この記事では、パソコンで履歴書を作成する手順と、採用担当者が実際に見ているフォント・書式・印刷のポイントを解説します。手書きとの使い分けから、よくある書式の失敗と対策まで、書類選考を通過するために必要な情報をまとめました。
パソコンで履歴書を作るメリットと採用担当者の本音
「手書きとパソコン、どちらで作成すべきか」という疑問は、転職活動を始めた多くの方が最初に直面します。結論から述べると、現在の採用市場ではパソコン作成が主流であり、特に指定がない限り、パソコンで作成して問題ありません。
マイナビ転職の採用担当者への調査によると、「パソコンで作成されたほうが良い」と答えた人が42.7%で最多です。「どちらでも構わない」が41.6%で、合わせると84%以上の担当者がパソコン作成を受け入れています。
誰でも読みやすい書類を作れる
パソコン作成の最大のメリットは、字体のバラつきがなく採用担当者が読みやすい点です。採用担当者は1日に何十枚もの履歴書を確認します。フォントが統一され、文字サイズが揃っている書類は、それだけで「整理された候補者」という印象を与えます。
修正・使い回しが圧倒的に楽
手書きで書き損じると最初からやり直しですが、パソコンなら一部分だけ修正できます。同じテンプレートを使って複数社に応募する際、基本情報はそのまま使い回し、志望動機だけを変えるといった効率的な書き方も可能です。
メール送付・Web応募にも対応できる
採用担当者から「PDFで送ってください」と求められるケースが増えています。パソコンで作成した履歴書はそのままPDFに変換できるため、メール・Webフォーム経由の応募にも対応できます。手書き履歴書をスキャンする手間が不要になる点も大きなメリットです。
業界・職種別の「手書き推奨」ケースも知っておく
パソコン作成が主流とはいえ、求人票や応募書類に「手書きで提出してください」と明記されている場合は、必ずその指示に従ってください。以下のようなケースでは手書きが求められる場合があります。
- 伝統工芸・和食・書道関連の職種:手仕事への姿勢や丁寧さを確認する意図がある
- 企業が「手書き必須」と明記している場合:指示に反すると選考落ちのリスクがある
- 採用担当者から個別に指定された場合:書面・メールでの指定があれば必ず従う
パソコン履歴書に使うソフトとテンプレートの選び方
Word・Excelどちらを選ぶべきか
パソコンでの履歴書作成に使うソフトは主に「Microsoft Word」と「Microsoft Excel」の2択です。それぞれ特性が異なるため、使いやすい方を選んでください。
| Word | Excel | |
|---|---|---|
| 向いている人 | 文章をしっかり書きたい人、志望動機欄が広いフォーマットを使う人 | セル単位でレイアウトを調整したい人 |
| 使いやすさ | 文字入力・編集が直感的で慣れやすい | セル幅の微調整が必要で慣れが必要な場合も |
| PDF変換 | 「名前を付けて保存」→ PDF形式で対応 | 同様にPDF形式で保存が可能 |
| テンプレートの多さ | Word形式が多い | Excel形式も選択肢あり |
WordもExcelも持っていない場合は、Web上の無料履歴書作成ツールを使うのが最も手軽です。入力するだけで自動的にフォーマットを整えてくれるサービスが複数あり、PCの操作に自信がない方でも取り組みやすいです。
無料で使える履歴書作成サービスについては、採用担当者目線での比較をまとめた記事も参考にしてください。

テンプレートの入手先と選び方
テンプレートは以下のような場所から無料で入手できます。
- 厚生労働省の様式:公式様式のため、どの職種・業界にも対応できる安心感がある
- doda・マイナビなど転職サービスのダウンロード:項目ごとの書き方ガイドが付属していて使いやすい
- Microsoft Officeの標準テンプレート:WordまたはExcelを開いた画面の「テンプレート」から選択できる
テンプレートを選ぶ際は、志望動機・自己PR欄が広く取れるフォーマットを選ぶと書ける情報量が増えます。欄が小さいテンプレートは内容を絞り込む必要があり、アピールしきれない可能性があります。
テンプレートの選び方についての詳細は下記の記事でも解説しています。

フォントと書式の正解|採用担当者が落とす7つのNG
フォントや書式は「どれでも同じ」ではありません。採用担当者は書類を数秒で視認するため、フォントの統一感やサイズの一貫性は第一印象を左右する重要な要素です。以下で「正解の書式」と「よくある失敗」を整理します。
本文フォントは明朝体10.5〜11ptが基本
履歴書の本文フォントは明朝体が基本です。ゴシック体は視認性が高い反面、ビジネス書類として多用するとやや軽い印象を与える場合があります。WindowsとMacではフォント名が異なりますが、どちらも明朝系を選べば問題ありません。
| OS | 推奨フォント | 文字サイズ |
|---|---|---|
| Windows | MS明朝 / 游明朝 | 10.5〜11pt |
| Mac | ヒラギノ明朝 / 游明朝体 | 10.5〜11pt |
氏名欄は記入枠が広い場合が多いため、13〜18pt程度に調整して枠の中に収まるようにしてください。フォントの種類についてより詳しく知りたい方は下記記事も参考にしてください。

採用担当者が書類を落とす7つのNG書式
以下は採用現場で「マイナス印象につながる」と指摘されることが多いNG書式の例です。
NG例(書類選考で落とされやすいポイント)
- NG①:フォントがバラバラ → 一部だけゴシック体、サイズが箇所ごとに違う
- NG②:文字がセル枠からはみ出ている → 改行や文字サイズの調整ができておらず、枠外まで文字が続いている
- NG③:写真が正しく挿入されていない → サイズが枠に合っていない、傾いている
- NG④:コンビニ印刷のインク節約設定でかすれている → 文字が薄く、読みにくい
- NG⑤:セルに色を付けるなどデザインを凝りすぎている → 採用担当者の目が文章より装飾に向いてしまう
- NG⑥:全角・半角が混在している → 数字は半角、日本語は全角に統一するのが基本
- NG⑦:古いテンプレートをそのまま使っている → 旧様式の「性別必須」欄などが残っているフォーマットは印象が下がる場合がある
履歴書は内容で評価される書類です。装飾や見た目に時間をかけるより、志望動機・自己PRの内容を磨く時間に使ってください。フォントや書体の詳細については下記の記事でも解説しています。

パソコン履歴書の作成手順(ステップ別)
ここではWordを使った一般的な手順を解説します。無料の作成ツールを使う場合も、基本的な流れは同じです。
ステップ1:テンプレートを入手する
厚生労働省やdoda・マイナビなどの転職サービスから、WordまたはExcel形式のテンプレートをダウンロードします。複数のテンプレートを保存しておき、提出先の業界・職種に応じて使い分けると効率的です。
ステップ2:基本情報を入力する
日付・氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど、変わらない基本情報を最初に入力しておきます。
採用担当者はここを見ている
- 日付が郵送日または提出日になっているか(記入後に長期間放置した日付になっていないか)
- 住所が正式な表記になっているか(丁目・番地・マンション名の省略はNG)
- メールアドレスが仕事用として適切か(ニックネームや数字の羅列は避ける)
基本情報欄の書き方について詳しくは下記の記事を参考にしてください。

ステップ3:証明写真を挿入する
証明写真のサイズは縦4cm×横3cmが一般的です。写真をPCに取り込み、Wordの「挿入」→「画像」から添付します。
- 写真のサイズを枠に合わせる(縦横比を崩さないこと)
- 写真の背景は白・グレー・水色が基本
- スーツまたはジャケット着用(カジュアルな服装はNG)
- 前髪で顔が隠れていないこと
スマホアプリで証明写真を作成する方法は下記の記事で詳しく解説しています。

ステップ4:学歴・職歴・資格を入力する
学歴・職歴欄は正式名称で記入します。学校名の略称(早大・慶大など)や会社名の省略は避け、すべて正式名称を使用してください。
- 学歴欄:「○○大学○○学部○○学科 入学」「○○大学○○学部○○学科 卒業」の順に記入
- 職歴欄:「○○株式会社 入社」「同社 退職(一身上の都合により)」の形式が一般的
- 資格欄:正式名称で記入(例:普通自動車第一種運転免許、日本商工会議所検定 簿記2級)
ステップ5:志望動機・自己PRを記入する
志望動機と自己PRは、パソコン作成の場合でも内容の質が最も問われる箇所です。文字数は欄のサイズに合わせて調整しますが、空白が目立つほど少ない文字量は避けてください。欄の7〜8割程度を埋める目安で記入します。
採用担当者はここを見ている
- なぜこの企業でなければならないのか(志望理由の具体性)
- 自分のどのスキル・経験が企業に貢献できるか(自己PRの具体性)
- 入社後に何をしたいのか(将来のビジョン)
ステップ6:印刷前のセルフチェック
印刷前に以下の項目を確認してください。印刷後に気づくミスは、時間と用紙の無駄になります。
- フォントと文字サイズが全欄で統一されているか
- 誤字・脱字がないか(変換ミスに特に注意)
- 写真が正しい位置・サイズで挿入されているか
- 日付が正しいか(提出予定日になっているか)
- 全体のレイアウトが崩れていないか(印刷プレビューで確認)
- 文字がセル枠からはみ出していないか
印刷・提出方法別の注意点
用紙サイズと紙の選び方
履歴書の印刷用紙はA4が一般的です。B5のテンプレートを使う場合はB5用紙で印刷します。一般的なコピー用紙よりも上質紙を使うと、仕上がりの印象が上がります。印刷時は「最高画質」「高精細」などの設定を選び、かすれや薄い印刷にならないよう注意してください。
郵送する場合
郵送の場合は、書類を折り曲げない封筒(角形2号)を使用します。履歴書を三つ折りにせず、そのまま入れられるサイズが基本です。
- 封筒は白色の角形2号(A4サイズが折らずに入る)
- 封筒の表面に「履歴書在中」と赤字で記入(またはスタンプを使用)
- 送付状(添え状)を履歴書の前に挟む
- 切手の貼り付けを忘れずに(重量に応じた額で。郵便局での計量がおすすめ)
印刷から封筒への入れ方・宛名の書き方まで詳しくは下記の記事を参考にしてください。

手渡しする場合
面接当日に手渡しする場合も、白い封筒に入れて持参します。「書類は前日までに準備し、自宅で封入する」のが基本です。当日に慌てて用意しようとすると、誤字や印刷ミスの見落としが起きやすくなります。
メールで送付する場合
メール送付の場合は、WordファイルではなくPDF形式に変換してから添付します。Word形式では受け取り側のOSやOfficeバージョンによってレイアウトが崩れる可能性があるため、PDF化が必須です。
- Wordでの保存:「ファイル」→「名前を付けて保存」→形式を「PDF」に変更
- Macのプレビュー:「ファイル」→「書き出す」→「PDF」
- ファイル名は「氏名_履歴書」にする(例:田中太郎_履歴書.pdf)
パソコン作成でよくあるトラブルと対策
パソコンで履歴書を作成するとき、初めての方が直面しやすいトラブルを3つ取り上げます。
別のPCで開いたらレイアウトが崩れた
WordはOSやOfficeのバージョンによってフォントや行間の表示が変わる場合があります。提出前に必ずPDFに変換し、PDF状態で最終確認してから送付してください。PDFは異なる環境でも表示が崩れないため、最も安全な提出形式です。
文字数が多すぎてセルに入りきらない
職歴や志望動機が長くてセルに収まらない場合は、文字サイズを10ptに落とすか、内容を絞り込むかのどちらかで対応します。枠を広げてフォーマット自体を変えることはNGです。採用担当者が統一感のない書類と判断します。
印刷したら2枚にはみ出してしまった
A4用紙1枚に収まるはずが2枚にはみ出した場合は、印刷設定の「ページ設定」で「1ページに収まるように拡大縮小」を選択する方法があります。余白を少し狭くして調整する方法も有効ですが、詰め込みすぎると読みにくくなるため、内容の見直しを先に試みることをお勧めします。
まとめ
- 採用担当者の84%以上がパソコン作成を否定しない。特に指定がない限りパソコン作成で問題ない
- 使用するソフトはWordが一般的。持っていない場合は無料の履歴書作成ツールが使える
- フォントは明朝体10.5〜11ptが基本。フォントのバラつきや枠からのはみ出しが最も多いNGの筆頭
- 印刷は高品質モードで上質紙に印刷するとより好印象
- メール送付はPDF変換が必須。ファイル名は「氏名_履歴書.pdf」で統一する
書類選考を通過するための履歴書作成サービスについては下記の記事も参考にしてください。

パソコンでの履歴書作成に関するよくある質問
- パソコンで作った履歴書は手書きより印象が悪いですか?
-
採用担当者への調査では、42.7%がパソコン作成を好み、41.6%が「どちらでもよい」と回答しています。手書きを好む担当者は15.8%にとどまります。現在の採用市場ではパソコン作成が主流であり、印象が悪くなることはほとんどありません。ただし、応募先が「手書きで提出」と指定している場合は必ず従ってください。
- WordがないPCで履歴書を作るにはどうすればいいですか?
-
Microsoft Wordがない場合は、無料の履歴書作成Webサービスを利用するのが最も手軽です。登録なしで使えるサービスも多く、入力するだけで自動的にフォーマットを整えてPDFで出力できます。Googleドキュメントで代用することもできます(「履歴書」テンプレートを検索して使用可能)。
- コンビニで印刷してもよいですか?
-
コンビニ印刷でも問題ありません。印刷時の設定を「高品質」にし、かすれがないことを確認してください。履歴書は白黒印刷で十分です。用紙はコンビニ備え付けのもので許容されますが、文具店などで上質紙を購入して持参すると仕上がりが良くなります。セブン・ローソン・ファミマいずれも対応可能ですが、USBメモリやアプリ経由での転送手順を事前に確認しておいてください。
- メールで送る場合、WordとPDFどちらで送ればいいですか?
-
PDF形式での送付が基本です。Word形式は受け取り側の環境によってフォントやレイアウトが崩れる場合があります。PDFはどの環境でも同じ表示が保証されるため、採用担当者に意図通りの書類を届けられます。Wordで作成後、「名前を付けて保存」でPDF形式を選択して変換してください。

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