この記事では、営業の職務経歴書の見本フォーマットと採用担当者が評価する書き方のポイントを解説します。法人営業・個人営業の職種別例文と、採用担当者が即落とすNG例の改善版も紹介します。実績を数字で表せない場合の対処法についても解説します。
採用担当者が営業の職務経歴書で確認するポイント
採用担当者は書類選考の段階で、「この人は自社の営業ポジションで成果を出せるか」を30秒〜1分で判断します。応募書類が数十〜数百枚に及ぶ企業では、読み飛ばされる前にポイントを押さえた構成が必要です。
採用担当者はここを見ている
- 「何を・誰に・どう売ったか」の3要素が明確か
- 実績が数字(売上額・達成率・件数)で示されているか
- 職務要約と自己PRの内容が一貫しているか
「何を・誰に・どう売ったか」が30秒で伝わるか
採用担当者が最初に確認するのは、応募者がどんな営業をしてきた人かという基本プロフィールです。「法人向けサービスの営業を担当しました」という表現では何も伝わりません。商材・顧客像・営業スタイルの3点を職務要約の冒頭でクリアにすることが先決です。
| NG表現 | OK表現(具体化後) |
|---|---|
| ITサービスの営業を担当 | 中小企業向けSaaS(人事管理システム)の法人新規開拓営業。担当エリア:関東圏、対象規模:従業員50〜300名 |
| 不動産の営業をしていました | 賃貸仲介の個人向け営業。月平均30組の来客対応、年間成約144件 |
実績が具体的な数字で示されているか
採用担当者が「通過させたい」と判断する最大の根拠は、数字による実績です。売上額・達成率・顧客獲得件数・社内順位など、客観的に比較できる数字が1つでもあるかどうかで評価が大きく変わります。
良い例文(実績の数字の書き方)
年間売上目標8,000万円に対し8,640万円達成(達成率108%)。新規開拓件数18社(目標15社比120%)。下期営業成績1位(チーム8名中)を2期連続達成。
NG例
年間目標を概ね達成し、新規顧客の獲得にも注力しました。「概ね」「注力」は何も証明しません。採用担当者には「実績不明」と映ります。
職務要約と自己PRの内容が一致しているか
職務要約で「新規開拓が得意」と書いたにもかかわらず、自己PRで「チームワークを大切にしています」だけをアピールするのは一貫性がなく、採用担当者に違和感を与えます。職務要約(What)→ 職務経歴(How)→ 自己PR(Why・強み)が一本の線でつながっていることが採用担当者の最終評価を決める構成です。
【見本】営業の職務経歴書のフォーマットと例文
営業の職務経歴書は、大きく4つのセクションで構成されます。以下のフォーマットを基本形として、実際の経験に合わせて編集してください。
| セクション | 内容 | 文字数目安 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経歴の全体像を3〜5行で要約 | 150〜200字 |
| 職務経歴 | 在職期間・業務内容・実績を記載 | 300〜500字/社 |
| スキル・資格 | 業務スキル・保有資格 | 箇条書き5〜10項目 |
| 自己PR | 強みとその根拠・転職後の展望 | 200〜300字 |
職務要約(冒頭3行)の見本
職務要約は採用担当者が最初に読む部分です。ここで「読む価値がある書類かどうか」の判断が下されます。職種・商材・担当エリア・実績の4点を150〜200字で凝縮するのが基本形です。
良い例文(BtoB法人営業・経験3年の職務要約)
法人向けSaaS(人事管理システム)の新規開拓営業を3年間担当しました。主な担当エリアは関東圏(東京・神奈川・埼玉)で、対象規模は従業員50〜300名の中小企業約60社です。年間売上目標8,000万円を3年連続達成(達成率102〜108%)しており、現在は後輩3名のOJTも担当しています。
採用担当者はここを見ている
- 1文目で「何を・誰に売った人か」がわかること
- 実績が数字付きで書かれていること(達成率・件数)
- 役割の変化(プレイヤー→OJT担当など成長の軌跡)が読み取れること
職務経歴(業務内容・実績)の見本
職務経歴は、各在職先ごとに「在職期間・会社概要・業務内容・主な実績」の順で書きます。業務内容は箇条書きにまとめ、実績は必ず数字で示してください。
職務経歴の見本(BtoB営業)
◆ 株式会社〇〇(SaaS企業・従業員数200名)
在職期間:20XX年4月〜現在(在職中)
【業務内容】
- 中小企業向けSaaS(人事管理システム)の法人新規開拓営業
- テレアポ・展示会リードからのアポイント獲得〜提案〜クロージングまで一貫担当
- 担当エリア:東京・神奈川・埼玉、担当企業数:約60社(新規:既存=7:3)
【主な実績】
- 年間売上:8,640万円(目標8,000万円、達成率108%)
- 新規開拓件数:年間18社(目標15社比120%)
- 下期営業成績1位(チーム8名中)を2期連続達成
スキル・資格欄の見本
スキル欄には「実務で使ったツール名」と「どのレベルで使えるか」を合わせて書きます。「コミュニケーション能力」などの抽象表現を書く欄ではありません。
良い例文(スキル・資格欄)
- Salesforce(商談管理・案件追跡・週次レポート作成)
- Microsoft Excel(VLOOKUP・ピボットテーブル)
- 提案資料作成(PowerPoint・役員向けプレゼン経験あり)
- テレアポ・インサイドセールス・展示会営業
- 普通自動車免許(AT限定)
- ITパスポート(20XX年取得)
自己PRの見本
自己PRは「どんな強みを持っているか」ではなく、「その強みが職務経歴のどの場面で発揮されたか」を具体的に書くのが正解です。強みの主張だけで根拠がないと、採用担当者には「どの応募者も同じことを書いている」と流されます。
良い例文(自己PR)
新規開拓営業では、担当エリアの業種マップを独自に作成し、商材ニーズと相性の高い業種に集中してアプローチする方法を確立しました。その結果、架電ベースのアポ獲得率が5%から8%まで向上しています。提案段階では、顧客の今期の経営課題と3年後の方向性を事前調査で把握したうえで商談に臨む形を取り、受注率40%を継続維持しています。次のステージではこの経験を活かし、大型案件の提案営業に挑戦したいと考えています。
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営業職は大きく「法人向け(BtoB)」と「個人向け(BtoC)」に分かれます。採用担当者が重視するポイントが異なるため、職種に合わせた書き方を選んでください。
法人営業(BtoB)の見本と例文
法人営業では、「誰に何を提案し、どう信頼を得たか」という課題解決力のアピールが重要です。担当した企業の規模・業種・社数を具体的に示すことで、採用担当者は「自社の顧客に近い経験があるか」を判断できます。
採用担当者はここを見ている(法人営業)
- 担当企業の業種・規模・社数が明記されているか
- 提案型営業か御用聞き型かが読み取れるか
- 意思決定者(部長・役員レベル)へのアプローチ経験があるか
良い例文(職務要約・法人営業)
大手製造業向けERPシステムの導入提案営業を5年間担当しました。担当顧客は従業員500名以上の製造業30社で、1案件あたりの平均受注額は1,200万円です。年間受注額は3億2,000万円(チーム内3位/12名)で、提案段階からリプレイス後のサポートまで一貫して担当した経験があります。
住宅・不動産業界など特定業界向けの職務経歴書については、業界特有の記載ポイントを詳しく解説した記事も参考にしてください。

個人営業(BtoC)の見本と例文
個人向け営業(BtoC)では、「1日あたりの活動量」と「成約率・顧客継続率」の両面を示すのが有効です。件数ベースの実績が出しやすい分、採用担当者は複数の候補者と比較しやすくなります。
採用担当者はここを見ている(個人営業)
- 1日・1週間あたりの活動量(架電数・訪問数)が把握できるか
- 成約率・リピート率・顧客紹介比率などの数値があるか
- クレーム対応や顧客満足度への取り組みが書かれているか
良い例文(職務要約・個人営業)
賃貸仲介の個人向け営業を2年半担当しました。月間平均来客数30組に対し成約率45%(店舗平均32%)を維持し、顧客紹介による新規来店比率15%を達成しています。年間成約件数144件は店舗内1位(7名中)の実績です。
採用担当者が落とすNG例と通過する書き方の違い
採用担当者が書類を落とすのは「経験が足りないから」だけではありません。書き方の問題で通過できないケースは多く、表現を変えるだけで評価が変わります。よくある3つのNG例を確認してください。
NG例①:実績が「担当しました」で終わっている
最も多いNG例が「担当しました」「取り組みました」という表現の羅列です。この書き方では採用担当者は何も判断できません。
NG例
法人向け営業を担当し、新規顧客の獲得に取り組みました。チームと協力しながら目標達成に努めました。「担当した」「努めた」は何も証明しません。採用担当者には「実績なし」と映ります。
良い例文(改善後)
法人向け営業担当として新規顧客20社を開拓(年間目標15社比133%)。月次ミーティングで顧客紹介施策を提案し、翌月の新規アポ件数が18%増加した。
採用担当者はここを見ている
- 「何社」「何%」という数字が必ず入っているか
- 自分が取った行動がチームや会社に与えた変化が書かれているか
NG例②:職務要約が「御社でも活躍したい」で始まる
職務要約は「これまでの経歴の要約」を書く欄です。「御社でも〜」「これからは〜」という意欲表明から書き始めると、採用担当者は判断材料となる経歴情報を読む前に書類を閉じます。
NG例
御社の事業に共感し、これまでの法人営業の経験を活かして即戦力として貢献したいと考えています……職務要約は「経歴の要約」欄です。意欲の表明は自己PR欄に書いてください。
良い例文(改善後)
法人向け人材紹介サービスの新規開拓営業を4年担当。担当エリアは首都圏、対象業種は製造業・IT・小売業。年間売上目標1億円を3年連続達成(達成率105〜112%)。現在はプレイングマネジャーとして部下2名の指導も担当しています。
NG例③:スキル欄に「コミュニケーション能力」しかない
スキル欄に「コミュニケーション能力」「ヒアリング力」「行動力」という表現だけを並べるのは、採用担当者から見ると空欄に等しい扱いです。どの応募者も書く表現は判断材料にならないからです。
NG例
スキル:コミュニケーション能力、チームワーク、粘り強さ全応募者が書く表現です。採用担当者の判断材料にはなりません。
良い例文(改善後)
- Salesforce(商談管理・パイプライン管理・レポート作成)
- SFA活用(週次KPI管理をスプレッドシートで運用)
- 提案書作成(PowerPoint使用・役員向けプレゼン経験あり)
- 電話営業(インサイドセールス・アウトバウンド、月間200件以上)
採用担当者はここを見ている
- 具体的なツール名があることで「入社後すぐ動けるか」を判断できる
- 「役員向けプレゼン経験あり」は職位の高さを示す重要な情報になる
営業実績を数字で表せない場合の対処法
「前職では売上データの社外開示が禁止されていた」「個人実績ではなくチーム単位の数字しか把握していない」という状況は珍しくありません。無理に数字を作ることは禁物ですが、絶対額以外の方法で実績を示す手段はあります。
絶対額を出せない場合の代替表現
- 前年比:「前年度比110%の売上を達成」
- チーム内順位:「チーム8名中3位の実績」
- 行動量:「月間訪問件数50社、架電数200件」
- 改善率:「架電ベースのアポ獲得率を5%から8%に改善」
- 担当実績:「3年間で担当した企業数は累計60社」
採用担当者が実績から読み取りたいのは「この人はどれくらい動いた人か」「チームの中でどの位置にいた人か」という2点です。絶対額がなくても、行動量や相対値があれば判断できます。数字ゼロでも通過できる書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 職務要約には「何を・誰に・どう売ったか」と数字の実績を150〜200字で凝縮する
- 職務経歴は売上額・達成率・顧客獲得件数などの数字で具体的に書く
- 「担当しました」「努めました」は数字の実績に置き換える
- スキル欄はツール名とレベルを具体的に書き、抽象的な表現は使わない
- 絶対額が出せない場合は前年比・チーム内順位・行動量で補完する
書き上げた職務経歴書は転職エージェントに添削を依頼するか、自動作成ツールや代行サービスを活用して効率化する方法もあります。



営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 営業の職務経歴書のページ数はA4何枚が適切ですか?
-
経験年数にかかわらずA4で2枚以内が標準です。在職3年未満であれば1枚に収めることも十分可能です。採用担当者は多数の書類を読むため、長さよりも凝縮度が評価されます。
- 職務経歴書は手書きとPCどちらが良いですか?
-
営業職の場合はPC作成が一般的です。表や数字の見やすさ、修正のしやすさの点でPCが有利です。ただし、企業から手書き指定がある場合は必ず指示に従ってください。
- 在職中で現在の会社の情報を詳しく書けない場合はどうすればよいですか?
-
社名の特定につながる情報は「A社(SaaS系・従業員100名規模)」のように匿名化しても問題ありません。売上規模や達成率など採用判断に必要な数字は、可能な限り残すようにしてください。
- 転職理由は職務経歴書に書くべきですか?
-
職務経歴書への転職理由の記載は任意です。ただし短期離職歴がある場合は、補足欄に1〜2行で理由を添えておくと面接での会話がスムーズになります。


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