顧客は中堅〜大手企業30社(売上50億〜300億円規模)。新規開拓では展示会リードと代理店経由アポイントを組み合わせ、月平均8社への初回商談を実現。入社3年目に担当エリアの売上を前年比145%に引き上げ、全社員120名中の年間MVP(2期連続)を受賞。直近の年間売上は3億2,000万円(目標比122%)。
【業務内容】
・担当顧客:製造業・物流業の中堅〜大手企業30社
・商材:在庫管理SaaS(月額10〜50万円)
・営業スタイル:新規開拓55%、既存フォロー45%
・主な業務:テレアポ、展示会営業、課題ヒアリング、提案書作成、デモ実施、クロージング
【主な実績】
・年間新規契約件数:35件(目標20件比175%達成)
・最大単件受注:年間契約額2,400万円(5拠点一括導入)
・解約率改善:チャーンレートを2.3%→0.8%に低下
②個人営業(BtoC・保険/不動産)の例文
個人向け営業は「顧客への寄り添い方」「長期的な信頼関係の構築」が評価軸になります。テレアポ・飛び込みなどアプローチ方法の記載も重要で、件数を書くことで行動量のアピールにつながります。
良い例文(個人営業・保険)
【職務要約】
生命保険会社にて個人向けの保険営業を3年間担当。主な顧客は30〜50代の会社員・経営者。月あたり新規面談10〜15件(紹介・MDRT会員紹介が中心)を維持。担当2年目からは既存顧客からの紹介率が45%を超え、テレアポ比率を削減しながら売上を拡大。3年目は年間APE(年払換算保険料)の目標を130%超過達成し、全国2,000名中の上位5%にランクイン。
【業務内容】
・担当顧客:30〜50代の会社員・中小企業経営者(紹介中心)
・商材:生命保険・医療保険・個人年金保険
・アプローチ:紹介50%、既存フォロー・見直し提案30%、テレアポ20%
【主な実績】
・年間APE:1,800万円(目標比130%)
・新規契約件数:年間48件
・継続率(1年後):95.2%(業界平均78%)
③IT・SaaS営業(無形商材)の例文
IT・SaaS領域の無形商材営業は、「プロダクト知識の深さ」「顧客の業務課題への理解度」が問われます。SFAやCRMツールの使用経験を記載すると、IT系企業への転職で有利に働きます。
良い例文(IT・SaaS営業)
【職務要約】
SaaS企業にて、HR Tech領域(採用管理システム)の新規開拓営業を4年間担当。主なターゲットは中小〜中堅企業の人事部門。インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制でSalesforceを活用し、月間商談15〜20件をコンスタントに創出。年間新規契約ARR(年間経常収益)は8,500万円で目標比108%を維持。
【業務内容】
・担当顧客:従業員50〜500名の中小〜中堅企業(人事・採用担当者)
・商材:採用管理SaaS(初期費用50万円+月額10〜30万円)
・ツール:Salesforce、HubSpot
・営業スタイル:フィールドセールス専任(IS担当から引き継ぎ)
【主な実績】
・年間新規ARR:8,500万円(目標比108%)
・平均商談成約率:32%(部門平均23%)
・顧客単価向上:追加オプション提案でLTVを平均1.4倍に改善
④ルート営業(既存顧客中心)の例文
ルート営業は「既存顧客との関係深化」と「クロスセル・アップセルによる売上拡大」が評価ポイントです。新規開拓がないぶん、担当顧客の売上推移や解約防止の実績を具体的に書くことが重要です。
良い例文(ルート営業・食品メーカー)
【職務要約】
食品メーカーにて、スーパー・ドラッグストアへの商品提案ルート営業を4年間担当。担当エリアは東海3県、取引先55店舗を定期訪問。定番商品の棚確保に加え、季節商品のフェア提案を年間15回実施し、担当エリア全体の売上を入社当初比1.8倍に拡大。
【業務内容】
・担当取引先:スーパー・ドラッグストア55店舗(東海3県)
・商材:自社製造の惣菜・冷凍食品(単価180〜650円)
・訪問頻度:週2〜3回の定期巡回
・主な業務:棚割り交渉、フェア企画提案、POSデータ分析、在庫管理
【主な実績】
・担当エリア年間売上:5億2,000万円(前年比128%)
・フェア成約率:88%(提案15件中13件実施)
・新規取扱商品数:年間8〜10品番を定番化に成功
⑤実績が少ない・ノルマ未達の場合の書き方
「数字が出せなかった」「達成率が悪かった」という状況でも、職務経歴書を工夫することで書類通過率を上げられます。採用担当者が本当に見ているのは数字の大きさだけではありません。
採用担当者はここを見ている
- 数字が悪くても「課題に向き合い、改善しようとした行動」があるか
- 業績が振るわなかった背景を理解していて、次の職場でどう活かすかが見えるか
- 入社当初と比べた成長度(行動量・スキル)が読み取れるか
ポイントは「結果(売上数字)」ではなく「行動指標(プロセス)」を数字で書くことです。売上目標を達成できなかった場合でも、訪問件数・提案数・アポ獲得数は必ず数字にできます。
良い例文(実績が少ない場合)
入社1年目は既存顧客30社の定期フォローを担当。月間訪問件数80件を維持し、クレーム対応は1年間ゼロを継続。2年目からは新規開拓を兼務し、週10件のテレアポから月平均3件の初回アポイントを獲得。担当半年間で3件の新規受注に貢献(受注額計180万円)。売上目標達成率は75%だったが、情報共有の徹底でチームの受注精度向上に貢献し、翌期の担当先を10社増枠する評価を得た。
実績ゼロに近い状況での書き方については、職務経歴書 実績なし 例文|数字ゼロでも通過する書き方のコツでも詳しく解説しています。

採用担当者が即落とすNG職務経歴書のパターン
採用担当者は数百枚の職務経歴書を読む中で、書類落ちになるパターンを経験則で把握しています。以下の3つに該当しないか確認してください。
①業務内容の羅列で実績が空白
最も多いNG例は、業務内容の箇条書きで埋まっているのに実績欄が空白、または「特になし」になっているパターンです。採用担当者は「何をしていたか」だけでなく「どんな成果を出したか」を必ず確認します。業務内容だけでは評価のしようがありません。
NG例
【業務内容】
・法人顧客への提案営業
・顧客への定期訪問、関係構築
・商品の説明・デモ実施
・受注後のフォロー対応
(実績欄)特になし
業務内容は「やったこと」で、実績は「その結果どうなったか」です。この2つをセットで書くことが採用担当者への説得力につながります。売上金額が出せない場合でも、行動指標(訪問件数・提案数・アポ数)を数字で記載するだけで、実績欄を埋めることができます。
②数字は書いているが文脈がない
「年間売上5億円達成」という数字だけでは、採用担当者には評価しにくい場合があります。目標に対して高いのか低いのか、業界水準と比べてどうなのか、自分の力で出したのかが判断できないためです。
NG例 → OK例
【NG例】
年間売上5億円を達成しました。
【OK例】
担当エリアの年間売上5億円(目標比125%、チーム8名中1位)。前年比145%の伸長は、大型顧客への追加提案と新規3社の獲得によるもの。目標比と順位を添えると、数字の意味が一気に伝わります。
③テンプレートの使い回し感が出る書き方
採用担当者は多くの職務経歴書を読んでいるため、テンプレートのコピペ感はすぐに見抜かれます。特に以下のような表現は「この会社向けに書かれていない」と判断されやすく、評価が下がります。
- 「コミュニケーション能力が高い」「課題解決力がある」という抽象的な自己PR(具体的なエピソードなし)
- 業務内容の箇条書きが応募先の業種・商材と無関係な表現になっている
- 数字の単位が統一されていない(ある箇所は百万円、別の箇所は億円表記など)
応募先の業種・顧客・商材に合わせて記述を微調整することが、書類通過率を上げる上で最も効果的な対策です。
状況別 書き方のポイント
転職回数が多い場合
転職回数が3回以上ある場合、複数社の職務経歴書はフォーマット選びと「一貫性の見せ方」が重要になります。各社の在籍期間が短い場合でも、以下の工夫で評価を上げられます。
- キャリア式(機能別)フォーマットを採用する:「新規開拓営業」「法人提案営業」「営業マネジメント」のようにスキル軸で整理すると一貫性が見えやすい
- 転職理由をポジティブに言語化する:「より高い商材で提案力を磨くため」のように一貫したキャリア戦略として見せる
- 在籍期間が1年未満の場合でも、そこで達成した具体的な実績を必ず書く
複数社の職務経歴書の書き方については、職務経歴書 複数社の書き方|転職回数が多くても書類選考を通過する方法を参考にしてください。

営業未経験・異業種転職の場合
前職が営業職でない場合でも、営業に必要な「コミュニケーション力」「目標への主体的な行動」「数字管理」を業務経歴から引き出して書くことが重要です。以下の経験は営業職への転職で有効にアピールできます。
- 接客・販売経験:顧客ニーズのヒアリング、提案、クレーム処理の経験
- コールセンター経験:大量のアウトバウンドコール、断られた後のアプローチ改善
- 企画・マーケティング経験:顧客ニーズを分析し提案に落とし込む思考力
- 技術・エンジニア経験:専門知識を活かしたソリューション型IT営業への親和性
自己PR欄では「なぜ営業職を志したか」と「前職のどの経験を活かすか」を明確に書くと、採用担当者が具体的なイメージを持てる書類になります。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
営業の職務経歴書で書類選考を通過するために、特に重要なポイントを整理します。
- 「誰に・何を・どのように・いくら」の4点が30秒で読み取れる構成にする
- 実績は数字だけでなく「文脈(どうやって達成したか)」と組み合わせて書く
- 実績が少ない場合は行動指標(訪問件数・提案数・アポ数)を数字で書く
- 業務内容と実績は必ずセットで記載する(業務内容だけでは評価できない)
- 応募先の業種・顧客・商材に合わせて記述を微調整する
職務経歴書の作成を効率化したい方は、職務経歴書の自動作成ツールおすすめ7選も参考にしてください。

営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 営業の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙2枚が標準です。職歴が1社のみの場合は1枚でも問題ありませんが、複数社にわたる場合は2枚に収めるよう情報を整理します。3枚以上になる場合は、古い職歴や関連性の低い業務内容を圧縮してください。ページ数が多いほど精読されにくくなります。
- 実績の数字を正確に覚えていない場合はどうすればよいですか?
-
概算で記載して構いません。「年間売上約3億円」「目標達成率110〜120%台」のように「約」「〜台」を使って記載します。ただし、面接で「正確には?」と確認されることがあるため、過去のメール・社内資料・源泉徴収票の収入額などで根拠を確認しておきましょう。完全に不明な数字は省き、確認できる行動指標(訪問件数・アポ数など)で代替してください。
- 転職先が異業種の場合、職務経歴書は書き直すべきですか?
-
全面的に書き直す必要はありませんが、応募先ごとに一部調整することをおすすめします。業務内容の説明に使う用語を応募先の業界に合わせ直したり、自己PR欄で「前職の経験がどう活きるか」を具体的に記述したりすることで書類通過率が上がります。「この会社向けに書かれた書類」という印象を与えることが大切です。
- 法人営業と個人営業、職務経歴書の書き方はどう違いますか?
-
評価軸が異なります。法人営業では「課題発見から稟議・クロージングまでのプロセス」と「複数の意思決定者を動かした経験」が重視されます。個人営業では「アプローチ件数(行動量)」「成約率・継続率」「長期的な信頼関係の構築力」が重要視されます。転職先の営業スタイルに近い記述を強調してください。


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