この記事では、介護職の履歴書テンプレートの選び方から、採用担当者が実際に落とす志望動機のパターン、資格欄の正式名称、施設形態別の例文まで解説します。医療・福祉業界には「入職」「入所」など一般企業とは異なるルールがあります。提出前に確認すべきポイントをまとめました。
介護職の履歴書テンプレートはどれを選べばいい?
介護職の転職・就職に特化した専用テンプレートというものは存在しません。採用担当者の多くが気にするのはフォーマットの種類ではなく、必要な情報が正確かつ整理されて記入されているかどうかです。
厚生労働省推奨の様式がスタンダード
最も広く使われているのは、厚生労働省が推奨するJIS規格に基づいた様式です。ハローワークの窓口で配布されているもの、または公式サイトからダウンロードできるものが代表的です。学歴・職歴・資格・志望動機・自己PRのすべての項目が含まれており、過不足なく情報を伝えられます。
採用担当者はここを見ている
- 様式の種類より「記入の丁寧さ・情報の正確さ」を重視している
- 写真・日付・押印の有無を真っ先に確認する
- 志望動機欄の記述量で「本気度」を判断することが多い
テンプレートを入手する3つの方法
テンプレートの入手方法は主に3つあります。どれが正解ということはなく、内容を充実させることに時間をかける方が書類通過への近道です。
- ハローワーク(窓口または公式サイト):無料で入手でき、JIS規格準拠の最もスタンダードな様式。
- Webサービス(リクルートなど):入力フォームで自動生成できる。スマートフォンからでも作成可能。
- 文房具店の市販品:A4・B5両対応のものが多い。手書き希望の方に向いている。
無料でダウンロードできるテンプレートの種類や選び方については、以下の記事も参考にしてください。

採用担当者が最初に見る「基本情報欄」の書き方
基本情報欄は一見シンプルに見えますが、ここの抜け漏れや誤記が採用担当者の第一印象を大きく左右します。
日付・氏名・証明写真の3つの注意点
日付は「面接当日の日付」または「郵送当日の日付」を記入します。履歴書を作成した日ではありません。持参する場合は面接当日に書き直すか、面接日に合わせて記入しておきましょう。
氏名は楷書体で丁寧に記入します。ふりがなの欄が「ふりがな」表記の場合はひらがな、「フリガナ」表記の場合はカタカナを使います。
証明写真は撮影から3ヶ月以内のものを使用します。裏面に氏名をボールペンで記入しておくと、万が一剥がれた際にも安心です。
採用担当者はここを見ている
- 証明写真は「清潔感」が最優先。訪問介護・入居系施設では特に重視される
- スーツが理想だが、清潔感がある服装であれば問題ない施設が多い
- 押印の要否は施設によって異なるため、不明な場合は押しておく方が無難
現住所・連絡先の書き方
住所は都道府県から略さずに記入します。「東京都」「大阪府」を省略して番地のみ記入するのは避けましょう。
電話番号は必ず連絡が取れる番号(携帯電話が理想)を記入します。自宅固定電話のみで日中つながらない場合は、本人希望欄に「午後〇時以降なら連絡可能」と記入しておくと採用担当者に親切です。
学歴・職歴欄:介護職で押さえるべき4つのルール
学歴・職歴欄は事実を時系列順に記入するだけですが、介護・医療業界には一般企業と異なるルールがいくつかあります。書き方のクセを把握しておくことで、採用担当者に「業界を理解している人材」という印象を与えられます。
「入社」ではなく「入職」「入所」を使う
これが介護職の履歴書で最もよくある書き間違いです。一般企業では「〇〇株式会社 入社」と書きますが、介護・医療業界では「入職」または「入所」を使うのが慣習です。
良い例
令和〇年4月 社会福祉法人〇〇 特別養護老人ホーム〇〇 入所
令和〇年3月 一身上の都合により退職
NG例
令和〇年4月 特別養護老人ホーム〇〇 入社
→ 介護施設に「入社」は通常使いません。採用担当者によっては「業界経験が浅い」という印象につながる場合があります。
なお、法人名(社会福祉法人・医療法人)と施設名(特別養護老人ホーム〇〇)の両方を正式名称で記入するのが正確です。医療法人に応募する場合の書き方については、以下の記事も参考にしてください。

職業欄(現在の職業)の書き方
履歴書の「現在の職業」欄は、現状に合わせて以下のように記入します。資格名での記入が可能な場合は資格名で記入するとより丁寧です。
- 施設に常勤で勤務している場合 → 「介護職員」「介護福祉士(常勤)」
- パート・派遣の場合 → 「介護職員(非常勤)」
- 現在求職中の場合 → 「無職」(退職済みの場合)
介護職の職業欄の詳しい書き方については、以下の記事で採用担当者が注目するポイントとあわせて解説しています。

短期離職・ブランク期間のある人の書き方
ブランク期間をどう書くか悩む方は多いですが、正直に記入するのが最善です。採用担当者はブランクそのものより「隠そうとしている」ことを警戒します。育児・介護・療養など理由がある場合は、退職の行に簡潔に添えておきましょう。
良い例(育児によるブランクの場合)
令和〇年〇月 一身上の都合により退職(育児のため)
その後のブランク期間については職歴欄に記入せず、志望動機または自己PRで補足する。
空白期間の書き方について、状況別の具体的な書き方は以下の記事で詳しく解説しています。

未経験・他業種からの転職
他業種から介護職に転職する場合、職歴に介護経験がなくても記入漏れは禁物です。すべての職歴を時系列順に正確に記入します。
前職での経験(接客・医療事務・育児経験など)が介護に活かせると感じている場合は、その点を志望動機・自己PR欄で具体的に展開するのが効果的です。職歴欄に補足コメントを入れる必要はありません。
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →資格欄:間違えやすい介護資格の正式名称一覧
介護業界の資格は制度改正で名称が変わったものが多く、古い名称のまま記入すると「資格の最新情報を把握できていない」という印象になる場合があります。下の表で正式名称を確認してから記入しましょう。
| 通称・旧称 | 正式名称 | 備考 |
|---|---|---|
| ホームヘルパー2級 | 介護職員初任者研修 | 2013年の制度改正で廃止 |
| ホームヘルパー1級・介護職員基礎研修 | 実務者研修 | 旧制度の修了証書がある場合はそちらの名称でも可 |
| 介護福祉士 | 介護福祉士 | 国家資格。試験センター登録が必要 |
| ケアマネ・ケアマネジャー | 介護支援専門員 | 実務研修受講試験合格後、都道府県登録 |
| 社会福祉士 | 社会福祉士 | 国家資格 |
| 精神保健福祉士 | 精神保健福祉士 | 国家資格 |
| 福祉用具専門相談員 | 福祉用具専門相談員 | 都道府県指定講習(50時間)修了 |
| 認知症ケア専門士 | 認知症ケア専門士 | 一般社団法人日本認知症ケア学会認定 |
※資格名は取得時期や受講した研修機関によって異なる場合があります。修了証書・資格証の名称を確認のうえ記入してください。
採用担当者が最重視する「志望動機」の書き方と例文
採用担当者が履歴書で最も時間をかけて読む欄が志望動機です。書類選考で落とされるケースのほとんどは「どの施設にも使い回しができる内容」という理由です。テンプレートに頼った汎用文は、採用担当者にすぐに見抜かれます。
採用担当者はここを見ている
採用担当者が志望動機で確認しているポイント
- 「なぜこの施設(法人)なのか」の根拠——ホームページや施設見学の内容が反映されているか
- 介護職に就いた(就きたい)きっかけや価値観の一貫性
- 長期的に働く意欲があるかどうかの手がかり(離職リスクの低さ)
- 利用者への関わり方に対する考え方(条件優先か、利用者中心か)
落とされる志望動機:NG例と改善策
NG例1:動機が曖昧
「介護の仕事に興味があり志望しました。」
→ どの施設にも当てはまる内容は採用担当者に響きません。「なぜ介護職か」の一歩先にある「なぜこの施設か」が書けていない状態です。
NG例2:条件面だけが動機
「家から近く、給与条件も良かったので志望しました。」
→ 条件面だけの動機は長期定着への疑問を抱かせます。条件への言及が必要な場合は、施設への共感や価値観の一致を先に述べ、最後に触れる形にしましょう。
施設形態別:志望動機のポイントと差別化の一文
施設の種類によって採用担当者が重視する要素は変わります。応募先の施設形態に合わせて志望動機の軸を変えることが、書類通過率を上げる最短ルートです。
| 施設形態 | 採用担当者が重視するポイント | 差別化できる一文 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 24時間体制への理解・チームワーク・看取りへの覚悟 | 「人生の最期まで寄り添いたい」 |
| 介護老人保健施設(老健) | リハビリ連携・在宅復帰支援への意識 | 「医療との連携の中でケアを学びたい」 |
| デイサービス(通所介護) | 明るい雰囲気・レクリエーション対応力 | 「利用者の笑顔を毎日の目標にしたい」 |
| グループホーム | 認知症ケアへの関心・少人数での関わり | 「一人ひとりの生活リズムを大切にしたい」 |
| 訪問介護 | 自立支援の意識・一人でも動ける自律性 | 「在宅での生活継続を支えたい」 |
| 有料老人ホーム | サービス品質・接遇・ホスピタリティ意識 | 「丁寧な対応とケアを両立させたい」 |
良い例(特養・経験者の場合)
老人保健施設で3年間、要介護度の高い利用者への身体介護と認知症ケアに従事してきました。その経験の中で「人生の最後をどう生きるか」に関わるケアへの関心が強まり、看取り介護にも力を入れている貴施設への転職を決意しました。チームで利用者の状態を共有する貴施設の文化も、前職で大切にしてきた姿勢と重なり、長く貢献できると確信しています。
良い例(デイサービス・未経験の場合)
介護職員初任者研修を修了後、デイサービスでのボランティアを通じて「利用者が帰り際に笑顔になる瞬間」にやりがいを感じました。前職の小売業で培った接客力とコミュニケーション力を、貴施設のレクリエーション活動や日々の関わりの中で活かしたいと考え応募しました。
状況別例文:ブランクありの場合
良い例(育児によるブランクあり)
子育てのため〇年間離職していましたが、その期間中に実務者研修を修了し、復職の準備を整えてきました。育児を通じて培った忍耐力と傾聴力、そして利用者の家族の立場から介護への理解も深まっています。貴施設のパートタイム勤務の制度を活用しながら、長く貢献していきたいと考えています。
パート・アルバイト応募の場合の志望動機の書き方は、パートの志望動機例文もあわせて参考にしてください。
自己PRの書き方と例文
自己PRは「私にはこんな強みがあります」という一方的なアピールではなく、「その強みが貴施設でどう活かせるか」まで書いて初めて伝わります。採用担当者が読むのは、自己PRを通じて「この人はうちの施設に合うか」を判断するためです。
採用担当者が評価する3つの視点
採用担当者が自己PRで見ているポイント
- 介護現場で求められるスキルとの一致:体力・コミュニケーション力・観察力・チームワーク
- 具体的なエピソードの有無:根拠のない「コミュニケーション力があります」は響かない
- 施設の方針・雰囲気との相性:自己PRの内容が施設が求める人物像と一致しているか
状況別例文
良い例(未経験・他業種からの転職)
小売業での10年間、毎日様々なお客様と向き合い、相手の状況や気持ちを素早く読み取りながら対応する力を培いました。特に高齢のお客様への対応経験から、ゆっくりとした言葉遣いや繰り返し確認することの重要性を実感しています。この経験を、利用者の方が安心して日常を過ごせる介護の現場でも活かしていきたいと考えています。
良い例(介護経験者・キャリアアップを目指す場合)
老人保健施設での3年間、認知症の方を含む要介護度3〜5の利用者への介護に従事しました。緊急時の対応やチームでの申し送りを通じて、冷静な判断力と情報共有の大切さを学んでいます。実務者研修も修了しており、今後はチームリーダーとして後輩スタッフの指導にも携わりながら、施設全体のケア品質向上に貢献したいと考えています。
介護関連職種への転職で履歴書の書き方に迷っている方は、福祉用具専門相談員の事例も参考になります。

本人希望欄と提出前チェックリスト
本人希望欄は「特になし」と記入するのが基本です。ただし、やむを得ない事情(持病・育児・介護)がある場合は正直に記入しましょう。条件の要求が多い応募者は採用されにくいという現実があります。
NG例:本人希望欄での書き方
「給与は月〇〇万円以上でお願いします」
「土日祝日は必ず休みにしてください」(シフト制施設への応募時)
→ 採用担当者に「条件面だけで選んでいる」という印象を与えます。
提出前に以下のチェックリストで最終確認をしてから提出しましょう。
- 日付は提出日(または郵送日)になっているか
- 全項目に記入漏れがないか(資格欄・職歴欄を含む)
- 資格の正式名称で記載されているか(「ホームヘルパー2級」→「介護職員初任者研修」)
- 証明写真は3ヶ月以内・裏面に氏名を記入しているか
- 押印が必要かどうか施設に確認したか
- 誤字脱字の確認(声に出して読むと見つけやすい)
- 職歴欄で「入職」「入所」を使っているか(「入社」ではないか)
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無料で履歴書・職務経歴書を作成する →まとめ
- 介護職の履歴書テンプレートは、厚生労働省推奨のJIS規格様式が最もスタンダード
- 職歴欄は「入社」ではなく「入職」「入所」を使う——業界への理解を示す基本ルール
- 資格は「ホームヘルパー2級」ではなく「介護職員初任者研修」など正式名称で記載する
- 志望動機は「どの施設にも使える汎用文」を避け、施設形態ごとに軸を変える
- 自己PRは強みを「その施設でどう活かせるか」まで書いて初めて伝わる
- 提出前は7項目のチェックリストで最終確認
書類選考を通過するために必要なのは、奇をてらった表現ではありません。採用担当者が「この人を面接で直接会って話したい」と思える、正確で誠実な内容です。
介護職の履歴書テンプレートに関するよくある質問
- 介護職の履歴書はパソコン作成と手書きのどちらがいいですか?
-
施設によって規定がある場合を除き、どちらでも問題ありません。パソコン作成の方が読みやすく修正も容易なため、近年は多くの施設で受け入れられています。手書きの場合は黒または濃紺のボールペンを使用し、修正液は使わず書き直しましょう。
- 介護職未経験でも職歴欄は書けますか?
-
はい、他業種での職歴はすべて正確に記入します。「介護経験がないから職歴欄が薄い」という心配は無用で、取得した「介護職員初任者研修」などの資格を資格欄に記入したうえで、志望動機・自己PR欄で転職の動機と前職のスキルとの関連性を補足すると効果的です。
- 現在も在職中の場合、職歴欄に「現在に至る」は書きますか?
-
現在も在職中の場合は「現在に至る」または「同施設 在職中」と記入します。すでに退職している場合は「一身上の都合により退職」と記入します。「現在に至る」という表現が残ったまま退職後に提出するミスはよくあるため、提出前に必ず確認しましょう。
- 介護施設に郵送する場合の封筒の書き方は?
-
封筒の表面右下に「履歴書在中」と朱書き(または赤スタンプ)で記入します。A4サイズの履歴書を折らずに入れられる角形2号封筒が標準です。郵送の場合は送付状(添え状)も同封するのがマナーです。封筒の宛名は「〇〇採用ご担当者様」と記入します。


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