この記事では、履歴書を手書きとパソコンのどちらで作成すべきかについて、採用担当者が実際に見ているポイントとともに解説します。指定がない場合の選び方から、転職・新卒・アルバイト別の判断基準、それぞれの注意点まで紹介します。
結論:指定がなければパソコン作成が基本
履歴書を手書きにするかパソコンで作成するかは、まず募集要項の指定を確認することが最優先です。「手書きで提出してください」「パソコン作成可」のように指定がある場合は、必ずその指示に従ってください。募集要項をよく読まずに提出形式を間違えると、内容以前の問題で選考から外れるリスクがあります。
指定がない場合、採用担当者を対象とした調査では「パソコン(またはスマホ)で作成されたほうが良い」と回答した採用担当者が約47%と最多でした。「どちらでも構わない」が約42%、「手書きのほうが良い」は約11%にとどまっています。
| 採用担当者の意見 | 割合の目安 |
|---|---|
| パソコン作成のほうが良い | 約47% |
| どちらでも構わない | 約42% |
| 手書きのほうが良い | 約11% |
「どちらでも構わない」が4割以上を占めているという点も見落とせません。採用担当者の多くは、手書きかパソコンかという形式よりも「内容の質・丁寧さ」で判断しています。形式に正解はなく、選んだ方法でいかに丁寧に・正確に・内容を充実させるかが書類選考を左右します。
採用担当者が「手書き」で実際に見ているもの
文字のきれいさより「丁寧さ」が評価される
手書きの履歴書に対して、採用担当者が最初に見るのは「文字の上手さ」ではありません。重視するのは「丁寧に書かれているかどうか」という一点です。
文字が多少苦手でも、一字一字丁寧に書かれた履歴書は「この人は仕事でも丁寧に取り組んでくれそう」という印象を与えます。逆に、字が上手くても乱雑に走り書きされた履歴書は、採用担当者に「この会社への熱意が低い」と受け取られることがあります。採用担当者が書類を手に取ってから内容を読む前の数秒で、すでに「丁寧さ」の評価は始まっています。
採用担当者はここを見ている
- 文字が枠内に収まっているか(はみ出しは「雑な印象」につながる)
- ペンの太さ・濃さが全体で統一されているか
- 日付・名前・住所などの基本情報に記入漏れや誤りがないか
- 省略字・略語を使っていないか(「㈱」「&」ではなく正式名称を使う)
手書きで選考を落とされるNGパターン
手書きの履歴書で書類選考を通過できない人には、共通したNGパターンがあります。採用担当者が「社会人としての基本的なルールを知らない」と判断する行為が典型的です。
NG例
- 修正液・修正テープの使用:間違えた場合は必ず最初から書き直してください。修正液を使った履歴書は「手を抜いた書類」と判断されます
- 消えるボールペン(フリクション等)の使用:熱で消えるインクは書類保管中や夏場の車内放置で消えるリスクがあります。「履歴書に使えない筆記具を知らない」と判断されることがあります
- 鉛筆・シャープペンシルの使用:履歴書には油性ボールペンか万年筆を使うのが原則です
- 手書き履歴書のコピー使い回し:手書き履歴書のコピーを複数社に送ることはNGです。各社ごとに書き直すのが基本です
手書きが効果的な職種・業界
手書きの履歴書が特に評価されやすい職種・業界があります。「礼節」「誠実さ」「手仕事への向き合い方」を重視する職場では、丁寧な手書きがアピール材料になります。
- 伝統的な接客業・旅館・料亭:礼節を重んじる文化があり、手書き文化が残っているケースが多い
- 教育・保育系:手書き文字の丁寧さが、子どもへの指導の丁寧さとして見られることがある
- 地方の中小企業・家族経営の会社:「誠意を形で見せたい」という意図が伝わりやすい
採用担当者が「パソコン作成」で実際に見ているもの
読みやすさとフォント統一が第一印象を左右する
パソコン作成の履歴書で採用担当者が最初に確認するのは「読みやすさ」です。フォントの統一・文字サイズの一貫性・余白のバランスを、書類を手に取った数秒で判断しています。
フォントは明朝体かゴシック体に統一し、文字サイズは10.5〜11ptが標準です。WordやGoogleドキュメントのデフォルト設定のままだと、項目によってフォントがバラバラになるケースがあるため、印刷前に全体を確認する習慣をつけてください。書体の具体的な選び方は、PC・手書き別の書体おすすめの記事で詳しく解説しています。

パソコン作成でやってしまうNGミス
NG例
- 志望動機・自己PRのコピペ使い回し:企業名が別の会社のまま提出するのは最悪のパターンです。採用担当者は1日に何十通もの書類を見ており、使い回しはすぐにわかります
- フォントが項目ごとに混在:見出し部分は明朝体、本文だけゴシック体になっているなど、統一が取れていない書類は「雑な印象」につながります
- 印刷ずれ・枠からのはみ出し:テンプレートを使っても、プリンターの設定により枠がずれて印刷されることがあります。必ず印刷プレビューで確認してください
- 過剰な装飾・カラー印刷:カラフルなデザインはデザイン職以外では「目立ちたいだけ」と受け取られるリスクがあります。白黒で印刷したときに読みやすいかどうかが判断基準です
採用担当者が「コピペ感」を見抜くポイント
パソコン作成の履歴書で最も多い失敗が「どの企業にも使える汎用的な志望動機」です。採用担当者は大量の書類を見てきた経験から、企業研究をせずに書いた文章かどうかを即座に識別します。
NG例
「貴社の成長性と社風に魅力を感じ、自分のスキルを活かして貢献したいと考え応募しました。」→ どの企業にも送れる文章で、企業研究をしていないと判断されやすい。
良い例文
「前職で〇〇業界の営業を5年経験し、年間〇件の新規開拓を担当しました。貴社が〇〇分野に特化した事業展開をされており、その強みに共感したこと、また私の顧客対応の経験を直接活かせると判断し、応募いたしました。」
テンプレートの選び方については、採用担当者目線の無料テンプレート選び方もあわせて確認してください。

転職・新卒・アルバイト別|状況で変わる正しい選び方
転職活動での選び方
転職活動では、パソコン作成が主流です。複数の企業に応募することが多い転職では、効率よく作成・修正できるパソコンが合理的です。また、職務経歴書の提出が求められるケースがほとんどで、書類全体の統一感を保つうえでもパソコン作成が適しています。
ただし、転職先が伝統的な文化を重んじる企業(老舗メーカー・旅館・一部の金融機関など)の場合、「手書きが望ましいか」を事前に確認することも選択肢のひとつです。判断に迷う場合は採用担当者や人事部門に直接問い合わせると確実です。
新卒就活での選び方
新卒就活では企業・業界によって事情が異なります。大手企業やIT・メーカー系ではパソコン作成が標準になっています。一方、福祉・教育・地方の中小企業の一部では、手書きの文化が残っているケースがあります。
| 応募先の状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 大手企業・メーカー・IT系 | パソコン | 書類管理のデジタル化が進んでいるため |
| 伝統的な中小企業・地方企業 | 事前に確認 | 手書き文化が残っている場合がある |
| マスコミ・広告・クリエイター系 | パソコン | デジタル対応力もあわせてアピールできる |
| 医療・福祉・保育・教育系 | どちらでも可 | 丁寧さが伝われば手書きもプラス評価になりやすい |
アルバイト・パートでの選び方
アルバイト・パートの応募では、市販の手書き型履歴書でも問題ありません。コンビニや100円ショップで入手できる市販の履歴書に手書きで記入するのが最も一般的な方法です。
ただし、大手チェーン・人材派遣会社への応募ではパソコン作成のPDF提出を求められるケースも増えています。応募ページの指示を事前に確認してください。複数のアルバイト歴がある場合の職歴欄の書き方については、フリーターの履歴書の書き方も参考にしてください。
職務経歴書は手書きかパソコンか
転職活動で職務経歴書を提出する場合、職務経歴書は原則としてパソコン作成一択です。
職務経歴書は記入すべき情報量が多く、フォーマットの自由度も高い書類です。手書きでは視認性が下がり、修正も困難になります。採用担当者の多くが「職務経歴書はパソコン作成のほうが情報を把握しやすい」と話しています。
企業から「履歴書は手書きで」という指定があった場合でも、職務経歴書はパソコン作成で提出して問題ありません。ただし、「すべての書類を手書きで提出してください」と明示されている場合はその指示に従ってください。
採用担当者はここを見ている
- 職歴・スキル・実績が時系列で整理されているか
- A4用紙1〜2枚に収まっているか(長すぎる職務経歴書はNG)
- 成果・数値が具体的に記載されているか(「○件達成」「前年比○%改善」など)
パソコンで職務経歴書を作成する場合のツール選びについては、職務経歴書の自動作成ツールおすすめもあわせて確認してください。

まとめ
- まず募集要項を確認し、指定がある場合はその指示に従う
- 指定がなければパソコン作成が基本(採用担当者の約47%が推奨)
- 採用担当者は手書き/パソコンの形式より「内容の質・丁寧さ」で判断している
- 手書きの場合は油性ボールペン使用・修正液NG・略字NG・書き直しが原則
- パソコンの場合はフォント統一・使い回しNG・印刷確認が必須
- 職務経歴書は原則パソコン作成一択
選び方に迷った場合は、応募先に確認するのが確実な方法です。履歴書の作成形式で悩む時間をかけるより、志望動機や自己PRの内容充実に時間を使うことが、書類選考通過への近道です。
履歴書の手書きとパソコンに関するよくある質問
- 履歴書を手書きからパソコン作成に変えても大丈夫ですか?
-
基本的に問題ありません。企業から「手書きで提出」と明示的に指定されている場合を除き、途中でパソコン作成に切り替えても採用に影響しません。指定がない場合、形式よりも内容の質を重視してください。
- 手書きとパソコン、両方の書類を提出するのはNGですか?
-
同じ種類の書類を2パターンで提出する必要はありません。ただし「履歴書(手書き)+職務経歴書(パソコン)」のように書類の種類が異なる場合に別々の作成方法を用いるのは一般的な組み合わせです。
- パソコン作成の履歴書を印刷する際に注意すべき点は?
-
郵送・持参の場合はA4またはB5用紙に印刷します。印刷前に必ずプレビューで確認し、枠のずれや文字の潰れがないかチェックしてください。メール提出の場合はPDF形式で保存して添付します。写真を印刷後に貼るか、データとして埋め込むかも企業の指示に従って確認してください。
- 手書きの履歴書で間違えた場合はどうすればいいですか?
-
修正液や修正テープは使用せず、最初から書き直してください。書き直しを最小限にするため、あらかじめ鉛筆で下書きをしてから油性ボールペンで清書する方法が有効です。提出前にコピーをとっておくと、次回以降の書き直し時に参照できます。


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