この記事では、福祉職(介護士・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士など)の職務経歴書の書き方を、採用担当者が確認する5項目の解説と施設タイプ別の例文で説明します。無資格・未経験の場合の書き方や、落とされる書類のNG例も紹介します。
福祉職の職務経歴書テンプレート|基本の5項目
職務経歴書は、採用担当者があなたの働き方・経験・スキルを具体的に把握するための書類です。履歴書とは異なり、「何をどのくらいやってきたか」を自分の言葉で説明する書類です。A4用紙1〜2枚、パソコンで作成するのが基本です。
福祉職の職務経歴書は、次の5項目で構成します。
- 職務要約
- 職務経歴
- 保有資格・免許
- 活かせるスキル
- 自己PR
①職務要約:キャリアの全体像を3〜5行で伝える
職務要約は冒頭に置く「キャリアの要約文」です。採用担当者は書類を受け取って最初にここを読み、続きを読むかどうかを判断します。長くても150文字以内を目安に、施設種別・在職期間・資格・転職の目的をまとめます。
良い例文
特別養護老人ホームにて介護士として5年間勤務しました。身体介護・生活援助を担当し、認知症ケアの専門研修を修了しています。現在は介護福祉士の資格を活かしながら、リハビリ型施設での勤務を希望しています。
NG例
介護の仕事が好きで、一生懸命働いてきました。これからも利用者のために頑張りたいと思っています。熱意だけでは経験年数・施設種別・資格が一切伝わらない。採用担当者は具体的な情報をもとに判断します。
②職務経歴:施設情報と業務内容を具体的に書く
職務経歴の欄は、採用担当者が最も時間をかけて読む部分です。「どんな施設で、何人の利用者を、どんな方法でケアしたか」を、数字を交えて書くことが通過のカギです。
採用担当者はここを見ている
- 施設規模:定員数・利用者数・フロア構成(例:定員80名・3フロア制)
- 担当業務の具体性:「介護業務全般」は避け、「夜勤月8回・入浴介助担当」のように数値化する
- 利用者の状況:要介護度・認知症の有無など施設の専門性が伝わる情報
- 役割・責任:ユニットリーダー経験・新人指導・ケアプラン作成への関与など
記載フォーマットは「施設情報(名称・所在地・規模)→ 在職期間 → 担当業務 → 実績・役割」の順が採用担当者にとって読みやすい構成です。
③保有資格・免許
福祉職は資格が評価に直結するため、保有資格はすべて記載します。正式名称で書き、取得年月を必ず添えることが基本です。よくある間違いとして「ヘルパー2級」という廃止資格名の記載がありますが、正確には「訪問介護員2級(現:介護職員初任者研修修了)」と書きます。
| 資格名 | 正式名称・記載例 |
|---|---|
| 介護福祉士 | 介護福祉士(登録番号:〇〇〇〇〇〇) |
| 社会福祉士 | 社会福祉士(〇〇年〇月取得) |
| 精神保健福祉士 | 精神保健福祉士(〇〇年〇月取得) |
| ホームヘルパー2級(旧資格) | 訪問介護員2級(現:介護職員初任者研修修了) |
| 介護職員初任者研修 | 介護職員初任者研修修了(〇〇年〇月) |
| 実務者研修 | 介護職員実務者研修修了(〇〇年〇月) |
| ケアマネジャー | 介護支援専門員(〇〇県第〇〇〇〇〇〇号) |
訪問介護・移動支援では運転免許が必須の施設も多いため、「普通自動車第一種運転免許(AT限定可/不可)」の記載もあわせて行いましょう。
④活かせるスキル
「活かせるスキル」欄では、介護技術以外の能力も積極的に記載します。採用担当者は「この人は職場で何ができるか」をここで確認しています。箇条書きで簡潔にまとめるのが読みやすい形式です。
- 介護技術:移乗・食事・入浴・排泄介助、褥瘡予防ケア、認知症ケア、ターミナルケアなど
- コミュニケーション:利用者・家族への説明、多職種連携(医師・看護師・OT・PTとの連携実績)
- 記録・書類作成:介護記録・ヒヤリハット報告書・個別支援計画書の作成
- その他:レクリエーション企画・運営、研修講師経験、介護ソフトの操作(ワイズマン・ケアマネくんなど)
⑤自己PR
自己PRは「なぜ自分がこの施設に必要か」を伝える場です。熱意だけでなく、具体的なエピソードと数字を使って書くことが採用担当者に響くポイントです。文字数は200〜300文字を目安にします。
良い例文
入職3年目からユニットリーダーを担当し、スタッフ5名のシフト管理と新人指導を行いました。独自の申し送りシートを導入した結果、情報伝達のミスが約30%減少しました。チームの連携を強化しながら利用者一人ひとりの状態変化に対応できる環境づくりを、次の職場でも実践したいと考えています。
職務経歴書全体の基本的な書き方は、職務経歴書の書き方ガイドも参考にしてください。

採用担当者が30秒で判断する「落とされる書類」の共通点
福祉職の採用担当者が書類選考で落とすのは、スキルや経験が不十分だからではないケースが多くあります。書き方の問題で損をしている応募者が目立ちます。次の5つは、採用の現場で繰り返し見られる落とされやすいパターンです。
採用担当者が落とす書類の共通パターン
- 施設名が「介護施設」だけ:特養・デイ・訪問など施設の種類がわからず、経験の質が判断できない
- 業務内容が「介護全般」の一言:具体性がなく、実際に何ができるか把握できない
- 定員数・利用者数がゼロ:施設規模がわからないため、即戦力かどうか判断しにくい
- 資格の正式名称が不正確:「ヘルパー2級」は廃止資格名。「介護職員初任者研修修了」と書くのが正確
- 自己PRが感情・熱意のみ:「利用者のためになりたい」だけでは他の応募者との差がつかない
これらは経験が浅いから起きるミスではありません。「どう書くか」を知らないために起きています。テンプレートに沿って書いた書類でも、この5つのパターンに当てはまっていないか必ず確認してください。
施設タイプ別の職務経歴書の例文
同じ「介護職経験あり」でも、施設の種類によって求められるスキルと経験は異なります。応募先の施設タイプに合わせて、職務経歴欄の記載を調整することが通過率を上げる大きなポイントです。
特別養護老人ホーム・老人保健施設
特養・老健では重度介護への対応力と夜勤経験が評価されます。採用担当者は「要介護4・5の利用者に対応できるか」「ユニット型・多床型どちらの経験か」を重視します。
良い例文(特養)
【施設情報】特別養護老人ホーム○○ / 定員80名 / ユニット型 / 東京都
【在職期間】20○○年4月〜20○○年3月(3年間)
【担当業務】
・身体介護全般(食事・入浴・排泄・移乗)
・夜勤月6〜8回担当(2名体制)
・認知症利用者(要介護3〜5)のケア
・新人スタッフ2名のOJT指導
・ヒヤリハット報告書の作成・集計
デイサービス(通所介護)
デイサービスでは利用者・家族とのコミュニケーション力と、レクリエーション企画・運営の実績が評価されます。「一日の流れを滞りなく管理できるか」を採用担当者は確認します。
良い例文(デイサービス)
【施設情報】通所介護事業所○○ / 定員30名 / 神奈川県
【在職期間】20○○年9月〜20○○年8月(2年間)
【担当業務】
・送迎業務(普通自動車運転・1日4回)
・入浴・リハビリ体操補助
・月2回のレクリエーション企画・運営(書道・折り紙・季節行事)
・利用者家族へのサービス説明・相談対応
・介護記録(ソフト:ワイズマン使用)
訪問介護
訪問介護は「一人で利用者宅に訪問して適切に判断できるか」が問われます。自律的に動ける力と、異変を報告・連絡・相談できる姿勢を具体的に書くことがポイントです。
良い例文(訪問介護)
【施設情報】訪問介護事業所○○ / 対応エリア:○○市・○○町
【在職期間】20○○年6月〜20○○年5月(4年間)
【担当業務】
・訪問件数:1日4〜6件(身体介護・生活援助)
・担当利用者:常時15〜18名(要介護1〜4)
・サービス提供責任者のサポート(訪問計画作成補助)
・緊急時の初期対応と事業所への報告(月1〜2件)
・普通自動車運転(自転車と組み合わせて対応)
グループホーム・障害者支援施設
グループホームや障害者支援施設では、利用者との生活に近い関わりや「個別支援計画への関与」が評価されます。入所支援・就労支援のどちらかを明確に示すことが重要です。
良い例文(障害者支援施設)
【施設情報】障害者支援施設○○(知的障害・精神障害対応) / 定員40名 / 大阪府
【在職期間】20○○年4月〜現在
【担当業務】
・生活支援全般(食事・入浴・余暇活動の補助)
・個別支援計画の作成補助(担当者会議への参加)
・家族との連絡調整・面談記録
・就労移行支援プログラムの補助(週2回)
・行動障害への対応(チームでのアセスメント実施)
精神保健福祉士として転職をお考えの方は、精神保健福祉士の履歴書の書き方も合わせて確認してください。

無資格・介護未経験で福祉職に転職する場合の書き方
資格や介護経験がない状態で職務経歴書を書く場合、「書けることがない」と感じる方が多くいます。しかし採用担当者が未経験者に求めているのは、「人と接する仕事への適性と、学ぶ意欲」です。前職の経験を福祉職と接続させて書くことが通過のカギです。
| 前職の経験 | 福祉職への接続方法 |
|---|---|
| 接客・販売 | 「高齢のお客様対応が多く、ゆっくり丁寧に話すことを習慣化していた」 |
| 飲食・調理 | 「食事提供・アレルギー管理の経験があり、利用者の食事介助にすぐ活かせる」 |
| 介護家族経験 | 「父の在宅介護を3年間担当。入浴・排泄介助を経験し、福祉の仕事を志した」 |
| 事務・管理 | 「書類管理・データ入力が得意。介護記録やヒヤリハット報告書の正確な作成に活かせる」 |
自己PR欄では「介護職員初任者研修を取得予定(○月受験)」のように、資格取得への具体的な行動を示すと採用担当者への印象が変わります。「熱意があるだけ」から「行動している人」として評価されます。
未経験者の自己PR例文
前職の小売業では、高齢のお客様対応を多く担当し、視覚・聴覚が弱い方への伝え方を日々工夫してきました。母の介護経験をきっかけに福祉の仕事を志し、現在は介護職員初任者研修の受講を予定しています(○○年○月修了見込み)。利用者の方の日常を支えることに誠実に向き合い、施設に貢献できる職員として成長したいと考えています。
介護職として履歴書の職業欄をどう書くかは、介護職の履歴書「職業欄」の書き方も確認してください。

まとめ
- 職務経歴書は「職務要約・職務経歴・保有資格・活かせるスキル・自己PR」の5項目で構成する
- 採用担当者は施設の種類・定員数・具体的な業務内容・夜勤経験などを重点的に確認する
- 施設タイプ(特養・デイ・訪問・グループホームなど)によって強調すべき経験が異なる
- 無資格・未経験の場合は前職の経験を福祉職と接続させ、資格取得の行動を具体的に示す
- 「介護全般」「熱意だけ」の書き方では採用担当者は判断できず、他の応募者との差もつかない
職務経歴書の書き方は、一度身につければ応募先が変わっても使い回せます。上記のテンプレートに沿って各項目を埋め、施設タイプに合わせた調整を加える流れで進めると、書類選考の通過率が上がります。
福祉の職務経歴書に関するよくある質問
- 職務経歴書と履歴書の違いは何ですか?
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履歴書は学歴・職歴・資格などの基本情報を決められた様式で記載する書類です。職務経歴書は、それぞれの職場でどんな業務を担当し、どんなスキルを身につけたかを自由形式で詳しく書く書類です。採用担当者はまず履歴書で基本情報を確認し、職務経歴書で「実際に何ができるか」を判断します。
- 職務経歴書は手書きでもよいですか?
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パソコンでの作成を推奨します。職務経歴書は自由形式のため、書き直しや修正が発生しやすい書類です。パソコンであれば応募先ごとに内容を調整しやすく、読みやすいレイアウトに整えることも簡単です。施設側が手書きを明示している場合を除き、パソコン作成で提出してください。
- 職務経歴書は何枚が適切ですか?
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A4用紙1〜2枚が目安です。経験が少ない方は1枚、複数施設での経験がある方は2枚でまとめます。3枚以上になると採用担当者が読みにくく、重要な情報が埋もれてしまいます。枚数よりも内容の具体性を優先し、簡潔にまとめることを意識してください。
- 短期間で退職した職歴は書くべきですか?
-
原則として書くべきです。短期離職を隠して採用が決まっても、入社後に発覚すると信頼関係に影響します。「施設の閉鎖」「家族の介護」など事情がある場合は、職務経歴書または面接で簡潔に理由を説明することで、採用担当者の印象は大きく変わります。


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