この記事では、電子履歴書(PCやスマホで作成した履歴書)の書き方と提出マナーを解説します。フォーマット選びから書体・PDF変換・メール送付の手順まで、採用担当者が実際にチェックしているポイントとあわせて紹介します。
電子履歴書とは?手書き履歴書との違い
電子履歴書とは、WordやExcelなどのアプリケーション、またはWeb上の作成ツールを使ってパソコンやスマートフォンで作成した履歴書を指します。手書き履歴書と記載内容は同じですが、修正や複製が容易で、メールやWebフォームにそのまま添付して提出できる点が大きく異なります。
「手書きのほうが誠意が伝わる」と聞いたことがある方も多いはずです。しかし現在の転職市場では、電子履歴書の提出を歓迎・推奨している企業が大半です。特に中途採用では、手書きの履歴書を送ることで「古い慣習に縛られている」と受け取られるケースもあります。
採用担当者が電子履歴書に求めること
採用担当者は履歴書を受け取った瞬間、最初の数秒で「見やすいかどうか」を判断します。電子履歴書の場合、PDFを開いた段階でまず確認するのは次の3点です。
- レイアウトが崩れていないか
- フォントが統一されているか
- 写真が適切なサイズで貼られているか
内容の読み込みはその後です。レイアウトが崩れていたり、フォントがバラバラな履歴書は、最初の数秒で「仕事の丁寧さに不安がある人物かもしれない」という印象を与えてしまいます。
採用担当者はここを見ている
- PDFを開いた瞬間にレイアウトが崩れていないか
- フォントが明朝体またはゴシック体で統一されているか
- 写真欄に適切な証明写真が貼られているか(空白は即マイナス評価)
- ファイル名に氏名・日付が含まれているか
電子履歴書が手書きより有利なケース
転職活動において電子履歴書が手書きより適している場面は多くあります。特にメールやWebでの提出が前提の場合は、手書きでは対応できません。
| 状況 | 手書き履歴書 | 電子履歴書 |
|---|---|---|
| メールやWebで提出する場合 | スキャンが必要で手間がかかる | そのまま添付できる |
| 複数社に応募する場合 | 毎回書き直しが必要 | テンプレートを使い回せる |
| 職歴欄の記載が多い場合 | 文字が小さくなりがち | 文字サイズを調整できる |
| 修正が必要になった場合 | 書き直し必須 | すぐに修正できる |
転職活動では電子履歴書が実質的なスタンダードです。企業から「手書きで提出してください」と明示された場合のみ、手書きで対応してください。
電子履歴書の作成ステップ
電子履歴書の作成はフォーマット選びから始まります。以下の4ステップで順番に進めると、採用担当者に好印象を与える書類を仕上げられます。
ステップ1 フォーマット(テンプレート)の選び方
電子履歴書のフォーマット選びで最初に確認することは「企業からフォーマットの指定があるか」です。指定がある場合は必ずその形式を使います。
指定がない場合は、厚生労働省が公開するJIS規格準拠の標準様式を基準にしたテンプレートを選ぶと無難です。市販・配布されている一般的な履歴書テンプレートのほとんどはこれに準拠しています。
- 職歴が多い場合:学歴・職歴欄が広めのA4タテ2枚タイプを選ぶ
- 志望動機や自己PRを詳しく書きたい場合:自由記入欄が大きいタイプを選ぶ
- 新卒・アルバイト応募:シンプルなA4の1枚タイプで十分
無料で使える履歴書テンプレートの選び方については、以下の記事でくわしく解説しています。

ステップ2 フォント・文字サイズの正解
電子履歴書で最も見落とされやすいのがフォントの設定です。採用担当者が「読みにくい」と感じる履歴書に共通しているのはフォントの混在で、本文が明朝体なのに一部がゴシック体になっている状態は意外と多く見られます。
| 項目 | 推奨フォント | 推奨サイズ |
|---|---|---|
| 本文全般 | 明朝体(游明朝・MS明朝)またはゴシック体(メイリオ) | 10.5〜11pt |
| 氏名 | 本文と同系統のフォント | 12〜14pt |
| 見出し(欄タイトル) | 本文と同じフォント | 本文と同じかやや大きく |
フォントは明朝体かゴシック体のどちらかに統一し、途中で変えないことが最低条件です。迷った場合は明朝体を選ぶと読みやすくフォーマルな印象を与えられます。
フォントの詳しい選び方と採用担当者が見るポイントは、以下の記事でも確認できます。

ステップ3 証明写真の貼り方とデータ化
電子履歴書で最もよくあるミスが「写真欄の空白」です。写真がない履歴書は、内容がどれだけ充実していても採用担当者の第一印象を大きく損ないます。
デジタルの証明写真を用意する方法は主に3つあります。
- 証明写真機(駅・商業施設):多くの機種でデータ受け取り(QRコードなど)に対応している
- スマートフォンの証明写真アプリ:手軽だが背景・服装・表情の設定に注意が必要
- 写真スタジオ:最も品質が高く、データ形式での受け取りにも対応している
採用担当者が写真から確認するのは「清潔感」と「誠実さ」の2点です。スーツ着用・白または水色の背景・自然な表情が基本です。推奨サイズは縦40mm × 横30mm、撮影は最近3ヶ月以内のものを使用してください。
NG例:こんな写真は落とされやすい
- スマートフォンのインカメラで部屋の中で自撮りした写真
- 加工が過剰で本人確認できないレベルの写真
- 数年以上前に撮影した古い写真
- カジュアルな私服や制服で撮影した写真
ステップ4 PDF形式への変換
WordやExcelで作成した履歴書は、提出前に必ずPDF形式へ変換してください。PDF変換をしないと、受け取る側の環境(フォントの設定やWordのバージョン)によってレイアウトが崩れる可能性があります。
- Word/Excelの場合:「名前を付けて保存」→ファイルの種類で「PDF」を選択
- Macの場合:「印刷」→左下の「PDF」ボタン→「PDFとして保存」
- iPhone(iOS):共有メニュー→「プリント」→ピンチアウト操作でPDF化
- Android:印刷メニュー→プリンター選択欄で「PDFとして保存」を選択
変換後は必ず自分でPDFを開いて確認してください。レイアウトが崩れていないか、文字化けがないか、写真が正しく表示されているかを確認してから送付します。
スマートフォンだけで履歴書を作成・PDF化する方法は、以下の記事で手順ごとに解説しています。

電子履歴書の提出マナー(メール・Web送付)
電子履歴書の内容が整ったら、次は提出の仕方です。メール送付を例に、採用担当者が見ているポイントとあわせて手順を説明します。
ファイル名のつけ方
提出するPDFのファイル名は「履歴書.pdf」のままにしてはいけません。採用担当者は1日に何十通もの書類を受け取るため、ファイル名で氏名と日付がすぐにわかると管理の手間が省けて好印象につながります。
良いファイル名の例
山田太郎_履歴書_20260619.pdf
→ 氏名・書類種別・提出日が一目でわかり、採用担当者が管理しやすい
NG例:採用担当者が管理に困るファイル名
- 「履歴書.pdf」(誰が送ったかわからない)
- 「resume.pdf」(英語表記で検索しにくい)
- 「最終版_(3).pdf」(個人の作業ファイル名がそのまま残っている)
メール送付の手順と本文テンプレート
メールで履歴書を送る際は、件名と本文の書き方が採用担当者の印象に影響します。件名は「用件」と「氏名」をコンパクトにまとめます。
件名の例:「履歴書送付の件(山田太郎)」
メール本文テンプレート
株式会社○○
人事部 採用担当者様
お世話になります。山田太郎と申します。
このたびは採用の機会をいただき、誠にありがとうございます。
履歴書をPDFにて添付いたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
山田太郎
TEL:090-XXXX-XXXX
E-mail:yamada@example.com
送信前に以下を確認してください。
- 宛先(To)のメールアドレスが正しいか
- 件名が正しく入力されているか
- 添付ファイルが確実に付いているか
- 送信時間が営業時間内(9〜18時)か
深夜や早朝のメール送付は避けてください。内容が良くても「時間感覚がない」という印象を与え、評価を下げる原因になります。
パスワードの設定と別送のタイミング
PDFにパスワードを設定して送付することは、個人情報保護の観点から推奨される場合があります。ただし企業から特に指定がない場合は不要なケースも多く、求人票や企業サイトの指示に従うことが最優先です。
パスワードを設定する場合の流れは以下の通りです。
- PDFにパスワードを設定してから履歴書を送付する
- 直後に別メールでパスワードを送る(同じメールに記載しては意味がない)
- パスワード別送メールの件名例:「先ほど送付の履歴書のパスワードのご連絡(山田太郎)」
採用担当者が落とすNG例と差がつく5つのポイント
電子履歴書で書類選考を通過する人と通過しない人の差は、内容よりも「提出の基本ルールを守れているかどうか」にあることが多いです。採用担当者が実際に見ているNGと、差がつくポイントを整理しました。
| NG例 | 改善策 |
|---|---|
| WordやExcelのまま送信する | 必ずPDFに変換してから送付する |
| ファイル名が「履歴書.pdf」のまま | 「氏名_履歴書_日付.pdf」の形式にする |
| 写真欄が空白 | 最近3ヶ月以内の証明写真を必ず貼る |
| フォントが混在している | 明朝体またはゴシック体を1種類に統一する |
| 深夜・早朝に送信する | 営業時間内(9〜18時)に送付する |
採用担当者はここを見ている
- ファイル名に氏名・日付が含まれている(管理が楽で好印象につながる)
- フォントが統一されていて読みやすい
- 志望動機が応募先に合わせて具体的に書かれている
- 職歴欄が時系列順に整理されていて入社・退職年月が明確
- メールの件名が「履歴書送付の件(氏名)」と明確
採用担当者は1枚の書類から、仕事の丁寧さと注意力を推測します。電子履歴書は修正が容易な分、「やり直しができる状況でどれだけ丁寧に仕上げてきたか」が如実に出ます。
まとめ
電子履歴書の書き方と提出マナーについて、要点を整理します。
- フォーマットは企業指定がなければJIS規格準拠のテンプレートを使う
- フォントは明朝体またはゴシック体で1種類に統一する(10.5〜11pt)
- 提出前に必ずPDFに変換し、自分でファイルを開いてレイアウトを確認する
- ファイル名は「氏名_履歴書_提出日.pdf」の形式にする
- メール送付は営業時間内(9〜18時)に行う
電子履歴書は作成のハードルが下がった分、基本ルールを守れているかどうかで差がつきます。
電子履歴書の作成に使えるツールをまとめた記事も参考にしてください。

電子履歴書に関するよくある質問
- 電子履歴書に押印は必要ですか?
-
企業から指示がない場合は不要です。ただし押印欄のあるフォーマットで「押印してください」と指示された場合は、電子印鑑や自署をスキャンして対応してください。指示がない場合は押印なしで問題ありません。
- 電子履歴書と手書き履歴書、どちらが評価されますか?
-
転職活動では電子履歴書が主流で、採用担当者から特に不利に見られることはありません。ただし企業から「手書きで提出してください」と指定された場合は必ず手書きで対応してください。指定を守ることが最優先です。
- 志望動機は電子履歴書でも毎回変えるべきですか?
-
応募先ごとに変えることを強く推奨します。電子履歴書は修正が容易なため、志望動機を使い回している応募者はすぐに採用担当者に見透かされます。「なぜ当社なのか」を具体的に書くことが、書類選考通過の最大のポイントです。

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